eMAXIS Slim米国株式S&P500の基準価額、今確認すべき理由
「eMAXIS Slim米国株式S&P500の基準価額が気になる…」そう感じている投資家は少なくありません。つみたてNISAやiDeCoで積立投資を続ける中、基準価額が日々変動する様子を見ると、「このまま積立を継続して良いのだろうか?」と不安になることもあるでしょう。
基準価額は投資信託の1万口あたりの価格を示す指標で、運用実績を測る重要なバロメーターです。しかし、短期的な上下動に一喜一憂するのではなく、長期的な視点で推移を確認することが大切です。
この記事では、eMAXIS Slim米国株式S&P500の基準価額の推移、S&P500指数との連動性、投資判断のポイントを解説します。
この記事のポイント:
- 基準価額は三菱UFJアセットマネジメント公式や証券会社で毎営業日確認可能
- S&P500指数と高い連動性を維持、トラッキングエラーは極めて小さい
- 信託報酬0.09372%は業界最低水準、長期投資に有利
- 基準価額の短期的な下落は積立投資では買い増しチャンス
- 10年以上の長期運用前提なら、短期変動に過度な心配は不要
1. eMAXIS Slim米国株式S&P500とは
(1) ファンドの基本情報
eMAXIS Slim米国株式S&P500は、三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックスファンドです。米国の主要500社で構成される「S&P500指数」に連動する運用を目指しています。
- ベンチマーク: S&P500指数(配当込み、円換算)
- 信託報酬: 年率0.09372%(税込)
- 設定日: 2018年7月3日
- 純資産総額: 数兆円規模(国内最大級)
つみたてNISA対象商品であり、SBI証券や楽天証券などの主要ネット証券で購入できます。
(2) eMAXIS Slimシリーズの特徴
eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準の運用コスト」を目指すファンドシリーズです。他社が信託報酬を引き下げた場合、eMAXIS Slimも追随する方針を掲げており、長期投資家にとって心強い存在と言われています。
2. 基準価額の推移を確認する
(1) 基準価額の確認方法
基準価額は以下の方法で確認できます:
- 三菱UFJアセットマネジメント公式サイト: ファンド詳細ページで毎営業日更新
- 証券会社サイト(SBI証券、楽天証券等): 保有銘柄一覧や検索機能から確認
- Yahoo!ファイナンス、Morningstar Japan: 外部の金融情報サイト
基準価額は前日の米国市場終値を反映して算出されるため、米国市場の営業日翌日に更新されます。
(2) 過去1年・3年・5年の推移
基準価額は設定来で右肩上がりの傾向を示してきました(2025年10月時点)。ただし、以下のような局面では一時的に下落しています:
- 2020年3月(コロナショック): 基準価額が約30%下落
- 2022年(米国利上げ・インフレ懸念): 約20%下落
- 2024年8月(日銀利上げ・円高): 一時的に調整
しかし、長期的にはS&P500指数の成長とともに基準価額も回復・上昇してきました。
(3) 最新の基準価額
基準価額は日々変動するため、最新の数値は公式サイトで確認してください。執筆時点(2025年10月)では、設定来の累積リターンはプラス圏内で推移していると言われています。
※最新の基準価額は三菱UFJアセットマネジメント公式サイト(https://emaxis.jp/fund/253425.html)でご確認ください。
3. S&P500指数との連動性
(1) ベンチマークとの比較
eMAXIS Slim米国株式S&P500は、S&P500指数(配当込み、円換算ベース)をベンチマークとしています。運用会社の月次レポートによると、指数との連動性は極めて高く、ベンチマーク対比で±0.1%程度の範囲内で推移しています。
これは、ファンドが指数を忠実に再現する「パッシブ運用」を実践している証拠です。
(2) トラッキングエラーの水準
トラッキングエラー(指数からのズレ)は年率0.1%未満と、業界でもトップクラスの低水準です。これは以下の理由によります:
- 低い信託報酬: コストが小さいほど指数との乖離が減る
- 効率的な運用体制: 大手運用会社のノウハウ
- 純資産総額の大きさ: スケールメリットで売買コストを抑制
4. 信託報酬とコストの分析
(1) 信託報酬の水準(年率0.09372%)
eMAXIS Slim米国株式S&P500の信託報酬は年率0.09372%(税込)です。これは100万円を1年間運用した場合、約937円のコストがかかる計算です。
同じS&P500連動型の米国ETF「VOO(Vanguard S&P 500 ETF)」の経費率は約0.03%ですが、日本の投資信託は為替手数料・売買手数料が不要、自動積立が可能といった利便性があります。
(2) 業界最低水準の意義
長期投資では、わずかな信託報酬の差が最終リターンに大きく影響します。例えば、20年間で100万円が2倍になる場合:
- 信託報酬0.09%: 最終資産約199万円
- 信託報酬0.5%: 最終資産約190万円
差額は約9万円にもなります。eMAXIS Slimの低コスト戦略は、長期投資家にとって有利と言えるでしょう。
5. 長期投資の判断ポイント
(1) 短期的な値動きに一喜一憂しない
基準価額は為替変動や米国株式市場の影響を受けて日々変動します。短期的な下落に不安を感じるかもしれませんが、10年以上の長期運用を前提とするなら、一時的な変動は気にしすぎる必要はありません。
過去のデータを見ると、S&P500指数は15年以上の運用期間ではプラスリターンになる確率が高いと言われています。
(2) 積立投資の継続
基準価額が下落している局面では、同じ金額でより多くの口数を購入できます(ドルコスト平均法)。つまり、下落時は「安く買える」チャンスとも捉えられます。
毎月一定額を積み立てる投資法は、基準価額の変動リスクを分散し、長期的に平均購入単価を下げる効果があります。
(3) 基準価額下落時の対応
基準価額が下落した場合の対応例:
- 積立継続: 長期投資前提なら継続が基本
- 投資目標の見直し: ご自身のリスク許容度を再確認
- 情報収集: 米国経済・企業業績の動向をチェック
ただし、投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。
6. まとめ:基準価額から見る投資継続の判断
eMAXIS Slim米国株式S&P500の基準価額は、三菱UFJアセットマネジメント公式サイトや証券会社で毎営業日確認できます。S&P500指数との連動性は高く、信託報酬も業界最低水準です。
次のアクション:
- 三菱UFJアセットマネジメント公式サイトで最新の基準価額・運用レポートを確認
- 証券会社でつみたてNISA口座を開設し、自動積立設定
- 基準価額の短期変動に惑わされず、長期投資を継続
基準価額の推移を定期的にチェックしながら、ご自身の投資目標に合わせた運用を続けることが大切です。
