eMAXIS Slim S&P500の利回り実績を知りたい方へ
「つみたてNISAでeMAXIS Slim米国株式S&P500を積立しているけれど、実際の利回りはどのくらい?」「長期保有したら、どのくらい増えるの?」と疑問に感じていませんか。
eMAXIS Slim米国株式S&P500は、低コストでS&P500指数に投資できる人気ファンドですが、利回りの見方や長期投資のシミュレーションを知ることで、より安心して保有できます。
この記事では、eMAXIS Slim米国株式S&P500の利回り実績、長期投資シミュレーション、リスク要因について詳しく解説します。
この記事のポイント:
- eMAXIS Slimは分配金を出さず再投資するため、トータルリターンで評価する
- 過去の年率リターンは公式レポートで確認できる(S&P500指数自体は長期で年率約10%の実績)
- 信託報酬0.09372%と業界最低水準で、長期投資に有利
- 為替リスクと市場下落リスクがあり、過去実績は将来を保証しない
- 長期積立で複利効果が期待できる
1. eMAXIS Slim米国株式S&P500とは
(1) ファンドの基本情報
eMAXIS Slim米国株式S&P500は、三菱UFJアセットマネジメントが運用する投資信託で、米国の代表的な株価指数「S&P500」に連動することを目指しています。
S&P500は、米国の主要500社で構成される株価指数で、アップル、マイクロソフト、アマゾンなどの大型株が含まれています。S&P500指数の公式情報は、S&P Dow Jones Indicesの公式サイト(https://www.spglobal.com/spdji/en/indices/equity/sp-500/)で確認できます。
eMAXIS Slimシリーズの最大の特徴は、信託報酬が業界最低水準(年率0.09372%程度)である点です。これは、ファンドの運用・管理にかかる年間コストで、長期投資では低コストほど有利になります。
(2) 分配金なし・再投資型の特徴
eMAXIS Slim米国株式S&P500は、分配金を出さずに再投資する方針を採用しています。
これは、配当金や売買益をファンド内で自動的に再投資することで、複利効果を最大化する戦略です。投資家は分配金を受け取ることはできませんが、その分、運用益がファンド内で再投資され、長期的には基準価額の上昇として反映されます。
そのため、eMAXIS Slimの利回りは「分配金利回り」ではなく、トータルリターン(価格変動+再投資分を含めた総合的な投資成果)で評価する必要があります。
2. 利回りの計算方法とトータルリターンの理解
(1) トータルリターンとは
トータルリターンは、投資信託の総合的な投資成果を示す指標で、以下の要素が含まれます:
- 基準価額の変動(値上がり益・値下がり損)
- 分配金の再投資による増加分(eMAXIS Slimの場合、自動的にファンド内で再投資)
例えば、基準価額が10,000円から11,000円に上昇した場合、トータルリターンは+10%となります。
(2) 分配金利回りとの違い
「利回り」という言葉は、一般的に「分配金利回り」(年間分配金÷基準価額)を指すことがありますが、eMAXIS Slimは分配金を出さないため、この意味での利回りはゼロです。
しかし、これは不利なわけではありません。分配金を出すファンドは、その都度税金がかかるため、再投資の効率が下がります。一方、eMAXIS Slimのように分配金を出さずに再投資するファンドは、税金の繰延効果により、複利運用が効率的に行われます。
(3) 信託報酬の影響
信託報酬は、ファンドの運用にかかる年間コストで、基準価額から自動的に差し引かれます。
eMAXIS Slim米国株式S&P500の信託報酬は年率0.09372%程度と業界最低水準です。例えば、100万円を投資した場合、年間の信託報酬は約937円です。
長期投資では、0.1%の差でも累積的に大きな影響があります。例えば、年率10%のリターンを20年間得た場合、信託報酬が0.1%と0.5%では、最終的な資産に数十万円の差が出ることがあります。
3. 過去の運用実績(年率リターン)
(1) 過去1年・3年・5年の年率リターン
eMAXIS Slim米国株式S&P500の過去の運用実績は、三菱UFJアセットマネジメントの公式サイト(https://emaxis.jp/fund/253425.html)や月次レポート(https://www.am.mufg.jp/fund/detail/253425.html)で確認できます。
過去の年率リターンは市場環境により変動しますが、S&P500指数自体は、長期で見ると年率約10%の実績があると言われています(配当再投資を含む)。ただし、これは過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
(2) S&P500指数との比較
eMAXIS Slimは、S&P500指数に連動することを目指すインデックスファンドです。そのため、ファンドのリターンは、S&P500指数のリターンとほぼ同じになるはずです。
ただし、信託報酬やファンド運用上のコストがかかるため、実際にはベンチマーク(S&P500指数)を若干下回ることが一般的です。
(3) トラッキングエラーの影響
トラッキングエラーとは、ファンドのリターンとベンチマーク指数のリターンの乖離のことです。
eMAXIS Slimは、トラッキングエラーが非常に小さいファンドとして知られています。月次レポートでは、ベンチマークとの乖離率が公表されており、一般的に年率0.1%以下の誤差に収まっています。
4. 長期投資シミュレーション
(1) 元本100万円を10年積立した場合
長期積立投資のシミュレーション例を見てみましょう。
前提条件:
- 毎月1万円を積立(年間12万円)
- 年率リターン7%(保守的な想定)
- 10年間継続
この場合、10年後の評価額は約175万円(元本120万円+運用益55万円)となります。
※実際のリターンは市場環境により変動します。この数値はあくまでシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではありません。
(2) 20年積立した場合のシミュレーション
同様の条件で20年間積立した場合、20年後の評価額は約525万円(元本240万円+運用益285万円)となります。
長期になるほど、複利効果が大きくなり、運用益の割合が増えていくことがわかります。
(3) 複利効果の重要性
複利効果とは、運用益がさらに運用されることで、雪だるま式に資産が増えていく仕組みです。
eMAXIS Slimのように分配金を出さずに再投資するファンドは、この複利効果を最大化できます。分配金を受け取ると、その都度税金がかかり、再投資の効率が下がるため、長期投資では再投資型のほうが有利になることが多いです。
5. リスク要因と注意点
(1) 為替リスク
eMAXIS Slim米国株式S&P500は、米国株に投資するため、為替変動の影響を受けます。
例えば、S&P500指数が10%上昇しても、円高が進んで為替が10%円高になれば、円ベースのリターンはゼロになります。逆に、円安が進めば、為替差益が加わり、円ベースのリターンはさらに高くなります。
為替リスクを完全に避けることはできませんが、長期投資では為替の変動が平準化される傾向があります。
(2) 市場下落時のドローダウン
投資信託は元本保証ではなく、市場が下落すれば評価損が発生します。
例えば、2020年のコロナショック時には、S&P500指数は一時的に約30%下落しました。eMAXIS Slimも同様に下落し、一時的に大きな評価損が発生しました。
ただし、その後市場は回復し、長期的には上昇しています。短期的な下落に動揺せず、長期投資を継続することが重要です。
(3) 過去実績は将来を保証しない
過去の年率リターンが10%だったとしても、将来も同じリターンが得られるとは限りません。
投資信託は、市場環境や経済状況により大きく変動します。過去の実績はあくまで参考情報として捉え、長期的な視点で投資を続けることが大切です。
6. まとめ:利回りを理解した長期投資
eMAXIS Slim米国株式S&P500は、低コストでS&P500指数に投資できる優れたファンドです。
利回りの理解ポイント:
- 分配金は出ないが、再投資により複利効果が期待できる
- 過去の年率リターンは公式レポートで確認できる
- 信託報酬0.09372%と業界最低水準で、長期投資に有利
- 為替リスクと市場下落リスクがあり、過去実績は将来を保証しない
次のアクション:
- 三菱UFJアセットマネジメントの公式サイトで最新の運用実績を確認する
- NISA口座での非課税投資を検討する
- 長期積立を継続し、複利効果を最大化する
投資判断は自己責任で行い、リスクを理解した上で、長期的な資産形成を目指しましょう。
