外国株の積み立て投資、どこから始めればいい?
米国株をはじめとした外国株への投資に興味があるけれど、「いきなり大金を投じるのは怖い」「タイミングを見極められる自信がない」と感じている方は少なくありません。そんな方におすすめなのが、外国株の積み立て投資です。月々数千円から始められ、時間を味方につけてリスクを分散できるこの手法は、初心者から経験者まで幅広く活用されています。
この記事では、外国株の積み立て投資の仕組みから、証券会社の比較、具体的な始め方まで、2025年最新の情報をもとに詳しく解説します。
この記事のポイント:
- 外国株の積み立て投資はドルコスト平均法でリスクを分散できる
- SBI証券・楽天証券・マネックス証券の3社が主要選択肢
- つみたてNISAと成長投資枠の両方で外国株に投資可能
- 為替リスクや手数料を理解した上で長期投資が基本
1. 外国株の積み立て投資とは
外国株の積み立て投資とは、毎月決まった日に一定額を自動的に投資する手法です。個別株、ETF、投資信託のいずれにも適用でき、長期的な資産形成を目指す投資家に支持されています。
(1) ドルコスト平均法の仕組み
ドルコスト平均法とは、価格が高いときには少なく、安いときには多く買うことで、購入単価を平準化する投資手法です。例えば、毎月1万円ずつ投資する場合、株価が高い月は少ない株数しか買えませんが、株価が安い月には多くの株数を買えます。これにより、一括投資に比べて価格変動リスクを抑えられるとされています。
ただし、ドルコスト平均法は万能ではありません。長期的に右肩上がりの市場では一括投資の方が有利になる場合もあります。それでも、「いつ買うべきか」というタイミングのストレスから解放され、機械的に投資を続けられる点は大きなメリットです。
(2) 外国株積み立ての対象(個別株・ETF・投資信託)
外国株の積み立て投資では、以下の3つが主な対象となります。
- 個別株: Apple、Microsoft、Teslaなど特定の企業株。1株から購入可能(証券会社による)
- ETF: S&P500連動型ETF(VOO、IVV)など、複数銘柄に分散投資できる上場投資信託
- 投資信託: eMAXIS Slim米国株式(S&P500)など、プロが運用する投資信託。月100円から積立可能
初心者には、分散効果が高く少額から始められる投資信託やETFが推奨されます。
2. 積み立て投資のメリットとデメリット
外国株の積み立て投資には、メリットとデメリットの両面があります。
(1) メリット:時間分散と複利効果
最大のメリットは、投資タイミングを分散することで市場の短期的な変動リスクを軽減できる点です。また、配当金や売却益を再投資することで複利効果が働き、長期的には雪だるま式に資産が増える可能性があります。
例えば、月3万円を年利5%で20年間積み立てた場合、元本720万円に対して最終的な資産は約1,230万円になる計算です(複利効果を含む)。
(2) デメリット:為替リスクと手数料負担
外国株投資には為替リスクがつきものです。円高が進むと、ドル建ての資産価値が目減りする可能性があります。例えば、1ドル=150円で購入した株が、1ドル=130円になると、株価が変わらなくても円換算で約13%の損失となります。
また、為替手数料や取引手数料、信託報酬(投資信託の場合)が長期リターンに影響を与えるため、証券会社選びは重要です。
(3) 長期投資のパフォーマンス
MSCI KOKUSAIインデックス(日本を除く先進国株式)の過去30年間の年平均リターンは約7%とされています。短期的には変動があるものの、長期的には安定したリターンが期待できると言われています。ただし、過去の実績が将来の成果を保証するものではありません。
3. 証券会社の比較と選び方
外国株の積み立て投資を始めるには、証券会社の選択が重要です。以下、主要3社を比較します。
(1) SBI証券の積み立てサービス
- 取扱銘柄数: 米国株5,600銘柄以上、投資信託2,600本以上
- 最低積立金額: 投資信託は月100円から、個別株は1株から(数千円〜)
- 為替手数料: 1ドルあたり25銭(住信SBIネット銀行経由で4銭に軽減可能)
- ポイント: Tポイント、Pontaポイント、dポイントなど選択可能
SBI証券は取扱銘柄数が多く、幅広い選択肢が魅力です。住信SBIネット銀行を併用すれば為替手数料を大幅に削減できます。
(2) 楽天証券の積み立てサービス
- 取扱銘柄数: 米国株4,900銘柄以上、投資信託2,600本以上
- 最低積立金額: 投資信託は月100円から
- 為替手数料: 1ドルあたり25銭
- ポイント: 楽天ポイントが貯まる・使える
楽天証券は楽天経済圏との連携が強みです。楽天カードでの積立決済で最大1%のポイント還元があり、ポイント投資も可能です。
(3) マネックス証券の積み立てサービス
- 取扱銘柄数: 米国株4,900銘柄以上
- 最低積立金額: 個別株は1株から
- 為替手数料: 1ドルあたり25銭(買付時無料キャンペーンあり)
- ポイント: マネックスポイント
マネックス証券は米国株取引に強く、銘柄分析ツールが充実しています。米国株の買付時為替手数料が無料になるキャンペーンを定期的に実施しています。
(4) 手数料とポイント還元の比較
| 項目 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 |
|---|---|---|---|
| 為替手数料(買付) | 25銭(住信SBI経由4銭) | 25銭 | 25銭(キャンペーンで無料) |
| 投資信託最低金額 | 100円 | 100円 | 100円 |
| ポイント還元 | T/Ponta/dポイント | 楽天ポイント1% | マネックスポイント |
※2025年10月時点の情報です。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。
4. 外国株積み立ての具体的な始め方
外国株の積み立て投資を始める手順を解説します。
(1) 証券口座の開設手順
- 証券会社の公式サイトから口座開設を申し込む
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)をアップロード
- 審査完了後、ログインID・パスワードを受け取る
- 初回ログイン後、外国株取引口座を開設(通常即日〜数日)
(2) つみたてNISAと成長投資枠の活用
新NISA制度(2024年開始)では、つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)の両方で外国株に投資できます。
- つみたて投資枠: 金融庁指定の投資信託・ETFが対象(米国株インデックスファンドなど)
- 成長投資枠: 個別株・ETF・投資信託すべてが対象
非課税メリットを最大限活用するため、まずはNISA口座での投資を検討しましょう。ただし、米国株の配当には米国で10%の源泉徴収がかかる点は変わりません。
(3) 積立設定のステップバイステップガイド
SBI証券の場合:
- ログイン後、「外国株式」→「定期買付」を選択
- 積立したい銘柄(投資信託・ETF・個別株)を検索
- 積立金額(月額)、買付日(毎月1日、15日など)を設定
- NISA口座か特定口座かを選択
- 内容を確認して設定完了
楽天証券の場合:
- ログイン後、「投信積立」または「米国株式積立」を選択
- 銘柄を検索・選択
- 積立金額、引落方法(楽天カード、銀行口座など)を設定
- NISA口座設定の有無を確認
- 内容確認後、設定完了
設定後は自動的に買付が実行されるため、あとは放置するだけです。
5. よくある失敗例と注意点
外国株の積み立て投資でよくある失敗例と、その対策を紹介します。
(1) 為替タイミングを気にしすぎる
「円安だから今は買わない方がいい」と考えて積立を止めてしまうケースがあります。しかし、為替のタイミングを完璧に予測することは不可能です。積み立て投資の本質は、タイミングを分散することでリスクを抑えることにあります。為替レートに一喜一憂せず、淡々と積み立てを続けることが重要です。
(2) 積立を途中で中断してしまう
市場が下落すると不安になり、積立を中断してしまう人がいます。しかし、株価が下がっているときこそ、同じ金額でより多くの株数を買えるチャンスです。途中で止めると、ドルコスト平均法の効果が薄れてしまいます。長期的な視点を持ち、市場の変動に動じない姿勢が求められます。
(3) 手数料の確認不足
為替手数料や信託報酬を軽視すると、長期的に大きなコストになります。例えば、年率0.5%の信託報酬の差が、20年後には数十万円の差になることもあります。証券会社選びや銘柄選びの際は、必ず手数料を確認しましょう。
6. まとめ:外国株積み立てで資産形成を実現
外国株の積み立て投資は、時間を味方につけてリスクを分散しながら資産形成を目指せる手法です。SBI証券、楽天証券、マネックス証券の3社が主要な選択肢となりますが、手数料やポイント還元、取扱銘柄数を比較して自分に合った証券会社を選びましょう。
次のアクション:
- 証券口座を開設し、NISA口座を活用する
- 月々無理のない金額で積立設定をする
- 為替リスクを理解した上で長期投資を続ける
税金や為替の仕組みを理解し、焦らず着実に積み立てを続けることで、将来の資産形成につなげていきましょう。
