導入
外国株式(米国株・欧州株・新興国株など)に投資していると、「株価をリアルタイムで確認したいけれど、どのツールを使えばいい?」「為替レートはどう反映されるの?」といった疑問が出てきます。
日本の株式市場とは異なり、外国株式の株価確認には時差や通貨の違い、情報の遅延といった注意点があります。無料ツールと有料ツールの違いを理解し、自分の投資スタイルに合った方法を選ぶことが重要です。
この記事では、外国株式の株価確認方法について、Yahoo!ファイナンスUSやGoogle Finance、証券会社アプリ、TradingViewなどの主要ツールを比較しながら解説します。
この記事のポイント:
- 外国株価は現地通貨建て。為替レートを考慮した日本円換算が必要
- リアルタイム株価は証券会社アプリで確認可能(無料)。無料サイトは20分遅れが標準
- SBI証券・楽天証券・マネックス証券のアプリは自動で日本円換算表示
- TradingViewなどチャート分析ツールは短期売買に有用、長期投資なら不要
- 米国市場は日本時間の夜間(夏23:30-翌6:00)に開場。時差を考慮する
1. 外国株式の株価確認方法
(1) 株価確認の基本
外国株式の株価は、現地通貨建てで表示されます。例えば、米国株なら米ドル、欧州株ならユーロやポンドです。
日本人投資家が確認すべき情報は以下の3つです:
- 現地通貨建ての株価(例: 100米ドル)
- 為替レート(例: 1ドル=150円)
- 日本円換算の評価額(例: 15,000円)
証券会社のアプリでは、これらが自動計算されて表示されるため便利です。
(2) 現地通貨と日本円換算
具体例(米国株の場合):
- アップル(AAPL)の株価: 180米ドル
- 為替レート: 1米ドル=150円
- 日本円換算: 27,000円
為替レートは常に変動するため、株価が上がっても円高になれば日本円換算では損失が出ることがあります(為替リスク)。
2. リアルタイム株価の見方
(1) リアルタイムと20分遅れの違い
リアルタイム株価とは、取引所で成立した最新の株価を遅延なく表示すること。20分遅れとは、無料サービスで一般的な遅延時間です。
情報源 | 遅延時間 | 料金 |
---|---|---|
証券会社アプリ(ログイン後) | リアルタイム | 無料 |
Yahoo!ファイナンスUS | 20分遅れ | 無料 |
Google Finance | 20分遅れ | 無料 |
Bloomberg Terminal | リアルタイム | 有料(年間数百万円) |
長期投資なら20分遅れでも問題ありませんが、デイトレードや短期売買にはリアルタイム情報が必要です。
(2) Yahoo!ファイナンスUS
Yahoo!ファイナンスUS(https://finance.yahoo.com/)は、無料で米国株の株価を確認できるサイトです。
メリット:
- 米国株のほぼ全銘柄をカバー
- チャート・財務データ・ニュースが充実
- 日本語版もあるが、英語版の方が情報が豊富
デメリット:
- 20分遅れ(リアルタイムは有料)
- 日本円換算は手動計算が必要
(3) Google Finance
Google Finance(https://www.google.com/finance)は、Googleが提供する株価情報サービスです。
メリット:
- シンプルで見やすいUI
- 米国株・欧州株・アジア株など幅広くカバー
- Googleアカウントでポートフォリオ管理が可能
デメリット:
- 20分遅れ
- チャート機能が簡易的
(4) Bloomberg
Bloombergは、プロの投資家向けに有料で提供される最高級の情報ツールです。
Bloomberg Terminal(有料):
- リアルタイム株価・ニュース・財務分析・企業情報
- 年間契約料: 数百万円
Bloomberg.com(無料):
- 15-20分遅れの株価
- ニュース・市場分析記事は無料
3. チャート分析ツールの比較
(1) TradingView
TradingView(https://www.tradingview.com/)は、世界中のトレーダーに人気のチャート分析ツールです。
無料版:
- 基本的なチャート表示(20分遅れ)
- 移動平均線・RSI・MACD等のテクニカル指標
Pro版(有料):
- リアルタイムデータ
- 複数チャート同時表示
- アラート機能
短期売買をする方には有用ですが、長期投資なら無料版で十分です。
(2) 証券会社のチャートツール
日本の証券会社は、外国株取引口座を持つユーザー向けに無料でチャートツールを提供しています。
SBI証券「HYPER SBI」:
- 米国株のリアルタイムチャート
- テクニカル指標多数
楽天証券「iSPEED」:
- 米国株・中国株対応
- スマホアプリで手軽に確認
マネックス証券「銘柄スカウター米国株」:
- 財務分析機能が充実
- 10年分の業績推移が一目でわかる
(3) テクニカル分析機能の違い
ツール | テクニカル指標 | 描画ツール | リアルタイム |
---|---|---|---|
TradingView無料 | 豊富 | あり | 20分遅れ |
TradingView Pro | 豊富 | あり | リアルタイム |
SBI証券HYPER SBI | 標準 | 限定的 | リアルタイム |
楽天証券iSPEED | 標準 | 限定的 | リアルタイム |
4. 証券会社アプリの活用
(1) SBI証券アプリ
SBI証券の「株アプリ」は、米国株・中国株・ASEAN株などの外国株に対応しています。
主な機能:
- リアルタイム株価(ログイン後)
- 日本円換算表示(自動)
- ニュース・決算情報
- 注文・売買機能
為替レート:
- SBI証券の為替レート(1米ドル=150.25円など)で自動計算
- 実際の売買時には別途為替手数料がかかる点に注意
(2) 楽天証券iSPEED
楽天証券の「iSPEED」は、スマホアプリとして使いやすさで定評があります。
主な機能:
- 米国株・中国株のリアルタイム株価
- 日本円換算表示
- ランキング機能(上昇率・出来高)
- 楽天ポイントで米国株が買える
(3) マネックス証券アプリ
マネックス証券の「トレードステーション」は、米国株に特化したアプリです。
主な機能:
- リアルタイム株価・チャート
- 銘柄スカウター米国株(財務分析)
- 米国企業のIR情報(英語)
- ニュース・アナリストレポート
(4) 機能比較
証券会社 | リアルタイム | 日本円換算 | チャート | 財務分析 |
---|---|---|---|---|
SBI証券 | ○ | ○ | ○ | △ |
楽天証券 | ○ | ○ | ○ | △ |
マネックス証券 | ○ | ○ | ○ | ◎ |
※2025年10月時点の情報です。
5. 無料ツールと有料ツールの違い
(1) 無料ツールの機能
代表例:
- Yahoo!ファイナンスUS
- Google Finance
- 証券会社アプリ(口座保有者のみ)
できること:
- 株価確認(20分遅れ、または証券会社ならリアルタイム)
- 基本的なチャート表示
- ニュース・決算情報
できないこと:
- 高度なテクニカル分析
- カスタム指標の作成
- 複数画面同時表示
(2) 有料ツールのメリット
代表例:
- Bloomberg Terminal(年間数百万円)
- TradingView Pro(月額数千円)
- FactSet(機関投資家向け)
メリット:
- リアルタイムデータ
- 高度な分析機能
- 過去データの一括ダウンロード
- アラート機能
向いている人:
- デイトレーダー
- 機関投資家
- 頻繁に売買する短期投資家
(3) 使い分けのポイント
投資スタイル | おすすめツール |
---|---|
長期投資(年1-2回売買) | 証券会社アプリ(無料) |
中期投資(月1回程度売買) | Yahoo!ファイナンスUS + 証券会社アプリ |
短期売買(週1回以上) | TradingView Pro |
デイトレード | Bloomberg Terminal / TradingView Pro |
6. まとめ:株価確認ツールの使い分け
外国株式の株価確認は、無料ツールだけでも十分に可能です。特に証券会社のアプリは、リアルタイム株価・日本円換算・ニュースなど必要な情報が一通り揃っています。
次のアクション:
- まずは自分が口座を持つ証券会社のアプリをダウンロードする
- 長期投資なら無料ツールで十分(20分遅れでも問題なし)
- 短期売買をするならTradingView Pro等の有料ツールを検討
- 為替レートの変動も併せてチェックする習慣をつける
株価だけでなく、企業の財務状況やニュースも定期的に確認し、長期的な資産形成を目指しましょう。