インデックスコレクション外国株式とは
外国株式に分散投資したいと考える日本人投資家にとって、インデックスファンドは手軽で低コストな選択肢です。その中でも「インデックスコレクション外国株式」は、野村アセットマネジメントが運用する代表的な外国株式インデックスファンドです。
この記事では、インデックスコレクション外国株式の特徴、コスト、購入方法、他のインデックスファンドとの比較まで、投資判断に必要な情報を詳しく解説します。
この記事のポイント:
- インデックスコレクション外国株式はMSCIワールド・インデックスに連動するファンド
- 信託報酬は年率0.15%前後の低コスト(商品により異なる)
- つみたてNISA対象商品もあり、長期投資に適している
- eMAXIS Slimシリーズと比較すると信託報酬がやや高い場合がある
- 為替リスクがあり、円高時は基準価額が下落する可能性がある
(1) ファンドの概要と運用会社
インデックスコレクション外国株式は、野村アセットマネジメントが運用する投資信託です。野村アセットマネジメントは日本有数の運用会社で、長い運用実績と豊富なノウハウを持っています。
このファンドは、外国株式市場全体に分散投資することで、個別銘柄のリスクを抑えながら市場全体の成長を享受できる仕組みになっています。
(2) ベンチマークと投資対象
インデックスコレクション外国株式は、MSCIワールド・インデックスをベンチマークとしています。
MSCIワールド・インデックスとは:
- 先進国23カ国の株式市場を対象とする指数
- 約1,500銘柄で構成
- 米国株が約60-70%、欧州・アジア太平洋地域が残り
このインデックスに連動することで、先進国の株式市場全体に分散投資できます。
(3) パッシブ運用の仕組み
インデックスファンドは、ベンチマーク指数に連動するようにパッシブ運用されます。
パッシブ運用の特徴:
- 指数と同じ銘柄を同じ比率で保有
- ファンドマネージャーの裁量が少ない
- アクティブ運用より信託報酬が低い
- 市場平均を目指す運用スタイル
ファンドの特徴と運用方針
インデックスコレクション外国株式の具体的な運用方針について見ていきましょう。
(1) MSCIワールド・インデックスへの連動
ファンドはMSCIワールド・インデックスに連動するよう運用されます。
インデックスの構成比率に合わせて銘柄を保有し、指数との乖離(トラッキングエラー)を最小化する運用が行われます。
(2) 国別・セクター別の構成比率
MSCIワールド・インデックスの国別構成比率(概算)は以下の通りです。
国・地域 | 構成比率 |
---|---|
米国 | 約60-70% |
日本 | 約5-8% |
イギリス | 約3-5% |
カナダ | 約3-5% |
その他先進国 | 残り |
※比率は市場動向により変動します。
セクター別では、テクノロジー、金融、ヘルスケア、消費財などが主要セクターとなります。
(3) リバランスの頻度
インデックスファンドは、ベンチマーク指数の構成変更に合わせて定期的にリバランスを行います。
MSCIワールド・インデックスは年4回(四半期ごと)にリバランスされるため、ファンドもそれに合わせて銘柄の入れ替えや比率調整を行います。
コスト(信託報酬・手数料)と運用実績
インデックスファンド選びで最も重要なのがコストです。
(1) 信託報酬の水準
インデックスコレクション外国株式の信託報酬は、商品により異なりますが、年率0.15%前後の水準です。
信託報酬の比較:
ファンド名 | 信託報酬 |
---|---|
インデックスコレクション外国株式 | 約0.15% |
eMAXIS Slim 全世界株式 | 0.05775% |
楽天・全世界株式インデックス | 約0.19% |
※2025年10月時点。最新情報は各運用会社の目論見書をご確認ください。
eMAXIS Slimシリーズと比較すると、やや高めの水準です。
(2) トラッキングエラー(乖離度)
トラッキングエラーとは、ファンドの実際のパフォーマンスとベンチマーク指数のパフォーマンスの乖離を指します。
インデックスファンドでは、トラッキングエラーが小さいほど優秀な運用とされます。
インデックスコレクション外国株式のトラッキングエラーは、年率0.1-0.3%程度と低水準を維持しています(運用レポートより)。
(3) 過去のパフォーマンス
過去のパフォーマンスは将来を保証するものではありませんが、参考情報として確認しましょう。
インデックスファンドは指数に連動するため、基本的にはMSCIワールド・インデックスのパフォーマンスとほぼ同じになります。
※最新の運用実績は野村アセットマネジメントの公式サイトで確認してください。
購入方法とNISA対応状況
インデックスコレクション外国株式は、証券会社を通じて購入できます。
(1) 取扱証券会社
主要ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)で取り扱いがあります。
購入時の手数料は無料(ノーロード)の証券会社が多いです。
(2) つみたてNISA対象可否
インデックスコレクション外国株式の一部商品は、つみたてNISA対象商品に指定されています。
つみたてNISA対象かどうかは、金融庁の「つみたてNISA対象商品届出一覧」または証券会社のウェブサイトで確認できます。
(3) 積立設定の方法
SBI証券や楽天証券では、月々100円から積立設定が可能です。
積立設定の手順:
- 証券口座にログイン
- 投資信託の積立設定ページを開く
- 「インデックスコレクション外国株式」を検索
- 積立金額・頻度を設定
- NISA口座か特定口座かを選択
- 確定
積立日は毎月1回または毎日など、柔軟に設定できます。
他の外国株式インデックスファンドとの比較
インデックスコレクション外国株式と他のファンドを比較してみましょう。
(1) eMAXIS Slim 全世界株式との比較
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、業界最低水準の信託報酬で人気のファンドです。
比較表:
項目 | インデックスコレクション | eMAXIS Slim |
---|---|---|
信託報酬 | 約0.15% | 0.05775% |
ベンチマーク | MSCIワールド | MSCIオール・カントリー |
純資産総額 | 数百億円 | 数兆円 |
投資対象 | 先進国のみ | 先進国+新興国 |
eMAXIS Slimは信託報酬が低く、新興国も含まれる点で優位性があります。
(2) 楽天・全世界株式インデックスファンドとの比較
楽天・全世界株式インデックスファンドも人気の高いファンドです。
比較表:
項目 | インデックスコレクション | 楽天・全世界株式 |
---|---|---|
信託報酬 | 約0.15% | 約0.19% |
ベンチマーク | MSCIワールド | FTSEグローバル・オールキャップ |
純資産総額 | 数百億円 | 数千億円 |
楽天・全世界株式は小型株も含む点が特徴です。
(3) コストと純資産総額の違い
インデックスファンド選びでは、信託報酬と純資産総額が重要です。
- 信託報酬: 長期投資では年0.1%の差でも大きな影響
- 純資産総額: 大きいほど安定運用が期待できる
インデックスコレクション外国株式は、eMAXIS Slimと比べると信託報酬がやや高く、純資産総額も小さい傾向にあります。
まとめ:インデックスコレクション外国株式が向いている人
インデックスコレクション外国株式は、MSCIワールド・インデックスに連動する低コストのインデックスファンドです。野村アセットマネジメントという大手運用会社の安心感があります。
ただし、eMAXIS Slimシリーズと比較すると信託報酬がやや高いため、コスト重視の投資家にはeMAXIS Slimの方が向いているかもしれません。
インデックスコレクション外国株式が向いている人:
- 野村アセットマネジメントの運用実績を評価する人
- 先進国のみに投資したい人(新興国は不要)
- つみたてNISA対象商品で外国株式に投資したい人
次のアクション:
- 野村アセットマネジメントの目論見書を確認する
- 証券会社で取扱状況とつみたてNISA対象可否を確認する
- eMAXIS Slimなど他のファンドとコストを比較する
長期的な資産形成には、低コストで分散の効いたインデックスファンドが適しています。自分の投資方針に合ったファンドを選びましょう。
※2025年10月時点の情報です。最新情報は各運用会社の公式サイトをご確認ください。 (出典: 野村アセットマネジメント公式サイト、金融庁「NISA制度」)