インデックスファンド米国株チャート|見方と選び方完全ガイド

公開日: 2025/10/20

米国株インデックスファンドのチャート、どう見ればいい?

米国株インデックスファンドへの投資を検討している方の中には、「S&P500とNASDAQのチャートはどう違う?」「過去のチャートを見ても、将来の参考になるの?」といった疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

この記事では、米国株インデックスファンドのチャートの見方と、ファンド選びのポイントを初心者にもわかりやすく解説します。

この記事のポイント:

  • チャートは過去のパフォーマンスを知り、投資判断の参考にするツール(将来を保証するものではない)
  • S&P500は分散型で安定、NASDAQ100はハイテク集中でボラティリティ高め
  • 移動平均線・サポートライン・レジスタンスラインがチャート分析の基本
  • 日本のファンドは証券会社サイトや運用会社の公式ページでチャート確認可能
  • ファンド選びは信託報酬・連動精度(トラッキングエラー)・新NISA対応を重視

1. 米国株インデックスファンドのチャートを見る意義

(1) 過去のパフォーマンスを知る

チャートを見ることで、過去の株価推移や暴落からの回復期間を把握できます。たとえば、S&P500は2008年のリーマンショック後、約5年で暴落前の水準に回復しました。こうした歴史的データは、長期投資の際のリスク許容度を考える材料になります。

ただし、過去のパフォーマンスは将来のリターンを保証するものではありません。チャートはあくまで参考情報として活用してください。

(2) 積立投資のタイミングを考える

積立投資(ドルコスト平均法)では、毎月一定額を投資することで価格変動リスクを平準化できます。チャートで過去の高値・安値を確認すると、「暴落時も積立を続けることで平均取得単価が下がる」という仕組みを実感しやすくなります。

一方、長期積立投資では短期的なチャート変動に一喜一憂せず、淡々と続けることが重要です。

2. 主要な米国株インデックスの比較(S&P500・NASDAQ100・全米株式)

(1) S&P500の特徴とチャート傾向

S&P500は、米国の主要500社に分散投資する代表的な指数です。情報技術・ヘルスケア・金融など11セクターに幅広く投資するため、チャートは比較的安定した上昇トレンドを描きます。

2020年のコロナショック時には一時的に急落しましたが、その後の回復も早く、2021年には過去最高値を更新しました。長期的には年率8〜10%のリターンが期待されると言われています(過去のデータに基づく)。

(2) NASDAQ100のハイテク集中型チャート

NASDAQ100は、アップル・マイクロソフト・アマゾン・アルファベット(Google)など、ハイテク大手企業に集中投資する指数です。チャートはS&P500より上昇幅が大きい一方、下落局面でも変動が激しい傾向があります。

2022年の金利上昇局面では、ハイテク株が大きく下落し、NASDAQ100はS&P500を大きく下回りました。リスク許容度が高く、ハイテクセクターに期待する投資家向けと言えます。

(3) 全米株式(VTI)の分散型チャート

全米株式インデックス(VTI等)は、米国株式市場のほぼ全銘柄(約4,000銘柄)に投資します。大型株だけでなく、中小型株も含むため、S&P500より分散性が高くなります。

チャートはS&P500とほぼ同様の動きをしますが、中小型株の影響で若干のブレが生じることがあります。「米国経済全体の成長に投資したい」という方に向いています。

3. チャートの基本的な見方と活用方法

(1) ローソク足チャートの読み方

ローソク足チャートは、一定期間(日・週・月)の始値・高値・安値・終値を視覚的に表示します。緑(または白)のローソクは価格上昇、赤(または黒)のローソクは価格下落を示します。

長期投資家は日足より、週足・月足チャートを見ることで、短期的なノイズに惑わされずトレンドを把握できます。

(2) 移動平均線とトレンドの確認

移動平均線(MA: Moving Average)は、一定期間の平均価格を線で結んだものです。代表的なのは50日移動平均線と200日移動平均線です。

  • ゴールデンクロス: 短期線(50日)が長期線(200日)を下から上抜ける→上昇トレンドの可能性
  • デッドクロス: 短期線が長期線を上から下抜ける→下落トレンドの可能性

ただし、インデックス投資では短期的なシグナルより、長期保有が基本です。

(3) サポートライン・レジスタンスラインの見方

  • サポートライン(下値支持線): 過去に何度も株価が跳ね返された下値水準。「この水準まで下がれば買われやすい」という心理的ライン
  • レジスタンスライン(上値抵抗線): 過去に何度も上値を抑えられた水準。「この水準で売られやすい」というライン

これらのラインは、短期トレードの参考にはなりますが、長期積立投資では気にしすぎない方が良いでしょう。

4. 日本のインデックスファンドのチャート確認方法

(1) SBI証券・楽天証券でのチャート表示

SBI証券や楽天証券の投資信託ページでは、各ファンドの基準価額チャートを簡単に確認できます。期間を1ヶ月・6ヶ月・1年・3年・5年などに切り替えて表示可能です。

例えば、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のページにアクセスすると、基準価額の推移がグラフで表示されます。

(2) 基準価額チャートと指数チャートの違い

  • 指数チャート(S&P500など): 米ドル建てで、取引時間中はリアルタイム更新
  • 基準価額チャート: 日本円建てで、1日1回(翌営業日)更新、信託報酬控除後の価格

基準価額チャートは、為替変動の影響を受けるため、指数チャートとは若干異なる動きをします。円高時は基準価額が下がり、円安時は上がります。

(3) 複数ファンドの比較チャート機能

SBI証券や楽天証券では、複数のファンドを同時にチャート表示して比較できます。たとえば、「eMAXIS Slim S&P500」と「SBI・V・S&P500」を並べて表示し、どちらが連動精度が高いかを視覚的に確認できます。

この機能は、ファンド選びの際に便利です。

5. ファンド選びのポイント(信託報酬・連動精度)

(1) 信託報酬の比較(eMAXIS Slimなど)

信託報酬はファンドの運用・管理にかかる年間コストです。インデックスファンドでは、信託報酬が低いほど長期的なリターンが高くなります。

主要なS&P500連動ファンドの信託報酬(2025年1月時点):

ファンド名 信託報酬(年率)
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.09372%
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 0.0938%
楽天・全米株式インデックス・ファンド 0.162%

eMAXIS SlimとSBI・Vは信託報酬が最低水準です。

(2) 指数との連動精度(トラッキングエラー)

トラッキングエラーとは、ファンドの実際のリターンと指数のリターンとの乖離のことです。信託報酬が同水準なら、トラッキングエラーが小さいファンドを選ぶべきです。

運用報告書で「ベンチマーク比」を確認し、乖離が小さいファンドを選びましょう。

(3) 新NISA対応ファンドの確認

2024年から始まった新NISAでは、つみたて投資枠(年間120万円)で投資信託を非課税で積立できます。eMAXIS SlimやSBI・Vなど、主要なインデックスファンドはほぼすべて新NISA対応です。

証券会社のサイトで「つみたて投資枠対象」のマークを確認してください。

6. まとめ:チャートを活用した長期投資戦略

米国株インデックスファンドのチャートは、過去のパフォーマンスを知り、投資判断の参考にするツールです。S&P500・NASDAQ100・全米株式の特徴を理解し、自分のリスク許容度に合った指数を選びましょう。

次のアクション:

  • SBI証券・楽天証券でチャートを確認する
  • eMAXIS SlimやSBI・Vなど低コストファンドを比較
  • 新NISAのつみたて投資枠で積立設定を始める

チャートを活用しながらも、短期的な変動に惑わされず、長期保有を前提とした投資戦略を実践しましょう。

よくある質問

Q1S&P500とNASDAQ100のチャートの違いは何ですか?

A1S&P500は米国大型株500社に分散投資し、チャートは比較的安定した上昇トレンドを描きます。NASDAQ100はアップル・マイクロソフトなどハイテク大手に集中投資するため、上昇幅が大きい一方、下落局面でも変動が激しい傾向があります。

Q2チャートで何を見ればいいですか?

A2長期トレンド(上昇傾向か横ばいか)、移動平均線(50日・200日)、過去の暴落からの回復期間を確認します。長期投資では、短期的な上下動より、数年〜数十年スパンでの成長性を重視します。

Q3積立投資にチャートは必要ですか?

A3長期積立投資(ドルコスト平均法)では、短期的なチャート変動を気にする必要はありません。毎月一定額を積み立て続けることで、価格変動リスクを平準化できます。ただし、過去のパフォーマンスを知る参考としてチャートを見ることは有益です。

Q4インデックスファンドのチャートはどこで見られますか?

A4SBI証券や楽天証券の投資信託ページ、運用会社(三菱UFJ国際投信など)の公式サイトで確認できます。基準価額チャートは1日1回更新され、日本円建てで表示されます。

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