個別株vs投資信託どっちが儲かる|初心者向け比較ガイド

公開日: 2025/10/20

個別株と投資信託の基本的な違い

「個別株と投資信託、どっちが儲かるの?」という疑問は、投資を始めたばかりの方が必ず通る道です。新NISA制度がスタートし、投資への関心が高まる中、どちらを選ぶべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、個別株と投資信託の違いを客観的に比較し、それぞれの特徴、リターン、リスク、選び方のポイントを詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • 個別株は1企業への直接投資、投資信託は複数銘柄への分散投資商品
  • 個別株は高リターンの可能性があるが、銘柄選定が難しくリスクも高い
  • 投資信託は少額から可能で手間がかからず、初心者向き
  • 過去データでは、多くのアクティブファンドが市場平均を下回る
  • 初心者は投資信託、中級者以上は個別株併用が一般的な戦略

(1) 個別株:1企業の株式を直接購入

個別株とは、特定の企業(例: Apple、Microsoft、Teslaなど)の株式を直接購入する投資方法です。米国株の場合、1株から購入でき、株価が上昇すれば利益を得られます。配当金を受け取ることもできます。

(2) 投資信託:複数銘柄に分散投資された商品

投資信託は、複数の株式や債券などに分散投資された金融商品です。たとえば、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、米国の代表的な500社に分散投資するインデックスファンドです。少額(100円から)で分散投資できるのが特徴です。

(3) 運用方法の違い(自己運用 vs プロ運用)

個別株は、投資家自身が銘柄を選び、売買タイミングを決めます。一方、投資信託は、ファンドマネージャーや運用会社が銘柄選定・運用を行い、投資家は保有するだけです。

(出典: 金融庁、SBI証券)

個別株の特徴(メリット・デメリット)

(1) メリット:高リターンの可能性、売買の自由度

個別株の最大のメリットは、銘柄選定に成功すれば市場平均を大きく上回るリターンを得られる可能性があることです。たとえば、Amazon株は過去20年で100倍以上に成長しました。また、売買タイミングを自分で決められるため、柔軟な戦略が取れます。

(2) デメリット:リスクが高い、銘柄選定が難しい

一方で、銘柄選定に失敗すると大きな損失を被るリスクがあります。個別企業の業績悪化や倒産リスクもあります。また、どの銘柄を買うべきかの判断には、財務諸表の分析や業界動向の理解が求められ、初心者には難易度が高いと言われています。

(3) 必要な資金・スキル・時間

個別株で十分な分散投資をするには、10〜20銘柄以上を保有する必要があり、ある程度まとまった資金が必要です。また、銘柄分析や情報収集に時間を割く必要があります。

投資信託の特徴(メリット・デメリット)

(1) メリット:分散投資、少額から可能、手間がかからない

投資信託の最大のメリットは、少額(100円〜)で簡単に分散投資ができることです。たとえば、S&P500連動のインデックスファンドを買えば、1商品で米国の500社に分散投資できます。また、運用はプロに任せるため、銘柄選定や売買の手間がかかりません。

(2) デメリット:信託報酬がかかる、リターンの平均化

投資信託には信託報酬(年間運用コスト)がかかります。インデックスファンドは0.1%前後と低コストですが、アクティブファンドは1〜2%かかることもあります。また、市場平均に連動する商品が多いため、個別株のような大きなリターンは期待しにくい側面があります。

(3) アクティブ運用 vs インデックス運用

投資信託には、ファンドマネージャーが銘柄選定を行う「アクティブ運用」と、市場指数(S&P500など)に連動する「インデックス運用」があります。S&P Dow Jones Indicesの調査によれば、過去15年間でアクティブファンドの約90%が市場平均を下回ったというデータがあります。

(出典: S&P Dow Jones Indices SPIVA Scorecard、Vanguard)

リターン・リスクの比較

(1) 過去リターンのデータ(S&P500 vs 個別株)

過去の実績を見ると、S&P500の年平均リターンは約10%(配当再投資込み)とされています。一方、個別株は銘柄次第で大きく異なります。成功すれば年20%以上のリターンもありますが、半分以下になるケースもあります。

Morningstarのデータによれば、長期的に市場平均を上回り続ける個別株を選び続けることは、プロの投資家でも難しいとされています。

(2) リスク(ボラティリティ)の違い

個別株は、企業固有のニュース(決算発表、経営トップの交代など)で株価が大きく変動します。一方、投資信託(特にインデックスファンド)は複数銘柄に分散されているため、変動が相対的に小さくなります。

(3) コスト比較(売買手数料 vs 信託報酬)

米国個別株の売買手数料は、SBI証券や楽天証券では約定代金の0.495%(最低0ドル、上限22ドル)です。一方、投資信託は売買手数料が無料(ノーロード)の商品が多いですが、信託報酬が年0.1%〜2%程度かかります。

(出典: SBI証券、楽天証券、Morningstar)

選び方のポイント(資金・経験・時間)

(1) 初心者・少額投資:投資信託から始める

投資経験が浅い方や、少額から始めたい方には投資信託がおすすめです。特に、つみたてNISA枠(年間120万円まで非課税)を活用し、S&P500やオールカントリー(全世界株式)などのインデックスファンドを毎月積立投資するのが一般的です。

(2) 中級者以上・時間がある:個別株に挑戦

投資経験があり、財務諸表の読み方や業界分析ができる方は、個別株に挑戦してもよいでしょう。ただし、十分な分散を心がけ、1銘柄に資金を集中させないことが重要です。

(3) 併用戦略(投資信託+個別株のハイブリッド)

実際には、投資信託と個別株を併用する戦略も有効です。たとえば、資産の70%を投資信託で安定運用し、残り30%を個別株でリターンを追求するといった方法です。新NISA制度では、つみたて投資枠(年120万円)で投資信託、成長投資枠(年240万円)で個別株を購入することも可能です。

(出典: 金融庁)

まとめ:どっちが儲かるかは一概に言えない

個別株と投資信託のどちらが儲かるかは、投資家のスキル、資金、時間、リスク許容度によって異なります。

次のアクション:

  • 初心者はまず投資信託(インデックスファンド)で分散投資を始める
  • つみたてNISAを活用して非課税メリットを享受する
  • 投資経験を積んだら、個別株にも挑戦してみる
  • 投資信託と個別株を併用し、リスクとリターンのバランスを取る
  • 定期的にポートフォリオを見直す

「どちらが絶対に儲かる」という答えはありません。重要なのは、自分の状況に合った投資方法を選び、長期的に継続することです。投資判断は自己責任で行い、ご自身のリスク許容度に応じた戦略を選択してください。

よくある質問

Q1個別株と投資信託、どっちが儲かる?

A1一概には言えません。個別株は銘柄選定に成功すれば高リターンの可能性がありますが、失敗すると大損のリスクもあります。投資信託は市場平均を取れますが、大きく上回ることは期待しにくいです。投資家のスキルや状況によって最適解は異なります。

Q2初心者はどちらから始めるべき?

A2投資信託が推奨されます。分散投資でリスクが低く、少額(100円〜)から可能で、銘柄選定の手間もかかりません。特にインデックスファンドをつみたてNISAで積立投資するのが初心者向きです。

Q3個別株と投資信託を併用できる?

A3可能です。投資信託で安定的な資産形成を図りつつ、個別株でリターン追求を目指すハイブリッド戦略が有効です。たとえば、資産の70%を投資信託、30%を個別株にするといった配分が考えられます。

Q4税金に違いはある?

A4個別株・投資信託とも、売却益・配当に20.315%課税されます。米国株の場合、配当は米国で10%源泉徴収される点も共通です。NISA口座なら日本の税金は非課税になります。

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