新NISAで個別株を買おうとしたら「買えません」と表示された...
新NISAの成長投資枠で米国株の個別銘柄を購入しようとしたところ、「この銘柄は新NISA対象外です」と表示されて困惑した経験はありませんか。成長投資枠なら個別株が買えると聞いていたのに、なぜ買えない銘柄があるのか、そもそも自分が買いたい銘柄は対象なのか、混乱してしまう方も少なくありません。
この記事では、新NISA成長投資枠で個別株が買えない理由、買える銘柄と買えない銘柄の違い、そして証券会社ごとの取扱状況まで、具体的に解説します。
この記事のポイント:
- 成長投資枠では上場株式が対象だが、整理銘柄・監理銘柄は購入不可
- つみたて投資枠では個別株は購入できない(投資信託・ETFのみ)
- 米国株は証券会社によって取扱銘柄数が異なる(SBI・楽天・マネックスで5,000銘柄以上)
- 証券会社の銘柄検索で「NISA対応」フィルタを使えば購入可能銘柄を確認できる
新NISAで個別株が買えないと言われた理由
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあり、それぞれ購入できる商品が異なります。
(1) 成長投資枠とつみたて投資枠の違い
項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
---|---|---|
年間投資上限 | 120万円 | 240万円 |
対象商品 | 金融庁指定の投資信託・ETF | 上場株式・投資信託・ETF |
個別株購入 | 不可 | 可(整理・監理銘柄除く) |
つみたて投資枠で個別株を買おうとすると「対象外」と表示されます。個別株を購入する場合は、必ず成長投資枠を利用する必要があります。
(2) よくある勘違いと正しい理解
「新NISAで個別株が買えない」という声の多くは、以下のどちらかのケースです:
- つみたて投資枠で購入しようとしている → 成長投資枠に切り替えれば購入可能
- 整理・監理銘柄を選んでいる → その銘柄は新NISA全体で購入不可
成長投資枠を選んでいても、すべての個別株が買えるわけではありません。次のセクションで、買える銘柄の条件を詳しく見ていきます。
新NISA成長投資枠で買える個別株の条件
成長投資枠で個別株を購入するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
(1) 上場株式であること
新NISAの成長投資枠では、証券取引所に上場している株式が対象です。未公開株や店頭取引銘柄は購入できません。
米国株の場合、NYSE(ニューヨーク証券取引所)やNASDAQ(ナスダック)に上場している銘柄が対象となります。
(2) 整理銘柄・監理銘柄でないこと
以下の銘柄は、新NISA成長投資枠では購入できません:
- 整理銘柄: 上場廃止が決まった銘柄
- 監理銘柄: 上場廃止の恐れがある銘柄(財務状況悪化、上場基準違反など)
これらの銘柄は、金融庁の規定により新NISAの対象外とされています(出典: 金融庁「新NISA制度の詳細」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/)。
(3) 米国株の場合の購入可能条件
米国株は、証券会社が取り扱っている銘柄に限り購入可能です。主要証券会社の取扱銘柄数は以下の通りです:
- SBI証券: 約5,000銘柄以上
- 楽天証券: 約5,000銘柄以上
- マネックス証券: 約5,000銘柄以上
※2025年10月時点の情報です。最新情報は各証券会社の公式サイトでご確認ください。
(4) 時価総額・流動性の基準
一部の証券会社では、時価総額が極端に小さい銘柄や取引量が少ない銘柄を取り扱っていない場合があります。これは投資家保護の観点から、流動性リスクを避けるための措置です。
NASDAQのスクリーニングツール(https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/screener)で時価総額や出来高を確認できます。
買えない個別株の種類と確認方法
新NISA成長投資枠で購入できない個別株の種類と、その確認方法を解説します。
(1) 整理銘柄とは何か
整理銘柄とは、証券取引所が上場廃止を決定した銘柄のことです。整理期間(通常1カ月程度)が設けられ、その間は取引可能ですが、新NISAでは購入できません。
整理銘柄に指定される理由:
- 企業の経営破綻・倒産
- 虚偽記載・上場基準違反
- 企業の自主的な上場廃止申請
(2) 監理銘柄とは何か
監理銘柄とは、上場廃止の恐れがある銘柄として証券取引所が指定したものです。財務状況の悪化や上場基準違反の疑いがある場合に指定されます。
監理銘柄も、新NISA成長投資枠では購入できません。
(3) 証券会社の銘柄検索での確認方法
各証券会社の銘柄検索画面で、以下のフィルタを使えば購入可能な銘柄だけを表示できます:
- 「NISA対応」
- 「成長投資枠」
- 「新NISA対象」
SBI証券や楽天証券では、銘柄詳細ページに「新NISA: 対応」「新NISA: 対象外」と明記されています(出典: SBI証券「新NISA 成長投資枠ガイド」https://www.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_nisa&cat1=nisa&cat2=none&dir=nisa&file=nisa_seichou.html)。
(4) 金融庁・証券取引所の情報確認
整理・監理銘柄の最新リストは、以下のページで確認できます:
- 東京証券取引所「整理・監理銘柄一覧」
- 金融庁「新NISA対象商品リスト」
- 日本証券業協会「NISA制度の基礎知識」(https://www.jsda.or.jp/anshin/risk/nisa.html)
証券会社別の米国株取扱銘柄数比較
新NISAで米国個別株を購入する場合、証券会社によって取扱銘柄数が異なります。
(1) SBI証券の取扱銘柄数
SBI証券では、米国株約5,000銘柄以上を取り扱っており、新NISA成長投資枠でも購入可能です。NYSE・NASDAQ上場の主要銘柄をほぼ網羅しています。
(2) 楽天証券の取扱銘柄数
楽天証券も米国株約5,000銘柄以上を取り扱っており、新NISA対応銘柄数はSBI証券とほぼ同等です(出典: 楽天証券「新NISA 整理・管理銘柄の扱い」https://www.rakuten-sec.co.jp/web/nisa/nisa/seichou.html)。
(3) マネックス証券の取扱銘柄数
マネックス証券も米国株約5,000銘柄以上を取り扱っており、新NISA成長投資枠での購入に対応しています(出典: マネックス証券「新NISAで買える米国株」https://www.monex.co.jp/nisa/guide/growth.html)。
(4) 証券会社によって買えない銘柄がある理由
証券会社が取り扱わない銘柄がある理由:
- 時価総額が小さく流動性が低い
- 取引量が少なくスプレッドが大きい
- 証券会社の審査基準を満たしていない
一部のマイナー銘柄は、証券会社によっては取り扱っていない場合があります。購入したい銘柄が決まっている場合は、事前に各証券会社の取扱銘柄リストを確認しましょう。
つみたて投資枠では個別株は買えない理由
つみたて投資枠で個別株が購入できない理由を整理します。
(1) つみたて投資枠の対象商品(投資信託・ETFのみ)
つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資を促進するために設けられた枠で、金融庁が指定した投資信託とETFのみが対象です。
対象商品の条件:
- 販売手数料がゼロ(ノーロード)
- 信託報酬が一定水準以下
- 分配頻度が毎月でないこと
これらの条件を満たす投資信託・ETFのみが「つみたて投資枠」で購入できます。
(2) 成長投資枠との使い分け
つみたて投資枠と成長投資枠は併用可能です:
- つみたて投資枠: インデックス投資信託で長期積立(年120万円まで)
- 成長投資枠: 個別株やアクティブ投資信託で積極投資(年240万円まで)
このように使い分けることで、安定した資産形成と成長性のある投資を両立できます。
(3) 個別株は成長投資枠で購入する
個別株を購入したい場合は、必ず成長投資枠を利用してください。つみたて投資枠では、どの個別株も購入できません。
まとめ:新NISAで個別株を買う前に知っておくべきこと
新NISAで個別株を購入する際は、以下のポイントを押さえておきましょう:
重要なポイント:
- 個別株は成長投資枠でのみ購入可能(つみたて投資枠では不可)
- 整理銘柄・監理銘柄は新NISA全体で購入不可
- 米国株は証券会社により取扱銘柄数が異なる(主要3社で約5,000銘柄)
- 証券会社の銘柄検索で「NISA対応」フィルタを使えば確認できる
次のアクション:
- 証券会社の銘柄検索で、購入したい銘柄が新NISA対応か確認する
- 整理・監理銘柄に指定されていないか、証券取引所の情報をチェックする
- 成長投資枠とつみたて投資枠を併用して、バランスの良いポートフォリオを構築する
新NISA制度を正しく理解し、長期的な資産形成に活用しましょう。
※本記事の情報は2025年10月時点のものです。最新情報は金融庁および各証券会社の公式サイトをご確認ください。