新NISAで個別株投資を始めたいけれど、成長投資枠の使い方がわからない
2024年に新NISA制度がスタートし、成長投資枠では年間240万円まで個別株に投資できるようになりました。配当金・売却益が無期限で非課税となるため、個別株投資との相性は非常に良いと言われています。
しかし、「成長投資枠とつみたて投資枠をどう使い分けるべきか」「日本株と米国株のどちらを選ぶべきか」「個別株の選び方がわからない」といった疑問を持つ投資家は少なくありません。
この記事では、新NISA成長投資枠での個別株投資の仕組み、メリット、銘柄選定方法、証券会社の選び方、そしてリスク管理について詳しく解説します。
この記事のポイント:
- 新NISA成長投資枠では年間240万円、生涯1,200万円まで個別株投資が可能
- 配当金・売却益が無期限で非課税(日本株・米国株の両方が対象)
- 米国株の配当は米国で10%課税されるが、日本での20.315%は非課税
- つみたて投資枠と併用し、インデックス投資と個別株を組み合わせることが推奨される
- 個別株はリスクが高いため、財務健全性の確認と分散投資が重要
新NISA制度の概要と成長投資枠
(1) 新NISA制度の基本(生涯投資枠1,800万円)
2024年から始まった新NISA制度は、従来のNISA・つみたてNISAを統合し、より使いやすくなった非課税投資制度です。
新NISA制度の特徴:
- 生涯投資枠: 最大1,800万円まで非課税投資が可能
- 非課税保有期間: 無期限(従来のNISAは5年、つみたてNISAは20年)
- 2つの投資枠: 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を併用可能
- 年齢制限: 18歳以上の日本居住者が利用可能
新NISA制度の最大の特徴は、非課税保有期間が無期限になったことです。これにより、長期的な資産形成がより効率的に行えるようになりました。
(2) 成長投資枠(年240万円・生涯1,200万円)
成長投資枠は、個別株・ETF・投資信託を購入できる非課税投資枠です。
成長投資枠の詳細:
項目 | 内容 |
---|---|
年間投資上限 | 240万円 |
生涯投資枠 | 1,200万円(全体1,800万円の内数) |
購入方法 | 一括購入・積立購入の両方可 |
対象商品 | 個別株・ETF・投資信託 |
非課税期間 | 無期限 |
つみたて投資枠(年間120万円)と合わせると、年間最大360万円まで非課税投資が可能です。
(3) つみたて投資枠との使い分け
つみたて投資枠と成長投資枠は、それぞれ異なる目的で活用できます。併用することで、安定的な分散投資と高リターンを狙った個別株投資のバランスを取ることができます。
成長投資枠での個別株投資のメリット
(1) 配当金・売却益が非課税(無期限)
新NISA成長投資枠での個別株投資の最大のメリットは、配当金・売却益が無期限で非課税になることです。配当金の税制メリットは課税口座の20.315%に対し、新NISA口座では0%となります。
(2) 米国株も対象(日本株・米国株両方可)
新NISA成長投資枠では、日本株だけでなく米国株も購入できます。米国株は1株から購入可能で、Apple、Microsoft、Teslaなどの有名企業に少額から投資できます。
(3) インデックス投資との組み合わせ
個別株投資は高リターンが期待できる反面、リスクも高くなります。そのため、インデックス投資と組み合わせることが推奨されます。
個別株の選び方(日本株・米国株)
(1) 財務健全性の確認(自己資本比率・営業利益率)
個別株を選ぶ際は、企業の財務健全性を確認することが重要です。自己資本比率40%以上、ROE 10%以上が目安とされています。
(2) 配当利回りと連続増配
配当金を重視する場合、配当利回りだけでなく配当継続性も確認しましょう。過去5〜10年の配当推移を確認し、連続増配している企業は配当政策が安定している傾向があります。
(3) 成長性とセクター分散
長期的なリターンを狙うなら、企業の成長性とセクター分散も重要です。異なるセクターに分散することで、リスクを管理できます。
証券会社の選び方と購入方法
(1) SBI証券(米国株5,658銘柄・手数料無料)
SBI証券は、米国株の取扱銘柄数が最も多く、手数料も無料です。
(2) 楽天証券(米国株4,800銘柄・1株から購入)
楽天証券は、使いやすいインターフェースと楽天ポイント還元が魅力です。
(3) マネックス証券(米国株5,000銘柄以上)
マネックス証券は、米国株の情報提供と分析ツールが充実しています。
リスクと注意点
(1) 個別株はインデックスより高リスク
個別株投資は、インデックス投資と比較してリスクが高くなります。企業固有リスクや集中投資リスクに注意が必要です。
(2) 為替リスク(米国株はドル建て)
米国株投資では、為替変動によるリスクがあります。長期保有を前提とすれば、為替変動は平準化される傾向があります。
(3) 米国株配当は米国で10%課税
米国株の配当金には、日本のNISA口座でも米国で10%の源泉徴収があります。日本での20.315%は非課税となりますが、米国での10%は避けられません。
まとめ:新NISA成長投資枠の活用法
新NISA成長投資枠での個別株投資は、配当金・売却益が無期限で非課税になる大きなメリットがあります。日本株・米国株の両方が対象で、証券会社によっては手数料無料で投資できます。
ただし、個別株投資はインデックス投資と比較してリスクが高いため、財務健全性の確認、分散投資、インデックス投資との併用が重要です。また、米国株投資では為替リスクや米国での10%課税にも注意が必要です。
次のアクション:
- 証券会社でNISA口座を開設する
- つみたて投資枠と成長投資枠の配分を決める
- スクリーニングツールで候補銘柄をリストアップ
- 少額から分散投資を始める
- 定期的に決算短信をチェックする
新NISA成長投資枠を活用し、長期的な資産形成を目指しましょう。投資判断は自己責任で行い、不明点は証券会社や専門家に相談することをおすすめします。