新NISA外国株式の始め方|おすすめファンド5選と積立方法

公開日: 2025/10/20

新NISAで外国株式に投資したいけれど、どう始めればいい?

2024年から新NISA制度が始まり、つみたて投資枠を使って外国株式に投資できるようになりました。「外国株式って何?」「どのファンドを選べばいい?」「米国株との違いは?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。

この記事では、新NISAのつみたて投資枠で外国株式に投資する方法を、初心者にもわかりやすく解説します。

この記事のポイント:

  • つみたて投資枠では年120万円まで外国株式インデックスファンドに投資できる
  • 全世界株式・先進国株式・米国株式など目的に応じて選べる
  • eMAXIS Slimシリーズなら信託報酬0.05-0.09%の低コスト運用が可能
  • NISA口座を開設すれば、月3万円程度から積立投資を始められる
  • 為替リスクや地域リスクを理解した上で長期保有が基本

新NISAつみたて投資枠で外国株式に投資できる

新NISA制度のつみたて投資枠では、金融庁が指定した外国株式インデックスファンドに投資できます。

(1) つみたて投資枠の概要(年120万円)

つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した投資信託を非課税で購入できる制度です。年間の投資上限額は120万円で、月額に換算すると10万円までとなります。

項目 内容
年間投資上限 120万円
非課税保有期間 無期限
対象商品 金融庁指定の投資信託・ETF
個別株の購入 不可(成長投資枠で可能)

(2) 対象商品の条件(金融庁指定)

金融庁が定める選定基準を満たした投資信託のみが、つみたて投資枠の対象となります。主な条件は以下の通りです:

  • 販売手数料が無料(ノーロード)
  • 信託報酬が一定水準以下(インデックスファンドは0.5%以下)
  • 毎月分配型でないこと
  • 純資産総額が50億円以上

これにより、初心者でも低コストで質の高いファンドを選びやすくなっています。

(3) 外国株式インデックスファンドとは

外国株式インデックスファンドは、海外の株式市場の指数(インデックス)に連動する投資信託です。例えば、MSCI Kokusai指数(日本を除く先進国22か国)やMSCI ACWI指数(全世界の株式市場)などに連動します。

個別の外国株を買うのではなく、ファンドを通じて数百〜数千の銘柄に分散投資できるため、リスクを抑えながら外国株式市場の成長を享受できます。

外国株式インデックスファンドの種類と選び方

外国株式インデックスファンドには、投資対象地域によっていくつかの種類があります。

(1) 全世界株式(オールカントリー)

全世界株式ファンド(通称「オルカン」)は、先進国・新興国を含む全世界の株式市場に投資します。MSCI ACWI指数に連動し、約50か国、2,900銘柄以上に分散投資できます。

特徴:

  • 最大限の地域分散が可能
  • 米国株が約60%を占める
  • 日本株も含まれる(約5-6%)

(2) 先進国株式(MSCI Kokusai)

日本を除く先進国22か国の株式市場に投資します。米国、欧州、カナダ、オーストラリアなどが対象です。

特徴:

  • 米国株が約70%を占める
  • 新興国リスクを避けたい人向け
  • 為替リスクは全世界株式と同程度

(3) 米国株式(S&P500)

米国の主要500社で構成されるS&P500指数に連動します。Apple、Microsoft、Amazon、Googleなどの大型株が中心です。

特徴:

  • 米国経済の成長に集中投資
  • 過去のリターンが高い(ただし将来も同様とは限らない)
  • 米国一国への集中リスクがある

(4) 新興国株式

中国、インド、ブラジル、台湾などの新興国市場に投資します。成長性は高いものの、価格変動が大きい傾向があります。

(5) 信託報酬と運用実績の比較

ファンド種類 代表例 信託報酬(年率)
全世界株式 eMAXIS Slim全世界株式 0.05775%
先進国株式 ニッセイ外国株式インデックス 0.09889%
米国株式 eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 0.09372%

信託報酬は運用期間中ずっとかかるコストなので、長期投資では低コストファンドを選ぶことが重要です。

おすすめ外国株式ファンド5選

つみたて投資枠で人気の外国株式ファンドを5つ紹介します。

(1) eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)

運用会社: 三菱UFJ国際投信
信託報酬: 0.05775%
ベンチマーク: MSCI ACWI指数

全世界に分散投資できる最も人気のあるファンドです。これ1本で先進国・新興国の株式市場をカバーできるため、初心者に最適です。

(2) eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

運用会社: 三菱UFJ国際投信
信託報酬: 0.09372%
ベンチマーク: S&P500指数

米国の主要企業500社に投資するファンドです。米国市場の成長に期待する人に向いています。

(3) 楽天・全世界株式インデックス・ファンド

運用会社: 楽天投信投資顧問
信託報酬: 0.192%
ベンチマーク: FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス

楽天証券でポイント投資を活用したい人におすすめです。小型株も含むため、より広範な分散投資が可能です。

(4) SBI・全世界株式インデックス・ファンド

運用会社: SBIアセットマネジメント
信託報酬: 0.1102%
ベンチマーク: FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス

SBI証券でのつみたてNISAに最適化されたファンドです。

(5) ニッセイ外国株式インデックスファンド

運用会社: ニッセイアセットマネジメント
信託報酬: 0.09889%
ベンチマーク: MSCI Kokusai指数

日本を除く先進国株式に投資します。長い運用実績があり、信頼性の高いファンドです。

つみたて投資枠での外国株式積立の始め方

実際に積立投資を始める手順を説明します。

(1) NISA口座の開設手順

  1. 証券会社を選ぶ: SBI証券、楽天証券、マネックス証券などが人気
  2. 口座開設申込: オンラインで本人確認書類を提出
  3. NISA口座の申請: 税務署での審査に1-2週間
  4. 口座開設完了: メールで通知が届く

(2) ファンドの選定と積立設定

  1. 証券会社の「つみたてNISA」または「つみたて投資枠」ページにアクセス
  2. 外国株式インデックスファンドを検索
  3. ファンド詳細ページで「積立設定」をクリック
  4. 月額積立金額を入力(例:月3万円)
  5. 積立日を選択(毎月1日、給料日後など)
  6. 設定を確認して申し込み

(3) 月額積立額の決め方

つみたて投資枠の年間上限120万円を考慮すると、月10万円まで積立可能です。ただし、無理のない範囲で設定することが大切です。

一般的な積立額の例:

  • 初心者: 月1-3万円
  • 中堅投資家: 月3-5万円
  • 上限活用: 月10万円

ボーナス月に増額設定することも可能です。

(4) ポイント投資の活用(楽天・SBI)

楽天証券では楽天ポイント、SBI証券ではVポイント・Pontaポイント・dポイントを使って投資信託を購入できます。これにより、現金の負担を減らしながら積立投資を続けられます。

外国株式投資のリスクと注意点

外国株式投資にはいくつかのリスクがあります。理解した上で投資しましょう。

(1) 為替リスク(円高・円安の影響)

外国株式ファンドは外貨建て資産に投資するため、為替レートの変動が運用成績に影響します。

円高の場合:
外貨建ての株価が上がっても、円換算すると基準価額が下がることがあります。

円安の場合:
外貨建ての株価が横ばいでも、円換算すると基準価額が上がることがあります。

長期投資では為替リスクは平準化される傾向がありますが、短期的には大きな変動要因となります。

(2) カントリーリスク(地域分散の重要性)

特定の国や地域に集中投資すると、その地域の政治・経済リスクの影響を受けやすくなります。例えば、米国株式ファンドは米国経済の減速時に大きく下落する可能性があります。

全世界株式ファンドのように地域分散されたファンドを選ぶことで、このリスクを軽減できます。

(3) 信託報酬のコスト比較

信託報酬は年率0.05-0.20%程度と小さく見えますが、20-30年の長期投資では大きな差になります。

試算例(初期投資100万円、年5%リターン、20年運用):

  • 信託報酬0.05%の場合: 約260万円
  • 信託報酬0.20%の場合: 約252万円
  • 差額: 約8万円

長期投資ほど低コストファンドを選ぶメリットが大きくなります。

(4) 長期保有の重要性

株式市場は短期的には大きく変動しますが、長期的には右肩上がりの傾向があります。一時的な下落で慌てて売却せず、10年以上の長期保有を前提に投資することが重要です。

つみたて投資枠の非課税保有期間は無期限なので、じっくり時間をかけて資産を育てられます。

まとめ:つみたてNISAで外国株式投資を始めるメリット

新NISAのつみたて投資枠を使えば、低コストで外国株式に分散投資できます。金融庁指定の質の高いファンドから選べるため、初心者でも安心して始められます。

次のアクション:

  • 証券会社のNISA口座を開設する
  • 自分の投資目的に合ったファンド(全世界・先進国・米国)を選ぶ
  • 月3-5万円程度から無理のない範囲で積立設定する
  • 為替リスクを理解し、長期保有を前提に投資する

外国株式への投資は為替リスクや地域リスクがありますが、長期的な資産形成には有効な選択肢です。自分のリスク許容度に合わせて、計画的に積立投資を始めましょう。

よくある質問

Q1つみたてNISAで外国株式は買えますか?

A1はい、買えます。金融庁指定の外国株式インデックスファンドを年120万円まで積立購入できます。ただし、個別の外国株は買えません(個別株は成長投資枠で購入可能です)。

Q2おすすめの外国株式ファンドは?

A2eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)が人気です。信託報酬0.05775%で全世界に分散投資できます。米国株を重視するならeMAXIS Slim米国株式(S&P500)もおすすめです。

Q3成長投資枠とつみたて投資枠はどちらを使うべき?

A3初心者や長期投資を目指すなら「つみたて投資枠」で低コストインデックスファンドに投資するのが基本です。個別株に投資したい場合は「成長投資枠」を使います。両方を併用することも可能です。

Q4月額いくら積立すればいい?

A4つみたて投資枠は年120万円が上限なので月10万円まで積立可能です。ただし、無理のない範囲で月3-5万円が一般的です。ボーナス月に増額設定することもできます。

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