SBI証券の新NISA米国株投資の基本
「新NISAでSBI証券から米国株を買いたいけど、手順や手数料がよく分からない...」
SBI証券で新NISA口座を開設済み、または検討中の投資家の中には、米国株投資に興味があるものの、「どうやって買うの?」「手数料はかかるの?」「本当に非課税なの?」といった疑問を持つ方が多いでしょう。
この記事では、SBI証券で新NISA口座を使って米国株を購入する具体的な手順、手数料体系、注意点を詳しく解説します。
この記事のポイント:
- 新NISAの成長投資枠で米国個別株・ETFが購入可能(年間240万円まで)
- SBI証券の米国株売買手数料は無料(2023年9月以降)
- 為替手数料は1ドルあたり片道25銭(住信SBIネット銀行経由で4銭に軽減)
- NISA口座でも米国での配当10%源泉徴収は免除されない
- 約5,000銘柄の米国株がリアルタイム取引可能
(1) 新NISA制度の概要(年間360万円、生涯1,800万円)
新NISA制度は、2024年1月に開始した恒久的な少額投資非課税制度です。
新NISA制度の枠組み:
項目 | 内容 |
---|---|
年間投資枠 | 360万円(つみたて投資枠120万円 + 成長投資枠240万円) |
非課税保有期間 | 無期限 |
非課税保有限度額 | 1,800万円(生涯) |
対象年齢 | 18歳以上 |
口座開設数 | 1人1口座(金融機関変更は年1回可能) |
※出典: 金融庁 - 新NISA制度
新NISA制度では、配当金・売却益が日本では非課税になります。ただし、米国株の場合、米国での源泉徴収10%は免除されません。
(2) つみたて投資枠と成長投資枠の違い
新NISA制度には、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあります。
つみたて投資枠と成長投資枠の比較:
項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
---|---|---|
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
対象商品 | 金融庁指定の投資信託のみ | 上場株式・ETF・投資信託 |
米国個別株 | 購入不可 | 購入可能 |
積立設定 | 必須 | 任意 |
米国個別株は「成長投資枠」でのみ購入可能です。つみたて投資枠では、金融庁指定の投資信託(主に米国株インデックスファンド等)のみ購入できます。
(3) 米国株は成長投資枠で購入可能
SBI証券の新NISA口座では、成長投資枠を使って米国個別株・ETFを購入できます。
購入可能な米国株:
- 米国主要取引所上場の約5,000銘柄
- NYSE(ニューヨーク証券取引所)
- NASDAQ(ナスダック)
- 米国ETF(S&P500、NASDAQ100等)
※出典: SBI証券 - NISA口座での米国株投資
SBI証券での新NISA口座開設方法
SBI証券で新NISA口座を開設する手順を説明します。
(1) 必要書類(本人確認書類・マイナンバー)
必要書類:
本人確認書類:
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- パスポート
マイナンバー確認書類:
- マイナンバーカード
- 通知カード
- マイナンバー記載の住民票
(2) 開設手順(ネット申込・郵送)
開設の流れ:
- SBI証券の公式サイトから「NISA口座開設」を選択
- 本人確認書類をアップロード(スマホで撮影)
- マイナンバー確認書類をアップロード
- 税務署での確認(SBI証券が代行)
- NISA口座開設完了通知を受領
※出典: SBI証券 - NISA口座開設ガイド
(3) 開設期間(2-3週間)
NISA口座の開設には、税務署での確認が必要なため、約2〜3週間かかります。
注意点:
- NISA口座は1人1口座のみ(複数の金融機関で開設不可)
- 既に他の金融機関でNISA口座を開設している場合は、金融機関変更手続きが必要
- 金融機関変更は年1回のみ可能
米国株の購入手順(成長投資枠)
SBI証券のNISA口座で米国株を購入する具体的な手順を説明します。
(1) 銘柄検索と注文画面
購入手順:
- SBI証券にログイン
- 「外国株式」→「米国株式」を選択
- 銘柄名またはティッカーシンボルで検索(例: Apple = AAPL)
- 「買付」ボタンをクリック
(2) 指値・成行注文の選択
注文方法:
- 成行注文: 現在の市場価格で即座に購入(約定優先)
- 指値注文: 指定した価格以下で購入(価格優先)
初心者向けのアドバイス:
- 流動性の高い銘柄(Apple、Microsoft等)なら成行注文でも問題なし
- 流動性の低い銘柄や価格を重視する場合は指値注文を推奨
(3) NISA枠での買付設定
NISA枠の選択:
注文画面で「NISA口座」を選択してください。デフォルトで特定口座が選択されている場合があるため、必ず確認が必要です。
注文確認画面の例:
- 口座区分: NISA(成長投資枠)
- 数量: 10株
- 注文方法: 成行
- 決済通貨: 円貨決済 or 外貨決済
(4) 取扱銘柄(米国主要取引所上場の約5,000銘柄)
SBI証券では、米国主要取引所上場の約5,000銘柄が取引可能です。
人気銘柄の例:
- Apple(AAPL): テクノロジー
- Microsoft(MSFT): ソフトウェア
- Amazon(AMZN): Eコマース
- Tesla(TSLA): 電気自動車
- S&P500 ETF(SPY): 米国株インデックス
手数料と為替コストの最適化
SBI証券の米国株取引では、売買手数料と為替手数料の2つが主なコストです。
(1) 売買手数料無料(2023年9月以降)
SBI証券は、2023年9月30日以降、NISA口座での米国株売買手数料を無料化しました。
手数料比較:
口座種別 | 売買手数料 |
---|---|
NISA口座 | 無料 |
特定口座 | 約定代金の0.495%(最低0ドル、上限22ドル) |
※出典: SBI証券 - 米国株取引手数料
NISA口座を利用すれば、売買手数料を完全に節約できます。
(2) 為替手数料(1ドルあたり片道25銭)
米国株はドル建てで取引されるため、円をドルに交換する際に為替手数料がかかります。
SBI証券の為替手数料:
- 円貨決済: 1ドルあたり片道25銭
- 外貨決済: 事前にドルを購入する場合も同様
為替手数料の計算例:
購入額: 1,000ドル
為替手数料: 1,000ドル × 0.25円 = 250円
(3) 住信SBIネット銀行経由で4銭に軽減
住信SBIネット銀行を経由すれば、為替手数料を1ドルあたり4銭に軽減できます。
為替コスト削減の手順:
- 住信SBIネット銀行の口座を開設(無料)
- 外貨普通預金で円をドルに交換(為替手数料4銭/ドル)
- SBI証券にドルを送金(手数料無料)
- SBI証券で外貨決済で米国株を購入
コスト比較:
方法 | 為替手数料(1,000ドル購入時) |
---|---|
SBI証券(円貨決済) | 250円 |
住信SBIネット銀行経由 | 40円 |
差額 | 210円削減 |
長期的に大きな節約になるため、住信SBIネット銀行経由の利用が推奨されています。
(4) 総コスト比較(他証券会社との比較)
主要証券会社の手数料比較:
証券会社 | 売買手数料(NISA) | 為替手数料 | 総コスト(1,000ドル購入時) |
---|---|---|---|
SBI証券 | 無料 | 25銭/ドル(4銭に軽減可) | 250円(40円に軽減可) |
楽天証券 | 無料 | 25銭/ドル | 250円 |
マネックス証券 | 無料 | 買付時0銭 | 0円 |
結論:
- 為替コスト最安: マネックス証券(買付時0銭)
- 為替コスト軽減可能: SBI証券(住信SBIネット銀行経由で4銭)
※2025年1月時点。最新情報は各証券会社のウェブサイトでご確認ください。
新NISA米国株投資の注意点とリスク
新NISA口座での米国株投資には、いくつかの注意点があります。
(1) 米国での配当10%源泉徴収は免除されない
NISA口座では日本の税金(20.315%)は非課税ですが、米国での源泉徴収10%は免除されません。
配当課税の比較:
口座種別 | 米国課税 | 日本課税 | 実質税率 |
---|---|---|---|
特定口座 | 10% | 20.315% | 約28% |
NISA口座 | 10% | 0%(非課税) | 10% |
※出典: IRS - Tax on Foreign Investment for Nonresident Aliens
NISA口座でも米国での10%課税は避けられませんが、特定口座の約28%と比べて大幅に有利です。
(2) NISA口座での損失は損益通算・繰越控除不可
NISA口座で損失が発生した場合、損益通算や繰越控除ができません。
損益通算とは:
特定口座では、A銘柄で+10万円、B銘柄で-5万円の場合、差額の+5万円に対してのみ課税されます。NISA口座ではこの調整ができません。
対策:
- 長期的に成長が見込まれる銘柄をNISA口座で保有
- 短期売買や損失が予想される銘柄は特定口座で取引
(3) 年間投資枠(360万円)の管理
新NISA制度では、年間投資枠が**360万円(成長投資枠240万円 + つみたて投資枠120万円)**です。
投資枠の管理:
- 1月1日に投資枠がリセット
- 売却しても投資枠は復活しない(翌年に復活)
- 枠を超えた分は自動的に特定口座で購入される
(4) 為替リスク(円高で元本割れの可能性)
米国株はドル建てで取引されるため、為替リスクがあります。
為替リスクの例:
購入時: 1ドル = 150円
売却時: 1ドル = 140円(円高)
株価が変わらなくても、為替の影響で円建てでは損失が発生します。
対策:
- 長期保有を前提とする(短期的な為替変動を気にしない)
- ドル資産として保有する(円に戻さない)
(5) NISA口座は1人1口座(金融機関変更は年1回可能)
NISA口座は1人1口座のみ開設可能です。
金融機関変更:
- 年1回のみ変更可能
- 変更手続きには約1ヶ月かかる
- 変更前の金融機関で購入した商品は変更後も保有可能
まとめ:SBI証券で賢くNISA活用
SBI証券の新NISA口座を使えば、米国株を売買手数料無料で購入でき、配当・売却益が日本では非課税になります。
SBI証券での新NISA米国株投資のメリット:
- 成長投資枠で米国個別株・ETF約5,000銘柄が購入可能
- 売買手数料無料(2023年9月以降)
- 住信SBIネット銀行経由で為替手数料を4銭/ドルに軽減
- リアルタイム取引・指値注文対応
注意点:
- 米国での配当10%源泉徴収は免除されない
- NISA口座での損失は損益通算・繰越控除不可
- 年間投資枠360万円(成長投資枠240万円)の管理が必要
次のアクション:
- SBI証券でNISA口座を開設する(既に開設済みなら次へ)
- 住信SBIネット銀行の口座を開設して為替コストを軽減
- 成長投資枠で米国株・ETFを購入
- 長期保有を前提に、為替リスクを分散
SBI証券の新NISA口座を活用して、税制優遇を最大限に活かした米国株投資を始めましょう。