SBI証券新NISA米国株完全ガイド|手数料・購入手順2025

公開日: 2025/10/19

SBI証券の新NISA米国株投資の基本

「新NISAでSBI証券から米国株を買いたいけど、手順や手数料がよく分からない...」

SBI証券で新NISA口座を開設済み、または検討中の投資家の中には、米国株投資に興味があるものの、「どうやって買うの?」「手数料はかかるの?」「本当に非課税なの?」といった疑問を持つ方が多いでしょう。

この記事では、SBI証券で新NISA口座を使って米国株を購入する具体的な手順、手数料体系、注意点を詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • 新NISAの成長投資枠で米国個別株・ETFが購入可能(年間240万円まで)
  • SBI証券の米国株売買手数料は無料(2023年9月以降)
  • 為替手数料は1ドルあたり片道25銭(住信SBIネット銀行経由で4銭に軽減)
  • NISA口座でも米国での配当10%源泉徴収は免除されない
  • 約5,000銘柄の米国株がリアルタイム取引可能

(1) 新NISA制度の概要(年間360万円、生涯1,800万円)

新NISA制度は、2024年1月に開始した恒久的な少額投資非課税制度です。

新NISA制度の枠組み:

項目 内容
年間投資枠 360万円(つみたて投資枠120万円 + 成長投資枠240万円)
非課税保有期間 無期限
非課税保有限度額 1,800万円(生涯)
対象年齢 18歳以上
口座開設数 1人1口座(金融機関変更は年1回可能)

※出典: 金融庁 - 新NISA制度

新NISA制度では、配当金・売却益が日本では非課税になります。ただし、米国株の場合、米国での源泉徴収10%は免除されません。

(2) つみたて投資枠と成長投資枠の違い

新NISA制度には、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあります。

つみたて投資枠と成長投資枠の比較:

項目 つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
対象商品 金融庁指定の投資信託のみ 上場株式・ETF・投資信託
米国個別株 購入不可 購入可能
積立設定 必須 任意

米国個別株は「成長投資枠」でのみ購入可能です。つみたて投資枠では、金融庁指定の投資信託(主に米国株インデックスファンド等)のみ購入できます。

(3) 米国株は成長投資枠で購入可能

SBI証券の新NISA口座では、成長投資枠を使って米国個別株・ETFを購入できます。

購入可能な米国株:

  • 米国主要取引所上場の約5,000銘柄
  • NYSE(ニューヨーク証券取引所)
  • NASDAQ(ナスダック)
  • 米国ETF(S&P500、NASDAQ100等)

※出典: SBI証券 - NISA口座での米国株投資

SBI証券での新NISA口座開設方法

SBI証券で新NISA口座を開設する手順を説明します。

(1) 必要書類(本人確認書類・マイナンバー)

必要書類:

  1. 本人確認書類:

    • 運転免許証
    • マイナンバーカード
    • パスポート
  2. マイナンバー確認書類:

    • マイナンバーカード
    • 通知カード
    • マイナンバー記載の住民票

(2) 開設手順(ネット申込・郵送)

開設の流れ:

  1. SBI証券の公式サイトから「NISA口座開設」を選択
  2. 本人確認書類をアップロード(スマホで撮影)
  3. マイナンバー確認書類をアップロード
  4. 税務署での確認(SBI証券が代行)
  5. NISA口座開設完了通知を受領

※出典: SBI証券 - NISA口座開設ガイド

(3) 開設期間(2-3週間)

NISA口座の開設には、税務署での確認が必要なため、約2〜3週間かかります。

注意点:

  • NISA口座は1人1口座のみ(複数の金融機関で開設不可)
  • 既に他の金融機関でNISA口座を開設している場合は、金融機関変更手続きが必要
  • 金融機関変更は年1回のみ可能

米国株の購入手順(成長投資枠)

SBI証券のNISA口座で米国株を購入する具体的な手順を説明します。

(1) 銘柄検索と注文画面

購入手順:

  1. SBI証券にログイン
  2. 「外国株式」→「米国株式」を選択
  3. 銘柄名またはティッカーシンボルで検索(例: Apple = AAPL)
  4. 「買付」ボタンをクリック

(2) 指値・成行注文の選択

注文方法:

  • 成行注文: 現在の市場価格で即座に購入(約定優先)
  • 指値注文: 指定した価格以下で購入(価格優先)

初心者向けのアドバイス:

  • 流動性の高い銘柄(Apple、Microsoft等)なら成行注文でも問題なし
  • 流動性の低い銘柄や価格を重視する場合は指値注文を推奨

(3) NISA枠での買付設定

NISA枠の選択:

注文画面で「NISA口座」を選択してください。デフォルトで特定口座が選択されている場合があるため、必ず確認が必要です。

注文確認画面の例:

  • 口座区分: NISA(成長投資枠)
  • 数量: 10株
  • 注文方法: 成行
  • 決済通貨: 円貨決済 or 外貨決済

(4) 取扱銘柄(米国主要取引所上場の約5,000銘柄)

SBI証券では、米国主要取引所上場の約5,000銘柄が取引可能です。

人気銘柄の例:

  • Apple(AAPL): テクノロジー
  • Microsoft(MSFT): ソフトウェア
  • Amazon(AMZN): Eコマース
  • Tesla(TSLA): 電気自動車
  • S&P500 ETF(SPY): 米国株インデックス

手数料と為替コストの最適化

SBI証券の米国株取引では、売買手数料と為替手数料の2つが主なコストです。

(1) 売買手数料無料(2023年9月以降)

SBI証券は、2023年9月30日以降、NISA口座での米国株売買手数料を無料化しました。

手数料比較:

口座種別 売買手数料
NISA口座 無料
特定口座 約定代金の0.495%(最低0ドル、上限22ドル)

※出典: SBI証券 - 米国株取引手数料

NISA口座を利用すれば、売買手数料を完全に節約できます。

(2) 為替手数料(1ドルあたり片道25銭)

米国株はドル建てで取引されるため、円をドルに交換する際に為替手数料がかかります。

SBI証券の為替手数料:

  • 円貨決済: 1ドルあたり片道25銭
  • 外貨決済: 事前にドルを購入する場合も同様

為替手数料の計算例:

購入額: 1,000ドル
為替手数料: 1,000ドル × 0.25円 = 250円

(3) 住信SBIネット銀行経由で4銭に軽減

住信SBIネット銀行を経由すれば、為替手数料を1ドルあたり4銭に軽減できます。

為替コスト削減の手順:

  1. 住信SBIネット銀行の口座を開設(無料)
  2. 外貨普通預金で円をドルに交換(為替手数料4銭/ドル)
  3. SBI証券にドルを送金(手数料無料)
  4. SBI証券で外貨決済で米国株を購入

コスト比較:

方法 為替手数料(1,000ドル購入時)
SBI証券(円貨決済) 250円
住信SBIネット銀行経由 40円
差額 210円削減

長期的に大きな節約になるため、住信SBIネット銀行経由の利用が推奨されています。

(4) 総コスト比較(他証券会社との比較)

主要証券会社の手数料比較:

証券会社 売買手数料(NISA) 為替手数料 総コスト(1,000ドル購入時)
SBI証券 無料 25銭/ドル(4銭に軽減可) 250円(40円に軽減可)
楽天証券 無料 25銭/ドル 250円
マネックス証券 無料 買付時0銭 0円

結論:

  • 為替コスト最安: マネックス証券(買付時0銭)
  • 為替コスト軽減可能: SBI証券(住信SBIネット銀行経由で4銭)

※2025年1月時点。最新情報は各証券会社のウェブサイトでご確認ください。

新NISA米国株投資の注意点とリスク

新NISA口座での米国株投資には、いくつかの注意点があります。

(1) 米国での配当10%源泉徴収は免除されない

NISA口座では日本の税金(20.315%)は非課税ですが、米国での源泉徴収10%は免除されません

配当課税の比較:

口座種別 米国課税 日本課税 実質税率
特定口座 10% 20.315% 約28%
NISA口座 10% 0%(非課税) 10%

※出典: IRS - Tax on Foreign Investment for Nonresident Aliens

NISA口座でも米国での10%課税は避けられませんが、特定口座の約28%と比べて大幅に有利です。

(2) NISA口座での損失は損益通算・繰越控除不可

NISA口座で損失が発生した場合、損益通算や繰越控除ができません

損益通算とは:

特定口座では、A銘柄で+10万円、B銘柄で-5万円の場合、差額の+5万円に対してのみ課税されます。NISA口座ではこの調整ができません。

対策:

  • 長期的に成長が見込まれる銘柄をNISA口座で保有
  • 短期売買や損失が予想される銘柄は特定口座で取引

(3) 年間投資枠(360万円)の管理

新NISA制度では、年間投資枠が**360万円(成長投資枠240万円 + つみたて投資枠120万円)**です。

投資枠の管理:

  • 1月1日に投資枠がリセット
  • 売却しても投資枠は復活しない(翌年に復活)
  • 枠を超えた分は自動的に特定口座で購入される

(4) 為替リスク(円高で元本割れの可能性)

米国株はドル建てで取引されるため、為替リスクがあります。

為替リスクの例:

購入時: 1ドル = 150円
売却時: 1ドル = 140円(円高)

株価が変わらなくても、為替の影響で円建てでは損失が発生します。

対策:

  • 長期保有を前提とする(短期的な為替変動を気にしない)
  • ドル資産として保有する(円に戻さない)

(5) NISA口座は1人1口座(金融機関変更は年1回可能)

NISA口座は1人1口座のみ開設可能です。

金融機関変更:

  • 年1回のみ変更可能
  • 変更手続きには約1ヶ月かかる
  • 変更前の金融機関で購入した商品は変更後も保有可能

まとめ:SBI証券で賢くNISA活用

SBI証券の新NISA口座を使えば、米国株を売買手数料無料で購入でき、配当・売却益が日本では非課税になります。

SBI証券での新NISA米国株投資のメリット:

  • 成長投資枠で米国個別株・ETF約5,000銘柄が購入可能
  • 売買手数料無料(2023年9月以降)
  • 住信SBIネット銀行経由で為替手数料を4銭/ドルに軽減
  • リアルタイム取引・指値注文対応

注意点:

  • 米国での配当10%源泉徴収は免除されない
  • NISA口座での損失は損益通算・繰越控除不可
  • 年間投資枠360万円(成長投資枠240万円)の管理が必要

次のアクション:

  1. SBI証券でNISA口座を開設する(既に開設済みなら次へ)
  2. 住信SBIネット銀行の口座を開設して為替コストを軽減
  3. 成長投資枠で米国株・ETFを購入
  4. 長期保有を前提に、為替リスクを分散

SBI証券の新NISA口座を活用して、税制優遇を最大限に活かした米国株投資を始めましょう。

よくある質問

Q1SBI証券のNISA口座で米国株は買えますか?

A1はい、買えます。新NISA制度の成長投資枠(年間240万円)を使って、米国個別株・ETF約5,000銘柄が購入可能です。売買手数料は無料で、リアルタイム取引にも対応しています。つみたて投資枠では米国個別株は購入できませんが、金融庁指定の米国株インデックスファンドは購入できます。

Q2手数料はかかりますか?

A2売買手数料は無料です(2023年9月以降)。ただし、為替手数料が1ドルあたり片道25銭かかります。住信SBIネット銀行の外貨普通預金を経由すれば、為替手数料を1ドルあたり4銭に軽減できます。長期的に大きな節約になるため、住信SBIネット銀行経由の利用が推奨されています。

Q3NISA口座なら配当も非課税ですか?

A3日本では非課税ですが、米国での源泉徴収10%は免除されません。特定口座では米国10% + 日本20.315%で実質約28%課税されますが、NISA口座なら米国10%のみの課税となり大幅に有利です。米国での源泉徴収は日本の税制では免除できないため、完全非課税にはなりません。

Q4NISA口座で損失が出たら?

A4NISA口座での損失は損益通算や繰越控除ができません。特定口座では複数銘柄の損益を相殺できますが、NISA口座ではこの調整ができないため注意が必要です。損失が予想される銘柄や短期売買は特定口座で行い、長期的に成長が見込まれる銘柄をNISA口座で保有することが推奨されています。

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