ニッセイ外国株式とeMAXIS Slimの違いで迷う理由
つみたてNISAやiDeCoで外国株式インデックスファンドを選ぶ際、「ニッセイ外国株式インデックスファンド」と「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」のどちらにするか迷う投資家は多いです。
どちらも業界最低水準の信託報酬で、同じMSCIコクサイ指数に連動しているため、「結局どっちが良いの?」という疑問が湧いてきます。
この記事では、両ファンドの信託報酬、純資産総額、運用実績を比較し、投資方針別の選択基準を詳しく解説します。
この記事のポイント:
- どちらも同じMSCIコクサイ指数に連動し、信託報酬も年率0.1%前後で業界最低水準
- eMAXIS Slimの方が純資産総額が大きく、シリーズ全体での運用規模が優位
- 信託報酬の差は年0.01%程度で、長期的な差はわずか
- どちらを選んでも問題なく、純資産総額や運用会社の好みで選べば良い
(1) どちらも業界最低水準の信託報酬
ニッセイ外国株式インデックスファンドとeMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、どちらも信託報酬が年率0.1%前後と業界最低水準です。この低コストが両ファンドの最大の魅力です。
(2) 同じMSCIコクサイ指数に連動
両ファンドともMSCIコクサイ指数(日本を除く先進国株式)に連動しているため、投資対象や地域配分はほぼ同じです。米国が約70%、欧州が約20%、その他先進国が約10%という構成です。
(3) つみたてNISA対象ファンド
どちらもつみたてNISA対象商品として金融庁に認定されており、長期の積立投資に適しています。
ニッセイ外国株式インデックスファンドの特徴
ニッセイ外国株式インデックスファンドは、ニッセイアセットマネジメントが運用する低コストファンドです。
(1) 運用会社と信託報酬
- 運用会社: ニッセイアセットマネジメント
- 信託報酬: 年率0.1023%程度(税込)
- 購入時手数料: なし(ノーロード)
- 信託財産留保額: なし
※信託報酬は変動する可能性があるため、最新情報は公式サイトで確認してください。
(2) 純資産総額と運用実績
ニッセイ外国株式インデックスファンドの純資産総額は数千億円規模で、つみたてNISAの対象ファンドとして人気があります。MSCIコクサイ指数に対するトラッキングエラー(指数との乖離率)も小さく、安定した運用が行われています。
(3) 投資対象とベンチマーク
- ベンチマーク: MSCIコクサイ指数(円ベース)
- 投資対象: 日本を除く先進国株式(米国約70%、欧州約20%、その他約10%)
- 投資銘柄数: 約1,300銘柄以上
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの特徴
eMAXIS Slimシリーズは、三菱UFJアセットマネジメントが「業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続ける」ファンドシリーズです。
(1) 運用会社と信託報酬
- 運用会社: 三菱UFJアセットマネジメント
- 信託報酬: 年率0.1023%程度(税込)
- 購入時手数料: なし(ノーロード)
- 信託財産留保額: なし
※信託報酬は変動する可能性があるため、最新情報は公式サイトで確認してください。
(2) 純資産総額と運用実績
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの純資産総額は1兆円を超える規模で、つみたてNISAやiDeCoで人気の高いファンドです。MSCIコクサイ指数に対するトラッキングエラーも小さく、安定した運用実績を誇ります。
(3) eMAXIS Slimシリーズの強み
eMAXIS Slimシリーズは、全世界株式(オール・カントリー)、米国株式(S&P500)、新興国株式など、幅広いラインナップを低コストで提供しています。シリーズ全体での純資産総額が大きく、運用の安定性が高いと言われています。
信託報酬・純資産・パフォーマンスの比較
両ファンドを具体的なデータで比較してみましょう。
(1) 信託報酬の比較(年率0.01%前後の差)
項目 | ニッセイ外国株式 | eMAXIS Slim 先進国株式 |
---|---|---|
信託報酬(税込) | 年率0.1023%程度 | 年率0.1023%程度 |
購入時手数料 | なし | なし |
信託財産留保額 | なし | なし |
※2025年10月時点の情報。最新情報は各ファンドの公式サイトで確認してください。
信託報酬はどちらも年率0.1023%程度で、ほぼ同じです。仮に100万円を運用した場合、年間のコストは約1,023円となります。
(2) 純資産総額の比較(規模と安定性)
項目 | ニッセイ外国株式 | eMAXIS Slim 先進国株式 |
---|---|---|
純資産総額 | 数千億円規模 | 1兆円超 |
設定日 | 2013年12月10日 | 2017年2月27日 |
運用年数 | 約11年 | 約8年 |
※2025年10月時点の情報。最新データは証券会社の比較ツール等で確認してください。
eMAXIS Slim 先進国株式の方が純資産総額が大きく、運用の安定性という観点ではやや優位と言えます。純資産総額が大きいファンドは、償還(運用終了)のリスクが低く、効率的な運用が期待できます。
(3) トラッキングエラーとリターンの比較
どちらも同じMSCIコクサイ指数に連動しているため、長期的なリターンはほぼ同じです。トラッキングエラー(指数との乖離率)もどちらも小さく、安定した運用が行われています。
信託報酬の差が年0.01%程度であれば、30年運用しても100万円あたりの差は数千円程度です。
どちらを選ぶべきか:投資方針別の選択基準
両ファンドの違いはわずかですが、以下の基準で選ぶと良いでしょう。
(1) 信託報酬を最重視する場合
信託報酬がほぼ同じであれば、現時点でどちらが安いかを確認して選びましょう。ただし、差が年0.01%程度なら、他の要素(純資産総額、運用会社の信頼性など)も考慮すべきです。
(2) 純資産総額(規模)を重視する場合
純資産総額の大きさを重視するなら、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスが優位です。1兆円を超える規模は、償還リスクが低く、長期的な安心感があります。
(3) 運用会社の信頼性を重視する場合
- ニッセイアセットマネジメント: 日本生命グループの運用会社
- 三菱UFJアセットマネジメント: 三菱UFJフィナンシャル・グループの運用会社
どちらも日本の大手金融グループの運用会社で、信頼性は高いです。好みや既存の取引関係で選んでも問題ありません。
(4) 併用やスイッチングの考え方
両ファンドは同じ指数に連動しているため、併用しても分散効果はほとんどありません。どちらか一方に集中する方が管理しやすいでしょう。
また、すでにニッセイ外国株式インデックスファンドを積み立てている場合、eMAXIS Slimにスイッチング(乗り換え)すると売却益に課税される可能性があります。信託報酬の差が年0.01%程度なら、スイッチングコストの方が大きくなる場合があるため、現状維持が無難です。
まとめ:結局どっちが良い?
ニッセイ外国株式インデックスファンドとeMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、どちらも優良な低コストファンドです。
選び方のポイント:
- 信託報酬がほぼ同じなら、純資産総額の大きいeMAXIS Slimがやや優位
- ただし、差はわずかなので、どちらを選んでも長期的なリターンに大きな違いはない
- すでにどちらかを積み立てているなら、乗り換えずに継続する方が良い
- つみたてNISAやiDeCoでは、どちらも対象商品として優秀
次のアクション:
- 証券会社の比較ツールで最新の信託報酬と純資産総額を確認
- つみたてNISAやiDeCoで積立設定を開始
- 長期的な資産形成を目指して、コツコツ積み立てを継続
どちらを選んでも問題ありません。大切なのは、低コストファンドで長期的に積み立てを続けることです。