野村DC外国株式インデックスファンドMSCI KOKUSAIの概要
企業型DC(確定拠出年金)やiDeCoで資産運用をしている方にとって、外国株式インデックスファンドは重要な選択肢です。野村DC外国株式インデックスファンドMSCI KOKUSAIは、日本を除く先進国株式に分散投資できるDC専用ファンドです。
この記事では、MSCI KOKUSAI指数の特徴、運用実績、信託報酬、他ファンドとの比較を解説します。
この記事のポイント:
- MSCI KOKUSAI指数は日本を除く先進国22カ国の株式で構成(米国約70%)
- DC専用ファンドのため、一般向けより信託報酬が低い傾向(年0.1-0.2%程度)
- 企業型DCやiDeCoでのみ購入可能(一般の証券口座では買えない)
- eMAXIS Slim先進国株式と同じ指数に連動するが、信託報酬はやや高い
- 日本株を別途保有している場合、外国株式への分散投資手段として有効
(1) 企業型DC専用ファンドとは
DC専用ファンドとは、企業型DC(確定拠出年金)やiDeCo口座専用の投資信託です。一般の証券口座では購入できませんが、信託報酬が一般向けファンドより低い場合が多いです。
また、DC制度では運用益が非課税、掛金が所得控除されるため、長期運用に適しています。
(2) 基本情報(設定日・純資産額)
野村DC外国株式インデックスファンドMSCI KOKUSAIの基本情報は、野村アセットマネジメントの公式サイトや運用報告書で確認できます。
一般的なDC専用ファンドは、純資産総額が数百億円~数千億円規模で、安定した運用が期待できます。
※最新情報は野村アセットマネジメント公式サイト(https://www.nomura-am.co.jp/fund/)で確認してください。
MSCI KOKUSAI指数の特徴と構成
(1) 日本を除く先進国22カ国の株式指数
MSCI KOKUSAI指数は、日本を除く先進国22カ国の株式で構成される株価指数です。約1,300銘柄が含まれ、時価総額加重平均で算出されます。
「KOKUSAI」は日本語の「国際」に由来し、日本を除く国際株式という意味です。
(2) 地域別・国別構成比率
MSCI KOKUSAI指数の地域別構成比率(2025年時点の目安):
地域・国 | 構成比率 |
---|---|
米国 | 約70% |
欧州(英国・フランス・ドイツ等) | 約20% |
その他先進国(カナダ・オーストラリア等) | 約10% |
米国の比率が高いため、米国株市場の動向に大きく影響されます。
(3) 主要組入銘柄(Apple・Microsoft等)
主要組入銘柄(2025年時点の一般例):
- Apple(米国・テクノロジー)
- Microsoft(米国・テクノロジー)
- NVIDIA(米国・半導体)
- Amazon(米国・EC)
- Alphabet(米国・インターネット)
テクノロジー株の比率が高く、成長性が期待できる一方、市場変動リスクも大きいです。
※具体的な組入銘柄は運用報告書で確認してください。
(4) 全世界株式との違い
全世界株式インデックス(MSCI ACWIやFTSE All-World)は、日本株や新興国株も含みます。
指数 | 投資対象 |
---|---|
MSCI KOKUSAI | 日本除く先進国のみ |
MSCI ACWI(全世界株式) | 先進国+新興国(日本含む) |
日本株を別途保有している場合、MSCI KOKUSAIの方が重複を避けられます。
運用実績と信託報酬の評価
(1) 過去5年・10年のリターン
MSCI KOKUSAI指数は、過去10年間で年平均10-12%程度のリターンを記録しています(市場環境により変動)。
野村DC外国株式インデックスファンドの具体的なリターンは、運用報告書で確認してください。
※過去の運用実績は将来を保証するものではありません。
(2) 信託報酬の水準(DC専用のため低め)
DC専用ファンドの信託報酬は、一般向けより低い傾向があります。
信託報酬の比較(年率、2025年時点目安):
ファンド | 信託報酬 |
---|---|
野村DC外国株式インデックスMSCI KOKUSAI | 約0.1-0.2% |
eMAXIS Slim先進国株式 | 約0.09% |
一般の先進国株式ファンド | 約0.5-1.0% |
※最新情報は各ファンドの目論見書で確認してください。
(3) トラッキングエラーの評価
トラッキングエラーとは、ファンドのリターンとベンチマーク(MSCI KOKUSAI指数)のリターンの乖離です。
インデックスファンドでは、トラッキングエラーが小さいほど優秀とされます。野村DCファンドは、低コストで安定した運用が期待できるため、トラッキングエラーは小さい傾向があります。
(4) ベンチマークとの乖離
信託報酬や売買コストにより、ファンドのリターンはベンチマークをわずかに下回ります。ただし、年0.1-0.2%の信託報酬であれば、長期運用でも影響は限定的です。
企業型DC(確定拠出年金)での活用方法
(1) DC制度での外国株式の重要性
企業型DCやiDeCoでは、国内株式・外国株式・債券・バランス型ファンドなど、複数の商品を組み合わせて資産配分します。
外国株式(特に米国株)は、長期的に高いリターンが期待できるため、若年層には50-70%の配分が推奨されることもあります。
(2) ポートフォリオでの配分比率
年齢別の配分例:
年齢層 | 外国株式 | 国内株式 | 債券 |
---|---|---|---|
20-30代 | 60-70% | 20-30% | 10-20% |
40-50代 | 40-60% | 20-30% | 20-40% |
60代以降 | 20-30% | 10-20% | 50-70% |
若年層ほど株式比率を高め、定年が近づくにつれて債券比率を上げるのが一般的です。
(3) スイッチングとリバランス
スイッチングとは、DC口座内で保有する商品を入れ替えることです。例えば、外国株式が値上がりしたタイミングで一部を債券に振り替えることで、リスクを調整できます。
リバランスは、当初の配分比率に戻す作業です。年に1-2回見直すことが推奨されます。
(4) 若年層・中高年層の資産配分例
若年層(20-30代)の例:
- 野村DC外国株式インデックスMSCI KOKUSAI: 60%
- 国内株式インデックス: 30%
- 債券ファンド: 10%
中高年層(50代)の例:
- 野村DC外国株式インデックスMSCI KOKUSAI: 40%
- 国内株式インデックス: 20%
- 債券ファンド: 40%
リスク許容度や投資方針により調整してください。
他の外国株式インデックスファンドとの比較
(1) eMAXIS Slim先進国株式との比較
eMAXIS Slim先進国株式も、MSCI KOKUSAI指数に連動します。
項目 | 野村DC外国株式 | eMAXIS Slim先進国株式 |
---|---|---|
ベンチマーク | MSCI KOKUSAI | MSCI KOKUSAI |
信託報酬 | 約0.1-0.2% | 約0.09% |
購入場所 | DC口座のみ | 一般口座・DC口座 |
eMAXIS Slimの方が信託報酬が低いため、DC商品ラインナップにeMAXIS Slimがあれば、そちらを選ぶのも有力な選択肢です。
(2) DC専用ファンドのメリット・デメリット
メリット:
- 信託報酬が一般向けより低い傾向
- DC制度の税制優遇(運用益非課税・掛金所得控除)
デメリット:
- DC口座でのみ購入可能(一般口座では買えない)
- 60歳まで引き出せない(原則)
(3) 信託報酬の差が運用成績に与える影響
信託報酬0.1%と0.09%の差は、30年の長期運用でも影響は小さいです。
計算例(毎月2万円を30年積立、年利5%):
- 信託報酬0.09%: 約1,642万円
- 信託報酬0.15%: 約1,630万円
- 差額: 約12万円
このため、信託報酬の差だけでなく、ポートフォリオ全体のバランスを重視すべきです。
(4) 同じMSCI KOKUSAI連動ファンドの比較
他社のDC専用ファンド(DCニッセイ外国株式インデックス、三菱UFJ DC外国株式等)も同じMSCI KOKUSAI指数に連動します。信託報酬や純資産総額を比較して選びましょう。
まとめ:野村DC外国株式インデックスファンドの評価
野村DC外国株式インデックスファンドMSCI KOKUSAIは、日本を除く先進国株式に分散投資できる優良なDC専用ファンドです。信託報酬は低く、長期運用に適しています。
このファンドに向いている人:
- 企業型DCやiDeCoで外国株式に投資したい
- 日本株を別途保有しており、外国株式のみに投資したい
- 低コストで安定した運用を重視する
向いていない人:
- 信託報酬を最優先する(eMAXIS Slimが選べる場合はそちらが有利)
- 1本で全世界株式に投資したい(全世界株式インデックスが適切)
次のアクション:
- 自社のDC商品ラインナップを確認する
- 目論見書・運用報告書で最新の信託報酬と運用実績を確認する
- eMAXIS Slimシリーズが選べる場合は比較検討する
- 日本株・外国株・債券のバランスを考えて資産配分を決める
企業型DCは長期運用が前提です。正しい情報をもとに、自分に合ったファンドを選びましょう。
※本記事は2025年10月時点の情報です。最新情報は運用会社や金融庁のウェブサイトで確認してください。