楽天証券の米国株手数料が高いか安いか判断できない悩み
「楽天証券で米国株を取引したいけれど、手数料が高いのか安いのか分からない」と悩んでいませんか。米国株取引には「為替手数料」と「取引手数料」の2つのコストがかかり、その仕組みが複雑に感じられます。
この記事では、楽天証券の米国株手数料の全体像を詳しく解説し、SBI証券やマネックス証券と比較します。さらに、楽天ポイントを活用した手数料節約術も紹介します。
この記事のポイント:
- 楽天証券の米国株手数料は「為替手数料」と「取引手数料」の2段階構造
- 為替手数料は片道25銭、取引手数料は約定代金の0.495%(最低0ドル・上限22ドル)
- 100万円投資時の実質コストは約1万円程度(為替2,500円+取引約7,500円)
- SBI証券・マネックス証券とほぼ同水準の手数料で、取引金額により有利不利が変わる
- 楽天ポイント投資や超割コースを活用すれば、実質的に手数料負担を軽減できる
楽天証券の米国株手数料体系の全体像
楽天証券で米国株を取引する際には、以下の2種類の手数料がかかります。
(1) 為替手数料(片道25銭)
米国株はドル建てで取引されるため、円をドルに交換する必要があります。この際にかかるのが為替手数料です。
楽天証券の為替手数料:
- 片道25銭(1ドルあたり)
- 往復で50銭(購入時25銭+売却時25銭)
例: 1ドル=150円の時に100万円分をドルに交換する場合
- 交換額: 100万円 ÷ 150円 = 約6,667ドル
- 為替手数料: 6,667ドル × 0.25円 = 約1,667円
この為替手数料は、円貨決済(自動でドルに交換)でも、外貨決済(事前にドルを用意)でも同じです。
(2) 取引手数料(約定代金の0.495%)
株式を売買する際にかかる手数料です。楽天証券の取引手数料は以下の通りです:
- 約定代金の0.495%(税込)
- 最低手数料: 0ドル(少額取引でも手数料ゼロ)
- 上限手数料: 22ドル(大口取引でも最大22ドル)
※2023年のゼロコース導入により、最低手数料が0ドルになりました。
例: 5,000ドル分の米国株を購入する場合
- 取引手数料: 5,000ドル × 0.495% = 24.75ドル
- 上限が22ドルなので、実際には 22ドル(約3,300円)
(3) NISA口座での手数料
NISA口座で米国株を取引する場合も、手数料は同じです。
- 為替手数料: 片道25銭
- 取引手数料: 約定代金の0.495%(最低0ドル・上限22ドル)
NISA口座のメリットは、売却益と配当が非課税になる点です。ただし、米国での源泉徴収10%は免除されません。
(4) 最低手数料と上限手数料
楽天証券の取引手数料には、最低と上限があります:
約定代金 | 取引手数料 |
---|---|
100ドル | 0.495ドル → 最低0ドル適用で 0ドル |
1,000ドル | 4.95ドル |
5,000ドル | 24.75ドル → 上限22ドル適用で 22ドル |
10,000ドル | 49.5ドル → 上限22ドル適用で 22ドル |
※上限22ドルのため、約4,500ドル以上の取引では一律22ドルです。
最低手数料が0ドルなので、少額投資でも手数料負担が少なく、初心者に優しい設計です。
為替手数料の詳細と節約方法
(1) 円貨決済 vs 外貨決済の違い
楽天証券では、2つの決済方法から選べます:
円貨決済:
- 円で入金し、自動的にドルに交換して米国株を購入
- 為替手数料: 片道25銭
- 簡単だが、為替レートが不利な時に自動で交換される
外貨決済:
- 事前に円をドルに交換し、そのドルで米国株を購入
- 為替手数料: 片道25銭(交換時のみ)
- 為替タイミングを自分で選べるため、円安時に交換すればコスト削減可能
為替コストを抑えたい場合は、外貨決済で有利な為替レートの時にドルを用意しておくのがおすすめです。
(2) 為替スプレッド25銭の影響
為替スプレッドとは、銀行や証券会社が提示する為替レートに上乗せされる手数料のことです。
例: 市場レートが1ドル=150円の場合
- 楽天証券の提示レート: 150.25円(買い)/ 149.75円(売り)
- スプレッド: 片道25銭
100万円をドルに交換する場合:
- 市場レート: 100万円 ÷ 150円 = 6,667ドル
- 楽天証券レート: 100万円 ÷ 150.25円 = 6,656ドル
- 実質的な手数料: 約1,667円
この為替コストは避けられませんが、長期投資であれば為替変動の影響の方が大きいため、過度に気にする必要はありません。
(3) 為替タイミングと為替コスト削減法
為替コストを削減する方法:
- 外貨決済を活用: 円高時にドルを用意し、円安時に米国株を購入
- 為替レートを定期的にチェック: 1ドル=140円台の時に交換するなど、タイミングを見極める
- 長期投資前提なら一気に交換: 少額ずつ交換すると為替手数料が累積する
※為替予測は困難なため、ドルコスト平均法(毎月一定額を交換)も有効な戦略です。
取引手数料の詳細と計算例
(1) 約定代金の0.495%(最低0ドル・上限22ドル)
楽天証券の取引手数料は、約定代金(株数×株価)の0.495%です。
計算式:
取引手数料 = 約定代金 × 0.495%
ただし、最低0ドル・上限22ドルの制約があります。
具体例:
約定代金 | 計算 | 実際の手数料 |
---|---|---|
500ドル | 500 × 0.495% = 2.475ドル | 2.475ドル |
3,000ドル | 3,000 × 0.495% = 14.85ドル | 14.85ドル |
10,000ドル | 10,000 × 0.495% = 49.5ドル | 22ドル(上限適用) |
(2) 100万円投資時の実質コスト計算
100万円で米国株を購入する場合の総コストを計算します。
前提条件:
- 投資金額: 100万円
- 為替レート: 1ドル=150円
- 購入額: 100万円 ÷ 150円 = 6,667ドル
コスト内訳:
- 為替手数料: 6,667ドル × 0.25円 = 約1,667円
- 取引手数料: 6,667ドル × 0.495% = 33ドル → 上限22ドル適用 = 22ドル(約3,300円)
- 総コスト: 1,667円 + 3,300円 = 約4,967円
100万円投資で約5,000円のコスト、つまり約0.5%の負担です。
(3) 楽天ポイントによる手数料還元(超割コース)
楽天証券の「超割コース」では、取引額に応じて楽天ポイントが還元されます。
ポイント還元率:
- 国内株式取引: 手数料の1%分をポイント還元
- 米国株取引: 取引額に応じてポイント付与(詳細は公式サイトで確認)
例: 100万円分の米国株を購入し、3,300円の取引手数料を支払った場合
- ポイント還元: 約33ポイント(1%還元の場合)
- 実質手数料: 3,300円 - 33円 = 約3,267円
ポイント還元を活用すれば、実質的な手数料負担を軽減できます。
(4) ポイント投資の活用法
楽天証券では、楽天ポイントを使って米国株を購入できます。
ポイント投資のメリット:
- 楽天市場や楽天カードで貯めたポイントを投資に回せる
- 1ポイント=1円として利用可能
- 投資額を減らせるため、実質的に手数料負担も軽減
例: 10万円分の米国株を購入する際、1万ポイントを使う場合
- 実際の支払い: 9万円
- 為替手数料・取引手数料は10万円分にかかるが、実質負担は9万円
ポイント投資は、楽天経済圏を活用している投資家にとって大きなメリットです。
他社との手数料比較(SBI証券・マネックス証券)
(1) SBI証券の手数料体系
SBI証券の米国株手数料:
- 為替手数料: 片道25銭(楽天証券と同じ)
- 取引手数料: 約定代金の0.495%(最低0ドル・上限22ドル)
SBI証券と楽天証券の手数料は、ほぼ同水準です。どちらを選ぶかは、ポイント制度や使いやすさで判断しましょう。
SBI証券のメリット:
- Tポイント・Vポイント・Pontaポイントが貯まる・使える
- 三井住友カードのクレカ積立で最大5%ポイント還元
(2) マネックス証券の手数料体系
マネックス証券の米国株手数料:
- 為替手数料: 買付時0銭(無料)、売却時25銭
- 取引手数料: 約定代金の0.495%(最低0ドル・上限22ドル)
マネックス証券は、買付時の為替手数料が無料です。購入時のコストを抑えたい場合は、マネックス証券が有利です。
マネックス証券のメリット:
- 買付時の為替手数料が0銭(売却時のみ25銭)
- 米国株の銘柄数が多い(約5,000銘柄)
(3) 取引金額別の有利不利比較表
100万円投資時の総コスト比較(1ドル=150円と仮定):
証券会社 | 為替手数料 | 取引手数料 | 総コスト |
---|---|---|---|
楽天証券 | 1,667円 | 3,300円 | 4,967円 |
SBI証券 | 1,667円 | 3,300円 | 4,967円 |
マネックス証券 | 0円(買付) | 3,300円 | 3,300円 |
※売却時の為替手数料は含まず。
マネックス証券は買付時の為替手数料が無料なため、購入時のコストは最も低いです。ただし、売却時には為替手数料がかかります。
(4) どの証券会社を選ぶべきか
証券会社選びのポイント:
楽天証券がおすすめな人:
- 楽天経済圏を活用している(楽天市場・楽天カード利用者)
- 楽天ポイントを投資に回したい
- 楽天銀行と連携してマネーブリッジを活用したい
SBI証券がおすすめな人:
- Tポイント・Vポイント・Pontaポイントを貯めている
- 三井住友カードのクレカ積立で高還元率を狙いたい
- 国内株・投資信託も含めて総合的に取引したい
マネックス証券がおすすめな人:
- 買付時の為替手数料を抑えたい
- 米国株の銘柄数の多さを重視する
- 米国ETFを中心に取引したい
手数料はほぼ同水準なので、ポイント制度や使いやすさ、他の金融サービスとの連携で選ぶのが賢明です。
まとめ:楽天証券の米国株手数料とポイント活用術
楽天証券の米国株手数料は、為替手数料片道25銭+取引手数料0.495%(最低0ドル・上限22ドル)です。SBI証券とほぼ同水準で、マネックス証券は買付時の為替手数料が無料という特徴があります。
楽天証券の手数料を抑えるポイント:
- 外貨決済を活用: 円高時にドルを用意し、為替タイミングを見極める
- 超割コースでポイント還元: 取引額に応じて楽天ポイントが貯まる
- ポイント投資: 楽天ポイントで米国株を購入し、実質的な投資額を減らす
- NISA口座を活用: 売却益・配当が非課税(手数料は同じだが税制メリット大)
- 大口取引で上限活用: 約4,500ドル以上の取引では上限22ドルが適用される
100万円投資時の総コストは約5,000円程度で、投資額の約0.5%です。長期投資を前提とするなら、手数料よりも銘柄選択や為替リスク管理が重要です。
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