SBI証券で米国株を売りたい!手順は?
SBI証券で米国株を保有しているけれど、「売り方がわからない」「税金はどうなるの?」「為替レートはいつ適用されるの?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
米国株の売却は、注文方法、為替決済の選択、税金処理など、国内株とは異なる点がいくつかあります。手順を正しく理解しておくことで、スムーズに売却できます。
この記事では、SBI証券での米国株売却の具体的な手順、外貨決済と円貨決済の違い、税金処理、よくあるトラブルと対処法を詳しく解説します。
この記事のポイント:
- SBI証券での米国株売却は成行・指値・逆指値の3種類の注文方法がある
- 外貨決済(米ドルのまま)と円貨決済(自動円転)を選択できる
- 特定口座(源泉徴収あり)なら売却益に対して自動で20.315%課税
- NISA口座での売却益は非課税だが損失繰越控除は使えない
SBI証券で米国株を売る前に確認すべきこと
保有株の確認:ポートフォリオ画面の見方
まず、SBI証券のポートフォリオ画面で保有銘柄を確認しましょう。「外国株式」→「米国株」→「保有証券」の順にアクセスすると、現在の保有株数、取得単価、評価損益が表示されます。
売却したい銘柄のティッカーシンボル(例: AAPL、MSFT)と保有株数を確認してください。
売却可能数量の確認:決済ルール(T+2)
米国株の決済ルールは「T+2」です。これは、約定日(Trade Date)の2営業日後に決済が完了することを意味します。
例えば、月曜日に米国株を買付した場合、決済日は水曜日です。決済が完了するまで、その株式を売却することはできません。
ポートフォリオ画面の「売却可能数量」を確認し、決済未了の株式がないか注意しましょう。
売却タイミングの考え方:利確・損切りの基準
売却タイミングは投資家ごとに異なります。一般的な考え方としては:
- 利益確定(利確): 目標株価に達した場合、または十分な利益が出た場合
- 損切り: 一定の損失率(例: -10%)に達した場合、損失を限定するために売却
ただし、売却のタイミングは市場環境や個別企業の状況により異なるため、自己判断で行うことが重要です。
米国市場の取引時間:日本時間23:30-翌6:00
米国株の売却注文は、米国市場の取引時間内に約定します。取引時間は以下の通りです:
- 通常時間: 日本時間23:30〜翌6:00(米国東部時間9:30〜16:00)
- サマータイム: 日本時間22:30〜翌5:00(米国東部時間9:30〜16:00)
米国の祝日(独立記念日、感謝祭など)は市場が休場となるため、注文が約定しません。
米国株の売却注文手順:成行・指値・逆指値
売却画面へのアクセス方法
SBI証券のウェブサイトまたはスマホアプリ「SBI証券 株アプリ」から売却画面にアクセスします。
- 「外国株式」→「米国株」→「売却」を選択
- 売却したい銘柄のティッカーシンボルを入力
- 売却株数、注文タイプを選択
成行注文:市場価格で即座に売却
成行注文は、現在の市場価格で即座に売却する方法です。
メリット:
- 確実に約定する(買い手がいる限り)
- すぐに売却したい場合に便利
デメリット:
- 売却価格が事前にわからない
- 流動性が低い銘柄では不利な価格で約定する可能性
指値注文:希望価格を指定
指値注文は、売却したい価格を指定する方法です。
メリット:
- 希望価格で売却できる
- 価格をコントロールできる
デメリット:
- 指定価格に達しないと約定しない
- 急落時に売却できないリスク
例: 現在株価100ドルの銘柄を105ドルで売却したい場合、指値105ドルで注文します。
逆指値注文(ストップロス):損失限定の活用
逆指値注文は、株価が一定の水準に下落した場合に自動的に売却する注文方法です。損失を限定したい場合に有効です。
例: 現在株価100ドルの銘柄を、90ドルまで下落したら売却したい場合、逆指値90ドルで注文します。
注文確認と取消・訂正の方法
注文を送信する前に、注文内容(銘柄、数量、価格、決済方法)を必ず確認してください。
未約定の注文は、「注文照会」画面から取消・訂正が可能です。ただし、約定済みの注文は取消できません。
為替決済の選択:外貨決済 vs 円貨決済
円貨決済:売却代金を自動で円に換金
円貨決済を選択すると、売却代金が自動的に円に換金されます。
メリット:
- 手軽で簡単(為替換算を自分でする必要がない)
- 円建てで資金を受け取れる
デメリット:
- 為替スプレッド(片道25銭)がかかる
- 為替レートの選択肢がない
外貨決済:米ドルのまま保有(為替手数料節約)
外貨決済を選択すると、売却代金が米ドルのままSBI証券の外貨口座に入金されます。
メリット:
- 為替スプレッドを節約できる
- 好きなタイミングで円に換金できる
- 次回の米国株買付時にそのまま使える
デメリット:
- 円に換金する際に別途手続きが必要
- 為替レート変動のリスクを負う
為替スプレッドの影響:片道25銭(往復50銭)
SBI証券の為替スプレッドは片道25銭です。例えば、為替レート1ドル=150円の場合:
- 売却時(円貨決済): 1ドル=149.75円で換金(25銭マイナス)
- 買付時(円貨決済): 1ドル=150.25円で換金(25銭プラス)
往復で50銭のコストがかかるため、頻繁に売買する場合は外貨決済がお得です。
住信SBIネット銀行での円転で為替コスト削減
住信SBIネット銀行と連携すれば、為替スプレッドを片道6銭まで削減できます。外貨決済で売却した米ドルを、住信SBIネット銀行の外貨預金に移し、そこで円に換金することで、コストを大幅に削減できます。
売却時の税金処理:特定口座とNISA口座の違い
特定口座(源泉徴収あり):自動で20.315%源泉徴収
特定口座(源泉徴収あり)で売却した場合、売却益に対して自動で20.315%が源泉徴収されます。
内訳:
- 所得税15.315%
- 住民税5%
決済日(T+2)に税金が自動的に差し引かれ、確定申告は不要です。
一般口座:確定申告が必要
一般口座で売却した場合、翌年の確定申告で譲渡所得として申告する必要があります。
売却益が20万円以下の場合、確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。
NISA口座:売却益非課税(ただし損失繰越不可)
NISA口座(つみたてNISA、成長投資枠)で売却した場合、売却益は非課税です。
メリット:
- 税金が一切かからない
デメリット:
- 売却損が出ても、損失繰越控除や損益通算ができない
決済日(T+2)と入金タイミング
売却代金は、約定日の2営業日後(T+2)に口座に入金されます。
例: 月曜日に約定した場合、決済日は水曜日です。
よくあるトラブルと対処法
売却注文が通らない:取引時間外・米国休場日
米国市場の取引時間外に注文を出した場合、翌営業日の取引開始まで注文が約定しません。
また、米国の祝日(独立記念日、感謝祭など)は市場が休場となるため、注文が通りません。
売却可能数量が不足:決済未了の買付
「売却可能数量が不足しています」というエラーが出る場合、決済未了の買付があることが原因です。
買付から2営業日(T+2)経過するまで、その株式は売却できません。
注文の取消・訂正方法
SBI証券の「注文照会」画面から、未約定の注文を選択し「取消」ボタンを押すことで注文を取り消せます。
約定済みの注文は取消不可です。取引時間外や米国休場中の注文は、翌営業日まで取消可能です。
為替レートの確認ミス
円貨決済の場合、売却約定時のSBI証券為替レート(片道25銭スプレッド)で自動換金されます。
為替レートは常に変動するため、売却前に最新のレートを確認しましょう。
まとめ:売却のタイミングは自己判断で
SBI証券での米国株売却は、注文方法、為替決済の選択、税金処理を理解すればスムーズに行えます。
次のアクション:
- ポートフォリオ画面で保有銘柄と売却可能数量を確認
- 売却タイミングを検討し、成行・指値・逆指値から適切な注文方法を選択
- 外貨決済と円貨決済のメリット・デメリットを比較
- 特定口座とNISA口座の税金処理の違いを理解
売却のタイミングは市場環境や個別企業の状況により異なります。投資判断は自己責任で行い、長期的な視点で資産形成を目指しましょう。
