米国株 時間外取引とは|プレ・アフター市場完全ガイド

公開日: 2025/10/19

決算発表後の急騰・急落を取りたいけれど、時間外取引って何?

米国株投資をしていると、「決算発表後、翌朝には株価が大きく動いていた」という経験はありませんか?米国企業の決算発表は、通常取引時間の終了後(アフターマーケット)に行われることが多いため、日本の投資家が通常時間内に対応するのは困難です。

そこで注目されるのが**時間外取引(Extended Hours Trading)**です。プレマーケットやアフターマーケットで取引できれば、決算発表後の急変動を即座に捉えることができます。

この記事では、米国株の時間外取引の仕組み、プレマーケットとアフターマーケットの違い、日本の証券会社での対応状況、メリット・デメリット、リスク管理の方法を詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • 時間外取引は通常取引時間(9:30-16:00)以外の売買
  • プレマーケット(4:00-9:30)とアフターマーケット(16:00-20:00)がある
  • 日本の証券会社では、マネックス証券のTradeStationが時間外取引に対応
  • SBI証券・楽天証券は基本的に時間外取引非対応
  • 流動性が低く、スプレッドが広がりやすいため初心者には推奨されない

1. 米国株の時間外取引とは

時間外取引は、通常取引時間外に株式を売買できる仕組みです。

(1) 通常取引時間(9:30-16:00 米国東部時間)

米国株式市場の通常取引時間は、米国東部時間9:30-16:00です。日本時間では以下の通りです:

米国東部時間 日本時間(夏時間) 日本時間(標準時間)
9:30-16:00 22:30-翌5:00 23:30-翌6:00

(2) 時間外取引の時間帯

時間外取引は、**プレマーケット(Pre-Market)アフターマーケット(After-Hours)**の2つの時間帯があります。

時間帯 米国東部時間 日本時間(夏時間) 日本時間(標準時間)
プレマーケット 4:00-9:30 17:00-22:30 18:00-23:30
アフターマーケット 16:00-20:00 翌5:00-翌9:00 翌6:00-翌10:00

(3) 日本時間での取引可能時間

日本時間では、夏時間(3月中旬〜11月上旬)と標準時間(11月上旬〜3月中旬)で1時間のずれがあります。

2. プレマーケットとアフターマーケットの仕組み

時間外取引の2つの時間帯の特徴を見ていきましょう。

(1) プレマーケット(4:00-9:30 米国東部時間)

プレマーケットは、通常取引時間の開場前の取引時間です。

プレマーケットの特徴:

  • 前日のニュースや経済指標発表を受けた取引
  • 流動性が低く、価格変動が大きくなりやすい
  • 通常取引時間の始値を予測する材料になる

(2) アフターマーケット(16:00-20:00 米国東部時間)

アフターマーケットは、通常取引時間の閉場後の取引時間です。

アフターマーケットの特徴:

  • 決算発表は通常この時間帯に行われる
  • 決算内容を受けて株価が急変動することが多い
  • プレマーケットより流動性が高い傾向

(3) 決算発表後の急変動を取る

米国企業の多くは、アフターマーケット(16:00以降)に決算を発表します。好決算なら株価が急騰、悪決算なら急落することがあります。

時間外取引に対応していれば、決算発表後すぐに売買できるため、翌朝の通常取引時間まで待つ必要がありません。

3. 日本の証券会社での時間外取引対応状況

日本の主要証券会社の時間外取引対応状況を比較します。

(1) マネックス証券(TradeStation)

マネックス証券は、米国株取引ツールTradeStationを通じて、時間外取引に対応しています。

TradeStationの特徴:

  • プレマーケット・アフターマーケット両方に対応
  • 指値注文が基本(成行注文は制限あり)
  • 米国株上級者向けのツール

(2) SBI証券・楽天証券の対応状況

SBI証券と楽天証券は、基本的に時間外取引に対応していません。通常取引時間(9:30-16:00)のみの取引となります。

(3) 証券会社別の比較表

証券会社 時間外取引対応 対応ツール 備考
マネックス証券 対応 TradeStation プレ・アフター両方対応
SBI証券 非対応 - 通常時間のみ
楽天証券 非対応 - 通常時間のみ

※2025年時点の情報です。最新情報は各証券会社の公式サイトでご確認ください。

4. 時間外取引のメリットとデメリット

時間外取引のメリットとデメリットを整理します。

(1) メリット:決算反応を即座に取れる

メリット:

  • 決算発表後、株価が大きく動くタイミングで売買できる
  • ニュースや経済指標発表に即座に対応できる
  • 日本時間の日中にも取引可能(プレマーケット)

(2) デメリット:流動性低下・スプレッド拡大

デメリット:

  • 流動性が低い: 買い手・売り手が少なく、取引が成立しにくい
  • スプレッド拡大: 買値と売値の差が広がり、不利な価格で約定しやすい
  • 価格変動が大きい: 少量の売買で株価が大きく動く
  • 通常取引時間と乖離: アフターマーケットの終値と翌朝の始値が大きく異なることがある

(3) 初心者には推奨されない理由

時間外取引は、流動性が低く、スプレッドが広がりやすいため、初心者には推奨されません。

初心者が避けるべき理由:

  • 想定外の価格で約定するリスクが高い
  • 市場参加者が少なく、価格操作されやすい
  • 成行注文が使えない(指値注文のみ)

5. 時間外取引の注意点とリスク管理

時間外取引を行う際の注意点とリスク管理方法を解説します。

(1) 指値注文が基本(成行注文は危険)

時間外取引では、**指値注文(Limit Order)**が基本です。成行注文は、流動性が低いため想定外の価格で約定するリスクが高くなります。

指値注文のポイント:

  • 買いたい価格(上限)、売りたい価格(下限)を明確に指定する
  • スプレッドを確認し、現実的な価格を設定する
  • 約定しない可能性も覚悟する

(2) スプレッド拡大に注意

時間外取引では、ビッド(買値)とアスク(売値)のスプレッドが広がります。

例: 通常取引時間

  • ビッド: 100.00ドル
  • アスク: 100.02ドル
  • スプレッド: 0.02ドル(0.02%)

例: 時間外取引

  • ビッド: 99.80ドル
  • アスク: 100.20ドル
  • スプレッド: 0.40ドル(0.40%)

スプレッドが広いと、売買コストが増加します。

(3) 通常取引時間の始値と乖離する可能性

アフターマーケットで急騰・急落した株価が、翌朝の通常取引時間の始値で大きく戻ることがあります。

リスク管理のポイント:

  • アフターマーケットの価格を過信しない
  • 翌朝の始値で再度確認する
  • 損切りラインを明確にする

6. まとめ:時間外取引を活用すべき投資家

時間外取引は、決算反応を即座に取れるメリットがありますが、流動性が低く、スプレッドが広がりやすいデメリットもあります。

時間外取引が向いている投資家:

  • 米国株投資経験が豊富な上級者
  • 決算発表後の急変動を積極的に取りたい
  • 指値注文のリスク管理ができる
  • マネックス証券のTradeStationを利用できる

時間外取引が向いていない投資家:

  • 米国株投資初心者
  • スプレッド拡大のリスクを許容できない
  • 通常取引時間での長期投資を重視する

次のアクション:

  • マネックス証券のTradeStationの機能を確認する
  • 時間外取引のルール(SECのExtended Hours Trading)を読む
  • 少額で練習し、スプレッドや流動性の感覚を掴む
  • 損切りラインを明確にし、リスク管理を徹底する

時間外取引は便利ですが、リスクも大きいです。まずは通常取引時間での投資に慣れてから、慎重に検討することをおすすめします。

よくある質問

Q1米国株の時間外取引は日本から可能ですか?

A1マネックス証券のTradeStationなら可能です。SBI証券・楽天証券は基本的に時間外取引に対応していません。

Q2時間外取引のメリットは何ですか?

A2決算発表後の急変動を即座に取れること、ニュースや経済指標発表に即座に対応できること、日本時間の日中(プレマーケット)にも取引できることです。

Q3時間外取引のリスクは何ですか?

A3流動性が低く、スプレッド(買値と売値の差)が広がりやすいため、不利な価格で約定する可能性があります。また、価格変動が大きく、通常取引時間の始値と乖離することもあります。

Q4プレマーケットとアフターマーケットの違いは?

A4プレマーケットは開場前(4:00-9:30 米国東部時間)、アフターマーケットは閉場後(16:00-20:00 米国東部時間)です。決算発表は通常アフターマーケットに行われます。

Q5初心者でも時間外取引すべきですか?

A5推奨しません。流動性が低く、スプレッドが広がるため、想定外の価格で約定するリスクが高くなります。まずは通常取引時間での投資に慣れることをおすすめします。

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