eMAXIS Slim米国株式|S&P500連動・信託報酬0.09%

公開日: 2025/10/20

新NISAで米国株投資を始めたいけれど、どのファンドを選べばいい?

新NISA(つみたて投資枠)で米国株に投資したい――そう考える日本人投資家が急増しています。しかし、数多くの米国株式ファンドの中から、どれを選べばいいのか迷っている人も多いでしょう。「信託報酬って何?」「S&P500と全米株式の違いは?」といった疑問を抱えながら、投資をためらっている人も少なくありません。

この記事では、日本で最も人気のある米国株式ファンドの1つ、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」について、その特徴、運用実績、他ファンドとの比較、新NISAでの活用方法まで詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は信託報酬0.09372%の超低コストファンド
  • 純資産総額5兆円超で日本最大級の人気ファンド
  • S&P500指数(米国大型株500銘柄)に連動
  • 新NISAのつみたて投資枠対象商品
  • SBI証券、楽天証券、マネックス証券等で購入可能

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が選ばれる理由

(1) 業界最低水準の信託報酬0.09372%

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の最大の魅力は、**信託報酬0.09372%(税込)**という業界最低水準のコストです。

信託報酬とは、投資信託の運用・管理にかかる年間コストのことです。長期投資では、この信託報酬の差が大きなリターン差を生みます。

信託報酬の差による30年後のリターン差(例):

  • 月3万円を30年間積立投資(年率7%リターンと仮定)
  • 信託報酬0.09%のファンド: 約3,620万円
  • 信託報酬0.5%のファンド: 約3,400万円
  • 差額: 約220万円

このように、信託報酬のわずかな差が、長期的には大きな差を生みます。

(2) 純資産総額5兆円超の圧倒的人気

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の純資産総額は、2025年時点で5兆円超に達しています。これは日本の投資信託の中でもトップクラスの規模です。

純資産総額が大きいことのメリット:

  • 運用コストが割安になる
  • 繰上償還(ファンドの終了)のリスクが低い
  • 流動性が高く、売買がスムーズ
  • 運用が安定している

多くの投資家に選ばれているという事実は、ファンドの信頼性の証とも言えます。

eMAXIS Slim米国株式の基本情報と特徴

(1) 運用会社:三菱UFJ国際投信

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、三菱UFJ国際投信が運用するインデックスファンドです。三菱UFJフィナンシャル・グループの一員として、長年の運用実績と信頼性があります。

「eMAXIS Slim」シリーズは、「業界最低水準の運用コストを目指し続ける」という宣言を掲げており、他社が信託報酬を引き下げると、eMAXIS Slimも引き下げる姿勢を取っています。

(2) ベンチマーク:S&P500指数(米国大型株500銘柄)

eMAXIS Slim米国株式は、S&P500指数に連動することを目指すファンドです。

S&P500指数とは、米国の大型株500銘柄で構成される時価総額加重平均指数です。Apple、Microsoft、Amazon、Google、Teslaなどの主要企業が上位を占めており、米国株式市場全体の約80%をカバーしています。

S&P500の構成セクター(2025年時点の目安):

セクター 比率
情報技術 約30%
金融 約13%
ヘルスケア 約12%
一般消費財 約11%
通信サービス 約9%
その他 約25%

(3) 為替ヘッジなし・分配金なし(再投資型)の理由

eMAXIS Slim米国株式は、為替ヘッジなしのファンドです。つまり、米ドル建て資産をそのまま保有し、為替リスクを取ります。

為替ヘッジなしのメリット:

  • ヘッジコストがかからない(年率1〜2%程度の節約)
  • 円安時には為替差益を享受できる
  • ドル建て資産を持つことで資産分散になる

また、eMAXIS Slim米国株式は**分配金なし(再投資型)**です。配当金は自動的にファンド内で再投資されるため、複利効果を最大化できます。

運用実績とS&P500指数との連動性

(1) 過去のリターン実績(1年・3年・5年・設定来)

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の過去のリターン実績は、S&P500指数とほぼ同等です(信託報酬分だけわずかに下回る)。

参考:S&P500指数の過去リターン(配当再投資込み):

  • 1年リターン: 約+20%(2023-2024年)
  • 3年平均リターン: 約+12%/年
  • 5年平均リターン: 約+15%/年
  • 設定来(2018年7月〜): 年率約+13%

※過去のパフォーマンスは将来の成果を保証するものではありません。市場環境により変動します。

(2) トラッキングエラー(指数との乖離)の検証

インデックスファンドにとって、ベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)は重要な評価指標です。

eMAXIS Slim米国株式のトラッキングエラーは年率0.1%未満と、非常に小さい水準です。これは、ファンドがS&P500指数にほぼ正確に連動していることを示しています。

トラッキングエラーが小さい理由:

  • 運用規模が大きく、効率的な運用が可能
  • 先物取引やETF活用で指数に忠実に連動
  • 三菱UFJ国際投信の運用ノウハウ

(3) 基準価額の推移

eMAXIS Slim米国株式の基準価額は、設定来(2018年7月)から右肩上がりで推移しています。特に、2020年のコロナショック後の回復、2023〜2024年のAIブームによる上昇が顕著です。

2025年10月時点の基準価額は約3万円台(1万口あたり)です。

※最新の基準価額は三菱UFJ国際投信の公式サイトをご確認ください。

他の米国株式ファンドとの徹底比較

(1) 楽天・全米株式インデックスファンド(VTI連動)との違い

楽天・全米株式インデックスファンドは、全米株式市場(約4,000銘柄)に投資するファンドです。

項目 eMAXIS Slim米国株式 楽天・全米株式
ベンチマーク S&P500(大型株500社) CRSP USトータルマーケット(約4,000社)
信託報酬 0.09372% 0.162%
純資産総額 約5兆円 約1.5兆円
つみたてNISA対象

どちらを選ぶべきか?

  • S&P500は大型株中心、全米株式は中小型株も含む
  • 長期リターンはほぼ同じ(約1%未満の差)
  • 信託報酬が安いのはeMAXIS Slim
  • 好みで選んでOK

(2) SBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの比較

SBI・V・S&P500は、バンガードのETF(VOO)に投資することでS&P500指数に連動するファンドです。

項目 eMAXIS Slim米国株式 SBI・V・S&P500
ベンチマーク S&P500 S&P500
信託報酬 0.09372% 0.0938%
純資産総額 約5兆円 約1.5兆円
つみたてNISA対象

どちらを選ぶべきか?

  • 信託報酬はほぼ同じ(0.09%台)
  • 純資産総額はeMAXIS Slimが大きい
  • どちらも優良ファンドで、好みで選んでOK

(3) 信託報酬・純資産総額・トラッキングエラー比較表

ファンド名 信託報酬 純資産総額 トラッキングエラー
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 0.09372% 約5兆円 0.1%未満
楽天・全米株式インデックス 0.162% 約1.5兆円 0.1%未満
SBI・V・S&P500 0.0938% 約1.5兆円 0.1%未満

※数値は2025年時点の目安です。最新情報は各運用会社の公式サイトをご確認ください。

新NISAでの活用方法と購入手順

(1) つみたて投資枠(年120万円)での活用

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、新NISAのつみたて投資枠対象商品です。つみたて投資枠では、年間120万円まで非課税で積立投資できます。

つみたて投資枠のメリット:

  • 売却益・配当金が非課税(無期限)
  • 長期・積立・分散投資に適した商品のみ
  • 月額10万円まで積立可能

月額10万円を30年間積立投資すると、約3,600万円(年率7%リターンと仮定)の資産形成が可能です。

(2) SBI証券・楽天証券での購入方法

eMAXIS Slim米国株式は、主要ネット証券で購入できます。

SBI証券での購入手順:

  1. SBI証券でNISA口座を開設
  2. 「投資信託」→「銘柄検索」で「eMAXIS Slim米国株式」を検索
  3. 「積立買付」を選択
  4. 積立金額(月額100円〜10万円)と積立日を設定
  5. 積立開始

楽天証券での購入手順:

  1. 楽天証券でNISA口座を開設
  2. 「投資信託」→「ファンド検索」で「eMAXIS Slim米国株式」を検索
  3. 「積立注文」を選択
  4. 積立金額と積立日を設定
  5. 積立開始

(3) 積立設定とクレジットカード決済のポイント還元

SBI証券・楽天証券では、クレジットカード決済で投資信託を積立購入できます。

ポイント還元例:

  • SBI証券 × 三井住友カード: 積立額の0.5〜2.0%ポイント還元
  • 楽天証券 × 楽天カード: 積立額の0.5〜1.0%ポイント還元

月5万円を積立投資すると、年間3,000〜12,000ポイント(年0.6〜2.4%)が貯まります。これは実質的な信託報酬の引き下げと同じ効果があります。

まとめ:eMAXIS Slimが向いている投資家とは

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、超低コストでS&P500指数に連動する優良ファンドです。新NISAのつみたて投資枠で長期的な資産形成を目指す投資家に最適です。

eMAXIS Slimが向いている人:

  • 米国の大型株500社に分散投資したい
  • 信託報酬を最小限に抑えたい
  • 新NISAで長期積立投資をしたい
  • 分配金なし(再投資型)で複利効果を最大化したい

eMAXIS Slimが向いていない人:

  • 全米株式(中小型株含む)に投資したい → 楽天・全米株式インデックス
  • 配当金を定期的に受け取りたい → 分配金ありのファンド
  • 短期売買で利益を狙いたい → 個別株・ETF

次のアクション:

  • SBI証券・楽天証券でNISA口座を開設する
  • eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の積立設定をする
  • 長期的な視点で積立投資を続ける

過去のパフォーマンスは将来の成果を保証するものではありません。ご自身のリスク許容度と投資目的を踏まえて、最適なファンドを選びましょう。投資判断は自己責任で行ってください。

※本記事は2025年10月時点の情報に基づいています。最新情報は三菱UFJ国際投信・各証券会社の公式サイトをご確認ください。

よくある質問

Q1eMAXIS Slimとは何ですか?

A1三菱UFJ国際投信が運用する低コストインデックスファンドシリーズです。米国株式(S&P500)は信託報酬0.09372%(税込)の超低コストで、純資産総額5兆円超の日本最大級の人気ファンドです。S&P500指数(米国大型株500銘柄)に連動します。

Q2信託報酬0.09372%は本当に安いのですか?

A2業界最低水準です。S&P500連動ファンドの平均信託報酬は0.1〜0.2%台で、eMAXIS Slimは最安クラスです。30年間積立投資すると、信託報酬0.09%と0.5%の差で約220万円のリターン差が生まれます。

Q3楽天VTI(全米株式)とどちらを選ぶべき?

A3S&P500(大型株500社)か全米株式(約4,000社)かの違いです。長期リターンはほぼ同じで、どちらを選んでもOKです。eMAXIS Slimは信託報酬0.09372%で楽天VTIの0.162%より低コストです。好みで選んでください。

Q4eMAXIS Slimはどこで買えますか?

A4SBI証券、楽天証券、マネックス証券等の主要ネット証券で購入可能です。新NISAのつみたて投資枠対象商品なので、年間120万円まで非課税で積立投資できます。クレジットカード決済でポイント還元も受けられます。

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