S&P500インデックスファンドを選ぶ理由
「米国株に投資したいけど、どのファンドを選べばいいのかわからない...」そんな悩みを抱えている方は少なくありません。数多くの投資信託がある中で、S&P500インデックスファンドは、低コストで米国大型株500社に分散投資できる人気商品です。
この記事では、S&P500インデックスファンドの基本、主要ファンドの比較、信託報酬ランキング、新NISAでの活用法を詳しく解説します。
この記事のポイント:
- S&P500は米国大型株500銘柄の時価総額加重平均指数
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が信託報酬0.09372%で最安クラス(2025年時点)
- 新NISAのつみたて投資枠で購入可能、売却益・配当金が非課税
- 投資信託とETFの違いは、売買方法と積立のしやすさ
- 長期積立で複利効果を最大化できる
S&P500とは何か
S&P500インデックスファンドを理解するには、まずS&P500指数自体を知る必要があります。
(1) S&P500指数の概要
**S&P500(Standard & Poor's 500)**は、米国の大型株500銘柄で構成される株価指数です。S&P Global社が算出・公表しており、米国株式市場全体の約80%をカバーしています。
(2) 構成銘柄の選定基準
S&P500に組み入れられる銘柄は、以下の基準で選定されます:
- 米国企業であること
- 時価総額が一定以上(約140億ドル以上、2025年時点)
- 流動性が高いこと
- 黒字企業であること(直近4四半期の合計利益がプラス)
(3) 時価総額加重平均の仕組み
S&P500は時価総額加重平均で算出されます。つまり、時価総額が大きい企業ほど指数への影響が大きくなります。
組入上位銘柄(2025年時点):
- Apple(約7%)
- Microsoft(約6%)
- Amazon(約3%)
- Nvidia(約3%)
- Alphabet(約2%)
テクノロジー企業の比率が高いため、テクノロジーセクターの動向がS&P500全体に大きく影響します。
主要なS&P500インデックスファンドの比較
日本で購入できる主要なS&P500インデックスファンドを比較します。
(1) eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
運用会社: 三菱UFJ国際投信
信託報酬: 0.09372%(2025年時点)
純資産総額: 約4兆円(2025年時点)
つみたて投資枠対応: 対応
特徴: 日本で最も人気が高く、純資産総額が最大級。信託報酬も最安クラスで、長期投資に適しています。
(2) SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
運用会社: SBIアセットマネジメント
信託報酬: 0.0938%(2025年時点)
純資産総額: 約1.5兆円(2025年時点)
つみたて投資枠対応: 対応
特徴: Vanguardの米国ETF「VOO」を通じてS&P500に投資。eMAXIS Slimと信託報酬はほぼ同水準。
(3) 楽天・全米株式との違い
楽天・全米株式インデックス・ファンドは、S&P500ではなくCRSP US Total Market Index(全米株式約4,000銘柄)に連動します。
違い:
- S&P500:米国大型株500銘柄
- 全米株式:米国大型・中型・小型株約4,000銘柄
より幅広く分散したい場合は全米株式、大型株中心で十分な場合はS&P500が適しています。
信託報酬ランキング
主要なS&P500インデックスファンドの信託報酬を比較します(2025年時点)。
(1) 信託報酬の比較(2025年最新)
ファンド名 | 信託報酬(年率) |
---|---|
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.09372% |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 0.0938% |
iFree S&P500インデックス | 0.198% |
信託報酬の影響(30年間の試算):
- 初期投資100万円、年利5%の場合
- 信託報酬0.09%:約430万円
- 信託報酬0.20%:約420万円
- 差額:約10万円
(2) 純資産総額の比較
純資産総額が大きいほど、ファンドの安定性が高いとされます。
純資産総額ランキング:
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):約4兆円
- SBI・V・S&P500:約1.5兆円
- iFree S&P500:約1,000億円
(3) その他のコスト
信託報酬以外にも、売買委託手数料や監査費用などの隠れコストがかかります。これらは運用報告書で確認できますが、主要なS&P500ファンドでは年率0.01〜0.03%程度です。
新NISAでの活用法
S&P500インデックスファンドは、新NISAのつみたて投資枠で購入できます。
(1) つみたて投資枠での購入
つみたて投資枠: 年間120万円まで積立投資可能。金融庁が指定した長期・積立・分散投資に適した投資信託が対象です。主要なS&P500インデックスファンドはほぼ全て対象になっています。
(2) 非課税のメリット
新NISA口座で保有すれば、売却益・配当金が非課税になります。
例:
- 100万円投資し、30年後に400万円に成長した場合
- 課税口座:約60万円課税(20.315%)
- NISA口座:非課税
(3) 長期積立の効果
毎月3万円を30年間積み立てた場合、過去のS&P500の平均リターン(年10%)で試算すると、約6,000万円になります(複利効果込み)。
※過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。
まとめ:自分に合ったS&P500ファンドの選び方
S&P500インデックスファンドは、低コストで米国大型株500社に分散投資できる、長期投資に最適な商品です。
選び方のポイント:
- 信託報酬が最安クラス(0.09%台)のファンドを選ぶ
- 純資産総額が大きいファンドは安定性が高い
- つみたてNISA対応かを確認する
- 証券会社のポイント還元も考慮する
次のアクション:
- 証券会社でNISA口座を開設する
- eMAXIS SlimまたはSBI・V・S&P500を選ぶ
- 毎月一定額を積み立てる設定をする
長期・積立・分散投資の基本を守り、米国株市場の成長を取り込みましょう。