米国株割安ランキング|PER・PBR・PEGで探す【2025年最新】

公開日: 2025/10/20

米国株の割安銘柄を探す理由:バリュー投資とは

米国株投資を始めたばかりの頃は、話題の成長株に目が行きがちですが、投資経験を積むにつれて「割安株」「バリュー投資」という言葉が気になり始めるものです。割安株とは、企業の本来の価値に対して株価が低く評価されている銘柄のことを指します。

この記事では、米国株の割安銘柄を見分ける指標(PER・PBR・PEGレシオ等)を解説し、スクリーニング方法やバリュートラップ(業績悪化で割安に見える銘柄)のリスクについても説明します。

この記事のポイント:

  • バリュー投資は「企業の本来の価値に対して株価が低い」銘柄を探す手法
  • PER・PBR・PEGレシオ・配当利回り・ROEなどの指標で割安性を判断
  • 割安=おすすめではない。バリュートラップ(業績悪化銘柄)に注意
  • スクリーニングツール(Yahoo Finance・Bloomberg等)で銘柄を絞り込む
  • 財務諸表(10-K、10-Q)を確認して健全性を検証すべき

(1) バリュー投資の基本概念

バリュー投資とは、企業の本来の価値(ファンダメンタルズ)に対して株価が割安な銘柄を探し、長期保有する投資手法です。

バリュー投資の考え方:

  • 市場は短期的に非効率だが、長期的には適正価格に収束する
  • 企業の本質的価値を見極め、割安な時に買う
  • 配当利回りやPER・PBRなどの指標で割安性を測る

ウォーレン・バフェットやベンジャミン・グレアムが実践した投資手法として有名です。

(2) 成長株投資との違い

成長株(グロース株)投資は、将来の成長性を重視する投資手法です。

比較項目 バリュー株 グロース株
重視する指標 PER・PBR・配当利回り 売上成長率・利益成長率
株価の特徴 割安に放置されている 高いPERで取引される
代表銘柄 金融・エネルギー・消費財 テクノロジー・バイオテック
リターンの特性 安定的だが時間がかかる 大きなリターンも大きなリスク

どちらが優れているとは一概に言えず、投資家の目的や期間によって使い分けるべきです。

割安株を見分ける指標:PER・PBR・PEGレシオ

割安株を見分けるには、複数の指標を組み合わせて判断することが重要です。

(1) PER(株価収益率)の見方

PER(Price-to-Earnings Ratio)は、株価が1株当たり利益の何倍かを示す指標です。

計算式: PER = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)

目安:

  • PER10-15倍以下:割安
  • PER15-25倍:標準的
  • PER25倍以上:割高(成長株の場合は正常)

※ただし、セクターにより標準的なPERは異なります。テクノロジー株は高PER、金融株は低PERが一般的です。

(2) PBR(株価純資産倍率)の見方

PBR(Price-to-Book Ratio)は、株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標です。

計算式: PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)

目安:

  • PBR1倍未満:割安(資産価値を下回る)
  • PBR1-2倍:標準的
  • PBR2倍以上:割高(成長期待が高い)

PBR1倍未満は「解散価値」を下回っているため割安と判断されますが、業績悪化で純資産が減少している可能性もあるため注意が必要です。

(3) PEGレシオ(成長性を加味)

PEGレシオは、PERを利益成長率で割った指標です。成長性を加味した割安性を測ります。

計算式: PEGレシオ = PER ÷ 利益成長率(%)

目安:

  • PEGレシオ1未満:割安
  • PEGレシオ1-2:標準的
  • PEGレシオ2以上:割高

例:PER20倍、利益成長率25%の企業はPEGレシオ0.8(20÷25)で割安と判断されます。

(4) 配当利回りとROE

配当利回りは、年間配当÷株価で計算され、インカムゲインの目安になります。

  • 3%以上:高配当
  • 1-3%:標準的
  • 1%未満:低配当

**ROE(自己資本利益率)**は、純利益÷自己資本で計算され、収益性の指標です。

  • ROE15%以上:優良企業
  • ROE10-15%:標準的
  • ROE10%未満:収益性が低い

割安株を選ぶ際は、PER・PBRが低いだけでなく、配当利回りやROEも確認すべきです。

2025年米国株割安銘柄ランキング(参考データ)

以下は、Yahoo FinanceやBloombergのスクリーニングツールで取得できる割安銘柄の例です(2025年1月時点の想定)。個別銘柄の推奨ではなく、スクリーニング方法の参考として紹介します。

(1) PER10倍以下の銘柄(参考)

PER10倍以下の銘柄には、金融・エネルギーセクターが多く含まれます:

  • 金融: Bank of America、Wells Fargo、Citigroup
  • エネルギー: ExxonMobil、Chevron、ConocoPhillips
  • 通信: Verizon、AT&T

これらの銘柄は景気敏感株であり、景気後退時には業績が悪化するリスクがあります。

(2) PBR1倍以下の銘柄(参考)

PBR1倍以下の銘柄は、資産価値を下回る株価で取引されています:

  • 金融: Bank of America、Citigroup
  • 小売: Macy's、Kohl's
  • 自動車: Ford Motor

PBR1倍以下は割安に見えますが、業績悪化や構造的な問題を抱えている場合があります。財務諸表の確認が必須です。

(3) 高配当利回り銘柄(参考)

配当利回り4%以上の銘柄には、通信・エネルギーセクターが含まれます:

  • 通信: Verizon(配当利回り6%以上)、AT&T(5%以上)
  • エネルギー: Chevron、ExxonMobil
  • タバコ: Altria Group

高配当銘柄は魅力的ですが、配当性向(配当金÷純利益)が高すぎる場合、減配リスクがあります。

※上記は参考データであり、投資推奨ではありません。最新情報はYahoo FinanceやBloombergで確認してください。

バリュートラップに注意:割安でも避けるべき銘柄

(1) バリュートラップとは

バリュートラップとは、割安に見えるが実際には業績が悪化している銘柄のことです。

バリュートラップの特徴:

  • PER・PBRが低い
  • 売上・利益が減少傾向
  • 配当が減少または無配になるリスク
  • 株価が長期的に下落

(2) 業績悪化で割安に見える銘柄

バリュートラップの例:

  • 小売業: オンライン化の影響で実店舗が不振(Macy's、Kohl's等)
  • エネルギー: 原油価格下落で業績悪化
  • 通信: 競争激化で利益率低下

これらの銘柄は、構造的な問題を抱えており、単に「割安」だから投資すると損失を被る可能性があります。

(3) 財務健全性の確認方法

バリュートラップを回避するため、以下の指標を確認しましょう:

指標 確認ポイント
売上成長率 前年比で増加しているか
営業利益率 10%以上が望ましい
フリーキャッシュフロー プラスで推移しているか
自己資本比率 30%以上が安全
有利子負債比率 低いほど良い

これらのデータは、企業のIR資料やSEC EDGAR(https://www.sec.gov/edgar/)で確認できます。

割安株のスクリーニング方法と情報源

(1) スクリーニングツール(Yahoo Finance・Bloomberg等)

割安株を探すには、スクリーニングツールが便利です。

Yahoo Finance Stock Screener (https://finance.yahoo.com/screener/)

  • PER・PBR・配当利回り等で絞り込み可能
  • 無料で使える
  • リアルタイムデータに対応

Bloomberg Screener

  • プロ向けの詳細分析
  • カスタマイズ性が高い

Morningstar

  • フェアバリュー算出機能
  • バリュー株の評価レポート

(2) 企業IR資料の確認

スクリーニングで候補銘柄を絞り込んだら、企業のIR資料を確認しましょう。

確認すべき資料:

  • 10-K(年次報告書): 財務諸表、リスク要因
  • 10-Q(四半期報告書): 最新の業績
  • Earnings Call(決算説明会): 経営陣のコメント

これらは企業のIRページやSEC EDGAR(https://www.sec.gov/edgar/)で閲覧できます。

(3) 証券会社のスクリーニング機能

日本の証券会社でも、米国株のスクリーニング機能が提供されています。

SBI証券「米国株スクリーニング」

  • PER・PBR・配当利回り等で検索可能
  • 日本語対応

楽天証券「米国株スーパースクリーナー」

  • バリュー指標でのランキング表示
  • NISA対応銘柄の絞り込み

マネックス証券「バリュー投資ガイド」

  • バリュー投資の基本解説
  • 指標の組み合わせ方法

まとめ:割安株投資の注意点と戦略

米国株の割安銘柄を探す際は、PER・PBR・PEGレシオなどの指標を組み合わせて判断することが重要です。

この記事のまとめ:

  • バリュー投資は「企業の本来の価値に対して株価が低い」銘柄を探す手法
  • PER10-15倍以下、PBR1倍以下、PEGレシオ1未満が割安の目安
  • 割安=おすすめではない。バリュートラップ(業績悪化銘柄)に注意
  • スクリーニングツール(Yahoo Finance・Bloomberg等)で候補を絞る
  • 財務諸表(10-K、10-Q)で健全性を確認する

次のアクション:

  • Yahoo FinanceやBloombergのスクリーニングツールで割安銘柄を探す
  • 企業のIR資料やSEC EDGARで財務諸表を確認する
  • SBI証券や楽天証券のスクリーニング機能を活用する
  • PER・PBRだけでなく、売上成長率やROEも確認する

割安株投資は、長期的な視点と忍耐が必要です。スクリーニングで候補を絞り込み、財務分析で健全性を確認した上で、分散投資を心がけましょう。

よくある質問

Q1割安株ランキング上位は買うべきですか?

A1割安=おすすめではありません。バリュートラップ(業績悪化で割安に見える銘柄)のリスクがあるため、財務健全性を確認する必要があります。売上成長率、営業利益率、フリーキャッシュフローなどをチェックしましょう。

Q2PERはどれくらいが割安ですか?

A2一般的にPER10-15倍以下が割安とされますが、セクター・業種により異なります。テクノロジー株は高PER、金融株は低PERが標準的です。PERだけでなく、PEGレシオ(PER÷利益成長率)で成長性も加味すべきです。

Q3割安株投資のリスクは何ですか?

A3バリュートラップ(業績悪化銘柄)、株価上昇に時間がかかる、成長株に比べてリターンが低い可能性があります。また、為替リスク(円高で損失)や流動性リスク(小型株は売買困難)も考慮が必要です。

Q4割安株のスクリーニング方法を教えてください。

A4Yahoo Finance・Bloomberg等のスクリーニングツールでPER・PBR・配当利回り等を条件設定し、候補銘柄を絞り込みます。その後、企業IR資料やSEC EDGARで財務諸表を確認して健全性を検証します。

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