米国株を買うには?口座開設から購入まで完全ガイド2025

公開日: 2025/10/20

米国株を買うには何が必要か

米国株投資に興味があるものの、「何から始めれば良いのか分からない」「証券口座の開設方法や注文方法が複雑そう」と感じている方は少なくありません。

実際には、米国株投資は日本のネット証券を通じて、比較的簡単に始めることができます。この記事では、証券口座開設から米国株購入、税金の仕組みまで、初心者向けに全体の流れを解説します。

この記事のポイント:

  • 米国株は1株から購入可能、数千円〜数万円で始められる
  • 証券口座開設には本人確認書類とマイナンバーが必要
  • 主要証券会社(SBI・楽天・マネックス)の手数料はほぼ同水準
  • 米ドル決済と円貨決済の選択で為替手数料が変わる
  • 特定口座(源泉徴収あり)なら基本的に確定申告不要

(1) 米国株投資のメリット

米国株投資には以下のメリットがあります。

主なメリット:

  • 1株から購入可能: 日本株は100株単位が多いのに対し、米国株は1株から購入できる
  • 世界的企業に投資できる: Apple、Microsoft、Amazon、Teslaなど、日本では買えない企業に投資可能
  • 配当金の頻度が高い: 多くの米国企業は四半期ごとに配当を支払う
  • 長期的な成長性: 過去数十年、米国株式市場は右肩上がりの成長を続けている

日本証券業協会の資料でも、米国株投資の基礎知識として、これらのメリットが紹介されています。

(出典: 日本証券業協会「米国株投資の基礎知識」)

(2) 必要なもの(証券口座・本人確認書類・マイナンバー)

米国株を買うには、以下が必要です。

必要なもの:

  • 証券口座: 米国株を取り扱う証券会社の口座(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)
  • 本人確認書類: 運転免許証、マイナンバーカード、パスポート等
  • マイナンバー: マイナンバーカードまたは通知カード
  • 銀行口座: 証券口座への入金用

金融庁の「証券会社リスト」で、米国株を取り扱う証券会社を確認できます。

(出典: 金融庁「証券会社リスト」)

(3) 最低投資金額

米国株は1株から購入可能ですが、最低投資金額は銘柄により異なります。

例(2025年1月時点、概算):

  • Apple(AAPL): 約200ドル(約3万円)
  • Microsoft(MSFT): 約400ドル(約6万円)
  • Amazon(AMZN): 約150ドル(約2.3万円)
  • Tesla(TSLA): 約250ドル(約3.8万円)

※1ドル=150円の場合

ただし、売買手数料・為替手数料を考慮すると、最低3〜5万円程度からの投資が現実的です。少額投資では手数料の影響が大きくなるためです。

証券会社の選び方

(1) 主要証券会社の比較(SBI・楽天・マネックス)

日本で米国株を買える主要ネット証券は、SBI証券、楽天証券、マネックス証券の3社です。

項目 SBI証券 楽天証券 マネックス証券
取扱銘柄数 約5,000銘柄 約4,800銘柄 約4,500銘柄
売買手数料 約定代金の0.495%(上限22ドル) 約定代金の0.495%(上限22ドル) 約定代金の0.495%(上限22ドル)
為替スプレッド 25銭/ドル(円貨決済) 25銭/ドル(円貨決済) 0銭/ドル(買付時)
NISA対応
特徴 取扱銘柄数最多、住信SBI連携 楽天ポイント活用可、UI使いやすい 取引ツール充実、情報豊富

(出典: SBI証券、楽天証券、マネックス証券各公式サイト、価格.com「ネット証券比較 - 米国株」)

(2) 手数料の違い(売買手数料・為替スプレッド)

売買手数料:

  • 3社とも約定代金の0.495%(上限22ドル、最低0ドル)
  • 手数料体系はほぼ同じ

為替スプレッド(円貨決済):

  • SBI証券: 25銭/ドル
  • 楽天証券: 25銭/ドル
  • マネックス証券: 買付時0銭、売却時25銭

マネックス証券は買付時の為替スプレッドが0銭のため、買付コストでは最も有利です。

(3) 取扱銘柄数・取引ツールの充実度

取扱銘柄数:

  • SBI証券: 約5,000銘柄(最多)
  • 楽天証券: 約4,800銘柄
  • マネックス証券: 約4,500銘柄

取引ツール:

  • SBI証券: HYPER SBI(有料)、米国株アプリ
  • 楽天証券: iSPEED(無料)
  • マネックス証券: トレードステーション(米国株専用、無料)

マネックス証券のトレードステーションは、米国株専用ツールとして評価が高いです。

(4) NISA対応状況

3社とも新NISA(成長投資枠・つみたて投資枠)に対応しています。成長投資枠で年間240万円まで米国株に投資でき、配当・売却益が非課税になります。

ただし、米国での源泉徴収10%は避けられません。

証券口座開設の手順

(1) 必要書類の準備

必要書類:

  • 本人確認書類: 運転免許証、マイナンバーカード、パスポート等(いずれか1つ)
  • マイナンバー: マイナンバーカードまたは通知カード

(2) オンライン申込の流れ

主要証券会社は、オンラインで口座開設が完結します。

手順(SBI証券の例):

  1. SBI証券公式サイトで「口座開設」をクリック
  2. メールアドレスを登録
  3. 本人確認書類をアップロード(スマホ撮影でOK)
  4. マイナンバーを入力
  5. 口座タイプを選択(特定口座・源泉徴収ありを推奨)
  6. 審査(1〜3営業日)
  7. ログイン情報を受け取り

(出典: SBI証券「米国株の買い方ガイド」)

(3) 外国株取引口座の開設

証券口座開設後、別途「外国株取引口座」の申込が必要です(オンラインで即日開設可能)。

(4) 口座開設にかかる時間

  • 審査: 1〜3営業日
  • 外国株取引口座: 即日〜1営業日

最短で申込から3〜5日程度で取引開始できます。

米国株の買い方(注文から決済まで)

(1) 米ドル決済と円貨決済の違い

米国株を買う際、米ドル決済と円貨決済の2つの方法があります。

米ドル決済:

  • 事前に円→ドルに両替してから購入
  • 為替タイミングを自分で選べる
  • 為替スプレッドを抑えられる(住信SBI銀行・楽天FX口座利用で1銭程度)

円貨決済:

  • 日本円で購入、証券会社が自動で為替取引
  • 手間が省ける(初心者向け)
  • 為替スプレッドが上乗せ(25銭/ドル程度)

大口投資ほど米ドル決済が有利ですが、少額投資なら円貨決済の方が手軽です。

(2) 注文方法(成行・指値・逆指値)

米国株の注文方法には、主に3種類があります。

成行注文(Market Order):

  • 現在の市場価格で即座に売買
  • 確実に約定するが、価格は指定できない

指値注文(Limit Order):

  • 指定した価格以下(買い)または以上(売り)で売買
  • 希望価格で買えるが、約定しない可能性あり

逆指値注文(Stop Order):

  • 指定した価格に達したら成行または指値で発注
  • 損切り(ストップロス)に活用

(出典: NASDAQ "How to Trade Stocks")

(3) 実際の購入手順(画面操作の流れ)

例(楽天証券の場合):

  1. ログイン後、「外国株式」→「米国株式」を選択
  2. 銘柄検索(ティッカーシンボルまたは企業名)
  3. 「買い注文」をクリック
  4. 注文方法(成行・指値)を選択
  5. 株数を入力
  6. 決済方法(円貨決済・米ドル決済)を選択
  7. 注文内容を確認して「注文」

(出典: 楽天証券「米国株投資はじめてガイド」)

(4) 約定・決済(T+2)の仕組み

米国株の決済は「T+2」(Trade date + 2営業日)です。例えば、月曜日に注文が約定した場合、水曜日に決済(代金の引き落としと株式の受け渡し)が行われます。

この2営業日の間に口座に十分な資金を用意しておく必要があります。

税金と確定申告

(1) 譲渡益・配当の税金(20.315%)

米国株の譲渡益(売却益)と配当金には、日本で20.315%の税金がかかります。

税金の内訳:

  • 所得税: 15.315%
  • 住民税: 5%

(2) 外国税額控除の仕組み

配当金には、米国で10%の源泉徴収が行われた後、日本で20.315%が課税されます。これを「二重課税」と呼び、外国税額控除を使えば米国で徴収された10%の一部を日本の税金から差し引けます。

外国税額控除を受けるには、確定申告が必要です。

(出典: 国税庁「外国株式の税金」)

(3) 特定口座(源泉徴収あり)の活用

特定口座(源泉徴収あり)を選ぶと、証券会社が自動で税金を計算・納税してくれるため、基本的に確定申告は不要です。

ただし、外国税額控除を受けたい場合は確定申告が必要です。

(4) 確定申告の要否

確定申告が不要:

  • 特定口座(源泉徴収あり)で取引し、外国税額控除を受けない場合

確定申告が必要:

  • 一般口座で取引した場合
  • 特定口座(源泉徴収なし)で取引した場合
  • 外国税額控除を受けたい場合

まとめ:米国株投資を始める前のチェックリスト

米国株投資は、証券口座を開設すれば比較的簡単に始められます。以下のチェックリストを確認して、準備を整えましょう。

チェックリスト:

  • 証券会社を選ぶ(SBI・楽天・マネックスなど)
  • 本人確認書類とマイナンバーを用意
  • 証券口座と外国株取引口座を開設
  • 最低投資金額(3〜5万円程度)を用意
  • 米ドル決済か円貨決済かを決める
  • 注文方法(成行・指値)を理解
  • 特定口座(源泉徴収あり)を選択
  • NISA口座の活用を検討

次のアクション:

  • 証券会社の手数料・銘柄数・ツールを比較して選ぶ
  • 口座開設を申し込む(1〜3営業日で完了)
  • 少額から投資を始める(3〜5万円程度)
  • 長期投資を前提に、分散投資を心がける

投資判断は自己責任で行い、リスクを理解した上で、長期的な資産形成を目指しましょう。

よくある質問

Q1米国株投資の最低投資金額はいくらですか?

A11株から購入可能で、数千円〜数万円で始められます。例えばAppleなら約3万円、Amazonなら約2.3万円(1ドル=150円の場合)。ただし売買手数料・為替手数料を考慮すると、最低3〜5万円程度からの投資が現実的です。

Q2米国株を買うのにおすすめの証券会社は?

A2SBI証券(取扱銘柄数最多・手数料安い)、楽天証券(楽天ポイント活用・UI使いやすい)、マネックス証券(取引ツール充実・情報豊富)が主要です。手数料はほぼ同水準で、マネックスは買付時の為替スプレッドが0銭と有利です。

Q3米国株の税金はどうなりますか?

A3配当は米国で10%源泉徴収後、日本で20.315%課税されます(外国税額控除で一部回収可能)。売却益は20.315%課税。特定口座(源泉徴収あり)なら基本的に確定申告不要ですが、外国税額控除を受けるには確定申告が必要です。

Q4為替手数料を節約する方法は?

A4米ドル決済を選び、為替レートが有利なタイミングでまとめて両替する方法があります。住信SBI銀行や楽天FX口座を利用すれば、為替スプレッドを1銭程度に抑えられます。円貨決済は手間が省けますが、為替スプレッド25銭程度が上乗せされます。

Q5新NISAで米国株は買えますか?

A5買えます。成長投資枠で年間240万円、つみたて投資枠で年間120万円まで投資可能で、配当・売却益が非課税になる大きなメリットがあります。ただし、米国での源泉徴収10%は避けられません。

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