米国株取引でサマータイムが重要な理由
米国株投資をしていると、毎年3月と11月に「サマータイム」の切り替えがあり、取引時間が変わります。「今日は取引時間が1時間早く終わった?」「注文が通らなかった」といった経験をした方もいるでしょう。
この記事では、2025年の米国サマータイム期間、日本時間での取引時間変化、切り替え時の注意点を解説します。
この記事のポイント:
- 2025年のサマータイムは3月9日開始、11月2日終了(3月第2日曜〜11月第1日曜)
- サマータイム期間中は日本との時差が13時間(通常14時間)になる
- 米国市場の取引時間(9:30-16:00 ET)は、サマータイム期間中は日本時間22:30-翌5:00、通常時間は23:30-翌6:00
- 切り替え日前後は取引時間を再確認し、誤発注リスクに注意
- 日本にはサマータイムがないため、米国サマータイムの影響を一方的に受ける
1. 米国株取引でサマータイムを理解すべき理由
サマータイムは米国株投資家にとって重要です。
(1) 取引時間が変わる影響
米国市場の取引時間は9:30-16:00(東部時間、ET)ですが、日本時間に換算すると、サマータイム期間中と通常時間で1時間のズレが生じます。このため、日本の投資家は年に2回、取引時間の変更に対応する必要があります。
(2) 日本の投資家が直面する問題
日本にはサマータイム制度がないため、米国サマータイムの影響を一方的に受けます。特に、早朝5時に取引が終了するか、6時に終了するかは、生活リズムに大きく影響します。
(3) 本記事の内容
この記事では、2025年のサマータイム期間、日本時間での取引時間変化、切り替え時の注意点を具体的に解説します。
2. サマータイムとは(基本の仕組み)
サマータイムの基本を理解します。
(1) Daylight Saving Time (DST) の定義
米国運輸省公式サイトによると、サマータイム(Daylight Saving Time, DST)は、日照時間を有効活用するため、時計を1時間進める制度です。春に時計を1時間進め、秋に1時間戻します。
(2) 米国でサマータイムが導入された背景
サマータイムは、エネルギー消費を削減する目的で導入されました。2005年のEnergy Policy Actにより、現行の制度(3月第2日曜日開始、11月第1日曜日終了)が規定されています。
(3) Spring Forward と Fall Back の覚え方
- Spring Forward(春の時間進み): 春は時計を1時間進める(午前2時が午前3時になる)
- Fall Back(秋の時間戻し): 秋は時計を1時間戻す(午前2時が午前1時に戻る)
この覚え方は英語圏で広く使われています。
(4) 日本にサマータイムがない理由
日本は過去にサマータイムを導入したことがありますが、1952年に廃止されました。現在、日本にはサマータイム制度がないため、米国サマータイムの影響を一方的に受けることになります。
3. 2025年のサマータイム期間
2025年のサマータイム期間を確認します。
(1) 開始日:2025年3月9日(日)午前2時
米国運輸省公式サイトによると、2025年のサマータイムは3月9日(日)午前2時に開始します。この瞬間、時計が午前3時に進みます。
日本時間では、3月9日(日)午後3時(日本時間)に米国サマータイムが開始します。
(2) 終了日:2025年11月2日(日)午前2時
サマータイムは11月2日(日)午前2時に終了します。この瞬間、時計が午前1時に戻ります。
日本時間では、11月2日(日)午後2時(日本時間)に米国サマータイムが終了します。
(3) サマータイム期間の時差(日本との時差13時間)
サマータイム期間中(3月9日〜11月2日)、日本と米国東海岸の時差は13時間です。日本が13時間進んでいます。
(4) 通常期間の時差(日本との時差14時間)
通常時間(11月3日〜翌年3月8日)、日本と米国東海岸の時差は14時間です。日本が14時間進んでいます。
4. 日本時間での取引時間変化
米国市場の取引時間を日本時間で確認します。
(1) 米国市場の取引時間(9:30-16:00 ET)
NYSE・NASDAQ公式サイトによると、米国株式市場の取引時間は**9:30-16:00(東部時間、ET)**です。
(2) サマータイム期間中の日本時間(22:30-翌5:00)
サマータイム期間中(3月9日〜11月2日)、米国市場の取引時間は日本時間で22:30-翌朝5:00です。
楽天証券の米国株取引時間ガイドによると、多くの日本人投資家は、夜22:30の取引開始には対応しやすいものの、翌朝5時の取引終了は生活リズムに影響を与えると言われています。
(3) 通常時間の日本時間(23:30-翌6:00)
通常時間(11月3日〜翌年3月8日)、米国市場の取引時間は日本時間で23:30-翌朝6:00です。
サマータイム期間中より1時間遅くなります。
(4) プレマーケット・アフターマーケットの時間
米国市場には、通常取引時間外の「プレマーケット」(取引開始前)と「アフターマーケット」(取引終了後)があります。証券会社によって対応時間が異なりますが、一般的には以下の通りです:
サマータイム期間中:
- プレマーケット: 日本時間20:00-22:30
- 通常取引: 日本時間22:30-翌5:00
- アフターマーケット: 日本時間翌5:00-翌8:00
通常時間:
- プレマーケット: 日本時間21:00-23:30
- 通常取引: 日本時間23:30-翌6:00
- アフターマーケット: 日本時間翌6:00-翌9:00
※証券会社により対応時間が異なるため、各社の公式情報を確認してください。
5. サマータイム切り替え時の注意点
切り替え時の注意点を整理します。
(1) 切替日前後の取引時間確認
SBI証券の米国株取引カレンダーによると、サマータイム切替日(3月9日、11月2日)の前後は、取引時間を再確認することが推奨されています。
切替日当日の取引時間は以下の通りです:
3月9日(日): 通常は休場日(日曜日)のため、取引は行われません。翌3月10日(月)からサマータイム期間の取引時間(日本時間22:30-翌5:00)が適用されます。
11月2日(日): 同様に休場日のため、翌11月3日(月)から通常時間の取引時間(日本時間23:30-翌6:00)が適用されます。
(2) 誤発注リスクと対策
マネックス証券の注意喚起によると、サマータイム切替直後の週は、投資家が取引時間を誤認して誤発注するリスクがあります。
対策:
- 指値注文を活用し、希望価格を指定する
- 取引時間を再確認してから注文を出す
- 証券会社のアプリ・ウェブサイトで取引時間を確認
(3) 証券会社からの通知確認
多くの証券会社は、サマータイム切替の1〜2週間前に注意喚起メールを送ります。このメールを確認し、取引時間の変更を事前に把握しておくことが重要です。
(4) 生活リズムへの影響(早朝取引)
日本経済新聞の記事によると、サマータイム期間中は取引終了が早朝5時になるため、終値を確認したい投資家にとって生活リズムへの影響が大きいとされています。
一方、通常時間は終了が早朝6時なので、少し余裕があります。
6. まとめ:サマータイムを意識した取引計画
米国サマータイムは、日本の米国株投資家にとって年2回の重要なイベントです。
2025年のサマータイム期間:
- 開始: 3月9日(日)午前2時(ET)= 日本時間3月9日(日)午後3時
- 終了: 11月2日(日)午前2時(ET)= 日本時間11月2日(日)午後2時
日本時間での取引時間:
- サマータイム期間中: 22:30-翌5:00
- 通常時間: 23:30-翌6:00
次のアクション:
- 2025年3月9日と11月2日をカレンダーに登録
- 証券会社からの通知メールを確認
- 切替日前後は取引時間を再確認してから注文
投資は自己責任です。取引時間の変更を事前に把握し、計画的な投資を心がけましょう。
