米国株を買いたいけど、どうやって購入すればいいの?
米国株に興味があるけれど、「どの証券会社を選べばいいの?」「口座開設は難しそう...」「注文方法がわからない」といった不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
実は、米国株は日本の主要ネット証券から簡単に購入できます。しかも、1株から購入できるため、数千円から投資を始められます。この記事では、米国株の購入方法を、証券口座の開設から実際の注文操作まで、具体的に解説します。
この記事のポイント:
- 米国株は日本の主要ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券等)から購入可能
- 1株から購入できるため、数千円〜数万円から始められる
- 口座開設→入金→注文の3ステップで購入できる
- 為替手数料(1ドル=25銭程度)と売買手数料に注意
- NISA口座なら日本の税金は非課税(米国源泉税10%は課税される)
米国株購入の基本的な流れ
(1) 米国株は1株から購入可能
日本株は通常100株単位(単元株)での購入が基本ですが、米国株は1株から購入できます。例えば、アップル株(執筆時点で約200ドル前後)なら、約3万円程度から購入可能です。
この「少額から始められる」という点が、米国株投資の大きなメリットです。
(出典: マネックス証券「米国株投資のはじめかた」)
(2) 購入までの5つのステップ
米国株を購入するまでの基本的な流れは以下の通りです。
- 証券会社を選ぶ(取扱銘柄数、手数料、アプリの使いやすさで比較)
- 証券口座を開設する(本人確認書類・マイナンバー提出)
- 外国株取引口座を申し込む(証券口座開設後に別途申込が必要)
- 入金する(円貨入金または外貨入金)
- 注文を出す(成行注文または指値注文)
順番に詳しく見ていきましょう。
証券口座の選び方と開設手順
(1) 主要ネット証券の比較(SBI・楽天・マネックス等)
日本の主要ネット証券では、米国株を取り扱っています。各社の特徴を比較してみましょう。
証券会社 | 米国株取扱銘柄数 | 売買手数料 | 為替手数料 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
SBI証券 | 約5,000銘柄 | 約定代金の0.495%(最低0ドル) | 片道25銭 | 取扱銘柄数が多い |
楽天証券 | 約4,700銘柄 | 約定代金の0.495%(最低0ドル) | 片道25銭 | 楽天ポイントが貯まる |
マネックス証券 | 約4,500銘柄 | 約定代金の0.495%(最低0ドル) | 片道0銭(買付時) | 買付時の為替手数料が無料 |
※2025年10月時点の情報です。最新情報は各証券会社のウェブサイトをご確認ください。
(出典: SBI証券「米国株の始め方ガイド」、楽天証券「米国株取引ガイド」、マネックス証券「米国株投資のはじめかた」)
証券会社の選択は、投資スタイル(取引頻度、投資額、アプリ重視等)により異なります。複数社を比較検討し、自分に合った証券会社を選びましょう。
(2) 口座開設の手順(本人確認書類・マイナンバー)
証券口座の開設は、オンラインで完結します。
必要な書類:
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)
- マイナンバー確認書類(マイナンバーカードまたは通知カード)
開設の流れ:
- 証券会社の公式サイトから「口座開設」を申し込む
- 本人確認書類をアップロード(スマホ撮影でOK)
- 審査完了後、口座開設完了の通知が届く(数日〜1週間程度)
(3) 外国株取引口座の申込
証券口座開設後、別途「外国株取引口座」の申込が必要です。証券会社のマイページから申し込めます。通常、即日〜数営業日で開設完了します。
入金方法(円貨・外貨)
(1) 円貨入金と自動為替換算
最も簡単な方法は、円貨(日本円)で入金し、注文時に自動的にドルに換算してもらう方法です。
メリット:
- 手間がかからない
- 初心者にも分かりやすい
デメリット:
- 為替手数料(1ドルあたり25銭程度)がかかる
(2) 外貨入金と為替手数料の削減
為替手数料を削減したい場合、事前に米ドルに両替して外貨入金する方法もあります。
方法例:
- 住信SBIネット銀行の外貨預金(為替手数料が安い)経由で両替
- 外貨建てMMFで両替
これにより、為替手数料を大幅に削減できます。
(3) 外貨建てMMFの活用
外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)は、外貨で運用する投資信託です。為替手数料を抑えつつ、ドルに換金できます。
米国株投資を定期的に行う場合、外貨建てMMFを活用することで、トータルコストを削減できる可能性があります。
米国株の買い方(成行・指値注文)
(1) 成行注文(即時約定)
成行注文は、現在の市場価格で即座に約定する注文方法です。
メリット:
- すぐに購入できる
- 操作が簡単
デメリット:
- 予想より高い価格で約定する可能性がある
(出典: SEC Investor Bulletin: How to Buy Stocks)
(2) 指値注文(希望価格指定)
指値注文は、指定した価格以下(買いの場合)で約定する注文方法です。
メリット:
- 希望価格でしか購入しないため、予算管理しやすい
デメリット:
- 指値に達しないと約定しない
(出典: Interactive Brokers: Order Types Guide)
(3) 株数指定と金額指定
証券会社によっては、「株数指定」と「金額指定」の両方に対応しています。
- 株数指定: 「10株買う」と指定
- 金額指定: 「1万円分買う」と指定(端株に対応)
少額投資なら、金額指定が便利です。
(4) 取引時間の注意点
米国株の取引時間は、日本時間で以下の通りです。
- 夏時間(3月第2日曜〜11月第1日曜): 22:30〜翌5:00
- 冬時間(11月第1日曜〜3月第2日曜): 23:30〜翌6:00
時間外でも注文は出せますが、約定は取引時間中になります。
為替手数料と売買手数料
(1) 為替手数料(1ドルあたり25銭程度)
円をドルに換える際、為替手数料がかかります。主要ネット証券では、1ドルあたり25銭程度が相場です。
例えば、1,000ドル(約15万円)分購入する場合、為替手数料は約250円です。
(2) 売買手数料(無料〜0.45%程度)
株式を購入する際、売買手数料がかかります。主要ネット証券では、約定代金の0.495%が一般的です。
例えば、1,000ドル分購入する場合、売買手数料は約4.95ドル(約750円)です。
(3) 証券会社別の手数料比較
証券会社により手数料体系が異なるため、複数社を比較検討することが大切です。特に、為替手数料の違いは長期的に大きな差になる可能性があります。
(4) 税金(譲渡益・配当)とNISA活用
米国株の売却益・配当金には、日本で20.315%の税金がかかります。
税目 | 税率 |
---|---|
所得税 | 15.315% |
住民税 | 5% |
合計 | 20.315% |
特定口座(源泉徴収あり): 証券会社が自動的に税金を源泉徴収してくれるため、確定申告が原則不要です。
NISA口座: 年間360万円まで非課税で投資できます。日本での税金(20.315%)は非課税ですが、米国での源泉徴収10%は免除されません。
(出典: 金融庁「NISA制度の概要」、国税庁「株式等の譲渡所得等の申告のしかた」)
まとめ:米国株購入で押さえるべきポイント
米国株の購入は、証券口座の開設から注文まで、すべてオンラインで完結します。1株から購入できるため、少額から始められるのが魅力です。
次のアクション:
- 主要ネット証券を比較し、自分に合った証券会社を選ぶ
- 証券口座と外国株取引口座を開設する
- 少額から試しに購入してみる(成行注文または指値注文)
- NISA口座を活用して税制メリットを享受する
最初は不安かもしれませんが、一度購入してみると、意外と簡単に感じるはずです。まずは少額から、米国株投資をスタートしてみましょう。