米国株を1株だけ買う意味
米国株投資に興味があるものの、「資金が少ないから1株だけ買っても意味がないのでは?」と迷っている方は多いのではないでしょうか。米国株は元々1株単位で購入できるため、少額から投資を始めることが可能です。
この記事では、米国株を1株だけ購入するメリット・デメリット、おすすめ証券会社と手数料比較、1株投資の活用法を詳しく解説します。
この記事のポイント:
- 米国株は元々1株単位で購入可能(日本株の単元株制度とは異なる)
- 少額から投資経験を積め、リスクを最小限に抑えられる
- 配当金も1株分受け取れるが、金額は少ない
- 手数料負けのリスクがあるため、投資額の目安は5,000円以上
- NISA活用で税負担を軽減できる
(1) 少額から投資を始められる
米国株は、株価が数ドル〜数百ドルの銘柄が多く、1株から購入できます。例えば、株価が10ドルの銘柄なら、為替レート150円の場合、約1,500円から投資可能です。高額な資金がなくても、米国株投資を体験できます。
(2) 米国株は元々1株単位で取引可能
日本株には「単元株制度」があり、通常100株単位でしか購入できません(一部証券会社では1株単位の取引も可能)。一方、米国株は元々1株単位での取引が標準です。そのため、米国株は日本株より少額投資がしやすい特徴があります。
Investopediaなどの金融教育サイトでは、1株購入の基本知識や少額投資のメリットが解説されています。
1株投資のメリット
1株だけの投資にも、いくつかのメリットがあります。
(1) 少額資金で投資経験を積める
投資初心者にとって、実際にお金を使って株を買う経験は非常に貴重です。1株だけでも、株価の変動、配当金の受け取り、為替の影響などを体験できます。数千円の投資でも、リアルな市場の動きを学べます。
(2) リスクを最小限に抑えられる
1株だけなら、仮に株価が下落しても損失額は限定的です。例えば、10ドル(約1,500円)の株を1株購入し、株価が半分になっても損失は約750円です。リスクを最小限に抑えながら、投資の勉強ができます。
(3) 配当金も1株分受け取れる
米国株の多くは年4回(四半期ごと)配当金を支払います。1株しか保有していなくても、配当金を受け取る権利があります。ただし、1株分の配当金は少額(数ドル程度)です。
例えば、年間配当が1株あたり2ドルの銘柄なら、四半期ごとに0.5ドル(約75円)が支払われます。少額ですが、配当金を受け取る実感を得られます。
(4) 複数銘柄への分散投資が可能
1株ずつ複数の銘柄を購入すれば、少額資金でも分散投資ができます。例えば、5銘柄を1株ずつ購入すれば、セクターや企業を分散でき、リスクを軽減できます。
Fidelityなどの金融機関では、少額投資でのポートフォリオ構築の考え方が紹介されています。
1株投資のデメリット
1株投資にはデメリットもあるため、注意が必要です。
(1) 手数料負けのリスク
証券会社の取引手数料は、約定代金の一定割合(例: 0.495%)ですが、最低手数料が設定されている場合があります。SBI証券や楽天証券では、米国株の最低手数料は0ドル(2025年1月時点)ですが、他の証券会社では最低手数料が設定されている場合もあります。
最低手数料が設定されている場合、少額投資では手数料負けする可能性があります。最新の手数料体系は各証券会社の公式サイトで確認してください。
(2) 為替手数料も含めた実質コスト
円をドルに交換する際、為替手数料がかかります。主要ネット証券の為替手数料は1ドル=25銭程度です。例えば、10ドル(約1,500円)分の株を購入する場合、為替手数料は約2.5円(25銭 × 10ドル)です。
取引手数料と為替手数料を合わせると、実質的なコストが5〜10%になる場合があります。少額投資では、手数料負担の割合が大きくなるため注意が必要です。
(3) 分散投資効果が限定的
1株ずつ複数銘柄を購入しても、投資金額が少ないため、分散投資の効果は限定的です。例えば、5銘柄を1株ずつ購入し、1銘柄が暴落しても、ポートフォリオ全体への影響は小さいですが、リターンも小さくなります。
(4) 配当再投資が難しい
1株分の配当金は少額(数ドル程度)のため、配当金を再投資して複利効果を得ることが難しくなります。配当金だけで追加の株を購入するには、複数株を保有する必要があります。
おすすめ証券会社と手数料比較
1株投資をする際の証券会社選びと手数料を確認しましょう。
(1) SBI証券の手数料体系
SBI証券の米国株取引手数料は、約定代金の0.495%(税込)です。最低手数料は0ドル、上限は22ドル(税込)です(2025年1月時点)。為替手数料は1ドル=25銭です。
SBI証券の公式サイトでは、米国株の買い方ガイドや手数料計算例が掲載されています。
(2) 楽天証券の手数料体系
楽天証券の米国株取引手数料は、約定代金の0.495%(税込)です。最低手数料は0ドル、上限は22ドル(税込)です(2025年1月時点)。為替手数料は1ドル=25銭です。
楽天証券の公式サイトでは、米国株取引ルールや為替手数料の仕組みが解説されています。
(3) マネックス証券の手数料体系
マネックス証券の米国株取引手数料は、約定代金の0.495%(税込)です。最低手数料は0ドル、上限は22ドル(税込)です(2025年1月時点)。為替手数料は1ドル=25銭ですが、買付時に為替手数料無料キャンペーンを実施している場合があります。
マネックス証券の公式サイトでは、少額投資のメリット・デメリットや証券会社別の対応状況が紹介されています。
(4) 手数料負けしない投資額の目安
手数料負担を抑えるためには、一定額以上の投資が推奨されます。例えば、約定代金10ドル(約1,500円)の場合、取引手数料は約0.05ドル(約7.5円)、為替手数料は約2.5円で、合計約10円(約0.7%)です。
一方、約定代金100ドル(約15,000円)の場合、取引手数料は約0.5ドル(約75円)、為替手数料は約25円で、合計約100円(約0.7%)です。
手数料負けを避けるためには、1回の取引で5,000円以上の投資が推奨されます。
※最新の手数料は各証券会社の公式サイトでご確認ください。
1株投資の活用法
1株投資を効果的に活用する方法を紹介します。
(1) 投資の勉強・経験値獲得
1株投資の最大のメリットは、実際にお金を使って投資経験を積めることです。株価の変動、配当金の受け取り、企業の決算発表の影響などを体験することで、投資の理解が深まります。
(2) 複数銘柄への少額分散
1株ずつ複数の銘柄を購入すれば、少額資金でも分散投資ができます。例えば、情報技術、ヘルスケア、金融など、異なるセクターの銘柄を1株ずつ購入すれば、セクター分散が可能です。
(3) NISA枠の活用
新NISA制度(2024年開始)の成長投資枠(年間240万円まで)で、米国株を1株から購入できます。NISA口座で購入すれば、配当金・譲渡益が非課税になります。
金融庁の公式サイトでは、NISA制度での米国株投資と非課税メリットの活用法が説明されています。
(4) 段階的に買い増す戦略
最初は1株から始め、投資に慣れてきたら徐々に買い増す戦略もあります。毎月1株ずつ買い増せば、ドルコスト平均法の効果も期待できます。
まとめ:少額から始めて経験を積む
米国株を1株だけ購入することには、少額から投資経験を積め、リスクを最小限に抑えられるメリットがあります。ただし、手数料負けのリスクや分散投資効果の限定性などのデメリットもあります。
次のアクション:
- SBI証券・楽天証券等で米国株口座を開設
- 手数料を確認し、1回の取引で5,000円以上を目安に投資
- NISA口座を活用して税負担を軽減
- 複数銘柄を1株ずつ購入して分散投資を実践
1株投資は、投資の第一歩として非常に有効です。少額から始めて経験を積み、徐々に投資額を増やしていくことで、長期的な資産形成につながります。投資判断は自己責任で行い、不安な場合は金融の専門家にご相談ください。
