米国株の騰落率とは|確認ツールと投資判断への活用法

公開日: 2025/10/19

米国株の騰落率、どこで確認すればいい?

米国株投資を始めて間もない日本人投資家の多くが、「騰落率」という指標を目にします。証券会社のアプリやニュースサイトで「今日の騰落率ランキング」などが表示されますが、具体的に何を意味するのか、どう活用すればいいのか分からないという声も少なくありません。

この記事では、騰落率の基礎知識から確認できるツール・サイト、投資判断への活用方法までを初心者向けに解説します。

この記事のポイント:

  • 騰落率は株価の変動率を示す指標(計算式: (現在価格 - 基準価格) ÷ 基準価格 × 100)
  • Yahoo Finance、Bloomberg、日本の証券会社ツールで確認可能
  • 日次・週次・月次の騰落率を使い分けることで投資判断に活用できる
  • 米ドルベースと日本円ベースで騰落率が異なるため、為替影響に注意
  • 過去のパフォーマンスであり、将来を保証しない

騰落率の基礎知識

騰落率とは、株価がどれだけ変動したかを%(パーセント)で表す指標です。

(1) 騰落率の定義と計算式

**騰落率(Percent Change)**は、以下の計算式で求められます:

騰落率(%) = (現在価格 - 基準価格) ÷ 基準価格 × 100

例:

  • 基準価格: 100ドル
  • 現在価格: 110ドル
  • 騰落率: (110 - 100) ÷ 100 × 100 = +10%

プラスなら株価上昇、マイナスなら株価下落を意味します。

(出典: Investopedia「Price Change and Percent Change」https://www.investopedia.com/terms/p/price-change.asp)

(2) 騰落率と株価の違い

騰落(Price Change): 株価の変動額(ドル単位)。例: +10ドル

騰落率(Percent Change): 株価の変動率(%単位)。例: +10%

騰落率の方が、株価の規模に関係なく比較できるため、投資判断に適しています。

例えば、以下の2銘柄を比較すると:

銘柄 基準価格 変動額 騰落率
A株 10ドル +1ドル +10%
B株 1,000ドル +10ドル +1%

変動額だけ見るとB株の方が大きいですが、騰落率ではA株の方がパフォーマンスが良いことが分かります。

(3) 日次・週次・月次・年初来の騰落率

騰落率は、基準となる期間により以下のように分類されます:

  • 日次騰落率(1-Day Change): 前日比の変動率
  • 週次騰落率(1-Week Change): 1週間前比の変動率
  • 月次騰落率(1-Month Change): 1ヶ月前比の変動率
  • 年初来騰落率(YTD: Year-to-Date): 年初からの累積変動率

それぞれの期間で見ることで、短期・中期・長期のトレンドを把握できます。

騰落率を確認できるツール・サイト

騰落率は、無料・有料のさまざまなツールで確認できます。

(1) Yahoo Finance(無料・英語)

Yahoo Financeは、米国株の騰落率を確認できる代表的な無料ツールです。

特徴:

  • 日次・週次・月次・年初来の騰落率を表示
  • セクター別騰落率ランキングも確認可能
  • リアルタイムデータ(15分遅延なし)

確認手順:

  1. https://finance.yahoo.com/ にアクセス
  2. 銘柄ティッカー(例: AAPL)を検索
  3. 「Performance」タブで期間別の騰落率を確認

(出典: Yahoo Finance「Market Data and Performance」https://finance.yahoo.com/)

(2) Bloomberg(有料・英語)

Bloombergは、プロの投資家向けの高精度データを提供します。

特徴:

  • リアルタイムの騰落率データ
  • セクター別・地域別のパフォーマンス分析
  • 過去のヒストリカルデータ

料金: Bloomberg Terminalは月額約2,000ドル(機関投資家向け)

(出典: Bloomberg「Stock Performance Metrics」https://www.bloomberg.com/markets/stocks)

(3) SBI証券・楽天証券(無料・日本語)

日本の証券会社でも、米国株の騰落率を確認できます。

SBI証券: 「米国株騰落率ランキング」で日次・週次・月次のランキングを表示。

楽天証券: 「米国株パフォーマンス分析ツール」で銘柄ごとの騰落率を確認。

メリット:

  • 日本円ベースの騰落率も表示される
  • 日本語で操作できる

(出典: SBI証券「米国株騰落率ランキング」https://www.sbisec.co.jp/...)

(4) マネックス証券(無料・日本語)

マネックス証券は、米国株の詳細な分析ツールを提供しています。

特徴:

  • 騰落率を使ったスクリーニング機能
  • セクター比較ツール
  • トータルリターン(配当込み)の表示

(出典: マネックス証券「騰落率の活用方法」https://info.monex.co.jp/us-stock/performance-analysis.html)

騰落率の活用方法

騰落率は、以下のような投資判断に活用できます。

(1) 短期トレンドの把握

日次騰落率を見ることで、短期的な値動きを把握できます。

例えば、大きな下落(-5%以上)があった場合:

  • 企業の決算発表や業績修正があったか?
  • セクター全体が下落しているか?

これらを確認することで、一時的な調整か構造的な問題かを判断できます。

(2) セクター比較

セクター別の騰落率を比較することで、市場全体のトレンドを把握できます。

例(2025年10月):

セクター 月次騰落率
テクノロジー +8%
エネルギー -3%
ヘルスケア +2%

この場合、テクノロジーセクターが好調、エネルギーセクターが不調と分かります。

(3) 長期パフォーマンスの評価

**年初来騰落率(YTD)**や過去1年の騰落率を見ることで、長期的なパフォーマンスを評価できます。

ただし、過去のパフォーマンスは将来を保証しないことに注意してください。

(出典: Morningstar「Performance Analysis Tools」https://www.morningstar.com/stocks/performance)

騰落率を使う際の注意点

騰落率を活用する際は、以下の点に注意してください。

(1) 米ドルベースと日本円ベースの違い

日本人投資家にとって、為替レートの変動が重要です。

例:

  • 米ドルベースの騰落率: +10%
  • 同期間の為替レート: 1ドル=150円 → 140円(円高)
  • 日本円ベースの騰落率: 約 +3%

為替の影響で、米ドルベースと日本円ベースの騰落率が大きく異なることがあります。

(出典: 楽天証券「米国株パフォーマンス分析ツール」https://www.rakuten-sec.co.jp/web/foreign/us/performance.html)

(2) 短期的な騰落率に過度に反応しない

日次騰落率は短期的なノイズが含まれるため、過度に反応すると感情的な売買につながります。

推奨:

  • 短期トレーダーでない限り、週次・月次の騰落率を重視
  • 長期投資家は年初来・過去1年の騰落率を確認

(3) 配当込みのトータルリターンを確認

騰落率は株価の変動のみを示し、配当金は含まれません

高配当銘柄の場合、**トータルリターン(Total Return)**を確認することで、配当込みの実質的なパフォーマンスが分かります。

(出典: 日本経済新聞「米国株の見方:騰落率」https://www.nikkei.com/article/us-stock-performance/)

(4) 無料ツールと有料ツールの精度

無料ツール(Yahoo Financeなど)でも十分な精度がありますが、以下の点で有料ツールと差があります:

  • 更新頻度: 無料ツールは15分遅延がある場合も
  • データ範囲: 有料ツールは過去数十年のデータが閲覧可能
  • 分析機能: 有料ツールは高度なスクリーニング機能を提供

長期投資家なら無料ツールで十分ですが、デイトレーダーはリアルタイムデータが必要です。

まとめ:騰落率を正しく理解して投資判断に活用

騰落率は、株価の変動率を示す重要な指標です。Yahoo Finance、Bloomberg、日本の証券会社ツールで確認でき、日次・週次・月次の騰落率を使い分けることで、短期・中期・長期のトレンドを把握できます。

次のアクション:

  • Yahoo FinanceやSBI証券で騰落率を確認する習慣をつける
  • 米ドルベースと日本円ベースの違いを理解する
  • 短期的な騰落率に過度に反応せず、長期的な視点で投資判断を行う
  • 配当込みのトータルリターンも併せて確認する

騰落率を正しく理解し、投資判断に活用しましょう。

よくある質問

Q1騰落率と株価の違いは何ですか?

A1騰落(Price Change)は株価の変動額(ドル単位)、騰落率(Percent Change)は株価の変動率(%単位)です。騰落率の方が株価の規模に関係なく比較できるため、投資判断に適しています。計算式は(現在価格 - 基準価格)÷ 基準価格 × 100です。

Q2日次・週次・月次の騰落率はどう使い分けますか?

A2日次騰落率は短期的な値動きの把握、週次騰落率は中期トレンドの確認、月次・年初来騰落率は長期パフォーマンスの評価に使います。長期投資家は短期的な騰落率に過度に反応せず、週次・月次を重視することが推奨されます。

Q3無料ツールの精度は信頼できますか?

A3Yahoo Financeなどの無料ツールは十分な精度がありますが、リアルタイムデータは15分遅延する場合があります。長期投資家なら無料ツールで十分ですが、デイトレーダーはBloombergなどの有料ツールを検討してください。

Q4為替は騰落率にどう影響しますか?

A4米ドルベースの騰落率と日本円ベースの騰落率は為替レートの変動により異なります。例えば米ドルベースで+10%でも、円高が進めば日本円ベースでは+3%程度になることもあります。日本人投資家は日本円ベースの騰落率も確認することが重要です。

Q5騰落率には配当金が含まれますか?

A5いいえ、騰落率は株価の変動のみを示し、配当金は含まれません。高配当銘柄の実質的なパフォーマンスを知りたい場合は、トータルリターン(Total Return)を確認してください。トータルリターンは株価上昇と配当を合わせた総リターンです。

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