MAGNIFICENT Sevenの次は、何に投資すればいい?
米国テクノロジー株に投資している方の中には、「MAGNIFICENT Seven以外の投資テーマはないのか」と考えている方も多いでしょう。最近、「MASHA(マシャ)」という新しい投資テーマが注目されています。
この記事では、MASHAという投資テーマの定義・構成企業・MAGNIFICENT Sevenとの違いを詳しく解説します。
この記事のポイント:
- MASHAは新しいテクノロジー株グループの造語(定義は流動的)
- Meta、Apple、Samsung、Huawei、Alphabetなどの頭文字という説がある
- MAGNIFICENT Sevenと構成企業が一部重複する場合がある
- 投資テーマとして理解し、過度な集中投資は避ける
1. 米国株「MASHA(マシャ)」とは?新しい投資テーマの誕生
米国株投資では、特定の企業グループを括った投資テーマが生まれることがあります。
(1) MAGNIFICENT Sevenに続くテクノロジー株グループ
MAGNIFICENT Seven(マグニフィセント・セブン)は、米国を代表する7大テクノロジー企業を指す投資テーマです:
- Apple
- Microsoft
- Alphabet(Google親会社)
- Amazon
- Meta(旧Facebook)
- NVIDIA
- Tesla
これらの企業は2020年代前半に米国株市場を牽引しました。
MASHA(マシャ)は、MAGNIFICENT Sevenに続く新しいテクノロジー株グループとして、一部の投資家やアナリストの間で注目されています。
(2) なぜ今MASHAが注目されているのか
MAGNIFICENT Sevenの構成企業は、すでに時価総額が巨大化しており、今後の成長余地が限られているという見方があります。
投資家は「次の成長株」を探しており、新しい投資テーマとしてMASHAが提案されています。ただし、MASHAは公式な企業グループ分類ではなく、定義が流動的な点に注意が必要です。
2. MASHAの定義と構成企業
MASHAの定義は情報源により異なります。
(1) MASHAという名称の由来(複数の解釈)
MASHAは、以下の企業の頭文字を取ったものと言われています:
- M: Meta Platforms(旧Facebook)
- A: Apple
- S: Samsung(韓国企業)
- H: Huawei(中国企業)
- A: Alphabet(Google親会社)
別の解釈では、以下のような構成企業が提案されています:
- M: Microsoft
- A: Apple
- S: Salesforce
- H: HP(ヒューレット・パッカード)
- A: AMD
MASHAは公式な企業グループ分類ではなく、アナリストや投資家が提案する造語です。そのため、情報源により定義が異なります。
(2) 構成企業の候補(Meta、Apple、Samsung、Huawei、Alphabet等)
MASHAの候補企業として挙げられることが多いのは:
- Meta Platforms: SNS・メタバース・AI事業
- Apple: iPhone・Mac・ウェアラブルデバイス
- Alphabet: Google検索・広告・クラウド・AI
- Samsung: 半導体・スマートフォン(韓国企業)
- Huawei: 通信機器・スマートフォン(中国企業)
ただし、SamsungとHuaweiは米国市場に上場していないため、日本の証券会社では直接購入できません。
(3) 定義の流動性と注意点
MASHAは比較的新しい造語で、定義が確立していません。投資判断をする際は、以下の点に注意してください:
- 公式な企業グループではない: 証券取引所や金融庁が認定した分類ではない
- 情報源の確認が重要: アナリストレポートや証券会社の情報を複数確認する
- 構成企業が変わる可能性: 時間とともに定義が変化する可能性がある
3. MASHAを構成する企業の特徴
MASHAの候補企業の特徴を見てみましょう(米国市場に上場している企業に絞ります)。
(1) Meta Platforms(旧Facebook)の事業内容と財務状況
Meta Platformsは、Facebook・Instagram・WhatsAppを運営するSNS企業です。近年はメタバース事業とAI開発に注力しています。
主な財務指標(2025年時点):
- 時価総額: 約1兆ドル超
- 売上高: 年間約1,300億ドル
- 主な収益源: 広告収入(全体の90%以上)
※最新の財務データはMeta Investor Relationsで確認できます。
(2) Appleの事業内容と財務状況
Appleは、iPhone・Mac・iPad・Apple Watchなどを展開するハードウェア・ソフトウェア企業です。
主な財務指標(2025年時点):
- 時価総額: 約3兆ドル超(世界最大級)
- 売上高: 年間約3,800億ドル
- 主な収益源: iPhone(全体の50%以上)、サービス事業(約20%)
※最新の財務データはApple Investor Relationsで確認できます。
(3) その他候補企業の特徴
Alphabet(Google親会社):
- 主な事業: Google検索・広告・クラウド(Google Cloud)・AI
- 時価総額: 約2兆ドル超
- 主な収益源: 広告収入(全体の80%以上)
Samsung・Huawei:
- 米国市場に上場していないため、日本の証券会社では直接購入不可
- ADR(米国預託証券)やETF経由での投資が選択肢
(4) 共通するビジネスモデルと成長ドライバー
MASHA候補企業に共通する特徴:
- テクノロジー企業: IT・ソフトウェア・ハードウェア・AI分野
- 高い時価総額: すでに大型株(時価総額1兆ドル前後以上)
- 成長ドライバー: AI・クラウド・メタバース・5G等の技術革新
ただし、すでに巨大化しているため、今後の成長率は中小型株より低い可能性があります。
4. MAGNIFICENT Sevenとの違いを比較
MASHAとMAGNIFICENT Sevenを比較します。
(1) 構成企業の違い
グループ | 構成企業(例) |
---|---|
MAGNIFICENT Seven | Apple、Microsoft、Alphabet、Amazon、Meta、NVIDIA、Tesla |
MASHA | Meta、Apple、Samsung、Huawei、Alphabet(定義により異なる) |
重複企業: Meta、Apple、Alphabetは両方のグループに含まれる可能性が高いです。
(2) 時価総額と成長性の比較
MAGNIFICENT Sevenの時価総額合計は約10兆ドル以上(2025年時点)で、米国株市場全体の約30%を占めます。
MASHAの時価総額は定義により異なりますが、主要企業(Meta、Apple、Alphabet)の合計で約6兆ドル以上です。
(3) リスク・リターン特性の違い
項目 | MAGNIFICENT Seven | MASHA |
---|---|---|
企業数 | 7社 | 5社程度(定義により変動) |
セクター | テクノロジー中心 | テクノロジー中心 |
時価総額 | 超大型株 | 超大型株(一部中型株) |
ボラティリティ | 高め | 高め |
両グループともテクノロジー株中心のため、リスク・リターン特性は似ています。
5. MASHA投資の注意点とリスク管理
MASHA投資にはリスクがあります。
(1) テクノロジー株特有の高ボラティリティ
テクノロジー株は高い成長性がある一方、株価変動(ボラティリティ)も大きいです。
例えば、Meta Platformsの株価は2022年に約50%下落しましたが、2023年には約150%上昇しました。このような大きな変動に耐えられるリスク許容度が必要です。
(2) 特定グループへの集中投資リスク
MASHAとMAGNIFICENT Sevenは構成企業が重複するため、両方に投資すると実質的な集中投資になります。
ポートフォリオ全体のセクター配分を確認し、テクノロジー株への過度な偏りを避けることが重要です。
(3) 為替リスク(ドル円変動の影響)
米国株投資では、ドル建て資産のため為替リスクがあります。
例えば:
- 株価が10%上昇しても、ドル円が10%円高になれば円建てリターンはゼロ
- 株価が横ばいでも、ドル円が10%円安になれば円建てリターンは10%
為替リスクを理解した上で投資することが重要です。
(4) 個別投資 vs ETF投資の選択
MASHA銘柄への投資方法は2つあります:
投資方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
個別株 | 銘柄選択の自由度が高い | リスクが大きい、管理が大変 |
ETF | 分散投資でリスク抑制 | 銘柄選択の自由度が低い |
初心者はETFから始めるのが推奨されます(SBI証券「米国テクノロジー株投資ガイド」)。
(5) 分散投資の重要性
MASHAやMAGNIFICENT Sevenはテクノロジー株中心のため、他セクター(ヘルスケア・金融・エネルギー等)とのバランスが重要です。
全体のポートフォリオで、テクノロジー株の比率を30%以下に抑えるなど、分散投資を心がけましょう(日本経済新聞「米国テクノロジー株のリスク」)。
6. まとめ:MASHAへの投資判断のポイント
MASHAは新しい投資テーマですが、定義が流動的な点に注意が必要です。
投資判断のポイント:
- MASHAは公式な企業グループではなく、定義が確立していない
- Meta、Apple、Alphabetなど、MAGNIFICENT Sevenと重複する企業が多い
- 過度な集中投資を避け、ポートフォリオ全体のバランスを考える
- 個別株よりもETF投資で分散する方がリスクを抑えられる
次のアクション:
- 複数の情報源でMASHAの定義を確認する
- MAGNIFICENT Sevenと重複する企業を把握する
- ポートフォリオのテクノロジー株比率を確認する
- 長期投資の観点で、分散投資を心がける
投資テーマとして理解し、情報収集を続けながら慎重に判断しましょう。投資判断は最新情報を確認の上、ご自身の責任で行ってください。