米国株口座はどの証券会社で開設すべき?手数料や銘柄数を比較したい
米国株投資を始めたいと考えているものの、「どの証券会社で口座を開設すればいいのか分からない」「手数料や取扱銘柄数の違いを知りたい」と迷っている方も多いのではないでしょうか。日本では複数の証券会社が米国株取引に対応しており、それぞれ特徴が異なります。
この記事では、米国株口座の選び方として、主要証券会社5社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、DMM.com証券)の手数料、取扱銘柄数、NISA対応状況などを詳しく比較します。
この記事のポイント:
- 米国株口座は証券口座とは別に申込が必要
- 選び方の5つのポイント:売買手数料、為替手数料、取扱銘柄数、ツール、NISA対応
- SBI証券は取扱銘柄数No.1、楽天証券はポイント還元、マネックスは情報が充実
- DMM.com証券は売買手数料無料(為替手数料は発生)
- NISA口座で米国株を購入すれば、日本の税金が非課税
米国株口座とは?通常の証券口座との違い
(1) 外国株取引口座の仕組み
米国株を購入するには、通常の証券口座に加えて「外国株取引口座」の開設が必要です。
手順:
- 証券会社で証券口座を開設(マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 証券口座開設後、外国株取引口座を追加申込
- 数日で外国株取引口座が開設され、米国株の取引が可能に
多くの証券会社では、口座開設・維持費は無料です。
(2) 開設に必要な書類と手続き
必要な書類:
- マイナンバー(個人番号カードまたは通知カード)
- 本人確認書類(運転免許証、パスポート、健康保険証など)
- 銀行口座情報(入出金用)
手続きはオンラインで完結でき、最短で申込から1週間程度で取引を始められます。
米国株口座の選び方:5つの重要ポイント
(1) 売買手数料と為替手数料
米国株取引では、以下の2種類の手数料がかかります。
売買手数料:
- 主要ネット証券では約定代金の0.495%(上限22ドル)が一般的
- DMM.com証券は売買手数料無料(2025年時点)
為替手数料:
- 日本円を米ドルに両替する際の手数料(片道)
- 一般的に1ドルあたり25銭程度
- SBI証券は住信SBIネット銀行経由で6銭に引き下げ可能
長期投資なら売買手数料、頻繁に取引するなら為替手数料も重視しましょう。
(2) 取扱銘柄数(個別株・ETF)
証券会社により、取扱銘柄数が異なります。
主要証券会社の取扱銘柄数(2025年時点):
- SBI証券: 5,000銘柄以上
- 楽天証券: 4,500銘柄以上
- マネックス証券: 5,000銘柄以上
- 松井証券: 4,000銘柄以上
- DMM.com証券: 1,600銘柄以上
主要な大型株やETFはほぼ全社で取扱っていますが、中小型株に投資したい場合は取扱銘柄数が多い証券会社を選びましょう。
(3) 取引ツールの使いやすさ
取引ツールの使いやすさは、投資体験に大きく影響します。
主要証券会社のツール:
- SBI証券: SBI証券 米国株アプリ(銘柄検索・リアルタイム株価)
- 楽天証券: iSPEED(スマホアプリ、直感的な操作)
- マネックス証券: トレードステーション(高度な分析ツール)
- 松井証券: 松井証券 米国株アプリ
- DMM.com証券: DMM株アプリ(シンプル設計)
各社とも無料でデモ画面を確認できるため、実際に触ってみて判断するのがおすすめです。
(4) NISA対応状況
新NISA(2024年開始)では、成長投資枠で米国株を購入できます。主要ネット証券はすべてNISA口座での米国株取引に対応しています。
NISA口座のメリット:
- 配当金・売却益が非課税(日本の税金20.315%が非課税)
- ただし、米国での配当金源泉徴収10%は避けられない
NISA口座は1人1口座のみで、金融機関変更は年1回可能です。
(5) サポート体制と情報提供
投資初心者にとって、証券会社のサポート体制や情報提供も重要です。
情報提供:
- マネックス証券: 銘柄スカウター米国株版(無料の分析ツール)
- 楽天証券: トウシル(投資情報メディア)
- SBI証券: モーニングスターレポート
コールセンターの対応時間や、セミナー・レポートの充実度も比較ポイントです。
主要証券会社5社の徹底比較
(1) SBI証券:取扱銘柄数No.1
特徴:
- 取扱銘柄数5,000以上と業界トップクラス
- 住信SBIネット銀行経由で為替手数料6銭(片道)
- NISA口座対応、三井住友カードでポイント還元
向いている人:
- 中小型株も含めて幅広く投資したい
- 為替手数料を抑えたい
(2) 楽天証券:楽天ポイントが貯まる
特徴:
- 楽天カード決済で投資信託積立時にポイント還元
- 楽天ポイントで米国株を購入可能(一部銘柄)
- iSPEEDアプリが使いやすい
向いている人:
- 楽天経済圏を活用している
- ポイント還元を重視
(3) マネックス証券:米国株情報が充実
特徴:
- 銘柄スカウター米国株版(無料)で財務分析が可能
- トレードステーション(高度な分析ツール)
- 米国株の情報提供が充実
向いている人:
- 銘柄分析を重視する
- 情報量を求める
(4) 松井証券:シンプルな手数料体系
特徴:
- シンプルな手数料体系
- サポート体制が充実(HDI格付け最高評価)
- NISA口座対応
向いている人:
- 初心者でサポートを重視
- シンプルな手数料を好む
(5) DMM.com証券:売買手数料無料
特徴:
- 売買手数料無料(2025年時点)
- ただし為替手数料は発生(片道25銭)
- 取扱銘柄数は1,600以上と他社より少なめ
向いている人:
- 売買手数料を抑えたい
- 主要銘柄・ETFのみ投資する
比較表
証券会社 | 売買手数料 | 為替手数料(片道) | 取扱銘柄数 | NISA対応 |
---|---|---|---|---|
SBI証券 | 0.495%(上限22ドル) | 25銭(住信SBI経由で6銭) | 5,000以上 | ○ |
楽天証券 | 0.495%(上限22ドル) | 25銭 | 4,500以上 | ○ |
マネックス証券 | 0.495%(上限22ドル) | 25銭(キャンペーンで0銭の場合あり) | 5,000以上 | ○ |
松井証券 | 0.495%(上限22ドル) | 25銭 | 4,000以上 | ○ |
DMM.com証券 | 無料 | 25銭 | 1,600以上 | ○ |
※2025年時点の情報。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。
NISA口座で米国株を買う方法
(1) 成長投資枠での米国株購入
新NISA(2024年開始)では、成長投資枠(年間240万円)で米国株を購入できます。
メリット:
- 配当金・売却益が非課税(日本の税金20.315%が非課税)
- 長期保有に適している
注意点:
- 米国での配当金源泉徴収10%は避けられない
- NISA口座は1人1口座のみ
(2) 外国税額控除との関係
NISA口座で保有している米国株の配当金には、米国で10%の源泉徴収がありますが、外国税額控除は使えません(日本の税金がかからないため)。
一方、特定口座で保有している場合は、確定申告で外国税額控除を申請できます。
初心者におすすめの証券会社
(1) コスト重視ならDMM.com証券
売買手数料無料のDMM.com証券は、取引コストを抑えたい方に適しています。ただし、取扱銘柄数が少ないため、主要銘柄・ETFのみ投資する方向けです。
(2) 情報量重視ならマネックス証券
銘柄スカウター米国株版やトレードステーションなど、情報提供とツールが充実しているマネックス証券は、銘柄分析を重視する方に適しています。
(3) 総合力重視ならSBI証券
取扱銘柄数、為替手数料、ツール、NISA対応など、総合的にバランスが取れているSBI証券は、幅広い投資スタイルに対応できます。
まとめ:自分に合った口座を選ぼう
米国株口座を選ぶ際は、以下のポイントを比較しましょう:
選び方のポイント:
- 売買手数料: DMM.com証券は無料、他社は約定代金の0.495%
- 為替手数料: SBI証券(住信SBI経由)が最安6銭
- 取扱銘柄数: SBI証券・マネックス証券が5,000以上
- ツール・情報: マネックス証券が充実
- ポイント還元: 楽天証券が楽天ポイント対応
おすすめの選び方:
- コスト重視: DMM.com証券 + SBI証券(為替手数料を抑えるため)
- 情報重視: マネックス証券
- 総合力: SBI証券
- 楽天経済圏: 楽天証券
次のアクション:
- 各証券会社の公式サイトで最新の手数料・サービスを確認
- 口座開設(マイナンバー・本人確認書類を用意)
- NISA口座も同時開設を検討
- 少額(1株単位)から実際の取引を始めて操作に慣れる
複数の証券会社で口座開設することも可能です(ただしNISA口座は1人1口座)。それぞれの強みを活かして使い分けるのも有効な戦略です。
自分の投資スタイルに合った証券会社を選び、米国株投資を始めましょう。投資判断は最終的に自己責任で行ってください。
※手数料・サービス内容は2025年時点の情報です。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。