エヌビディア米国株|日本から投資する方法と税金を解説

公開日: 2025/10/20

エヌビディア(NVIDIA)への投資を検討しているあなたへ

AI(人工知能)ブームの中心にいる企業として、エヌビディア(NVIDIA、ティッカーシンボル:NVDA)への注目が高まっています。「AI関連株に投資したいが、税金や購入方法が分からない」「為替リスクが心配」と感じている日本の投資家は少なくありません。

この記事では、エヌビディアの事業内容、日本から投資する方法、税制・為替リスク、情報収集方法を網羅的に解説します。個別銘柄の推奨ではなく、投資判断に必要な情報を提供します。

この記事のポイント:

  • エヌビディアはAI半導体(GPU)で世界シェア1位
  • 日本の証券会社(SBI・楽天・マネックス)で1株から購入可能
  • 配当金は米国で10%源泉徴収後、日本で20.315%課税(外国税額控除で一部回収可能)
  • 為替リスクはドルコスト平均法で分散できる
  • NVIDIA公式IRサイトで決算情報を確認できる

エヌビディアの事業内容とAI半導体市場

(1) AI半導体リーダーとしての地位

エヌビディアは、GPU(Graphics Processing Unit、画像処理装置)を開発・製造する米国企業です。もともとゲーム用グラフィックスが主力でしたが、GPUがAI学習・推論に適していることから、近年はAI・データセンター向けの需要が急増しています。

エヌビディアの強み:

  • AI処理に最適化されたGPU技術(CUDA等のソフトウェアエコシステムを含む)
  • データセンター市場で圧倒的シェア(2025年時点で80%以上と言われる)
  • 大手テクノロジー企業(Google、Amazon、Microsoftなど)が主要顧客

(出典: NVIDIA Corporation "Official Investor Relations", Seeking Alpha "NVIDIA AI Dominance Analysis")

(2) 主要製品(GPU・データセンター向けチップ)

エヌビディアの主力製品は、以下の通りです。

主要製品:

  • GeForceシリーズ: ゲーム用GPU
  • Quadroシリーズ: プロフェッショナル向けGPU(CG制作等)
  • データセンター向けGPU(A100、H100等): AI学習・推論に特化したチップ

データセンター向けGPUの売上が、全体の60%以上を占めるまでに成長しています(2024年時点)。

(出典: NVIDIA "SEC 10-K Annual Report")

(3) 市場規模と成長性

AI半導体市場は急成長しており、今後も拡大が見込まれています。エヌビディアは、この成長市場でリーダーシップを握っていますが、競合(AMD、Intel、新興企業)も追い上げています。

リスク:

  • 競合の技術追い上げ
  • 米中対立による半導体輸出規制
  • 景気後退時のデータセンター投資減少
  • 既に株価が高水準のため、バリュエーションが割高な可能性

(出典: 日本経済新聞「エヌビディア AI半導体で独走」)

日本から投資する方法

(1) SBI証券・楽天証券・マネックス証券での購入

日本の主要ネット証券で、エヌビディア株(NVDA)を購入できます。

証券会社 取扱 手数料 為替スプレッド NISA対応
SBI証券 約定代金の0.495%(上限22ドル) 25銭/ドル
楽天証券 約定代金の0.495%(上限22ドル) 25銭/ドル
マネックス証券 約定代金の0.495%(上限22ドル) 買付時0銭

(出典: SBI証券、楽天証券、マネックス証券各公式サイト)

(2) 最低購入金額と手数料

エヌビディア株は1株から購入可能です。株価は変動しますが、2025年1月時点で1株あたり数万円程度です(例: 1株=400ドル、1ドル=150円の場合、約6万円)。

購入時のコスト例(1株購入、株価400ドル、為替150円/ドル):

  • 株価: 60,000円
  • 売買手数料: 約300円(0.495%)
  • 為替スプレッド(円貨決済): 約60円(25銭×400ドル)
  • 合計: 約60,360円

少額投資では手数料の影響が大きいため、ある程度まとまった金額での投資が推奨されます。

(3) NISA口座での購入可否

新NISA(成長投資枠)で、エヌビディア株を購入できます。年間240万円まで投資でき、配当・売却益が非課税になります。

ただし、米国での源泉徴収10%は避けられません。

税制と為替リスク

(1) 配当金の二重課税と外国税額控除

エヌビディアの配当金には、米国で10%の源泉徴収が行われた後、日本で20.315%が課税されます。

配当金の税金(例: 100ドルの配当、1ドル=150円):

  1. 米国で10%源泉徴収: 10ドル(手取り90ドル=13,500円)
  2. 日本で20.315%課税: 約2,742円
  3. 手取り: 約10,758円(約28%の税負担)

外国税額控除を使えば、米国で徴収された10%の一部を日本の税金から差し引けます。ただし、外国税額控除を受けるには確定申告が必要です。

(出典: 国税庁「外国株式の税金」)

(2) 売却益の税金(20.315%)

エヌビディア株の売却益(譲渡益)には、日本で20.315%の税金がかかります。

税金の内訳:

  • 所得税: 15.315%
  • 住民税: 5%

特定口座(源泉徴収あり)を選べば、証券会社が自動で税金を計算・納税してくれるため、基本的に確定申告は不要です。

(3) 為替リスクの対処法

米国株投資には為替リスク(円高・円安の影響)が伴います。

為替リスク:

  • 円高: 円換算の評価額が下がる(例: 1ドル=150円→130円)
  • 円安: 円換算の評価額が上がる(例: 1ドル=130円→150円)

対処法:

  • ドルコスト平均法: 毎月定額を投資して平均購入コストを平準化
  • 長期保有: 為替変動は長期的には平準化される傾向
  • 円高時の購入: 円高時は割安で購入できるチャンス

情報収集方法

(1) NVIDIA公式IRサイト

エヌビディアの最新情報は、公式IRサイト(Investor Relations)で確認できます。

確認できる情報:

  • 決算発表資料
  • 株価・配当情報
  • 事業戦略のプレゼンテーション資料
  • SEC提出書類(10-K、10-Q)

(URL: https://investor.nvidia.com/)

(2) 決算発表の確認方法

エヌビディアは年4回(四半期ごと)に決算を発表します。決算発表日は公式IRサイトのカレンダーで確認でき、発表後にはアナリスト向け説明会(Earnings Call)の音声・資料が公開されます。

確認すべきポイント:

  • 売上高・純利益の成長率
  • データセンター部門の売上推移
  • ガイダンス(今後の見通し)

(3) 証券会社のアナリストレポート

楽天証券・SBI証券・マネックス証券などは、米国株のアナリストレポートを提供しています。エヌビディアについても、業績分析・目標株価・投資判断(買い・売り・中立)などが掲載されています。

Yahoo Financeでも、アナリストレーティング・財務指標(PER、PBR、時価総額)を無料で確認できます。

(出典: Yahoo Finance "NVIDIA (NVDA) Stock Analysis")

まとめ:投資判断に必要な情報

エヌビディアは、AI半導体市場でリーダーシップを握る企業ですが、株価が既に高水準のため、バリュエーション(PER等)が割高な可能性、競合の追い上げ、米中対立による規制リスクなど、注意すべき点もあります。

日本から投資する場合、SBI証券・楽天証券・マネックス証券などで1株から購入可能です。配当金の二重課税、為替リスクを理解した上で、長期投資を前提とした判断が推奨されます。

投資前のチェックリスト:

  • エヌビディアの事業内容・市場環境を理解
  • 証券会社の手数料・為替スプレッドを比較
  • 配当金の税金(二重課税・外国税額控除)を確認
  • 為替リスク対策(ドルコスト平均法)を検討
  • NVIDIA公式IRサイトで決算情報を定期的に確認
  • NISA口座の活用を検討
  • 分散投資(個別株だけでなくETF・投資信託も組み合わせる)

次のアクション:

  • 証券口座を開設(まだの場合)
  • 少額から投資を始める(まとまった資金で一括購入は避ける)
  • 決算発表をフォローし、業績を定期的にチェック
  • 成長株(グロース株)特有のボラティリティ(値動きの激しさ)を理解

投資判断は自己責任で行い、リスクを理解した上で、長期的な資産形成を目指しましょう。この記事は情報提供を目的としており、個別銘柄の推奨ではありません。

よくある質問

Q1エヌビディア株は日本から買えますか?

A1SBI証券・楽天証券・マネックス証券などの証券会社で購入可能です。米国株取引口座の開設が必要で、1株から購入できます。

Q2最低いくらから買えますか?

A21株から購入可能です。株価は変動しますが、2025年1月時点で1株数万円程度(例: 1株=400ドル、1ドル=150円の場合、約6万円)。ただし手数料を考慮すると、ある程度まとまった金額での投資が推奨されます。

Q3配当金の税金はどうなりますか?

A3米国で10%源泉徴収後、日本で20.315%課税されます。外国税額控除を使えば、米国で徴収された10%の一部を日本の税金から差し引けますが、確定申告が必要です。

Q4為替リスクはどう対処すればいい?

A4ドルコスト平均法(毎月定額を投資)で為替タイミングを分散する、長期保有で為替変動を平準化する、円高時は割安で購入できるチャンスと捉えるなどの方法があります。

Q5新NISAでエヌビディア株は買えますか?

A5買えます。成長投資枠で年間240万円まで投資でき、配当・売却益が非課税になります。ただし、米国での源泉徴収10%は避けられません。

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