米国株のプレマーケット情報を探している方へ
米国株に投資しているけれど、市場が開く前の価格変動を確認したいと思ったことはありませんか?
米国株式市場には、通常取引時間(米国東部時間9:30~16:00)の前後に「プレマーケット」と「アフターマーケット」と呼ばれる時間外取引があります。プレマーケットでは、市場開始前の価格動向を確認でき、通常取引開始時の株価を予測する参考情報として活用できます。
この記事では、プレマーケットの仕組み、日本から無料で価格を確認する方法、日本の証券会社での時間外取引対応状況、注意点とリスクを詳しく解説します。
この記事のポイント:
- プレマーケットは米国東部時間4:00~9:30の時間外取引
- Yahoo FinanceやMarketWatchで無料で価格確認可能
- 多くの日本の証券会社は時間外取引に非対応(2025年1月時点)
- プレマーケットは流動性が低く、価格変動が大きい
- 市場開始後に価格が大きく変わる可能性があるため参考情報として活用
プレマーケットとは:時間外取引の基本
まず、プレマーケットと時間外取引の基本を理解しましょう。
(1) プレマーケットとアフターマーケットの違い
米国株式市場には、通常取引時間の前後に時間外取引があります。
取引時間帯 | 米国東部時間 | 日本時間(冬時間) | 日本時間(夏時間) |
---|---|---|---|
プレマーケット | 4:00~9:30 | 18:00~23:30 | 17:00~22:30 |
通常取引 | 9:30~16:00 | 23:30~翌6:00 | 22:30~翌5:00 |
アフターマーケット | 16:00~20:00 | 翌6:00~翌10:00 | 翌5:00~翌9:00 |
※夏時間は3月第2日曜~11月第1日曜。冬時間は11月第1日曜~3月第2日曜。
プレマーケット:
- 市場開始前の取引時間
- 前日の決算発表や重大ニュースを受けた価格変動が見られる
- 通常取引開始時の株価を予測する参考情報として活用
アフターマーケット:
- 市場終了後の取引時間
- 引け後の決算発表や重大ニュースで価格が動く
- 翌日の株価に影響
(2) 取引時間と日本時間との対応
米国東部時間と日本時間の時差は、サマータイム(夏時間)により変わります。
時差の計算:
- 冬時間(11月~3月): 日本時間 = 米国東部時間 + 14時間
- 夏時間(3月~11月): 日本時間 = 米国東部時間 + 13時間
プレマーケット開始時刻:
- 冬時間: 日本時間18:00(米国東部4:00)
- 夏時間: 日本時間17:00(米国東部4:00)
日本の投資家にとって、プレマーケットは夕方~夜の時間帯となり、確認しやすい時間帯です。
(3) 取引所ごとの違い(NASDAQ・NYSE)
NASDAQとNYSEでプレマーケットの取引時間は基本的に同じです。
NASDAQ:
- プレマーケット: 4:00~9:30(米国東部時間)
- ハイテク株が多く上場
- 時間外取引も活発
(出典: NASDAQ「Pre-Market Trading Hours」https://www.nasdaq.com/market-activity/pre-market)
NYSE(ニューヨーク証券取引所):
- プレマーケット: 4:00~9:30(米国東部時間)
- 伝統的な大型株が多く上場
- 時間外取引の流動性はNASDAQと同程度
(出典: NYSE「Pre-Market and After-Hours Trading」https://www.nyse.com/markets/hours-calendars)
プレマーケット価格の確認方法(無料ツール)
日本から無料でプレマーケット価格を確認する方法を紹介します。
(1) Yahoo Financeでの確認手順
Yahoo Financeは、無料でプレマーケット価格を確認できる代表的なツールです。
確認手順:
- Yahoo Finance(https://finance.yahoo.com/)にアクセス
- 検索ボックスに銘柄のティッカーシンボルを入力(例: AAPL、TSLA等)
- 銘柄ページで「Pre-Market」タブをクリック
- プレマーケットの価格・出来高・価格変動率を確認
確認できる情報:
- 現在のプレマーケット価格
- 前日終値からの変動額・変動率
- プレマーケットの出来高
- リアルタイムチャート(遅延がある場合あり)
Yahoo Financeは英語サイトですが、直感的に操作できます。スマホアプリも提供されており、外出先でも確認可能です。
(出典: Yahoo Finance「Pre-Market Stock Quotes」https://finance.yahoo.com/markets/stocks/pre-market/)
(2) MarketWatchの活用法
MarketWatchも無料でプレマーケット情報を提供しています。
確認手順:
- MarketWatch(https://www.marketwatch.com/)にアクセス
- 「Tools」→「Screener」→「Pre-Market」を選択
- プレマーケットで値動きの大きい銘柄のランキングを確認
MarketWatchの特徴:
- プレマーケットの値上がり・値下がりランキングが見やすい
- ニュースと価格変動を関連付けて確認できる
- 市場全体のプレマーケット動向を把握しやすい
(出典: MarketWatch「Pre-Market Data」https://www.marketwatch.com/tools/screener/premarket)
(3) 各証券会社の情報ツール
日本の主要証券会社でも、プレマーケット情報を提供している場合があります。
SBI証券:
- 「外国株式」→「米国株式」→「マーケット情報」でプレマーケット指数を確認可能
- 個別銘柄のプレマーケット価格も一部表示
楽天証券:
- スマホアプリ「iSPEED」で米国株のプレマーケット情報を確認可能
- リアルタイム価格(一部遅延あり)
マネックス証券:
- 「米国株」→「マーケット情報」でプレマーケット指数を確認
各証券会社の情報ツールは、口座開設後に利用できる場合が多いです。
日本の証券会社での時間外取引対応状況
日本の証券会社で米国株の時間外取引ができるか確認しましょう。
(1) SBI証券の対応状況
SBI証券では、2025年1月時点で、米国株の時間外取引(プレマーケット・アフターマーケット)は原則として対応していません。
SBI証券の米国株取引時間:
- 通常取引のみ対応(米国東部時間9:30~16:00)
- プレマーケット・アフターマーケットでの注文は不可
※最新の対応状況は公式サイトで確認してください。
(出典: SBI証券「米国株取引時間」https://www.sbisec.co.jp/)
(2) 楽天証券の対応状況
楽天証券でも、米国株の時間外取引は原則として非対応です。
楽天証券の米国株取引時間:
- 通常取引のみ対応(米国東部時間9:30~16:00)
- プレマーケット・アフターマーケットでの注文は不可
※最新の対応状況は公式サイトで確認してください。
(出典: 楽天証券「米国株取引ルール」https://www.rakuten-sec.co.jp/web/foreign/us/rule.html)
(3) マネックス証券の対応状況
マネックス証券も、米国株の時間外取引は原則として非対応です。
マネックス証券の米国株取引時間:
- 通常取引のみ対応(米国東部時間9:30~16:00)
- プレマーケット・アフターマーケットでの注文は不可
※最新の対応状況は公式サイトで確認してください。
(出典: マネックス証券「米国株取引ガイド」https://www.monex.co.jp/us_stock/)
(4) 主要証券会社の比較表
2025年1月時点での主要証券会社の時間外取引対応状況をまとめます。
証券会社 | プレマーケット取引 | アフターマーケット取引 | プレマーケット価格確認 |
---|---|---|---|
SBI証券 | 非対応 | 非対応 | 可能 |
楽天証券 | 非対応 | 非対応 | 可能 |
マネックス証券 | 非対応 | 非対応 | 可能 |
※最新の対応状況は各証券会社の公式サイトで必ず確認してください。
時間外取引を行いたい場合は、Interactive Brokers等の海外証券会社を利用する必要がありますが、英語対応や海外送金の手間があります。
プレマーケット取引の注意点とリスク
プレマーケット取引には特有のリスクがあります。
(1) 流動性の低さと価格変動の大きさ
プレマーケットは通常取引時間と比べて取引参加者が少なく、流動性が低いです。
流動性の低さの影響:
- 少量の注文で価格が大きく動く
- 希望価格で約定しにくい
- 出来高が少ないため、価格の信頼性が低い
例えば、通常取引では1%の変動でも、プレマーケットでは3~5%動くことがあります。
(2) ビッド・アスク・スプレッドの拡大
ビッド・アスク・スプレッド(買値と売値の差)は、プレマーケットでは通常取引より広がります。
スプレッド拡大の例:
- 通常取引: ビッド100.00ドル、アスク100.02ドル(スプレッド0.02ドル)
- プレマーケット: ビッド99.90ドル、アスク100.10ドル(スプレッド0.20ドル)
スプレッドが広いと、成行注文で不利な価格で約定する可能性があります。プレマーケットで取引する場合は、指値注文の利用が推奨されます。
(3) 市場開始後の価格変動リスク
プレマーケットの価格は、市場開始後に大きく変わる可能性があります。
価格変動の理由:
- プレマーケットの出来高が少なく、参考程度の価格
- 市場開始後、大口の機関投資家が参入し、価格が修正される
- 経済指標発表や重大ニュースで市場のセンチメントが変わる
プレマーケットで株価が+3%でも、市場開始後に-2%になることもあります。プレマーケット価格は参考情報として活用し、市場開始後の動きを確認することが重要です。
(4) 日本時間との時差計算(サマータイム対応)
米国のサマータイム(夏時間)により、日本時間との時差が1時間変わります。
サマータイムの切り替え時期:
- 夏時間開始: 3月第2日曜(日本時間との時差が13時間に)
- 冬時間開始: 11月第1日曜(日本時間との時差が14時間に)
サマータイム切り替え時期は、プレマーケットの開始時刻が日本時間で1時間ずれるため注意が必要です。
まとめ:プレマーケット情報を賢く活用する方法
米国株のプレマーケットは、市場開始前の価格動向を確認できる貴重な情報源です。
この記事のポイント再確認:
- プレマーケットは米国東部時間4:00~9:30の時間外取引
- Yahoo FinanceやMarketWatchで無料で価格確認可能
- 多くの日本の証券会社は時間外取引に非対応(2025年1月時点)
- プレマーケットは流動性が低く、価格変動が大きい
- 市場開始後に価格が大きく変わる可能性があるため参考情報として活用
プレマーケット情報の賢い活用法:
- Yahoo FinanceやMarketWatchで毎朝プレマーケット価格をチェック
- 決算発表や重大ニュースがあった銘柄の動きを確認
- 市場開始後の価格変動を予測する参考情報として活用
- プレマーケット価格だけで売買判断せず、市場開始後の動きを確認
次のアクション:
- Yahoo FinanceやMarketWatchをブックマークし、毎朝確認する習慣をつける
- 保有銘柄のプレマーケット価格を日本時間の夕方~夜にチェック
- サマータイム切り替え時期(3月・11月)は時間帯を確認
- 時間外取引を行いたい場合は、証券会社の最新対応状況を確認
プレマーケット情報は、米国株投資の情報収集ツールとして有効です。ただし、流動性の低さや価格変動の大きさを理解し、参考情報として活用しましょう。
※投資にはリスクが伴います。プレマーケット価格は参考情報であり、市場開始後の価格を保証するものではありません。投資判断は自己責任で行ってください。