米国株の権利落ち日とは|配当を確実に受け取る完全ガイド

公開日: 2025/10/20

配当目当てで買ったのに、配当がもらえなかった...

米国株の配当投資を始めたばかりの方から、「配当がもらえると思って買ったのに、受け取れなかった」という声をよく聞きます。これは、権利落ち日(Ex-Dividend Date)の仕組みを理解していなかったことが原因です。

米国株で配当を受け取るには、権利落ち日の前営業日までに株を購入しておく必要があります。権利落ち日当日やそれ以降に買った場合、配当は受け取れません。

この記事では、米国株の権利落ち日とは何か、配当受取の条件、日本株との違い、確認方法を詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • 権利落ち日(Ex-Dividend Date)は配当を受け取る権利がなくなる日
  • 米国株はT+1決済のため、権利落ち日の前営業日までに購入が必要
  • 日本株との大きな違いはない(どちらもT+2決済が基本)
  • 証券会社の配当カレンダーやYahoo Financeで権利落ち日を確認できる
  • 配当支払日(Payment Date)は権利確定日から数週間後

米国株の権利落ち日を理解する重要性

米国株の配当投資で成功するには、権利落ち日の仕組みを正しく理解することが不可欠です。

配当を受け取るには、権利落ち日の前営業日までに株を購入し、保有している必要があります。権利落ち日当日やそれ以降に買った場合、配当は前の株主に支払われ、新しい株主(あなた)には支払われません。

また、権利落ち日には株価が配当分だけ下落する傾向があります。これは、配当を受け取る権利がなくなるため、株の価値が下がるためです。

権利落ち日(Ex-Dividend Date)とは

権利落ち日は、配当を受け取る権利がなくなる日のことです。

(1) 権利落ち日の定義

権利落ち日(Ex-Dividend Date)とは、この日以降に株を買っても配当を受け取れないという日です。逆に言えば、権利落ち日の前営業日までに株を保有していれば、配当を受け取る権利があります。

例えば、ある銘柄の権利落ち日が12月15日の場合:

  • 12月14日までに購入 → 配当を受け取れる
  • 12月15日以降に購入 → 配当を受け取れない

(2) 配当受取のルール

米国株の配当受取には、以下のルールがあります:

  1. 権利確定日(Record Date): 企業が株主名簿を確認し、配当を受け取る株主を確定する日
  2. 権利落ち日(Ex-Dividend Date): 権利確定日の1営業日前(T+1決済のため)
  3. 配当支払日(Payment Date): 実際に配当が支払われる日

重要なのは、権利確定日に株主名簿に載っている必要があるということです。米国株はT+1決済(取引日の翌営業日に決済)のため、権利確定日の1営業日前が権利落ち日になります。

(3) 株価への影響

権利落ち日には、株価が配当分だけ下落する傾向があります。例えば、1株あたり1ドルの配当を出す銘柄が100ドルで取引されている場合、権利落ち日には99ドル前後に下がることが一般的です。

これは、配当を受け取る権利がなくなるため、株の理論的な価値が配当分だけ減少するためです。

配当受取の条件とT+1決済

米国株の配当受取には、決済日(Settlement Date)の仕組みを理解することが重要です。

(1) T+1決済ルール

米国株は、T+1決済(Trade Date + 1 Business Day)です。つまり、取引日の翌営業日に決済が完了します。

例えば、12月10日に株を購入した場合、決済日は12月11日です。この決済日に株主名簿に載るため、配当を受け取る権利が確定します。

(2) 権利付最終日の計算

権利落ち日が12月15日の場合、権利確定日は12月16日です(T+1決済のため)。

配当を受け取るには、12月14日までに株を購入する必要があります。12月14日に購入すれば、12月15日に決済され、12月16日の権利確定日に株主名簿に載ります。

(3) 決済日(Settlement Date)との関係

購入日 決済日 権利確定日(例: 12月16日) 配当受取
12月14日 12月15日 12月16日 ○(間に合う)
12月15日 12月16日 12月16日 ×(間に合わない)

12月15日(権利落ち日)に買った場合、決済日は12月16日ですが、権利落ち日以降の購入は配当対象外となります。

日本株との違い

米国株と日本株では、配当受取の仕組みに違いがあるのでしょうか?

(1) 日本株の権利確定日ルール

日本株も、権利確定日の仕組みは米国株とほぼ同じです。権利確定日に株主名簿に載っている株主が配当を受け取ります。

(2) 決済日数の違い

以前は、米国株がT+2決済、日本株がT+3決済でしたが、現在は両方ともT+2決済が基本です(米国は2017年にT+2に短縮)。

ただし、米国は2024年5月からT+1決済に移行しています。

(3) 配当支払時期の違い

日本株は年1-2回の配当が一般的ですが、米国株は**年4回(四半期ごと)**の配当が主流です。また、一部の銘柄は毎月配当を出しています。

配当支払日は、日本株は権利確定日から2-3ヶ月後が多いですが、米国株は数週間後が一般的です。

権利確定日カレンダーの確認方法

権利落ち日や権利確定日を確認するには、以下の方法があります。

(1) 証券会社のツール

日本の主要ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)は、米国株の配当カレンダーを提供しています。

SBI証券: 「外国株式」→「米国株」→「配当カレンダー」から確認できます。日本時間で表示されるため、時差を気にせず確認できます。

楽天証券: 「米国株」→「配当スケジュール」で、今月・来月の配当カレンダーが確認できます。

マネックス証券: 「米国株」→「配当カレンダー」で、銘柄ごとの配当スケジュールが確認できます。

(2) 配当カレンダーサイト

Yahoo Finance: https://finance.yahoo.com/calendar/dividends

Yahoo Financeの配当カレンダーでは、米国株の権利落ち日と配当支払日を一覧で確認できます。銘柄名で検索すれば、個別銘柄の配当履歴も確認できます。

Nasdaq: https://www.nasdaq.com/

Nasdaqのサイトでも、個別銘柄の配当履歴や権利落ち日を確認できます。

(3) IRページでの確認

企業の公式サイトのIR(Investor Relations)ページでも、配当スケジュールが公開されています。ただし、英語表記のため、慣れていない方には証券会社のツールがおすすめです。

まとめ:配当を確実に受け取るために

米国株の権利落ち日を理解すれば、配当を確実に受け取ることができます。

次のアクション:

  • 証券会社の配当カレンダーで権利落ち日を確認する
  • 権利落ち日の前営業日までに株を購入する
  • T+1決済のルールを理解し、購入タイミングを計画する
  • 配当支払日(Payment Date)を確認し、入金を待つ

配当投資は、長期的な資産形成に有効な手段です。権利落ち日の仕組みを理解し、計画的に投資を進めましょう。

※投資判断は自己責任でお願いします。最新の配当スケジュールは証券会社や企業のIRページをご確認ください。

よくある質問

Q1権利落ち日に買っても配当はもらえますか?

A1もらえません。権利落ち日は配当を受け取る権利がなくなる日です。配当を受け取るには、権利落ち日の前営業日までに株を購入しておく必要があります。

Q2T+1決済とは何ですか?

A2取引日の翌営業日に決済される仕組みです。米国株は2024年5月からT+1決済に移行しました。権利確定日の1営業日前までに購入すれば、配当を受け取れます。

Q3米国株と日本株の権利落ち日ルールの違いは?

A3基本的な仕組みはほぼ同じです。米国株はT+1決済、日本株はT+2決済ですが、どちらも権利確定日に株主名簿に載っている株主が配当を受け取ります。

Q4配当はいつ受け取れますか?

A4配当は、配当支払日(Payment Date)に証券口座に入金されます。通常、権利確定日から数週間後です。具体的な日程は証券会社の配当カレンダーで確認できます。

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