米国株って、高校生でも始められるの?
「米国株に興味があるけど、難しそう...」「お小遣いレベルの少額でも投資できる?」そんな疑問を持つ高校生や投資初心者の方は多いでしょう。米国株と聞くと専門知識が必要で敷居が高いイメージがありますが、実は数千円から始められ、未成年でも親の同意があれば投資できます。
この記事では、専門用語を使わず、誰でも理解できる言葉で米国株投資の基本を解説します。株式とは何か、どうやって買うのか、いくらから始められるのか、どんなリスクがあるのかを、初心者の視点で丁寧に説明します。
この記事のポイント:
- 米国株は1株数千円から買える(お小遣いレベルでOK)
- 未成年でも親権者の同意があれば口座開設できる
- 18歳以上ならNISAで税金を非課税にできる
- SBI証券、楽天証券、マネックス証券が初心者におすすめ
- 元本保証はないので、余裕資金で少額から始めることが大切
1. 米国株ってなに?日本株との違い
(1) 株式とは:企業の一部を所有すること
株式(Stock)とは、企業の所有権を小さく分けたものです。株を買うということは、その企業の「オーナーの一人」になることを意味します。
株を持つとどうなる?
- 株価が上がれば利益: 買った時より高く売れば、差額が利益になります(キャピタルゲイン)
- 配当がもらえる場合も: 企業が利益の一部を株主に分配することがあります(配当/Dividend)
- 企業が成長すれば、株の価値も上がる: 企業が大きくなれば、株価も上昇する傾向があります
逆に、企業の業績が悪化すれば株価が下がり、損をする可能性もあります。これが「元本保証がない」という意味です。
(2) 米国株の特徴:1株から買える、世界的企業が多い
米国株には以下のような特徴があります:
1株から買える
- 日本株は100株単位が基本ですが、米国株は1株から買えます
- 例:コカ・コーラの株なら1株60ドル(約9000円)から購入可能
世界的な有名企業が多い
- Apple(iPhone)、Google(検索エンジン)、Amazon(通販)など
- 普段使っているサービスの会社の株が買えます
配当を年4回出す企業が多い
- 日本企業は年1-2回が多いですが、米国企業は年4回(四半期ごと)が一般的
(3) 日本株との違い:取引時間、為替の影響
取引時間が違う
- 日本株:午前9時~午後3時(東京時間)
- 米国株:午後11時30分~午前6時(日本時間、夏時間は午後10時30分~午前5時)
為替の影響がある
- 米国株はドルで取引されます
- 円高になると、ドル建ての資産が目減りします(為替リスク)
- 逆に円安になると、円換算での価値が上がります
例えば、1ドル=150円の時に100ドルの株を買い、1ドル=140円の円高になると、円建てでの価値は15000円→14000円に減少します。
2. 高校生でも始められる米国株投資
(1) 未成年でも口座開設できる(親権者の同意が必要)
未成年(18歳未満)でも、証券口座を開設して米国株に投資できます。
未成年口座の開設条件:
- 親権者の同意が必要: 親(または法定代理人)の同意と本人確認書類が必要です
- 証券会社により年齢制限が異なる: 多くの証券会社は0歳から口座開設可能です
- 取引は本人または親権者: 実際の取引は未成年本人または親権者が行います
SBI証券、楽天証券、マネックス証券など、主要なネット証券で未成年口座を開設できます。詳細は各証券会社の公式サイトで確認しましょう。
(2) 18歳以上ならNISAも利用可能
18歳以上(成人)になれば、NISA(少額投資非課税制度)を利用できます。
NISAとは?
- 投資で得た利益が非課税になる制度
- 通常は利益に20.315%の税金がかかりますが、NISA口座なら0%
- 年間360万円まで投資可能(成長投資枠240万円+つみたて投資枠120万円)
高校生の場合:
- 18歳の誕生日を迎えた年の1月1日から利用可能
- 高校3年生の多くは18歳になるので、NISA口座を開設できます
金融庁の公式サイトで、NISAの詳細を確認できます。
(3) お小遣いレベルの少額から投資できる
米国株は1株から買えるので、お小遣いレベルの少額から投資できます。
少額投資の例:
- コカ・コーラ: 1株約60ドル(約9000円)
- マクドナルド: 1株約270ドル(約40000円)
- Apple: 1株約230ドル(約34000円)
※株価は変動します。最新の株価はYahoo Financeなどで確認してください。
アルバイト代の一部など、余裕資金で少しずつ買い増していくことができます。
3. 少額から始める米国株投資の方法
(1) 1株から買える証券会社を選ぶ
主要なネット証券(SBI、楽天、マネックス等)は、米国株を1株から購入できます。
証券会社を選ぶポイント:
- 取扱銘柄数(多いほど選択肢が広がる)
- 手数料(売買ごとにかかるコスト)
- 使いやすさ(スマホアプリの操作性)
- 情報提供(初心者向けガイド、企業分析ツール)
後ほど、おすすめの証券会社3社を詳しく紹介します。
(2) 数千円から始められる有名企業の株
初心者におすすめなのは、普段使っているサービスの企業の株です。
身近な米国企業の例:
- Apple: iPhone、Mac
- Google(Alphabet): 検索エンジン、YouTube
- Amazon: 通販、Prime Video
- Microsoft: Windows、Office
- コカ・コーラ: 飲料
- マクドナルド: ファストフード
こうした企業なら、ニュースで業績や新製品の情報が入りやすく、投資の勉強にもなります。
注意: 個別企業の株を買うことを推奨しているわけではありません。投資判断は自己責任で行ってください。
(3) 投資信託やETFで分散投資する方法
1つの企業の株だけに投資すると、その企業の業績が悪化した時に大きく損をする可能性があります。そこで、複数の企業に分散投資する方法があります。
投資信託やETFとは?
- 複数の企業の株をまとめて買える金融商品
- 1つの商品で、数百~数千社に分散投資できる
- リスクを分散できる
初心者向けの例:
- S&P 500連動型ETF: 米国の大企業500社に分散投資
- 全米株式型投資信託: 米国株式市場全体に投資
投資信託やETFも、数千円から購入できる証券会社が多いです。
4. 初心者におすすめの証券会社3選
(1) SBI証券:取扱銘柄が豊富
特徴:
- 米国株の取扱銘柄数が業界トップクラス(5000銘柄以上)
- 1株から購入可能
- 未成年口座も開設できる
- NISA対応(18歳以上)
手数料:
- 約定代金の0.495%(税込、最低0ドル~上限22ドル)
おすすめポイント: 取扱銘柄が多いので、いろいろな企業の株を選べます。米国株投資を本格的に学びたい人に向いています。
(2) 楽天証券:楽天ポイントが使える
特徴:
- 楽天ポイントで米国株が買える(一部商品)
- スマホアプリが使いやすい
- 未成年口座も開設できる
- NISA対応(18歳以上)
手数料:
- 約定代金の0.495%(税込、最低0ドル~上限22ドル)
おすすめポイント: 楽天ポイントを投資に使えるので、現金を使わずに投資体験ができます。初心者に優しいです。
(3) マネックス証券:初心者向け情報が充実
特徴:
- 初心者向けの投資ガイドが充実
- 米国株の情報ツールが豊富
- 未成年口座も開設できる
- NISA対応(18歳以上)
手数料:
- 約定代金の0.495%(税込、最低0ドル~上限22ドル)
おすすめポイント: 投資の勉強をしながら取引したい人に向いています。企業分析ツールやレポートが充実しています。
どの証券会社を選ぶべき?
どの証券会社も基本的な機能は同じです。楽天ポイントを使いたいなら楽天証券、情報ツール重視ならマネックス証券、とにかく銘柄数が多いのがいいならSBI証券、といった基準で選びましょう。
5. 米国株投資の注意点とリスク
(1) 元本保証はない(損する可能性もある)
株式投資は、銀行預金と違って元本保証がありません。
リスクの例:
- 企業の業績が悪化すれば、株価が下がって損をする
- 最悪の場合、企業が倒産すれば株の価値がゼロになる
リスクを減らす方法:
- 余裕資金で投資する(生活費や学費には手を付けない)
- 分散投資する(1つの企業に集中しない)
- 長期投資する(短期的な値動きに一喜一憂しない)
(2) 為替リスク:円高になると損することも
米国株はドルで取引されるため、為替レート(円とドルの交換比率)の変動により、円建てでの価値が変わります。
為替リスクの例:
- 1ドル=150円の時に100ドルの株を買う(15000円)
- 株価は100ドルのまま変わらない
- 1ドル=140円の円高になる
- 円建てでの価値は14000円に減少(1000円の損)
逆に円安になれば、株価が変わらなくても円建ての価値は上がります。
(3) 情報の見極めが大切(SNSのデマに注意)
インターネットやSNSには、投資に関するさまざまな情報があります。しかし、中には誤った情報や、特定の株を買わせようとする悪質な情報もあります。
情報を見極めるポイント:
- 情報源を確認する(公式サイトか、信頼できるメディアか)
- 「絶対儲かる」などの煽り文句は疑う
- 複数の情報源を比較する
- 分からないことは証券会社のサポートに質問する
金融庁や日本証券業協会の公式サイトには、投資初心者向けの信頼できる情報があります。
(4) 余裕資金で投資する(生活費は使わない)
投資は必ず余裕資金(なくなっても生活に困らないお金)で行いましょう。
使ってはいけないお金:
- 生活費、学費
- 緊急時のための貯金
- 借りたお金(借金での投資は絶対NG)
余裕資金の例:
- アルバイト代の一部
- お小遣いの余り
- お年玉やお祝い金の一部
まずは数千円~数万円の少額から始め、投資の仕組みやリスクを体験しながら学ぶことが大切です。
6. まとめ:少額から学びながら始めよう
米国株投資は、高校生を含む投資初心者でも、少額から始められます。1株数千円から買えるので、お小遣いレベルでも投資体験ができます。
米国株投資を始めるステップ:
- 証券会社を選ぶ: SBI証券、楽天証券、マネックス証券など
- 口座を開設する: 未成年は親権者の同意が必要、18歳以上はNISA口座も検討
- 少額から買ってみる: 1株数千円から、身近な企業の株や分散投資できるETFを選ぶ
- リスクを理解する: 元本保証はない、為替リスクもある、余裕資金で投資する
- 学びながら続ける: ニュースや企業情報をチェック、投資の勉強を続ける
次のアクション:
- 金融庁の投資教育サイトで基礎知識を学ぶ
- 証券会社の公式サイトで口座開設の流れを確認する
- 親と一緒に投資について話し合う(未成年の場合)
- まずは数千円から、実際に株を買ってみる
投資は、若いうちから始めることで、長期的な資産形成の経験を積めます。ただし、リスクを理解し、余裕資金で少額から始めることが何より大切です。焦らず、学びながら続けていきましょう。