高校生でも分かる米国株の始め方|少額・未成年対応ガイド

公開日: 2025/10/20

米国株って、高校生でも始められるの?

「米国株に興味があるけど、難しそう...」「お小遣いレベルの少額でも投資できる?」そんな疑問を持つ高校生や投資初心者の方は多いでしょう。米国株と聞くと専門知識が必要で敷居が高いイメージがありますが、実は数千円から始められ、未成年でも親の同意があれば投資できます。

この記事では、専門用語を使わず、誰でも理解できる言葉で米国株投資の基本を解説します。株式とは何か、どうやって買うのか、いくらから始められるのか、どんなリスクがあるのかを、初心者の視点で丁寧に説明します。

この記事のポイント:

  • 米国株は1株数千円から買える(お小遣いレベルでOK)
  • 未成年でも親権者の同意があれば口座開設できる
  • 18歳以上ならNISAで税金を非課税にできる
  • SBI証券、楽天証券、マネックス証券が初心者におすすめ
  • 元本保証はないので、余裕資金で少額から始めることが大切

1. 米国株ってなに?日本株との違い

(1) 株式とは:企業の一部を所有すること

株式(Stock)とは、企業の所有権を小さく分けたものです。株を買うということは、その企業の「オーナーの一人」になることを意味します。

株を持つとどうなる?

  • 株価が上がれば利益: 買った時より高く売れば、差額が利益になります(キャピタルゲイン)
  • 配当がもらえる場合も: 企業が利益の一部を株主に分配することがあります(配当/Dividend)
  • 企業が成長すれば、株の価値も上がる: 企業が大きくなれば、株価も上昇する傾向があります

逆に、企業の業績が悪化すれば株価が下がり、損をする可能性もあります。これが「元本保証がない」という意味です。

(2) 米国株の特徴:1株から買える、世界的企業が多い

米国株には以下のような特徴があります:

1株から買える

  • 日本株は100株単位が基本ですが、米国株は1株から買えます
  • 例:コカ・コーラの株なら1株60ドル(約9000円)から購入可能

世界的な有名企業が多い

  • Apple(iPhone)、Google(検索エンジン)、Amazon(通販)など
  • 普段使っているサービスの会社の株が買えます

配当を年4回出す企業が多い

  • 日本企業は年1-2回が多いですが、米国企業は年4回(四半期ごと)が一般的

(3) 日本株との違い:取引時間、為替の影響

取引時間が違う

  • 日本株:午前9時~午後3時(東京時間)
  • 米国株:午後11時30分~午前6時(日本時間、夏時間は午後10時30分~午前5時)

為替の影響がある

  • 米国株はドルで取引されます
  • 円高になると、ドル建ての資産が目減りします(為替リスク)
  • 逆に円安になると、円換算での価値が上がります

例えば、1ドル=150円の時に100ドルの株を買い、1ドル=140円の円高になると、円建てでの価値は15000円→14000円に減少します。

2. 高校生でも始められる米国株投資

(1) 未成年でも口座開設できる(親権者の同意が必要)

未成年(18歳未満)でも、証券口座を開設して米国株に投資できます。

未成年口座の開設条件:

  • 親権者の同意が必要: 親(または法定代理人)の同意と本人確認書類が必要です
  • 証券会社により年齢制限が異なる: 多くの証券会社は0歳から口座開設可能です
  • 取引は本人または親権者: 実際の取引は未成年本人または親権者が行います

SBI証券、楽天証券、マネックス証券など、主要なネット証券で未成年口座を開設できます。詳細は各証券会社の公式サイトで確認しましょう。

(2) 18歳以上ならNISAも利用可能

18歳以上(成人)になれば、NISA(少額投資非課税制度)を利用できます。

NISAとは?

  • 投資で得た利益が非課税になる制度
  • 通常は利益に20.315%の税金がかかりますが、NISA口座なら0%
  • 年間360万円まで投資可能(成長投資枠240万円+つみたて投資枠120万円)

高校生の場合:

  • 18歳の誕生日を迎えた年の1月1日から利用可能
  • 高校3年生の多くは18歳になるので、NISA口座を開設できます

金融庁の公式サイトで、NISAの詳細を確認できます。

(3) お小遣いレベルの少額から投資できる

米国株は1株から買えるので、お小遣いレベルの少額から投資できます。

少額投資の例:

  • コカ・コーラ: 1株約60ドル(約9000円)
  • マクドナルド: 1株約270ドル(約40000円)
  • Apple: 1株約230ドル(約34000円)

※株価は変動します。最新の株価はYahoo Financeなどで確認してください。

アルバイト代の一部など、余裕資金で少しずつ買い増していくことができます。

3. 少額から始める米国株投資の方法

(1) 1株から買える証券会社を選ぶ

主要なネット証券(SBI、楽天、マネックス等)は、米国株を1株から購入できます。

証券会社を選ぶポイント:

  • 取扱銘柄数(多いほど選択肢が広がる)
  • 手数料(売買ごとにかかるコスト)
  • 使いやすさ(スマホアプリの操作性)
  • 情報提供(初心者向けガイド、企業分析ツール)

後ほど、おすすめの証券会社3社を詳しく紹介します。

(2) 数千円から始められる有名企業の株

初心者におすすめなのは、普段使っているサービスの企業の株です。

身近な米国企業の例:

  • Apple: iPhone、Mac
  • Google(Alphabet): 検索エンジン、YouTube
  • Amazon: 通販、Prime Video
  • Microsoft: Windows、Office
  • コカ・コーラ: 飲料
  • マクドナルド: ファストフード

こうした企業なら、ニュースで業績や新製品の情報が入りやすく、投資の勉強にもなります。

注意: 個別企業の株を買うことを推奨しているわけではありません。投資判断は自己責任で行ってください。

(3) 投資信託やETFで分散投資する方法

1つの企業の株だけに投資すると、その企業の業績が悪化した時に大きく損をする可能性があります。そこで、複数の企業に分散投資する方法があります。

投資信託やETFとは?

  • 複数の企業の株をまとめて買える金融商品
  • 1つの商品で、数百~数千社に分散投資できる
  • リスクを分散できる

初心者向けの例:

  • S&P 500連動型ETF: 米国の大企業500社に分散投資
  • 全米株式型投資信託: 米国株式市場全体に投資

投資信託やETFも、数千円から購入できる証券会社が多いです。

4. 初心者におすすめの証券会社3選

(1) SBI証券:取扱銘柄が豊富

特徴:

  • 米国株の取扱銘柄数が業界トップクラス(5000銘柄以上)
  • 1株から購入可能
  • 未成年口座も開設できる
  • NISA対応(18歳以上)

手数料:

  • 約定代金の0.495%(税込、最低0ドル~上限22ドル)

おすすめポイント: 取扱銘柄が多いので、いろいろな企業の株を選べます。米国株投資を本格的に学びたい人に向いています。

(2) 楽天証券:楽天ポイントが使える

特徴:

  • 楽天ポイントで米国株が買える(一部商品)
  • スマホアプリが使いやすい
  • 未成年口座も開設できる
  • NISA対応(18歳以上)

手数料:

  • 約定代金の0.495%(税込、最低0ドル~上限22ドル)

おすすめポイント: 楽天ポイントを投資に使えるので、現金を使わずに投資体験ができます。初心者に優しいです。

(3) マネックス証券:初心者向け情報が充実

特徴:

  • 初心者向けの投資ガイドが充実
  • 米国株の情報ツールが豊富
  • 未成年口座も開設できる
  • NISA対応(18歳以上)

手数料:

  • 約定代金の0.495%(税込、最低0ドル~上限22ドル)

おすすめポイント: 投資の勉強をしながら取引したい人に向いています。企業分析ツールやレポートが充実しています。

どの証券会社を選ぶべき?

どの証券会社も基本的な機能は同じです。楽天ポイントを使いたいなら楽天証券、情報ツール重視ならマネックス証券、とにかく銘柄数が多いのがいいならSBI証券、といった基準で選びましょう。

5. 米国株投資の注意点とリスク

(1) 元本保証はない(損する可能性もある)

株式投資は、銀行預金と違って元本保証がありません。

リスクの例:

  • 企業の業績が悪化すれば、株価が下がって損をする
  • 最悪の場合、企業が倒産すれば株の価値がゼロになる

リスクを減らす方法:

  • 余裕資金で投資する(生活費や学費には手を付けない)
  • 分散投資する(1つの企業に集中しない)
  • 長期投資する(短期的な値動きに一喜一憂しない)

(2) 為替リスク:円高になると損することも

米国株はドルで取引されるため、為替レート(円とドルの交換比率)の変動により、円建てでの価値が変わります。

為替リスクの例:

  • 1ドル=150円の時に100ドルの株を買う(15000円)
  • 株価は100ドルのまま変わらない
  • 1ドル=140円の円高になる
  • 円建てでの価値は14000円に減少(1000円の損)

逆に円安になれば、株価が変わらなくても円建ての価値は上がります。

(3) 情報の見極めが大切(SNSのデマに注意)

インターネットやSNSには、投資に関するさまざまな情報があります。しかし、中には誤った情報や、特定の株を買わせようとする悪質な情報もあります。

情報を見極めるポイント:

  • 情報源を確認する(公式サイトか、信頼できるメディアか)
  • 「絶対儲かる」などの煽り文句は疑う
  • 複数の情報源を比較する
  • 分からないことは証券会社のサポートに質問する

金融庁や日本証券業協会の公式サイトには、投資初心者向けの信頼できる情報があります。

(4) 余裕資金で投資する(生活費は使わない)

投資は必ず余裕資金(なくなっても生活に困らないお金)で行いましょう。

使ってはいけないお金:

  • 生活費、学費
  • 緊急時のための貯金
  • 借りたお金(借金での投資は絶対NG)

余裕資金の例:

  • アルバイト代の一部
  • お小遣いの余り
  • お年玉やお祝い金の一部

まずは数千円~数万円の少額から始め、投資の仕組みやリスクを体験しながら学ぶことが大切です。

6. まとめ:少額から学びながら始めよう

米国株投資は、高校生を含む投資初心者でも、少額から始められます。1株数千円から買えるので、お小遣いレベルでも投資体験ができます。

米国株投資を始めるステップ:

  1. 証券会社を選ぶ: SBI証券、楽天証券、マネックス証券など
  2. 口座を開設する: 未成年は親権者の同意が必要、18歳以上はNISA口座も検討
  3. 少額から買ってみる: 1株数千円から、身近な企業の株や分散投資できるETFを選ぶ
  4. リスクを理解する: 元本保証はない、為替リスクもある、余裕資金で投資する
  5. 学びながら続ける: ニュースや企業情報をチェック、投資の勉強を続ける

次のアクション:

  • 金融庁の投資教育サイトで基礎知識を学ぶ
  • 証券会社の公式サイトで口座開設の流れを確認する
  • 親と一緒に投資について話し合う(未成年の場合)
  • まずは数千円から、実際に株を買ってみる

投資は、若いうちから始めることで、長期的な資産形成の経験を積めます。ただし、リスクを理解し、余裕資金で少額から始めることが何より大切です。焦らず、学びながら続けていきましょう。

よくある質問

Q1未成年でも米国株は買える?

A1親権者の同意があれば、未成年口座を開設して米国株を購入できます。SBI証券、楽天証券、マネックス証券など主要ネット証券で対応しています。18歳以上になれば、成人と同じ口座を開設でき、NISA(少額投資非課税制度)も利用可能です。

Q2最低いくらから始められる?

A2米国株は1株から購入でき、1株数千円から始められます。例えばコカ・コーラなら1株約60ドル(約9000円)、Appleなら1株約230ドル(約34000円)程度です。お小遣いレベルの少額からでも投資体験ができます。

Q3税金はどうなる?

A3投資で得た利益(配当・売却益)には20.315%の税金がかかります。ただし、18歳以上でNISA口座を利用すれば、年間360万円までの投資は非課税になります。未成年の場合、利益が年20万円以下なら確定申告不要のケースもあります。

Q4リスクは高い?

A4株式投資は元本保証がなく、損をする可能性があります。また、米国株は為替リスク(円高で価値が目減り)もあります。リスクを減らすには、余裕資金で投資する、分散投資する、長期保有するといった対策が有効です。少額から始めて、勉強しながら続けることが大切です。

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