米国株式市場の休場日を把握すべき理由
米国株投資を行う際、「なぜ注文が通らないのか?」「市場が開いていると思ったのに取引できなかった」という経験をしたことはありませんか?
米国株式市場(NYSE、NASDAQ)は、米国の祝日に休場となります。日本の祝日とは異なるため、事前に休場日を把握しておくことが重要です。この記事では、2025年の米国株式市場の休場日カレンダー、日本時間での影響、休場日前後の注意点を解説します。
この記事のポイント:
- 2025年の米国株式市場は年9日間の完全休場日がある
- 元日、MLKデー、大統領の日、グッドフライデー、メモリアルデー、独立記念日、レイバーデー、感謝祭、クリスマス
- 日本の祝日(ゴールデンウィーク等)でも米国市場は開いている
- サマータイム(3月〜11月)で取引時間が1時間早まる
- 休場日前後は値動きが大きくなる傾向
(1) 取引できない日を事前に知る重要性
米国株式市場の休場日を把握していないと、以下のような問題が発生します。
休場日を知らない場合の問題:
- 注文を出したが約定しない(市場が閉まっている)
- 決算発表や重要イベントが休場日前後に集中し、想定外の値動きが起きる
- 休場明けに窓開け(ギャップ)が発生し、指値注文が約定しない
休場日カレンダーを事前に確認することで、投資計画を立てやすくなります。
(2) 休場日前後の市場動向の変化
休場日前後は、取引高が増加したり、値動きが大きくなったりする傾向があります。休場前に利益確定売りが出る、休場明けに注文が集中するなどの要因が考えられます。
米国市場の休場日とは―日本との違い
(1) 米国の祝日制度(振替休日なし)
米国の祝日は日本と異なり、振替休日制度がありません。祝日が土日と重なった場合でも、原則として休場日は増えません(ただし、一部の祝日は前後の平日に移動する場合があります)。
(2) 日本の祝日は米国では通常営業
日本の祝日(ゴールデンウィーク、敬老の日、天皇誕生日等)は、米国市場にとっては通常の営業日です。逆に、米国の祝日(感謝祭、独立記念日等)は日本市場では通常営業しています。
例:
- 日本のゴールデンウィーク(5月上旬): 米国市場は開いている
- 米国の感謝祭(11月第4木曜): 日本市場は開いているが、米国市場は休場
(3) NYSEとNASDAQの休場日は同一
ニューヨーク証券取引所(NYSE)とNASDAQの休場日は同一です。どちらか一方だけが休場ということはありません。
(出典: NYSE "Market Holidays", NASDAQ "Trading Hours and Holidays")
2025年米国株式市場の休場日カレンダー【完全版】
2025年の米国株式市場の完全休場日は以下の通りです。
2025年の完全休場日(9日間):
休場日 | 日付 | 米国の祝日名 |
---|---|---|
元日 | 1月1日(水) | New Year's Day |
マーティン・ルーサー・キング・デー | 1月20日(月) | Martin Luther King Jr. Day |
大統領の日 | 2月17日(月) | Presidents' Day |
グッドフライデー | 4月18日(金) | Good Friday |
メモリアルデー | 5月26日(月) | Memorial Day |
独立記念日 | 7月4日(金) | Independence Day |
レイバーデー | 9月1日(月) | Labor Day |
感謝祭 | 11月27日(木) | Thanksgiving Day |
クリスマス | 12月25日(木) | Christmas Day |
早期クローズ日(通常より早く終了):
- 感謝祭翌日(11月28日): 午後1時(米国東部時間)に閉場
- クリスマスイブ(12月24日、水曜の場合): 午後1時に閉場(年により異なる)
(出典: NYSE "Market Holidays", 楽天証券「米国市場の休場日カレンダー」)
各休場日の説明
(1) 元日(1月1日): 新年の祝日
(2) マーティン・ルーサー・キング・デー(1月第3月曜): 公民権運動指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニアを記念
(3) 大統領の日(2月第3月曜): ジョージ・ワシントン誕生日を記念(一般的には歴代大統領を称える日)
(4) グッドフライデー(復活祭前の金曜): キリスト教の復活祭(イースター)前の金曜日
(5) メモリアルデー(5月最終月曜): 戦没者追悼記念日
(6) 独立記念日(7月4日): 米国の独立を記念する国民の祝日
(7) レイバーデー(9月第1月曜): 労働者の日
(8) 感謝祭(11月第4木曜): 米国の伝統的な祝日、収穫を祝う
(9) クリスマス(12月25日): キリスト教のクリスマス
(10) 早期クローズ日: 感謝祭翌日(ブラックフライデー)は午後1時に閉場。通常より3時間早く終了します。
日本時間での取引時間と休場日の影響
(1) 通常取引時間(日本時間23:30-翌6:00、夏時間22:30-翌5:00)
米国株式市場の通常取引時間(レギュラーセッション)は、米国東部時間(ET)で9:30 AM - 4:00 PM です。
日本時間への換算:
- 冬時間(11月第1日曜〜3月第2日曜): 日本時間23:30〜翌6:00
- 夏時間(3月第2日曜〜11月第1日曜): 日本時間22:30〜翌5:00
(出典: SBI証券「米国株式の休場日・取引時間」)
(2) サマータイム期間(3月第2日曜-11月第1日曜)の注意点
米国はサマータイム(Daylight Saving Time)を採用しており、3月第2日曜から11月第1日曜まで時計を1時間進めます。この期間は日本との時差が13時間となり、取引時間が1時間早まります。
2025年のサマータイム期間:
- 開始: 3月9日(日)午前2時
- 終了: 11月2日(日)午前2時
(3) 日本の証券会社での注文受付時間
日本の証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券等)での米国株注文受付時間は、米国市場の取引時間とは異なる場合があります。
例(SBI証券):
- 通常注文: 24時間365日受付可能
- 実際の約定: 米国市場の取引時間内(日本時間23:30-翌6:00等)
注文は24時間受け付けていますが、約定は市場が開いている時間のみです。
(出典: マネックス証券「米国株取引時間・休場日」)
休場日前後の取引で注意すべきポイント
(1) 休場日前の取引高増加と値動きの変化
休場日前は、ポジション調整(利益確定売り、損切り等)のため取引高が増加する傾向があります。特に長期休暇(感謝祭、クリスマス等)前は値動きが大きくなることがあります。
(2) 休場明けの窓開け(ギャップ)リスク
休場中に重要ニュース(決算発表、M&A、地政学リスク等)が発生すると、休場明けに窓開け(前日終値と当日始値の大きな差)が発生することがあります。
対策:
- 指値注文を活用し、想定外の価格での約定を防ぐ
- 休場前にポジションを調整する
- 休場中のニュースを確認し、休場明けの値動きを予測
(3) 休場中の日本株・為替への影響
米国市場が休場でも、日本市場・為替市場は通常通り動いています。米国市場の動向が不透明なため、日本株や為替に影響を与える可能性があります。
まとめ:休場日カレンダーを活用した投資計画
米国株式市場の休場日を事前に把握することで、投資計画を立てやすくなります。2025年の完全休場日は年9日間で、元日、MLKデー、大統領の日、グッドフライデー、メモリアルデー、独立記念日、レイバーデー、感謝祭、クリスマスです。
日本の祝日とは異なるため、ゴールデンウィークなど日本の連休でも米国市場は開いています。逆に、米国の祝日(感謝祭等)は日本市場では通常営業しています。
休場日を活用した投資計画:
- 休場日カレンダーをスマホやPCに登録
- 休場日前後の値動きに注意し、リスク管理を徹底
- サマータイム期間の取引時間変更を確認
- 決算発表や重要イベントが休場日前後に集中していないかチェック
次のアクション:
- NYSE、NASDAQの公式カレンダーをブックマーク
- 証券会社のカレンダー(日本語)を確認
- 休場日前後の取引には指値注文を活用
- サマータイム切り替え日(3月9日、11月2日)を忘れずに
投資判断は自己責任で行い、休場日を理解した上で、計画的な資産形成を目指しましょう。