米国株配当権利落ち日とは|受取戦略完全ガイド【2025】

公開日: 2025/10/19

米国株の配当権利落ち日を理解すべき理由

米国株で配当収入を得たいと考える投資家にとって、「いつまでに購入すれば配当を受け取れるのか?」は重要な疑問です。配当権利落ち日の仕組みを理解していないと、配当を受け取れない可能性があります。

この記事のポイント:

  • 権利落ち日(Ex-Dividend Date)以降の購入では配当を受け取れない
  • 権利確定日(Record Date)の1営業日前が権利落ち日
  • 配当支払日(Payment Date)は権利落ち日の1-2ヶ月後が一般的
  • 米国はT+2決済、日本はT+1決済でルールが異なる
  • 権利落ち日当日は通常、株価が配当額分下落する

この記事では、米国株の配当権利落ち日の仕組みと、配当を確実に受け取るための戦略を詳しく解説します。

配当権利落ち日の基礎知識

(1) Ex-Dividend Date(権利落ち日)とは

**権利落ち日(Ex-Dividend Date)**とは、この日以降に株式を購入しても、配当を受け取る権利がない日のことです。

例:

  • 権利落ち日が2025年11月5日の場合
  • 11月4日(権利落ち日の前営業日)までに購入すれば配当を受け取れる
  • 11月5日以降に購入しても、今回の配当は受け取れない

(2) Record Date(権利確定日)との関係

**権利確定日(Record Date)**とは、企業が株主名簿を確認し、配当を支払う株主を決定する日です。

米国では、権利確定日の1営業日前が権利落ち日です。これは、米国株の決済がT+2(取引日から2営業日後に受渡)だったルールの名残です。

※2024年5月以降、米国はT+1決済に移行していますが、権利落ち日の設定ルールは従来通り「権利確定日の1営業日前」が維持されています。

重要な日程の関係:

日程 日付(例) 説明
権利落ち日(Ex-Dividend Date) 11月5日 この日以降の購入では配当を受け取れない
権利確定日(Record Date) 11月6日 株主名簿に記載される日
配当支払日(Payment Date) 12月15日 実際に配当が振り込まれる日

(3) Payment Date(配当支払日)までの流れ

配当支払日は、権利落ち日から1-2ヶ月後が一般的です。銘柄により異なるため、配当カレンダーで確認が必要です。

配当受取までの流れ:

  1. 購入:権利落ち日の前営業日までに購入
  2. 権利確定日:株主名簿に記載される
  3. 配当支払日:証券口座に配当が振り込まれる(米国で10%源泉徴収後)

日本株との違い

(1) T+2決済ルール(米国)vs T+1決済(日本)

米国と日本では、株式の決済ルールが異なります。

項目 米国株 日本株
決済ルール T+1(2024年5月以降) T+1
権利落ち日 権利確定日の1営業日前 権利確定日の2営業日前が「権利付最終日」

※日本株では「権利付最終日」という用語が使われ、この日までに購入すれば配当を受け取れます。

(2) 権利落ち日のタイミング

米国株:

  • 権利確定日の1営業日前が権利落ち日
  • 権利落ち日の前営業日までに購入すれば配当を受け取れる

日本株:

  • 権利確定日の2営業日前が「権利付最終日」
  • 権利付最終日までに購入すれば配当を受け取れる

(3) 配当支払いまでの期間

米国株:

  • 権利落ち日から1-2ヶ月後が一般的
  • 企業により異なる(四半期配当が多い)

日本株:

  • 権利確定日から2-3ヶ月後が一般的
  • 年1-2回の配当が多い

2025年版:配当カレンダーの確認方法

(1) NASDAQ Dividend Calendar

NASDAQ公式サイト(https://www.nasdaq.com/market-activity/dividends)では、米国株の配当カレンダーを確認できます。

使い方:

  1. NASDAQのDividend Calendarページにアクセス
  2. 日付で絞り込み(例:2025年11月)
  3. Ex-Dividend Date(権利落ち日)、Record Date(権利確定日)、Payment Date(配当支払日)を確認

(2) Yahoo Financeでの個別銘柄確認

Yahoo Finance(https://finance.yahoo.com/)では、個別銘柄の配当スケジュールを確認できます。

使い方:

  1. Yahoo Financeで銘柄を検索(例:AAPL)
  2. 「Statistics」タブをクリック
  3. 「Dividends & Splits」セクションで、Ex-Dividend Date、Forward Dividend & Yield、Payout Ratioを確認

(3) 日本の証券会社ツール(SBI・楽天・マネックス)

日本の主要証券会社では、日本語で配当カレンダーを確認できます。

SBI証券:

  • 米国株取引画面から「配当カレンダー」を選択
  • 権利落ち日、配当支払日を日本語で表示

楽天証券:

  • 米国株ページから「配当カレンダー」を選択
  • 月別・銘柄別で配当スケジュールを確認

マネックス証券:

  • 「配当受取ガイド」で権利落ち日、支払日を確認

配当を確実に受け取るための戦略

(1) いつまでに購入すべきか(権利落ち日の前営業日まで)

配当を受け取るには、権利落ち日の前営業日までに購入する必要があります

例:

  • 権利落ち日が2025年11月5日(水)の場合
  • 11月4日(火)までに購入すれば配当を受け取れる
  • 11月5日(水)以降に購入しても、今回の配当は受け取れない

(2) 日本時間での購入タイミング

米国市場は日本時間の深夜に開場します(夏時間:22:30-翌5:00、冬時間:23:30-翌6:00)。

注意点:

  • 米国時間の前営業日終了までに購入する必要がある
  • 日本時間で翌朝6:00(冬時間)までに購入を完了させる

例:

  • 権利落ち日が11月5日(水)の場合
  • 日本時間11月5日(水)早朝6:00までに購入すれば、米国時間11月4日(火)の取引となり、配当を受け取れる

(3) 配当落ち後の株価変動リスク

権利落ち日当日は、通常、株価が配当額分だけ下落します。これは「配当落ち」と呼ばれる現象です。

例:

  • 配当額:1株1ドル
  • 権利落ち日前日の終値:100ドル
  • 権利落ち日当日の始値:99ドル(配当1ドル分下落)

注意点:

  • 市場環境により、必ずしも配当額ぴったりとは限らない
  • 配当目的で直前に購入し、権利落ち後に売却すると、株価下落で損失が出る可能性がある

まとめ:権利落ち日を活用した配当投資

米国株の配当権利落ち日を理解することで、配当を確実に受け取り、計画的な配当投資ができます。

次のアクション:

  • NASDAQ Dividend Calendar、Yahoo Finance、日本の証券会社ツールで配当スケジュールを確認する
  • 権利落ち日の前営業日までに購入する(日本時間では翌朝6:00までに購入を完了)
  • 配当支払日(権利落ち日の1-2ヶ月後)までに配当が振り込まれることを確認する
  • 配当落ち後の株価変動リスクを理解し、短期売買は避ける
  • 長期保有を前提に、連続増配銘柄(配当貴族)を選ぶ

配当権利落ち日の仕組みを理解し、計画的な配当投資で安定した収入源を確保しましょう。投資判断は自己責任で行ってください。

よくある質問

Q1権利落ち日と権利確定日の違いは何ですか?

A1権利確定日(Record Date)は株主名簿に記載される日です。権利落ち日(Ex-Dividend Date)はその1営業日前で、この日以降の購入では配当を受け取れません。配当を受け取るには、権利落ち日の前営業日までに購入する必要があります。

Q2米国株の配当権利落ち日は日本株と何が違いますか?

A2米国株は権利確定日の1営業日前が権利落ち日です。日本株は権利確定日の2営業日前が「権利付最終日」です。また、米国株は四半期配当が多く、配当支払日は権利落ち日の1-2ヶ月後が一般的です。

Q3配当支払日はいつですか?

A3配当支払日(Payment Date)は、権利落ち日から1-2ヶ月後が一般的です。銘柄により異なるため、NASDAQ Dividend Calendar、Yahoo Finance、日本の証券会社ツールで確認が必要です。

Q4権利落ち日当日に株価はどうなりますか?

A4通常、配当額分だけ株価が下落します。例えば、配当1ドルなら、権利落ち日当日は前日終値より1ドル安く始まることが多いです。ただし、市場環境により必ずしも配当額ぴったりとは限りません。

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