米国株配当月調べ方|権利日と毎月配当ポートフォリオ構築

公開日: 2025/10/19

米国株の配当月を知るべき理由

米国株投資で配当を重視している方にとって、「どの銘柄がいつ配当を支払うのか」を把握することは重要です。配当月を調べることで、毎月安定した配当収入を得られるポートフォリオを組むことができます。また、権利落ち日(Ex-Dividend Date)を把握することで、配当を確実に受け取るタイミングを逃さずに済みます。

この記事のポイント:

  • 米国株は四半期配当(年4回)が主流、月次配当(年12回)の銘柄もある
  • 配当を受け取るには権利落ち日(Ex-Dividend Date)の前営業日までに購入が必要
  • 調べる方法は3つ:企業公式IR、配当カレンダーサイト、証券会社ツール
  • 毎月配当ポートフォリオは、配当月が分散した3〜4銘柄で組める
  • 配当月だけで銘柄を選ばず、財務健全性や配当性向も確認すべき

この記事では、米国株の配当月を調べる具体的な方法、配当スケジュールの基礎知識、毎月配当ポートフォリオの組み方について解説します。

配当スケジュールの基礎知識

米国株の配当スケジュールには、日本株とは異なる特徴があります。

(1) 四半期配当(年4回)が主流

米国株の多くは、年4回(四半期ごと)配当を支払います。日本株は年1〜2回が一般的ですが、米国株は四半期配当が主流です。

配当頻度の種類:

  • 四半期配当(Quarterly): 年4回(3ヶ月ごと)。最も一般的
  • 月次配当(Monthly): 年12回(毎月)。REITや一部のETFに多い
  • 年次配当(Annual): 年1回。一部の企業や外国株
  • 半期配当(Semi-Annual): 年2回。日本企業に近いパターン

企業ごとに配当月は異なります。例えば、ある企業は3・6・9・12月、別の企業は2・5・8・11月といったパターンがあります。

(2) Ex-Dividend Date(権利落ち日)の重要性

配当を受け取るには、「権利落ち日(Ex-Dividend Date)」の前営業日までに株式を保有している必要があります。

配当スケジュールの3つの日付:

  1. Ex-Dividend Date(権利落ち日): この日以降に購入すると配当を受け取れない
  2. Record Date(配当基準日): この日の株主名簿に記載された株主が配当を受け取る
  3. Payment Date(配当支払日): 実際に配当金が支払われる日

例(具体的なスケジュール):

  • 権利落ち日: 2025年3月15日
  • 配当基準日: 2025年3月17日
  • 配当支払日: 2025年4月1日

配当を受け取るには、3月14日(権利落ち日の前営業日)までに株式を購入しておく必要があります。

(3) Record Date・Payment Dateとの関係

米国株では、権利落ち日が配当基準日の2営業日前に設定されます(T+1決済のため)。投資家が注目すべきは「権利落ち日」で、この日までに保有していれば配当を受け取れます。

配当落ち現象:

権利落ち日には、株価が配当額分下落することが一般的です。これは配当権利がなくなることを反映した自然な現象です。

配当月を調べる3つの方法

米国株の配当月を調べる方法は、大きく3つあります。

(1) 企業公式IR・SEC EDGAR(8-Kフォーム)

最も信頼性が高いのは、企業の公式IR情報です。

企業公式サイトでの確認方法:

  1. 企業の公式サイトにアクセス
  2. 「Investor Relations」セクションを探す
  3. 「Dividend History」や「Dividend Calendar」を確認

SEC EDGARでの確認方法:

SEC(米国証券取引委員会)のEDGARデータベースでは、企業の配当発表(8-Kフォーム)を確認できます。

これらは公式情報のため、最も正確です。

(2) 配当カレンダーサイト(Yahoo Finance・Nasdaq・Dividend.com)

無料で使える配当カレンダーサイトが便利です。

Yahoo Finance Dividend Calendar:

Nasdaq Dividend History:

Dividend.com:

  • URL: https://www.dividend.com/
  • 配当カレンダー・配当利回りランキング
  • 配当月での銘柄検索機能あり

これらのサイトは英語ですが、直感的に使えるインターフェースです。

(3) 日本の証券会社ツール(SBI・楽天・マネックス)

日本語で確認したい場合は、日本の証券会社のツールが便利です。

SBI証券:

  1. SBI証券にログイン
  2. 「外国株式」→「米国株式」メニュー
  3. 銘柄検索から「配当情報」を確認

楽天証券:

  • 「米国株配当カレンダー」で月別の配当スケジュールを確認
  • 権利落ち日・配当支払日が日本語で表示

マネックス証券:

  • 「米国株配当スケジュール」で配当予定日を確認
  • 入金予定日も表示されるため、資金計画に便利

日本の証券会社のツールは日本語対応で、口座保有者には特に使いやすいです。

毎月配当ポートフォリオの組み方

配当月を調べることで、毎月配当を受け取るポートフォリオを組むことができます。

(1) 配当月が分散した銘柄の選定

四半期配当(年4回)の銘柄を組み合わせれば、理論上は毎月配当を受け取れます。

配当月の組み合わせ例:

銘柄タイプ 配当月
グループA 1月・4月・7月・10月
グループB 2月・5月・8月・11月
グループC 3月・6月・9月・12月

この3グループから1銘柄ずつ選べば、12ヶ月すべてで配当を受け取れます。

具体例(架空のポートフォリオ):

  • 銘柄A(1・4・7・10月配当): 資産の33%
  • 銘柄B(2・5・8・11月配当): 資産の33%
  • 銘柄C(3・6・9・12月配当): 資産の34%

このように配当月を分散させることで、毎月配当収入を得られます。

(2) 月次配当銘柄の活用

一部のREIT(不動産投資信託)やETFは、毎月配当を支払っています。

月次配当の代表例(銘柄推奨ではなく、種類の説明):

  • 月次配当REIT: 毎月配当を支払う不動産投資信託
  • 月次配当ETF: 毎月配当を分配するETF(高配当株やREITで構成)

これらの銘柄を組み込むことで、毎月配当ポートフォリオの構築が簡素化されます。

(3) 財務健全性との両立

重要なのは、「配当月だけで銘柄を選ばない」ことです。

配当銘柄選定のチェックポイント:

  • 配当性向: 50〜70%程度が健全(100%超は減配リスク)
  • 配当成長率: 過去5〜10年で配当が増え続けているか
  • 財務健全性: 負債比率、フリーキャッシュフロー
  • 事業の安定性: 景気変動に強い業種か

配当月の分散と財務健全性を両立させることが、長期的な配当収入の安定につながります。

配当月確認時の注意点

配当月を調べる際は、以下の点に注意が必要です。

(1) 配当スケジュールは変更される可能性

企業の配当スケジュールは、業績や経営判断により変更される可能性があります。

変更のリスク:

  • 配当減額(減配)
  • 配当停止(無配)
  • 配当月の変更

過去の配当実績はあくまで参考であり、将来の配当を保証するものではありません。定期的に最新情報を確認しましょう。

(2) 権利落ち日までに購入する必要性

配当を受け取るには、権利落ち日の前営業日までに株式を保有している必要があります。

よくある失敗:

  • 権利落ち日に購入してしまい、配当を受け取れなかった
  • 権利落ち日の前日に購入したが、決済が間に合わなかった

米国株はT+1決済(取引日の翌営業日に決済)のため、権利落ち日の前営業日までに購入注文を出す必要があります。

(3) 配当月だけで銘柄を選ぶリスク

「毎月配当を受け取りたい」という目的だけで、財務状況が悪い銘柄を選ぶのはリスクが高いです。

リスク:

  • 高配当利回りでも減配・無配になる可能性
  • 株価下落により配当以上の損失が出る
  • 配当性向が高すぎて成長投資ができていない企業

配当月の分散は重要ですが、それ以上に企業の財務健全性や成長性を重視すべきです。

まとめ:配当スケジュールを活用した計画的投資

米国株の配当月を調べることで、毎月配当を受け取るポートフォリオを組むことができます。配当月の調べ方は、企業公式IR、配当カレンダーサイト、証券会社ツールの3つがあります。

この記事のまとめ:

  • 米国株は四半期配当(年4回)が主流、月次配当(年12回)の銘柄もある
  • 配当を受け取るには権利落ち日(Ex-Dividend Date)の前営業日までに購入が必要
  • 調べる方法:企業公式IR、Yahoo Finance・Nasdaq・Dividend.com、SBI証券・楽天証券等
  • 毎月配当ポートフォリオは配当月が分散した3〜4銘柄で組める
  • 配当月だけで銘柄を選ばず、財務健全性・配当性向・成長性も確認すべき

次のアクション:

  • Yahoo FinanceやDividend.comで保有銘柄の配当スケジュールを確認する
  • 証券会社のツールで配当月を整理し、毎月配当ポートフォリオを検討する
  • 配当月だけでなく、企業の財務状況や配当性向もチェックする
  • 権利落ち日を確認し、配当を確実に受け取るタイミングを把握する

配当スケジュールを把握することで、計画的な配当投資が可能になります。ただし、配当月の分散だけでなく、企業の財務健全性や長期的な成長性を重視して、バランスの取れたポートフォリオを構築しましょう。

※本記事は2025年1月時点の情報です。配当スケジュールは企業の判断により変更される可能性があるため、最新情報は各企業の公式IRや証券会社のツールでご確認ください。投資判断は自己責任でお願いします。

よくある質問

Q1米国株の配当月を調べるおすすめツールは何ですか?

A1Yahoo Finance Dividend Calendar、Nasdaq Dividend History、Dividend.comが主要ツールです。日本語で確認したい場合は、SBI証券・楽天証券・マネックス証券の配当情報ツールが便利です。企業公式IRやSEC EDGARの8-Kフォームでも確認できます。

Q2権利落ち日(Ex-Dividend Date)とは何ですか?

A2権利落ち日とは、この日以降に購入すると配当を受け取れない基準日です。配当を受け取るには、権利落ち日の前営業日までに株式を購入しておく必要があります。米国株はT+1決済のため、購入タイミングに注意が必要です。

Q3米国株の年4回配当はどの月が多いですか?

A3企業により異なりますが、3・6・9・12月のパターンや、2・5・8・11月のパターンが多いです。1・4・7・10月のパターンもあります。配当月は企業ごとに異なるため、配当カレンダーサイトや証券会社ツールで個別に確認する必要があります。

Q4毎月配当を受け取るには何銘柄必要ですか?

A4四半期配当(年4回)の銘柄なら、配当月が異なる3〜4銘柄で理論上は毎月配当を受け取れます。例えば、1・4・7・10月配当の銘柄、2・5・8・11月配当の銘柄、3・6・9・12月配当の銘柄を組み合わせます。ただし、配当月だけで選ばず、財務健全性や配当性向も考慮すべきです。

Q5配当月は変更される可能性がありますか?

A5はい、企業の業績や経営判断により配当スケジュールは変更される可能性があります。減配(配当減額)、無配(配当停止)、配当月の変更などが起こり得ます。過去の配当実績は参考ですが、将来を保証するものではありません。定期的に最新情報を確認することが大切です。

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