米国株の配当は年何回?四半期・毎月配当を詳しく解説

公開日: 2025/10/19

米国株の配当、年に何回もらえるの?

米国株投資を検討している日本人投資家の多くが、「配当金はどのくらいの頻度でもらえるのか」という疑問を持ちます。日本株では年1-2回の配当が一般的ですが、米国株では年4回(四半期ごと)が標準です。

さらに、一部のREITやBDC(ビジネス・デベロップメント・カンパニー)は毎月配当を出す銘柄もあります。配当収入を重視する投資家にとって、米国株は日本株よりも頻繁に配当を受け取れるメリットがあります。

この記事では、米国株の配当回数の基本から毎月配当銘柄、日本株との違い、配当スケジュールの確認方法までを詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • 米国株の配当は四半期配当(年4回)が主流
  • 一部REITやBDCは毎月配当(年12回)を出す銘柄が83銘柄存在(2025年)
  • 日本株は年1-2回が多く、米国株の方が配当頻度が高い
  • 複利効果と資金繰りの面で米国株の配当頻度は有利
  • 権利落ち日・支払日を配当カレンダーで確認できる

米国株の配当回数を理解する重要性

配当回数は、投資戦略に大きく影響します。

(1) 配当収入の頻度が投資判断に与える影響

配当頻度が高いほど、以下のメリットがあります:

キャッシュフローの安定: 毎月または四半期ごとに配当が入ることで、生活費や再投資資金を安定的に確保できます。

心理的安心感: 頻繁に配当を受け取ることで、投資の成果を実感しやすくなります。

再投資機会の増加: 配当を受け取る回数が多いほど、タイミングを分散して再投資できます。

(2) 複利効果を高めるメリット

配当を再投資することで複利効果が働きます。配当頻度が高いほど、早く再投資できるため複利効果が大きくなります

例:

  • 年1回配当: 年末に配当を受け取り、翌年から再投資
  • 四半期配当(年4回): 3ヶ月ごとに再投資、年4回の複利効果
  • 毎月配当(年12回): 毎月再投資、年12回の複利効果

長期投資では、この差が大きなリターンの違いを生み出します。

米国株の配当回数の基本(四半期が主流)

米国株の配当頻度を理解しましょう。

(1) 四半期配当(年4回)が米国株の標準

**米国の大企業の大半は四半期配当(年4回)**を採用しています。3ヶ月ごと(3月・6月・9月・12月など)に配当を支払います。

代表的な四半期配当銘柄:

銘柄 ティッカー 配当月
Apple AAPL 2・5・8・11月
Microsoft MSFT 3・6・9・12月
Johnson & Johnson JNJ 3・6・9・12月
Coca-Cola KO 1・4・7・10月

(出典: The Motley Fool「How Often Are Dividends Paid & When Do You Get Them?」https://www.fool.com/investing/stock-market/types-of-stocks/dividend-stocks/how-often-dividends-paid/)

(2) 半年配当・年1回配当の銘柄も存在

一部の米国企業は、半年配当(年2回)や年1回配当を採用しています。

例:

  • 半年配当: 一部の欧州系企業(米国上場ADR)
  • 年1回配当: 小型株や新興企業

ただし、主流は四半期配当であることを理解してください。

(3) ディビデンド・アリストクラッツの配当頻度

ディビデンド・アリストクラッツとは、S&P500のうち25年以上連続増配した69銘柄(2025年)を指します。これらの銘柄の大半は四半期配当です。

代表銘柄:

  • 3M (MMM): 60年以上連続増配
  • Procter & Gamble (PG): 60年以上連続増配
  • Walmart (WMT): 50年以上連続増配

これらは配当の安定性が高く、長期保有に適しています。

(出典: Sure Dividend「2025 Dividend Aristocrats List」https://www.suredividend.com/dividend-aristocrats-list/)

毎月配当を出す米国株の特徴

毎月配当を受け取りたい投資家向けに、毎月配当銘柄を紹介します。

(1) REITとBDCが毎月配当の中心

**毎月配当銘柄の大半はREIT(不動産投資信託)とBDC(ビジネス・デベロップメント・カンパニー)**です。

REIT: 不動産の賃貸収入を投資家に分配する仕組み。利益の90%以上を配当で支払う義務があり、配当利回りが高い傾向。

BDC: 中小企業への融資・投資を行う金融会社。利益の大部分を配当で支払う。

(2) 代表的な毎月配当銘柄

2025年時点で83銘柄が毎月配当を出しています。

代表銘柄:

銘柄 ティッカー 種類 配当利回り(目安)
リアルティ・インカム O REIT 5-6%
STAG Industrial STAG REIT 4-5%
Main Street Capital MAIN BDC 6-7%

※配当利回りは株価により変動します。2025年10月時点の目安です。

(出典: Sure Dividend「2025 Monthly Dividend Stocks List」https://www.suredividend.com/monthly-dividend-stocks/)

(3) 毎月配当ポートフォリオの組み方

配当月グループを組み合わせることで、四半期配当銘柄だけで毎月配当を実現できます。

米国株の四半期配当は、以下の3グループに分類されます:

  • グループA: 2・5・8・11月配当(例: Apple)
  • グループB: 3・6・9・12月配当(例: Microsoft)
  • グループC: 1・4・7・10月配当(例: Coca-Cola)

各グループから1銘柄ずつ選ぶと、毎月配当を受け取れます。

(出典: マネックス証券「米国株で毎月配当金を受け取るポートフォリオを作ろう!」https://info.monex.co.jp/news/2025/20250606_04.html)

日本株との配当回数の違い

米国株と日本株の配当頻度を比較します。

(1) 日本株は年1-2回が主流

日本企業の配当頻度:

  • 年1回(期末配当のみ): 多くの中小型株
  • 年2回(中間配当+期末配当): 大企業の標準

例:

  • トヨタ自動車: 年2回(9月・3月)
  • ソニーグループ: 年2回(9月・3月)

米国株の四半期配当(年4回)と比較すると、米国株の方が配当頻度が2倍高いことが分かります。

(2) 配当頻度の違いがもたらすメリット

米国株の配当頻度(年4回)のメリット:

  1. キャッシュフローの平準化: 3ヶ月ごとに配当が入るため、資金計画が立てやすい
  2. 再投資機会の増加: タイミングを分散して再投資できる
  3. 複利効果の最大化: 早期再投資により複利効果が大きくなる

(3) 配当月グループでの分散戦略

前述の配当月グループ(A・B・C)を活用することで、四半期配当銘柄だけで毎月配当を実現できます。

例(3銘柄で毎月配当):

グループ 銘柄 配当月
A Apple 2・5・8・11月
B Microsoft 3・6・9・12月
C Coca-Cola 1・4・7・10月

これにより、毎月安定した配当収入が得られます。

配当スケジュールの確認方法

配当を受け取るには、配当スケジュールの理解が必須です。

(1) 権利落ち日・権利確定日・支払日の仕組み

配当を受け取るには、権利落ち日(Ex-Dividend Date)の前営業日までに株を保有している必要があります。

配当スケジュールの流れ:

  1. 権利付き最終日: この日までに株を購入すれば配当がもらえる(権利落ち日の2営業日前)
  2. 権利落ち日(Ex-Dividend Date): この日に株を購入しても配当はもらえない
  3. 権利確定日(Record Date): 配当を受け取る株主を確定する日(権利落ち日の1営業日後)
  4. 支払日(Payment Date): 配当が実際に支払われる日(権利落ち日から約1ヶ月後)

例:

  • 権利付き最終日: 2025年11月27日
  • 権利落ち日: 2025年11月28日
  • 権利確定日: 2025年11月29日
  • 支払日: 2025年12月15日

(2) 配当カレンダーの使い方

以下のサイトで配当スケジュールを確認できます:

Snowball Analytics Dividend Calendar: https://snowball-analytics.com/calendars/dividend-calendar/us-popular-div

Yahoo Finance: 個別銘柄ページの「Dividends」タブで過去の配当履歴と次回予定を確認。

証券会社の配当カレンダー: SBI証券・楽天証券・マネックス証券でも配当スケジュールを確認可能。

(出典: Snowball Analytics「US Dividend Calendar 2025」https://snowball-analytics.com/calendars/dividend-calendar/us-popular-div)

(3) 証券会社での配当入金タイミング

日本の証券会社での配当入金は、支払日の翌営業日以降になります。

楽天証券: 2024年12月2日から業界最速の支払日翌営業日に入金。

SBI証券・マネックス証券: 支払日から1-3営業日後に入金。

配当受取方法:

  • 円貨受取: 自動的に円に換算して入金(為替手数料がかかる)
  • 米ドル受取: ドルのまま外貨口座に入金(楽天証券などで選択可能)

(出典: 楽天証券「外国株式配当金の入金予定日を1営業日短縮」https://www.rakuten-sec.co.jp/web/info/info20241018-01.html)

まとめ:配当回数を活かした投資戦略

米国株の配当は四半期配当(年4回)が主流で、一部REITやBDCは毎月配当(年12回)を出しています。日本株(年1-2回)と比較して配当頻度が高く、複利効果と資金繰りの面で有利です。

次のアクション:

  • 配当月グループ(A・B・C)を組み合わせて毎月配当ポートフォリオを構築する
  • ディビデンド・アリストクラッツから安定配当銘柄を選ぶ
  • 配当カレンダーで権利落ち日・支払日を確認する
  • 配当再投資で複利効果を最大化する
  • 為替リスクと税金(米国10%+日本20.315%)も考慮する

配当頻度を理解し、安定したキャッシュフローを得る投資戦略を立てましょう。

よくある質問

Q1米国株の配当は年何回?

A1四半期配当(年4回)が主流です。3ヶ月ごとに配当を支払う企業が大半で、Apple、Microsoft、Johnson & Johnsonなど大企業はこの形式です。一部REITやBDCは毎月配当(年12回)、例外的に年1-2回の銘柄も存在します。

Q2毎月配当がもらえる銘柄は?

A22025年時点で83銘柄が毎月配当を出しています。代表的な銘柄はリアルティ・インカム[O](REIT、配当利回り5-6%)、Main Street Capital[MAIN](BDC、配当利回り6-7%)などです。ただし、REIT中心で価格変動リスクも高いため注意が必要です。

Q3日本株より配当頻度が高いですか?

A3はい。日本株は年1-2回が多いですが、米国株は年4回が標準です。配当頻度が高いほど、キャッシュフローが安定し、早期再投資により複利効果も大きくなります。配当月グループを組み合わせれば、四半期配当銘柄だけで毎月配当も実現可能です。

Q4配当スケジュールの確認方法は?

A4Snowball Analytics Dividend Calendar、Yahoo Finance、証券会社の配当カレンダーで確認できます。権利落ち日の前営業日までに株を保有していれば配当がもらえます。支払日は権利落ち日から約1ヶ月後で、楽天証券では支払日翌営業日に入金されます。

Q5配当を再投資するメリットは?

A5配当を再投資することで複利効果が働き、長期的なリターンが大きく向上します。配当頻度が高いほど早く再投資できるため、四半期配当(年4回)や毎月配当(年12回)の方が複利効果が大きくなります。ただし、日本の証券会社では自動再投資制度がないため手動で再投資する必要があります。

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