米国株と投資信託どっち?選び方と併用戦略【2025】

公開日: 2025/10/19

米国株と投資信託の選択に迷う理由

米国株投資を始めたいと考えている方の多くが、「個別株を買うべきか、それとも投資信託を買うべきか」という選択に迷っています。それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが自分に合っているのか判断が難しいものです。

この記事では、米国株と投資信託の違いを整理し、投資スタイル別の選択基準を解説します。両方を併用する戦略も提案しますので、自分に合った投資方法を見つけてください。

この記事のポイント:

  • 個別株は自由な銘柄選択が可能だが、集中リスクと銘柄選択の手間がある
  • 投資信託は少額・分散・自動積立が可能だが、信託報酬が継続的にかかる
  • 初心者は投資信託(S&P500インデックスファンド)から始めるのが推奨
  • 中級者以上はコア・サテライト戦略(投信80%+個別株20%)が有効
  • NISA活用では、つみたて投資枠は投信のみ、成長投資枠は両方可能

(1) 初心者が直面する2つの選択肢

米国株投資を始める際、多くの初心者が「個別株を買うべきか、投資信託を買うべきか」という選択に直面します。証券会社のウェブサイトやSNSでは、両方の選択肢が紹介されており、どちらが自分に合っているのか分かりにくいです。

(2) どちらを選ぶべきかの判断軸

選択の判断軸は、運用額・投資頻度・リスク許容度・管理負担の4つです。これらを整理することで、自分に合った投資方法が見えてきます。

米国株と投資信託の基本的な違い

(1) 最低投資金額(個別株1株、投信100円)

項目 個別株 投資信託
最低投資金額 1株から(例: Apple 1株=約200ドル) 100円から
購入単位 1株単位 金額指定可能

個別株は1株から購入できますが、人気銘柄(Apple、Microsoft等)は1株でも数万円かかります。一方、投資信託は100円から購入できるため、少額で始めたい初心者に向いています。

(2) 購入単位と取引時間

個別株はリアルタイムで取引でき、好きなタイミングで売買できます。投資信託は1日1回、基準価額が決まるため、リアルタイム取引はできません。

(3) 分散の程度

個別株は1社ずつ購入するため、複数銘柄に分散するには多額の資金が必要です。投資信託(特にS&P500インデックスファンド)は1本で数百社に分散投資できます。

メリットで比較する

(1) 個別株のメリット(自由な銘柄選択、配当直接受取)

  • 自由な銘柄選択: 自分が信じる企業に集中投資できる
  • 配当直接受取: 配当金をそのまま受け取れる(投信は分配金として再投資される場合が多い)
  • 購入後のコストなし: 購入時手数料のみで、保有中のコストはかからない

(2) 投資信託のメリット(少額・分散・自動積立)

  • 少額から始められる: 100円から購入可能
  • 自動的に分散投資: S&P500ファンドなら500社に分散
  • 自動積立設定: 毎月自動で買付、手間がかからない
  • プロが運用: 銘柄選択・リバランスをプロに任せられる

(3) コストのメリット(手数料vs信託報酬)

コスト 個別株 投資信託
購入時 手数料0〜数% 購入時手数料0円(ノーロード)
保有中 なし 信託報酬(年0.1〜2%)

個別株は購入時手数料のみですが、投資信託は信託報酬が毎年かかります。ただし、インデックスファンド(eMAXIS Slim米国株式(S&P500)等)は年0.1%前後と低コストです。

デメリットで比較する

(1) 個別株のデメリット(集中リスク、銘柄選択の手間)

  • 集中リスク: 1〜2社に集中投資すると、その企業の業績悪化で大損の可能性
  • 銘柄選択の手間: 財務指標の分析、決算チェック、セクター分散など、時間と知識が必要
  • 心理的負担: 株価の日々の変動に一喜一憂しやすい

(2) 投資信託のデメリット(信託報酬、リアルタイム取引不可)

  • 信託報酬: 年0.1〜2%のコストが継続的にかかる(長期では大きな差に)
  • リアルタイム取引不可: 1日1回の基準価額で取引、タイミング投資には不向き
  • 市場全体の下落は避けられない: 分散しても、市場全体が下がれば損失が出る

(3) リバランスの手間

個別株でポートフォリオを組む場合、定期的なリバランス(資産配分の調整)が必要です。投資信託は自動的にリバランスされるため、手間がかかりません。

投資スタイル別の選択基準

(1) 初心者向け:投資信託からスタート

こんな人におすすめ:

  • 投資経験が1年未満
  • 運用額が100万円以下
  • 銘柄選択に自信がない
  • 手間をかけたくない

推奨商品:

  • eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
  • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド

(2) 中級者向け:個別株併用

こんな人におすすめ:

  • 投資経験が1年以上
  • 運用額が100万円以上
  • 銘柄分析に興味がある
  • より高いリターンを狙いたい

推奨戦略:

  • コア(80%):投資信託で安定運用
  • サテライト(20%):個別株で高リターン狙い

(3) 運用額・投資頻度・リスク許容度による選択

判断軸 投資信託向き 個別株向き
運用額 〜100万円 100万円以上
投資頻度 毎月積立 タイミング投資
リスク許容度 低〜中 中〜高
管理負担 手間をかけたくない 積極的に管理

まとめ:併用戦略のすすめ

(1) コア・サテライト戦略

多くの投資家にとって、投資信託と個別株の併用が最適解です。

  • コア(80%): S&P500インデックスファンドで安定運用
  • サテライト(20%): 興味のある個別株で高リターン狙い

この戦略なら、安定性を保ちつつ、個別株の楽しみも味わえます。

(2) NISA活用の考え方

NISA枠 対象商品 推奨
つみたて投資枠 投資信託のみ S&P500インデックスファンド
成長投資枠 投信・個別株 個別株またはアクティブファンド

初心者は、つみたて投資枠でS&P500インデックスファンドを積立、慣れてきたら成長投資枠で個別株に挑戦するのが推奨されます。

次のアクション:

  • 証券会社の口座を開設する(SBI証券、楽天証券、マネックス証券等)
  • つみたてNISAでS&P500インデックスファンドの積立を開始する
  • 慣れてきたら、成長投資枠で興味のある個別株を少額購入してみる
  • コア・サテライト戦略でリスクとリターンのバランスを取る

投資判断は自己責任で行い、ご自身のリスク許容度に合った方法を選択してください。

よくある質問

Q1初心者に向いているのはどっち?

A1投資信託が推奨されます。100円から積立可能で、1本で数百社に分散投資できます。銘柄選択の手間もかからず、S&P500インデックスファンドが定番です。

Q2手数料の違いは?

A2個別株は購入時手数料(0〜数%)のみで保有中のコストはかかりません。投資信託は購入時手数料0円(ノーロード)が多いですが、信託報酬(年0.1〜2%)が毎年かかります。長期では信託報酬が大きなコストになります。

Q3NISAではどちらを買うべき?

A3つみたて投資枠は投資信託のみ購入可能です。成長投資枠は両方購入可能ですが、初心者はつみたて投資枠でS&P500インデックスファンドを積立することが推奨されます。

Q4併用は可能?

A4可能です。コア・サテライト戦略(コア80%を投信で安定運用、サテライト20%を個別株で高リターン狙い)が有効です。NISA活用なら、つみたて投資枠で投信、成長投資枠で個別株という使い分けもできます。

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