米国株の高配当利回りランキング【2025年版】銘柄選定の注意点を解説
「米国株の高配当銘柄で安定した配当収入を得たい」と考えている方は多いでしょう。しかし、利回りが高いからといって必ずしも良い銘柄とは限りません。
この記事では、米国株の高配当利回りランキングの見方と、銘柄選定の注意点について解説します。
この記事のポイント:
- 配当利回りランキングの正しい見方
- 利回り10%超の銘柄の特徴と減配リスク
- 配当貴族銘柄との比較
- 配当にかかる税金(米国10%、日本20.315%の二重課税)
1. 米国株の高配当利回りランキングを見る理由
米国株には高配当利回りの銘柄が多数あり、配当収入を重視する投資家にとって魅力的です。
しかし、利回りだけで銘柄を選ぶと、減配リスクや株価下落リスクを見落とす可能性があります。配当の持続可能性や企業の財務状況も確認することが重要です。
2. 配当利回りランキングの正しい見方
(1) 配当利回りの計算方法
配当利回りは以下の式で計算されます:
配当利回り(%)= 年間配当額 ÷ 株価 × 100
例:
- 年間配当額: 5ドル
- 株価: 100ドル
- 配当利回り: 5%(5 ÷ 100 × 100)
(2) 主要証券会社のランキング(SBI・楽天)
日本の主要証券会社では、米国株の配当利回りランキングを提供しています:
- SBI証券: 米国株配当利回りランキング
- 楽天証券: 米国株式ランキング
これらのランキングは、日本人投資家が購入しやすい銘柄を中心に表示されます。
(3) Yahoo Financeでのスクリーニング
Yahoo Financeのスクリーニングツールを使えば、以下の条件で高配当銘柄を検索できます:
- 配当利回り: 5%以上
- 時価総額: 10億ドル以上
- 配当性向: 100%未満
(4) ランキングの更新頻度と鮮度
配当利回りは株価によって日々変動します。最新のデータを確認することが重要です。
3. 高配当銘柄の特徴と注意点
(1) 利回り10%超の銘柄の特徴(REIT、BDC等)
利回りが10%を超える銘柄には、以下の特徴があります:
- REIT(不動産投資信託): 利益の90%以上を配当に回すため高利回り
- BDC(事業開発会社): 中小企業向け融資で高配当を実現
- 減配リスクのある銘柄: 業績悪化で株価が下落し、見かけ上高利回りになっている
(2) 減配リスクと配当性向
配当性向(配当額 ÷ 純利益 × 100)が高すぎる銘柄は、減配リスクがあります:
配当性向 | リスク評価 |
---|---|
50%未満 | 安定的 |
50-80% | やや高め |
80%超 | 減配リスク大 |
(3) 株価下落による見かけの高利回り
株価が下落すると、配当利回りは上昇します。見かけの高利回りに惑わされず、業績を確認しましょう。
(4) 配当の持続可能性の確認方法
以下のポイントで配当の持続可能性を確認します:
- 配当性向が50-80%程度か
- 連続増配年数は何年か
- フリーキャッシュフローは安定しているか
4. 配当貴族銘柄との比較
(1) 配当貴族(25年以上連続増配)とは
配当貴族とは、S&P500構成銘柄の中で25年以上連続増配している企業です。高配当ではなく、安定増配に焦点を当てています。
(2) 高配当vs安定配当の違い
項目 | 高配当銘柄 | 配当貴族銘柄 |
---|---|---|
利回り | 5-10%以上 | 2-4%程度 |
安定性 | 変動しやすい | 安定 |
連続増配 | 必ずしも増配しない | 25年以上連続増配 |
(3) S&P500配当貴族指数の構成銘柄
S&P500配当貴族指数には、以下のような企業が含まれます:
- Johnson & Johnson(ヘルスケア)
- Coca-Cola(生活必需品)
- Procter & Gamble(生活必需品)
(4) 連続増配年数と配当性向のバランス
配当貴族銘柄は、配当性向を抑えつつ長期的な増配を実現しています。高配当だけでなく、増配の継続性も重要な指標です。
5. 配当にかかる税金と外国税額控除
(1) 米国での10%源泉徴収
米国株の配当金は、米国で自動的に10%が源泉徴収されます。
例:
- 配当金: 100ドル
- 米国での源泉徴収: 10ドル
- 手取り: 90ドル
(2) 日本での20.315%課税
米国で源泉徴収された後、日本でさらに20.315%が課税されます:
税金 | 税率 |
---|---|
所得税 | 15.315% |
住民税 | 5% |
合計 | 20.315% |
(3) 外国税額控除での還付
外国税額控除を利用すれば、米国で課税された10%を日本の所得税から差し引けます。ただし、上限があります。
(4) NISA口座での配当税金
NISA口座では、日本の税金(20.315%)は非課税です。ただし、米国での源泉徴収10%は避けられません。
※2025年10月時点の税制です。最新情報は国税庁のウェブサイトをご確認ください。
6. まとめ:高配当銘柄の賢い選び方
米国株の高配当利回りランキングは参考になりますが、利回りだけで銘柄を選ぶのは危険です。配当性向、連続増配年数、業績の安定性も確認しましょう。
次のアクション:
- Yahoo Financeや証券会社のスクリーニングツールで高配当銘柄を検索
- 配当性向が50-80%程度の銘柄を選ぶ
- 配当貴族銘柄も検討する
- NISA口座を活用して日本の税金を節約
長期的に安定した配当収入を得られる銘柄を選びましょう。