米国株の取引手数料、どの証券会社が一番安い?
「米国株投資を始めたいけど、取引手数料で損したくない」「証券会社ごとに手数料が違うって聞いたけど、どこが一番安いの?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。米国株の取引コストは、取引手数料だけでなく為替手数料も大きく影響します。
手数料は見えにくいコストですが、長期投資では積み重なって大きな差になります。特に少額投資や頻繁な売買を行う場合、手数料負けしないための知識が不可欠です。
この記事では、主要証券会社の取引手数料・為替手数料を徹底比較し、投資額別の実質コスト、手数料を抑える方法を解説します。
この記事のポイント:
- 主要ネット証券の取引手数料は0.495%で横並び(SBI、楽天、マネックス)
- 為替手数料は証券会社により異なる(SBI証券25銭、住信SBI連携で4銭まで削減可能)
- DMM株は取引手数料0円だが為替スプレッドで実質コスト発生
- 配当金受取時の為替手数料(35銭/ドル程度)にも注意
- 住信SBIネット銀行の外貨積立とSBI証券の外貨決済が最もコスト削減に有効
米国株取引手数料の基本
まず、米国株取引にかかる手数料の仕組みを理解しましょう。
(1) 取引手数料の仕組み
米国株の取引手数料は、約定代金(株価×株数)に対して一定の料率がかかります。主要ネット証券では、約定代金の0.495%(税込)が一般的です。
例えば、1,000ドル分の株式を購入した場合、手数料は約4.95ドルです。
(2) 最低手数料と上限手数料
多くの証券会社では、最低手数料と上限手数料が設定されています。
- 最低手数料: 0ドル(SBI証券、楽天証券、マネックス証券)
- 上限手数料: 22ドル(約定代金が約4,445ドル以上)
少額投資でも手数料負けしにくい仕組みになっています。
(3) スプレッド方式とは
PayPay証券など一部の証券会社では、スプレッド方式を採用しています。これは、買値と売値に差をつけることで、実質的な手数料を徴収する仕組みです。
見かけ上は手数料無料ですが、スプレッド(基準価格の0.5-0.7%程度)が実質的なコストになります。
主要証券会社の取引手数料比較
主要ネット証券の取引手数料を比較します。
(1) SBI証券・楽天証券・マネックス証券
これら3社の取引手数料は同水準です:
証券会社 | 取引手数料 | 最低手数料 | 上限手数料 |
---|---|---|---|
SBI証券 | 0.495% | 0ドル | 22ドル |
楽天証券 | 0.495% | 0ドル | 22ドル |
マネックス証券 | 0.495% | 0ドル | 22ドル |
取引手数料だけで見ると、この3社に差はありません。
(2) DMM株・PayPay証券
DMM株は、取引手数料が0円をうたっていますが、為替スプレッドが片道25銭かかるため、実質的なコストは発生します。
PayPay証券は、スプレッド方式で基準価格の0.5-0.7%程度のコストがかかります。1,000円から少額投資が可能なのが特徴です。
(3) 手数料無料キャンペーン
一部の証券会社では、期間限定で手数料無料キャンペーンを実施することがあります。ただし、恒久的な料金体系を確認することが重要です。
為替手数料の比較とコスト削減方法
米国株投資では、為替手数料が隠れた大きなコストになります。
(1) 証券会社別の為替手数料
主要証券会社の為替手数料(片道):
証券会社 | 為替手数料(片道) | 往復コスト |
---|---|---|
SBI証券 | 25銭 | 50銭 |
楽天証券 | 25銭 | 50銭 |
マネックス証券 | 25銭 | 50銭 |
DMM株 | 25銭 | 50銭 |
10,000ドルを投資する場合、往復で5,000円の為替コストがかかります。
(2) 住信SBIネット銀行の外貨積立(片道4銭)
住信SBIネット銀行の外貨積立サービスを利用すると、為替手数料を片道4銭まで削減できます。SBI証券と連携して外貨決済を行えば、大幅なコスト削減が可能です。
10,000ドルの場合、往復で約800円と、通常の約6分の1に抑えられます。
(3) 円貨決済 vs 外貨決済
円貨決済: 証券会社が円をドルに両替して株式を購入(為替手数料25銭/ドル)
外貨決済: 事前に住信SBIネット銀行でドルを用意し、SBI証券で外貨のまま購入(為替手数料4銭/ドル)
外貨決済の方がコストを大幅に削減できます。
その他のコスト(管理費・配当受取手数料等)
取引手数料・為替手数料以外のコストにも注意が必要です。
(1) 口座管理費(基本無料)
主要ネット証券では、口座管理費は基本的に無料です。ただし、一定期間取引がない場合に手数料が発生する証券会社もあるため、確認しましょう。
(2) 配当金受取時の為替手数料
米国株の配当金を円に換金する際、為替手数料が1ドルあたり35銭程度かかります。配当金が多い場合、このコストも無視できません。
外貨のまま受け取れば、この手数料は回避できます。
(3) リアルタイム株価情報の有料化
一部の証券会社では、リアルタイムの米国株価情報が有料(月額数百円程度)となっています。無料で15-20分遅延の情報を提供する証券会社もあります。
投資額別の実質コスト試算
投資額によって、手数料負担率がどう変わるかを見てみましょう。
(1) 少額投資(100ドル)の場合
コスト項目 | 金額 | 負担率 |
---|---|---|
取引手数料(0.495%) | 0.495ドル | 0.495% |
為替手数料(往復50銭) | 約0.33ドル | 0.33% |
合計 | 約0.825ドル | 約0.825% |
少額投資でも、最低手数料0ドルのため手数料負けしにくい設計です。
(2) 中規模投資(1,000ドル)の場合
コスト項目 | 金額 | 負担率 |
---|---|---|
取引手数料(0.495%) | 4.95ドル | 0.495% |
為替手数料(往復50銭) | 約3.33ドル | 0.33% |
合計 | 約8.28ドル | 約0.828% |
(3) 大口投資(10,000ドル)の場合
コスト項目 | 金額 | 負担率 |
---|---|---|
取引手数料(上限22ドル) | 22ドル | 0.22% |
為替手数料(往復50銭) | 約33.33ドル | 0.33% |
合計 | 約55.33ドル | 約0.55% |
大口取引では、取引手数料に上限があるため、実質的な負担率は下がります。
まとめ:証券会社の選び方と手数料節約術
米国株の取引手数料は、主要ネット証券で横並びですが、為替手数料に大きな差があります。
次のアクション:
- 住信SBIネット銀行の外貨積立+SBI証券の外貨決済で為替コストを最小化
- 少額投資でも最低手数料0ドルの証券会社を選ぶ
- 配当金は外貨のまま受け取り、為替手数料を節約
- まとめ買いで取引回数を減らし、往復の為替コストを抑える
- NISA口座を活用して税金コストも削減
手数料は見えにくいコストですが、長期投資では大きな差になります。総合的なコストを比較し、最も効率的な証券会社と取引方法を選びましょう。
※2025年1月時点の手数料率です。証券会社が変更する可能性があるため、最新情報は各社公式サイトをご確認ください。