米国株1ドル以下 銘柄【2025年最新】リスク解説

公開日: 2025/10/20

米国株1ドル以下の銘柄とは

「米国株を少額で買いたい」と思い、1ドル以下の銘柄を探している投資初心者の方は多いです。しかし、1ドル以下の株価になっている銘柄には、通常の米国株とは異なるリスクがあることをご存知でしょうか。

「安いから気軽に買える」と考えてしまいがちですが、実際には流動性リスク、上場廃止リスク、詐欺のリスクなど、初心者には危険な要素が多く含まれています。

この記事では、米国株1ドル以下の銘柄の特徴、リスク、日本から購入する方法、投資戦略について詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • 1ドル以下の銘柄は「ペニーストック」と呼ばれ、流動性が極めて低い
  • 業績悪化や倒産寸前の企業が多く、上場廃止リスクが高い
  • 日本の主要ネット証券ではNYSE・NASDAQ上場銘柄のみ購入可能(OTCは不可)
  • 初心者には推奨されず、投資するならポートフォリオの5%以下に抑えるべき

(1) ペニーストックの定義

米国では、1株5ドル以下の銘柄を「ペニーストック(Penny Stock)」と呼びます。この記事では特に「1ドル以下」の銘柄に焦点を当てて解説します。

ペニーストックは、NYSE(ニューヨーク証券取引所)やNASDAQ(ナスダック)に上場している銘柄もあれば、OTC(店頭市場)で取引される銘柄もあります。

(2) この記事でわかること

この記事では、以下の内容を解説します。

  • 1ドル以下の銘柄のリスクと特徴
  • 株価が1ドル以下になる理由
  • 日本から購入する方法と証券会社の取扱い
  • 投資戦略とリスク管理の方法

1ドル以下の銘柄(ペニーストック)のリスク

1ドル以下の銘柄には、通常の米国株にはない重大なリスクがあります。

(1) 流動性が極めて低い

流動性とは、株式が市場でどれだけ活発に取引されているかを示す指標です。1ドル以下の銘柄は、取引量が極めて少なく、買いたい時に買えない、売りたい時に売れないという状況が頻繁に起こります。

流動性が低い銘柄では、少しの売買で株価が大きく変動します。また、希望する価格で取引できないリスク(スプレッドが広い)があります。

(2) 詐欺・操作のリスク

1ドル以下の銘柄は、株価操作(Pump and Dump)のターゲットになりやすいです。

Pump and Dump(煽りと売り抜け)とは:

  1. 悪質な業者が大量に株を購入
  2. SNSや掲示板で虚偽の情報を流して株価を煽る(Pump)
  3. 株価が上がったところで一気に売り抜ける(Dump)
  4. 残された投資家は大損

SEC(米国証券取引委員会)は、このような詐欺行為に警告を発しています。

(3) 上場廃止リスク

NYSEやNASDAQには、上場維持の基準があります。株価が1ドル以下の状態が続くと、上場廃止の警告を受け、最終的に上場廃止となる可能性があります。

上場廃止になると、流動性がさらに低下し、株式の価値がほぼゼロになることがあります。

1ドル以下の銘柄になる理由

なぜ株価が1ドル以下になるのでしょうか。主な理由を見ていきましょう。

(1) 業績悪化

業績が長期的に悪化し、赤字が続くと、投資家が株を手放し、株価が下落します。1ドル以下まで下落する企業は、ビジネスモデルが破綻している場合が多いです。

(2) 倒産寸前の企業

財務状況が極めて悪く、倒産のリスクが高い企業の株価は、1ドル以下まで下落します。こうした企業に投資しても、株価が回復する可能性は極めて低いです。

(3) 意図的な株価操作

一部の悪質な企業や投資家は、意図的に株価を操作し、投資家を騙そうとします。こうした銘柄は、リスクが極めて高いため、初心者は絶対に手を出すべきではありません。

日本から1ドル以下の銘柄を購入する方法

日本の主要ネット証券では、1ドル以下の銘柄の取扱いに制限があります。

(1) 主要ネット証券の取扱い制限

SBI証券:

  • NYSE・NASDAQ上場銘柄のみ購入可能
  • OTC(店頭市場)銘柄は購入不可
  • 1株から購入可能(単元株制度なし)

楽天証券:

  • NYSE・NASDAQ上場銘柄のみ購入可能
  • OTC銘柄は購入不可
  • 1株から購入可能

マネックス証券:

  • NYSE・NASDAQ上場銘柄のみ購入可能
  • OTC銘柄は購入不可
  • 1株から購入可能

(2) OTC銘柄は購入不可

OTC(店頭市場)で取引される銘柄は、日本の主要ネット証券では購入できません。OTC銘柄は流動性が極めて低く、詐欺のリスクも高いため、初心者には全く推奨されません。

(3) NASDAQ・NYSE上場銘柄のみ

日本から購入できる1ドル以下の銘柄は、NYSE・NASDAQ上場銘柄に限られます。ただし、これらの銘柄も上場廃止のリスクがあるため、十分な注意が必要です。

1ドル以下の銘柄への投資戦略

もし1ドル以下の銘柄に投資する場合、以下の戦略を推奨します。

(1) ポートフォリオの5%以下に抑える

1ドル以下の銘柄への投資は、ポートフォリオ全体の5%以下に抑えることを推奨します。リスクが極めて高いため、大金を投じるべきではありません。

例えば、投資資金が100万円なら、1ドル以下の銘柄への投資は5万円以下にとどめるべきです。

(2) 分散投資

1つの銘柄に集中投資せず、複数の銘柄に分散することでリスクを軽減できます。ただし、1ドル以下の銘柄はどれもリスクが高いため、分散投資しても安全とは限りません。

(3) ストップロスの設定

ストップロス(損切り)を設定し、損失が一定の水準を超えたら自動的に売却する仕組みを活用しましょう。例えば、購入価格から20%下落したら自動売却するように設定することで、損失を限定できます。

まとめ:1ドル以下の銘柄は超高リスク

米国株1ドル以下の銘柄は、流動性が極めて低く、詐欺や上場廃止のリスクが高いため、初心者には全く推奨されません。

次のアクション:

  • 1ドル以下の銘柄へのリスクを理解する
  • 投資するならポートフォリオの5%以下に抑える
  • 流動性が高く、業績が安定した銘柄を優先する
  • 分散投資とストップロスでリスク管理を徹底

1ドル以下の銘柄は、ギャンブルに近いリスクがあります。安定した資産形成を目指すなら、S&P500連動のインデックスファンドや、業績が安定した大型株への投資が推奨されます。投資判断は自己責任で行い、不明点は専門家に相談しましょう。

よくある質問

Q11ドル以下の米国株は買える?

A1買えます。ただし、SBI証券、楽天証券、マネックス証券などの日本の主要ネット証券では、NYSE・NASDAQ上場銘柄のみ購入可能です。OTC(店頭市場)銘柄は購入できません。1株から購入できますが、流動性やリスクが高いため、初心者には推奨されません。

Q21ドル以下の銘柄のリスクは?

A2流動性が極めて低く、買いたい時に買えない、売りたい時に売れないリスクがあります。また、詐欺や株価操作のターゲットになりやすく、上場廃止のリスクも高いです。業績が悪化している企業や倒産寸前の企業が多く、初心者には全く推奨されません。

Q3なぜ株価が1ドル以下になるのか?

A3業績悪化、倒産寸前の財務状況、意図的な株価操作などが主な理由です。長期的に赤字が続き、ビジネスモデルが破綻している企業や、悪質な業者が株価を操作している場合があります。まともな企業はほとんどありません。

Q41ドル以下の銘柄で儲かる?

A4可能性はありますが、極めて低いです。ほとんどの銘柄は上場廃止や倒産で価値がゼロになります。株価が大きく上昇する可能性もありますが、それはギャンブルに近いリスクです。安定した資産形成を目指すなら、S&P500連動のインデックスファンドや業績が安定した大型株への投資が推奨されます。

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