米国株IPO 2025|注目セクターと参加方法完全ガイド

公開日: 2025/10/20

2025年の米国株IPOに投資したいが、参加方法がわからない

IPO(新規株式公開)は、非上場企業が初めて株式市場に上場するタイミングで、投資家にとって魅力的な投資機会と言われています。2025年も、AI・テクノロジー、バイオテック、フィンテックなど、成長が期待されるセクターで多くのIPOが予定されています。

「日本から米国IPOに参加できるのか」「どのような銘柄が注目されているのか」「IPO投資のリスクは何か」といった疑問を持つ投資家は多いでしょう。

この記事では、2025年の米国株IPO市場の動向、日本からの参加方法、注目セクター、投資のポイントとリスクを解説します。

この記事のポイント:

  • 2025年はAI・テクノロジー、バイオテック、フィンテック等のセクターでIPOが注目される見込み
  • 日本の証券会社(SBI・楽天・マネックス等)で一部の米国IPOに申込可能(抽選制)
  • IPOのメリットは初値上昇の可能性、デメリットは価格変動の大きさ・情報の少なさ
  • S-1フォーム(IPO申請書類)で企業の財務状況・事業内容を事前分析
  • 個別銘柄名は例示のみであり、投資判断は自己責任で

1. 2025年の米国株IPO市場:なぜ注目されるのか

(1) IPO(Initial Public Offering:新規株式公開)とは

IPOとは、非上場企業が初めて株式を証券取引所に上場し、一般投資家が株式を購入できるようにすることです。

IPOの流れ:

  1. 企業がSEC(米国証券取引委員会)にIPO申請書類(S-1フォーム)を提出
  2. ブックビルディング(投資家の需要調査)を実施し、公募価格を決定
  3. 証券取引所に上場し、初値がつく
  4. 投資家が市場で株式を売買できるようになる

(2) 2024年のIPO市場振り返りと2025年への期待

2024年の米国IPO市場は、金利高止まりやマクロ経済の不確実性により、2023年と比べて慎重なペースとなりました。しかし、2025年は以下の理由から回復が期待されています。

  • 金利低下の期待: 米国の政策金利が落ち着けば、成長企業への投資が活発化
  • AI・テクノロジーブーム: 生成AI関連企業の上場に市場の関心が集まる
  • 大型IPO候補: 複数の有力スタートアップが上場準備中

※過去の市場動向は将来を保証するものではありません。

(3) 投資家がIPOに注目する理由

IPO投資には、以下のような魅力があります。

  • 初値上昇の可能性: 公募価格よりも初値が高くなり、短期的なリターンを得られる場合がある
  • 成長企業への早期投資: 将来大きく成長する企業に早い段階で投資できる
  • 新しい投資機会: 既存の上場企業では得られない新しいビジネスモデルに投資できる

ただし、IPOにはリスクもあるため、慎重な判断が必要です。

2. 2025年のIPO市場動向と注目セクター

(1) AI・テクノロジーセクターの台頭

2025年のIPO市場で最も注目されるのは、AI・テクノロジーセクターです。生成AI、クラウドコンピューティング、サイバーセキュリティ等の分野で、複数の企業が上場準備を進めていると言われています。

注目される理由:

  • ChatGPTなどの生成AIブームが継続
  • 企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)投資が拡大
  • クラウド需要が引き続き堅調

※具体的な銘柄名は情報提供のみであり、投資判断は自己責任で行ってください。

(2) バイオテック・ヘルスケアの新興企業

バイオテクノロジー・ヘルスケアセクターも、2025年のIPO市場で重要な位置を占めると予想されています。

注目される理由:

  • 新薬開発・遺伝子治療の技術革新
  • 高齢化社会による医療需要の増加
  • COVID-19以降の医療技術への関心

ただし、バイオテック企業は収益化までに時間がかかることが多く、リスクも高いと言われています。

(3) フィンテック・クリーンエネルギー等の成長分野

その他、以下のセクターでもIPOが期待されています。

  • フィンテック: デジタル決済、暗号資産関連、ネオバンク
  • クリーンエネルギー: 太陽光発電、EV(電気自動車)関連、蓄電池
  • Eコマース・消費財: D2C(Direct to Consumer)ブランド

(4) IPOカレンダーで確認すべき情報

IPOカレンダー(Renaissance Capital、NASDAQなど)では、以下の情報を確認できます。

  • 上場予定日
  • 公募価格レンジ
  • 企業の事業内容
  • 主幹事証券会社
  • 資金調達額

これらの情報をもとに、投資対象を絞り込むことができます。

3. 日本から米国IPOに参加する方法

(1) 日本の証券会社での米国IPO取扱状況

日本の投資家が米国IPOに参加する方法は、以下の2つです。

1. 公募価格で購入する(IPO申込)

一部の日本の証券会社では、米国IPOの公募申込を受け付けています。ただし、全ての銘柄が対象ではなく、抽選制になることが多いです。

2. 上場後に市場で購入する

公募に参加できなくても、上場後に市場価格で購入できます。ただし、初値が公募価格を大きく上回る場合、割高になる可能性があります。

(2) SBI証券・楽天証券・マネックス証券の対応

証券会社 米国IPO対応 特徴
SBI証券 一部取扱あり 過去に複数の米国IPOを取扱
楽天証券 一部取扱あり IPO情報をメール配信
マネックス証券 一部取扱あり 米国株情報が充実

※取扱銘柄は証券会社により異なります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。

(3) 公募価格(Offering Price)での購入方法

公募価格で購入するには、証券会社が提供するIPO申込サービスを利用します。

申込の流れ:

  1. 証券会社の米国株口座を開設
  2. IPO銘柄の申込受付開始の通知を受ける
  3. 申込期間内に希望株数を申請
  4. 抽選結果を待つ
  5. 当選すれば公募価格で購入できる

(4) 上場後に初値または市場価格で購入する選択肢

公募に当選しなくても、上場後に市場で購入できます。

メリット:

  • 抽選を待たずに購入できる
  • 初値や市場の反応を見てから判断できる

デメリット:

  • 初値が公募価格を大きく上回る場合、割高になる
  • 人気銘柄は初日に大きく変動することがある

(5) ブックビルディングと抽選の仕組み

ブックビルディングとは、投資家の需要を調査して公募価格を決定する方式です。

流れ:

  1. 企業と主幹事証券会社が仮条件(価格レンジ)を提示
  2. 投資家が希望価格と株数を申告
  3. 需要をもとに公募価格を決定
  4. 抽選で購入者を決定

日本の証券会社経由でも、この仕組みに基づいて公募価格が決まります。

4. IPO前の企業分析:S-1フォームの読み方

(1) S-1フォーム(IPO申請書類)とは

S-1フォームは、企業がIPO時にSEC(米国証券取引委員会)に提出する申請書類です。以下の情報が含まれます。

  • 企業の事業内容
  • 財務諸表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)
  • リスク要因
  • 資金使途
  • 経営陣の情報

(2) SECのEDGARでS-1を確認する方法

S-1フォームは、SECのEDGARデータベースで無料で閲覧できます。

確認手順:

  1. SECのEDGARサイトにアクセス(https://www.sec.gov/edgar)
  2. 企業名またはティッカーシンボルで検索
  3. 「S-1」フォームを選択して閲覧

(3) 財務諸表・事業内容・リスク要因の確認ポイント

S-1フォームで確認すべき主なポイントは以下の通りです。

財務諸表:

  • 売上高の成長率
  • 純利益(または純損失)
  • フリーキャッシュフロー
  • 負債比率

事業内容:

  • ビジネスモデル
  • 競合優位性
  • 市場規模と成長性

リスク要因:

  • 競争環境
  • 規制リスク
  • 収益化の課題

(4) 公募価格と企業価値の妥当性評価

公募価格が適正かどうかを判断するには、以下の指標を参考にします。

  • PER(株価収益率): 類似企業と比較
  • PSR(株価売上高倍率): 利益が出ていない企業の評価に有効
  • 時価総額: 市場規模や成長性との整合性

5. IPO投資のメリットとリスク

(1) メリット:初値上昇(First Day Return)の可能性

IPO投資の最大のメリットは、公募価格よりも初値が高くなり、短期的なリターンを得られる可能性があることです。

過去の例では、人気銘柄は初値が公募価格の2倍以上になることもありました(ただし過去の実績は将来を保証しません)。

(2) デメリット:価格変動の大きさ・情報の少なさ

一方で、IPO投資には以下のようなデメリットもあります。

1. 株価の大きな変動

IPO直後は、株価が大きく上下することが多く、短期売買はリスクが高いと言われています。

2. 情報の少なさ

非上場企業は、上場企業と比べて公開情報が限られているため、投資判断が難しいことがあります。

(3) ロックアップ期間後の株価下落リスク

ロックアップ期間とは、IPO後一定期間(通常180日間)、既存株主が株式を売却できない期間です。ロックアップ期間が終了すると、大量の株式が市場に出回り、株価が下落するリスクがあります。

(4) 新興企業の財務基盤の弱さ

IPOする企業の多くは新興企業であり、財務基盤が弱いことがあります。上場後に業績が悪化し、株価が大きく下落するリスクもあります。

(5) 公募価格で買えない場合の割高リスク

公募に当選しなかった場合、初値または市場価格で購入することになりますが、人気銘柄は初値が公募価格を大きく上回ることがあり、割高になる可能性があります。

6. まとめ:2025年米国IPO投資で押さえるべきポイント

2025年の米国IPO市場は、AI・テクノロジー、バイオテック、フィンテック等のセクターで注目される銘柄が予定されています。日本の投資家は、一部の証券会社経由で公募に申し込むか、上場後に市場で購入する方法があります。

IPO投資のポイント:

  • 2025年はAI・テクノロジー、バイオテック、フィンテック等が注目セクター
  • 日本の証券会社(SBI・楽天・マネックス等)で一部のIPOに申込可能(抽選制)
  • S-1フォームで企業の財務状況・事業内容・リスク要因を事前分析
  • IPOのメリットは初値上昇の可能性、デメリットは価格変動の大きさ・情報の少なさ
  • ロックアップ期間後の株価下落リスクや新興企業の財務基盤の弱さに注意

次のアクション:

  • 米国株口座を開設し、IPO申込サービスを確認する
  • IPOカレンダー(Renaissance Capital、NASDAQ等)で上場予定銘柄を確認
  • SECのEDGARでS-1フォームを閲覧し、企業分析を行う
  • リスクを理解した上で、投資判断は自己責任で行う

IPO投資は魅力的な機会ですが、リスクも伴います。慎重に分析し、長期的な視点で投資を検討しましょう。

よくある質問

Q1日本から2025年の米国IPOに参加できる?

A1SBI証券、楽天証券、マネックス証券などで一部の米国IPOに申込可能です。ただし、全ての銘柄が対象ではなく、抽選制になることが多いです。公募に当選しなくても、上場後に市場価格で購入できます。取扱銘柄は証券会社により異なるため、最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。

Q22025年の米国IPOで注目のセクターは?

A2AI・テクノロジー、バイオテック、フィンテック、クリーンエネルギー等が注目される見込みです。生成AIブームの継続、企業のDX投資拡大、新薬開発の技術革新などが背景にあります。ただし、これは市場動向の情報提供であり、個別銘柄の購入推奨ではありません。投資判断は自己責任で行ってください。

Q3IPO投資のリスクは?

A3IPO投資には以下のリスクがあります。(1)株価の大きな変動:IPO直後は価格が激しく上下する、(2)新興企業の財務基盤の弱さ:上場後に業績悪化するリスク、(3)ロックアップ期間後の株価下落:既存株主が株式を売却できるようになり株価が下がる可能性、(4)公募価格で買えず初値が割高:人気銘柄は初値が公募価格を大きく上回ることがある。リスクを理解した上で投資判断してください。

Q4S-1フォームで何を確認すべき?

A4S-1フォームでは、企業の財務諸表(売上高、純利益、フリーキャッシュフロー、負債比率)、事業内容(ビジネスモデル、競合優位性、市場規模)、リスク要因(競争環境、規制リスク、収益化の課題)を確認すべきです。SECのEDGARデータベースで無料で閲覧できます。公募価格の妥当性を評価するには、PERやPSRなどの指標を類似企業と比較します。

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