米国株式投資信託とは
米国株に投資したいけれど、「個別株を選ぶのは難しい」「ETFもよくわからない」と感じている方は多いです。
そんな時に便利なのが「米国株式投資信託」です。投資信託を使えば、少額(100円〜)から米国株に分散投資でき、運用は専門家に任せられます。
この記事では、米国株式投資信託の仕組み、インデックス型とアクティブ型の違い、おすすめファンド、選び方について詳しく解説します。
この記事のポイント:
- 米国株式投資信託は、米国株に投資する投資信託(100円から購入可能)
- インデックス型は指数連動で信託報酬が低い(年率0.1%前後)、アクティブ型は運用者が銘柄選定(信託報酬1%前後)
- おすすめはeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、SBI・V・S&P500、楽天・全米株式
- つみたてNISA対応ファンドなら配当・売却益が非課税
(1) 投資信託の仕組み
投資信託とは、多数の投資家から資金を集めて、専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券に投資する金融商品です。
米国株式投資信託は、米国の株式市場(NYSE・NASDAQ等)に上場する企業に投資する投資信託です。1つのファンドで数百〜数千の米国株に分散投資できます。
(2) この記事でわかること
この記事では、以下の内容を解説します。
- インデックス型とアクティブ型の違い
- おすすめの米国株式投資信託(インデックス型)
- 投資信託の選び方(信託報酬・純資産総額・トラッキングエラー)
- ETFとの違い
インデックス型とアクティブ型の違い
米国株式投資信託には、大きく分けて「インデックス型」と「アクティブ型」の2種類があります。
(1) インデックス型(指数連動)
インデックス型は、S&P500やNASDAQ100などの株価指数に連動することを目指すファンドです。
特徴:
- 株価指数と同じ銘柄構成で運用
- 信託報酬が低い(年率0.1%前後)
- 長期的には市場平均のリターンを得られる
代表的なインデックス:
- S&P500: 米国の大型株500銘柄
- CRSP USトータルマーケット: 米国株式市場全体(約4,000銘柄)
(2) アクティブ型(運用者の判断)
アクティブ型は、ファンドマネージャーが独自の判断で銘柄を選定し、指数を上回る成績を目指すファンドです。
特徴:
- 運用者が銘柄を選定・売買
- 信託報酬が高い(年率1%前後)
- 指数を上回る可能性もあるが、下回るリスクもある
注意点: 過去のデータでは、長期的にはほとんどのアクティブ型ファンドがインデックス型に負けると言われています。高い信託報酬がリターンを圧迫するためです。
(3) 手数料(信託報酬)の違い
項目 | インデックス型 | アクティブ型 |
---|---|---|
信託報酬(年率) | 0.09〜0.20% | 0.50〜2.00% |
購入時手数料 | なし(ノーロード) | なし〜3% |
運用方針 | 指数連動 | 指数超えを目指す |
信託報酬の差は小さく見えますが、長期投資では大きな差になります。例えば、100万円を30年運用した場合、信託報酬1%の差で最終的なリターンに数十万円の差が出ます。
おすすめの米国株式投資信託(インデックス型)
インデックス型の中でも、特に人気が高い米国株式投資信託を3つ紹介します。
(1) eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
運用会社: 三菱UFJアセットマネジメント ベンチマーク: S&P500指数 信託報酬: 年率0.09372%程度(税込) 純資産総額: 約4兆円以上(2025年時点) つみたてNISA対応: 対応
特徴:
- 業界最低水準の信託報酬
- 純資産総額が国内最大級で安定運用
- つみたてNISAで人気No.1クラス
※信託報酬は変動する可能性があるため、最新情報は公式サイトで確認してください。
(2) SBI・V・S&P500インデックスファンド
運用会社: SBIアセットマネジメント ベンチマーク: S&P500指数 信託報酬: 年率0.0938%程度(税込) 純資産総額: 約1.5兆円以上(2025年時点) つみたてNISA対応: 対応
特徴:
- 米国バンガード社のETF(VOO)を通じて運用
- 信託報酬が極めて低い
- SBI証券での人気が高い
(3) 楽天・全米株式インデックスファンド
運用会社: 楽天投信投資顧問 ベンチマーク: CRSP USトータルマーケット指数 信託報酬: 年率0.162%程度(税込) 純資産総額: 約1.5兆円以上(2025年時点) つみたてNISA対応: 対応
特徴:
- 米国株式市場全体(約4,000銘柄)に投資
- S&P500よりも中小型株も含む
- 楽天証券での人気が高い
米国株式投資信託の選び方
米国株式投資信託を選ぶ際のポイントを見ていきましょう。
(1) 信託報酬の低さ
信託報酬は、投資信託の年間運用コストです。低いほど長期的なリターンが高くなります。
目安:
- インデックス型: 年率0.1%前後が理想
- アクティブ型: 年率1%以下が望ましい
信託報酬が0.5%以上のファンドは、長期投資ではリターンが大きく目減りします。
(2) 純資産総額
純資産総額が大きいファンドは、以下のメリットがあります。
- 償還(運用終了)のリスクが低い
- 効率的な運用が可能(スケールメリット)
- 流動性が高い
目安:
- 純資産総額1,000億円以上が理想
- 100億円以下のファンドは償還リスクに注意
(3) トラッキングエラー
トラッキングエラーとは、ファンドの運用成績とベンチマーク指数との乖離率です。インデックス型ファンドでは、この値が小さいほど優秀です。
目安:
- 年率0.1%以下が理想
- 0.5%以上は運用が非効率
トラッキングエラーは、ファンドの運用報告書や評価サイト(モーニングスター等)で確認できます。
米国株式投資信託とETFの違い
米国株に投資する方法として、投資信託とETFがありますが、どちらを選べばよいでしょうか。
(1) 取引方法の違い
投資信託:
- 1日1回の基準価額で取引
- 購入申込後、翌営業日以降に約定
- リアルタイム取引は不可
ETF:
- 株式のようにリアルタイムで売買可能
- 市場が開いている時間に取引
- 指値注文・成行注文が可能
(2) 最低投資額の違い
投資信託:
- 100円から積立可能(証券会社による)
- 少額から始めやすい
ETF:
- 1株から購入可能
- 米国ETFなら数万円から(例: VOO約6万円〜)
(3) 手数料の違い
項目 | 投資信託 | ETF |
---|---|---|
信託報酬(経費率) | 0.09〜0.20% | 0.03〜0.20% |
売買手数料 | なし | あり(証券会社による) |
為替手数料 | 投信内で自動処理 | あり(ドル転必要) |
自動積立 | 可能 | 一部証券会社で可能 |
初心者には、100円から自動積立ができる投資信託が向いています。
まとめ:米国株式投資信託で長期投資を始めよう
米国株式投資信託は、100円から米国株に分散投資でき、運用は専門家に任せられる便利な商品です。
次のアクション:
- インデックス型ファンド(eMAXIS Slim、SBI・V、楽天等)を選ぶ
- つみたてNISA口座で購入し、配当・売却益を非課税に
- 信託報酬0.1%前後の低コストファンドに絞る
- 長期的な積立投資を継続
米国株式投資信託は、長期的な資産形成に適した投資手段です。信託報酬や純資産総額を比較し、自分に合ったファンドを選びましょう。投資判断は自己責任で行い、不明点は専門家に相談してください。