NASDAQ:MARAとは:ビットコインマイニング大手の基本情報
「NASDAQ:MARAって何?」「ビットコインマイニング関連株に興味があるけれど、どんな会社なの?」と疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。
NASDAQ:MARA(ティッカーシンボル: MARA)は、MARA Holdings, Inc.(旧Marathon Digital Holdings)のNASDAQ上場株式です。ビットコインマイニングを主業とし、上場企業中MicroStrategyに次ぐ2位のビットコイン保有量(52,850 BTC)を誇るデジタル資産技術企業で、AI・HPC(高性能コンピューティング)事業にも展開しています。
この記事では、MARA Holdingsの企業概要、ビットコインマイニング事業の仕組み、ビットコイン価格との連動性、日本からの投資方法、そして投資時のリスクまで詳しく解説します。
この記事のポイント:
- MARA Holdingsはビットコインマイニング大手で、上場企業中BTC保有量2位(52,850 BTC、時価約$4.6B)
- 完全HODL戦略を採用し、マイニングしたBTCは売却せず保有し続ける
- 2025年Q3は純利益$123M(前年Q3は$125M赤字)で黒字転換、売上92%増で回復基調
- ビットコイン価格との強い連動性があり、年間-45%の下落など高ボラティリティに注意が必要
- AI・HPC事業への戦略的シフトで多角化を進め、2028年までに海外市場から50%の収益を目標
(1) ティッカーシンボル「MARA」の意味
MARAは、MARA Holdings, Inc.(旧Marathon Digital Holdings)のティッカーシンボルとしてNASDAQで使用されています。
基本情報:
- 正式名称: MARA Holdings, Inc.(旧Marathon Digital Holdings, Inc.)
- ティッカーシンボル: MARA(NASDAQ)
- 本社: 米国ネバダ州ラスベガス
- 業種: デジタル資産技術・ビットコインマイニング
MARA Holdingsは、2024年8月にMarathon Digital HoldingsからMARA Holdingsに社名変更し、ビットコインマイニングだけでなく、AI・HPC事業への多角化を明確にしました。
(2) 2024年8月の社名変更(Marathon Digital → MARA Holdings)
2024年8月、Marathon Digital HoldingsはMARA Holdings, Inc.に社名変更しました。
社名変更の意図:
- ビットコインマイニング事業からAI・HPC事業への戦略的シフトを明確化
- 「Marathon Digital」は「ビットコインマイニング専業」のイメージが強いため、多角化を反映した社名に変更
- 2028年までに海外市場から50%の収益を目標として、グローバル展開を加速
この社名変更は、ビットコイン価格への依存度を下げ、AI・HPC事業への投資を拡大する戦略の一環です。
MARA Holdings(旧Marathon Digital)の企業概要
(1) ビットコインマイニングとAI・HPC事業
MARA Holdingsは、ビットコインマイニングを主業としながら、AI・HPC事業への多角化を進めています。
主要事業:
1. ビットコインマイニング:
- 高性能コンピューターを使ってビットコインのブロックチェーンを検証し、報酬としてビットコインを獲得
- ハッシュレート60.4 EH/s(2025年Q3、前年比64%増)
- 完全HODL戦略で、マイニングしたBTCは売却せず保有
2. AI・HPC(高性能コンピューティング)事業:
- ビットコインマイニングで培ったインフラを活用し、AI・データセンター事業に展開
- データセンター容量を1.5GWに拡大予定
- 2028年までに海外市場から50%の収益を目標
この多角化戦略により、ビットコイン価格への依存度を下げ、収益基盤を強化しています。
(2) 上場企業中2位のBTC保有量(52,850 BTC)
MARA Holdingsは、上場企業中MicroStrategyに次ぐ2位のビットコイン保有量を誇ります。
ビットコイン保有量:
- 52,850 BTC(2025年Q3時点、前年比98%増)
- 時価約$4.6B相当(ビットコイン価格により変動)
- MicroStrategyに次ぐ上場企業中2位
保有量の推移:
- 2024年Q3: 26,747 BTC
- 2025年Q3: 52,850 BTC(前年比98%増)
この大量のビットコイン保有は、完全HODL戦略により実現されています。
(3) 完全HODL戦略とビットコイン投資戦略
MARA Holdingsは、完全HODL戦略を採用しています。
完全HODL戦略とは:
- マイニングしたビットコインを売却せず保有し続ける
- 公開市場で定期的にビットコインを追加購入
- ビットコインの長期的な価値上昇を信じる投資戦略
2025年Q3のビットコイン活動:
- マイニング: 2,144 BTC
- 購入: 2,257 BTC
- 保有量増加: 4,401 BTC
CEOは「毎月少しずつ投資して2-4年かけて成長を見る」スタンスを推奨しており、長期投資視点を持つことの重要性を強調しています。
ビットコインマイニング事業の仕組みと業績
(1) マイニングの仕組みとハッシュレート
ビットコインマイニングは、高性能コンピューターを使ってビットコインのブロックチェーンを検証し、報酬としてビットコインを獲得する活動です。
マイニングの仕組み:
- ビットコインのトランザクション(取引)を検証
- ブロックチェーンに新しいブロックを追加
- 報酬としてビットコインを受け取る(現在は約6.25 BTC/ブロック、半減期ごとに半減)
ハッシュレート(Hash Rate):
- マイニング能力の指標(1秒間に計算できるハッシュ値の数)
- MARA Holdingsのハッシュレート: 60.4 EH/s(2025年Q3、前年比64%増)
- 業界全体のハッシュレート上昇により、競争が激化している
ハッシュレートが高いほど、ビットコインを獲得できる確率が高まります。
(2) 2025年Q3の業績(黒字転換)
MARA Holdingsは、2025年Q3に黒字転換を達成しました。
2025年Q3の業績:
- 売上: $252M(前年比92%増)
- 純利益: $123M(前年Q3は$125M赤字)
- ビットコイン保有量: 52,850 BTC(前年比98%増)
この黒字転換は、ビットコインマイニング効率の改善とビットコイン価格上昇が寄与しています。ただし、ビットコイン価格の変動により、業績は四半期ごとに大きく変動する可能性があります。
(3) エネルギーコストとマイニング効率
ビットコインマイニングは、大量の電力を消費するため、エネルギーコストが重要な指標です。
エネルギーコスト:
- 平均$39,235/BTC(2025年Q3)
- 電力コストの低い地域にマイニング施設を設置することで、コスト競争力を確保
マイニング効率:
- ハッシュレート115%増の53.2 EH/s(2024年通期)
- 最新のマイニング機器(ASIC)を導入し、効率化を推進
エネルギーコストの変動やESG(環境・社会・ガバナンス)懸念が、業績に影響を与える可能性があります。
ビットコイン価格とMARA株価の連動性
(1) BTC価格との強い相関性
MARA株価は、ビットコイン価格との強い連動性があります。
連動性の理由:
- ビットコインマイニングが主業のため、ビットコイン価格の上昇・下落が直接収益に影響
- ビットコイン保有量が52,850 BTCと巨額のため、BTC価格変動が資産価値に直接反映される
- 完全HODL戦略により、ビットコイン価格への依存度が非常に高い
ビットコイン価格が上昇する場合:
- マイニング報酬の価値が上昇
- 保有ビットコインの時価総額が増加
- MARA株価も上昇傾向
ビットコイン価格が下落する場合:
- マイニング報酬の価値が減少
- 保有ビットコインの時価総額が減少
- MARA株価も下落傾向
ビットコイン価格を常にチェックすることが、MARA投資において重要です。
(2) 高ボラティリティのリスク(年間-45%)
MARA株価は、高ボラティリティ(価格変動の大きさ)が特徴です。
ボラティリティの実例:
- 52週レンジ: $9.81~$30.28(約3倍の値幅)
- 直近1ヶ月: -34%下落
- 年間(2024-2025): -45%下落
この高ボラティリティは、ビットコイン価格の変動に加え、暗号資産関連株全体の投機的な取引が影響していると言われています。
高ボラティリティへの対応:
- リスク許容度に応じた投資額を設定
- 一括投資よりもドルコスト平均法を検討
- 長期投資視点を持ち、短期の値動きに惑わされない
(3) アナリストの目標株価と評価
アナリストの評価は総じて強気です。
アナリスト評価(2025年11月時点):
- 15名のアナリストのコンセンサスレーティング: 「買い」
- 平均目標株価: $22-27
- 現在値$12から約68-100%の上昇余地
2025年Q3の黒字転換、AI・HPC事業への戦略的シフト、ビットコイン保有量の増加が評価されています。ただし、ビットコイン価格の変動により、目標株価も大きく変わる可能性があります。
※上記は執筆時点の情報です。最新のアナリスト評価は証券会社や公式IRサイトでご確認ください。
日本からのMARA投資方法とリスク
(1) 日本の証券会社での購入手順
MARA株は、日本の証券会社で米国株として購入できます。
購入手順:
- 証券会社の米国株取引口座を開設(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)
- 円をドルに為替換算(為替手数料: 片道25銭程度)
- 米国株取引画面でティッカーシンボール「MARA」を検索
- 買い注文を発注(成行・指値など)
- 約定・決済
MARAは米ドル建てで取引されます。
(2) ドルコスト平均法の推奨
MARA株は高ボラティリティのため、ドルコスト平均法が推奨されます。
ドルコスト平均法とは:
- 一定額を定期的に投資する方法
- 価格が高い時は少量、価格が低い時は多量を購入することで、平均取得単価を平準化
- 高ボラティリティの銘柄に適した投資手法
例:
- 毎月$1,000ずつ、1年間(12回)に分けて投資
- 価格変動のリスクを分散し、一括投資の「高値掴み」リスクを軽減
CEO自身も「毎月少しずつ投資して2-4年かけて成長を見る」スタンスを推奨しており、長期投資視点が重要です。
(3) リスク要因(BTC価格、規制、ESG懸念)
MARA投資には、複数のリスク要因があります。
1. ビットコイン価格への依存度が非常に高い:
- BTC価格暴落時には、MARA株価も大幅下落するリスク
- 年間-45%の下落を経験(2024-2025)
2. 規制リスク:
- 暗号資産規制の強化により、マイニング事業が制限される可能性
- 各国政府の暗号資産政策の変更に注意が必要
3. エネルギーコストの変動:
- 電力価格の上昇により、マイニングコストが増加する可能性
- エネルギー市場の動向をモニタリングする必要がある
4. ESG(環境・社会・ガバナンス)懸念:
- ビットコインマイニングは大量の電力を消費するため、環境(E)への影響が懸念される
- ESGを重視する機関投資家の投資判断に影響する可能性
これらのリスクを理解した上で、慎重に投資判断を行うことが重要です。
まとめ:MARA投資のポイント
NASDAQ:MARA(MARA Holdings, Inc.)は、ビットコインマイニング大手で、上場企業中MicroStrategyに次ぐ2位のビットコイン保有量(52,850 BTC)を誇るデジタル資産技術企業です。2025年Q3には黒字転換を達成し、AI・HPC事業への戦略的シフトで多角化を進めています。
MARA株への投資を検討する際は、以下の点を確認しましょう:
投資のポイント:
- ビットコイン価格との強い連動性があり、BTC価格を常にチェックすることが重要
- 高ボラティリティ(年間-45%の下落)のため、リスク許容度に応じた投資額を設定
- ドルコスト平均法で一括投資の「高値掴み」リスクを軽減
- AI・HPC事業への多角化で、ビットコイン依存度を下げる戦略的シフトを評価
- アナリスト平均目標株価$22-27で、現在値$12から約68-100%の上昇余地
次のアクション:
- MARA Holdings公式IRサイト(ir.mara.com)で月次のビットコイン生産量・保有量レポートを確認
- ビットコイン価格の動向を追跡(CoinMarketCap、CoinGecko等)
- 日本の証券会社で米国株取引口座を開設
- ドルコスト平均法で少額から投資を開始し、長期投資視点を持つ
- 規制リスク、エネルギーコスト、ESG懸念を定期的に確認
MARA株は、ビットコイン価格上昇の恩恵を受けられる一方、高ボラティリティと複数のリスク要因があります。長期的な視点で、リスクを理解した上で投資判断を行いましょう。
※投資判断は自己責任で行ってください。この記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の推奨を行うものではありません。過去のパフォーマンスは将来のリターンを保証しません。暗号資産関連株は高リスクであることを十分に理解した上で投資してください。
