製薬大手AbbVie株をNYSEで調べたいけれど、どこから始めればいい?
高配当株として注目されるAbbVie(ティッカー:ABBV)株に興味があるけれど、「NYSEでどうやって情報を確認するの?」「製薬業界って複雑そう...」と感じていませんか?米国製薬大手の企業情報を正しく把握することは、投資判断の第一歩です。
この記事では、NYSEでのABBV株情報の調べ方、企業概要、事業内容、株価・配当データ、製薬セクターの特徴とリスクまで実務的に解説します。
この記事のポイント:
- AbbVieはティッカー「ABBV」でNYSE上場、2013年にAbbott Laboratoriesからスピンオフ
- 時価総額約$410.5B(約41兆円)、配当利回り約3.4%で11年連続増配
- Humira特許切れ後、Skyrizi/Rinvoqが2024年に前年比+51%成長($17.7B)
- 2025年EPS予想が$12.12-$12.32(2024年比+21%)と大幅成長を見込む
- 製薬セクターは景気変動に強いが、政府規制・新薬開発リスクに注意が必要
1. AbbVie(ABBV)とは:製薬大手の基本情報
まずAbbVieの基本情報を確認しましょう。
(1) ティッカーシンボル:ABBV
ABBVは、AbbVie Inc.のNYSE(ニューヨーク証券取引所)での証券コードです。株価情報を検索する際、証券会社のアプリやウェブサイトで「ABBV」と入力すればAbbVie株が表示されます。
(2) NYSE上場・2013年にAbbottからスピンオフ
AbbVieは2013年にAbbott Laboratoriesからスピンオフ(分離独立)して設立された製薬会社です。Abbott Laboratoriesの研究開発型医薬品部門が独立する形で誕生しました。
スピンオフ後、AbbVieは免疫学、がん治療、美容医療などの領域に注力し、急成長を遂げました。
(3) 時価総額と業界内での位置づけ
2025年11月時点で、AbbVieの時価総額は約$410.5B(約41兆円)です。米国製薬業界でトップクラスの規模を誇り、世界中で医薬品を提供しています。
2. NYSEでABBV株情報を調べる方法
実際にABBV株の情報をどこで確認できるのか見ていきましょう。
(1) NYSE公式サイトでの検索方法
NYSE公式サイト(https://www.nyse.com/)にアクセスし、検索窓に「ABBV」と入力すれば、AbbVie株の専用ページが表示されます。株価、出来高、企業概要などが確認できます。
(2) Yahoo FinanceでのABBV株情報確認
Yahoo Finance(https://finance.yahoo.com/quote/ABBV/)では、リアルタイム株価、株価チャート、財務データ、ニュース、アナリストレーティングなどを無料で確認できます。
2025年11月時点で、株価は$218.67-$232.29の範囲で推移しています。52週レンジは$163.81~$244.81となっています。
(3) 日本の投資プラットフォームでの情報収集
日本の投資家向けには、以下のプラットフォームでABBV株の情報を日本語で確認できます:
- みんかぶ(米国株): 目標株価、アナリストレーティング、配当情報
- 株探(米国株): 業績推移、財務データ
- Bloomberg Markets: リアルタイム株価、チャート
これらのサイトで「ABBV」または「アッヴィ」で検索すれば、日本語で詳細情報が入手できます。
3. ABBV株の株価・配当・業績データ
ABBV株の具体的なデータを見ていきましょう。
(1) 株価チャートと52週レンジ
52週レンジが$163.81~$244.81と、株価は約50%の範囲で変動しています。1年間のパフォーマンスは+35.31%と好調です。
アナリストの平均目標株価は$236.47-$240.4で、現在価格から約8-10%の上昇余地があると評価されています(2025年11月時点)。
(2) 配当利回りと11年連続増配の実績
ABBVは四半期配当$1.64/株(年間$6.56)を支払っており、利回りは約3.4%です。11年連続増配を達成しており、配当成長株として長期投資家に人気があります。
過去3年間の配当成長率は3.48%、過去5年間は4.76%と、安定した配当成長を実現しています。
(3) 2025年Q3決算と通期ガイダンス
2025年Q3決算では以下の結果を発表しました:
- 売上: $15.78B(前年比+9.1%)
- 調整後EPS: 市場予想を上回る好結果
- 通期EPS予想: $12.12-$12.32(2024年比+21%)
業績は堅調に推移しており、アナリストのコンセンサスレーティングは「強気買い」です。P/E ratio(株価収益率)は16倍未満と、成長性を考慮すると割安水準にある可能性があります。
4. Humira特許切れとSkyrizi/Rinvoq成長戦略
AbbVieの最大の課題と成長戦略を見ていきましょう。
(1) Humira売上減少(ピーク比-58%)の影響
Humira(アダリムマブ)は、かつてAbbVieの最大の売上製品でした。関節リウマチ等の治療薬として世界中で使用されていましたが、2023年に米国で特許が切れ、バイオシミラー(バイオ医薬品の後発品)が複数登場しました。
その結果、2024年のHumira売上は$9B(ピーク時比-58%)まで減少しました。
(2) Skyrizi/Rinvoqの急成長(2024年$17.7B、前年比+51%)
Humira売上減少を補うため、AbbVieはSkyrizi(リサンキズマブ、乾癬・クローン病治療薬)とRinvoq(ウパダシチニブ、関節リウマチ治療薬)に注力しています。
2024年、この2製品の売上は$17.7B(前年比+51%)と急成長しました。Humira除外ベースでは、2024年の全体売上が+18%成長しており、新薬への移行は順調に進んでいます。
(3) 2027年売上目標$31B以上
AbbVieは、Skyrizi/Rinvoqの2027年売上目標を$31B以上に設定しています(2024年実績$17.7B)。年平均成長率30%以上を見込む野心的な計画です。
この計画が達成されれば、Humira特許切れの影響を完全に克服し、さらなる成長軌道に乗ることができます。
5. 製薬セクター投資の特徴とリスク
製薬セクターには独特の特徴とリスクがあります。
(1) ディフェンシブセクターとしての特徴
製薬セクターは、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブセクターとされています。理由は以下の通りです:
- 医薬品は景気に関わらず必要とされる
- 高齢化社会により需要が安定的に拡大
- 長期投資に適した業種
(2) 政府規制・薬価引き下げリスク
一方で、製薬業界は政府規制の影響を受けやすい点に注意が必要です。米国では薬価引き下げ圧力が高まっており、承認遅延のリスクも常に存在します。
2025年11月には、AbbVieがGoogle系Calico(長寿薬開発)との提携(2014年開始、$1.5B規模)を解消し、研究者を解雇したことが報じられました。研究開発戦略の見直しが進行中であることを示唆しています。
(3) 新薬開発と特許切れのサイクル
製薬業界は、新薬開発の成功と特許切れのサイクルに左右されます。Humiraの事例が示すように、主力製品の特許切れは売上に大きな影響を与えます。
一方で、Skyrizi/Rinvoqのように新薬が成功すれば、大きな成長が期待できます。AbbVieは2024年にCerevel(神経科学)とImmunoGen(がん治療)を買収し、ポートフォリオを強化しています。
6. まとめ:ABBV株の情報収集と投資判断
ABBV株の情報収集方法と製薬セクターの特徴を解説しました。
まとめのポイント:
- ティッカー「ABBV」でNYSE・Yahoo Finance・日本の投資プラットフォームで情報確認
- 時価総額$410.5B、配当利回り約3.4%で11年連続増配
- Humira特許切れ後、Skyrizi/Rinvoqが2024年に前年比+51%成長
- 2025年EPS予想が2024年比+21%と大幅成長を見込む
- ディフェンシブセクターだが、政府規制・新薬開発リスクに注意
次のアクション:
- AbbVie公式IR(https://www.abbvie.com/investors.html)で最新決算情報を確認する
- Yahoo Financeでリアルタイム株価とアナリストレーティングをチェックする
- 日本のネット証券(SBI、楽天、マネックス等)で米国株口座を開設する
- 製薬セクター全体の動向を定期的に追う
- 為替リスクや税金についても理解を深める
重要な注意事項:
- Humira売上が2024年にピーク時比-58%($9B)まで減少しており、Skyrizi/Rinvoqの成長が予想を下回ると業績に大きな影響が出ます。
- 製薬業界は政府規制の影響を受けやすく、薬価引き下げや承認遅延のリスクが常に存在します。
- 2025年11月にCalico提携を解消し人員削減を発表しており、研究開発戦略の見直しが進行中です。
- 為替リスク:ドル建て投資のため、円高ドル安になると円換算での資産価値が減少します。
- 投資判断は自己責任で行ってください。この記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の購入を推奨するものではありません。
※この記事の情報は2025年11月時点のものです。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
