NYSE NOWとは?ServiceNowの基本情報
「NYSE NOW」という株式コードを見かけたことはありませんか?これは、ビジネスワークフローの自動化とAIプラットフォームを提供するServiceNow, Inc.のティッカーシンボルです。クラウド・SaaS企業として高い成長性を誇る同社について、投資方法や企業概要を詳しく解説します。
この記事のポイント:
- ServiceNowはAIプラットフォームとクラウドベースのワークフロー自動化ソリューションを提供
- NYSE(ニューヨーク証券取引所)にティッカーシンボル「NOW」で上場
- 2024年の売上は前年比22.44%増、2025年TTMでは28.8%成長と高成長を維持
- 5対1の株式分割を承認、投資のハードルを引き下げ
- 配当なし(無配当成長株)、利益を事業拡大に再投資
(1) NYSEとティッカーシンボル「NOW」の基礎知識
NYSE(New York Stock Exchange)は、ニューヨーク証券取引所の略称で、世界最大の株式市場です。ServiceNow, Inc.は、このNYSEにティッカーシンボル「NOW」で上場しています。
ティッカーシンボルは、株式を識別するためのコードで、投資家が株式を売買する際に使用します。日本の証券会社でNOW株を購入する場合も、「NOW」というシンボルで検索して注文を出します。
(2) ServiceNowの企業概要と歴史
ServiceNowは、2003年にFred Luddyによって創業されたクラウドソフトウェア企業です。カリフォルニア州サンタクララに本社を置き、現在は時価総額約1,786億ドル(約27兆円)に達する大企業となっています。
2025年11月時点の株価は約864.04ドルで、2025年は株価が12.8%下落したものの、長期的には高い成長性が評価されています。
※出典: Yahoo Finance、CNBC、2025年11月時点
(3) S&P100・S&P500指数の構成銘柄としての位置づけ
ServiceNowは、S&P100およびS&P500指数の構成銘柄に選ばれています。これは、米国の主要企業として認められている証です。機関投資家の注目度が高く、インデックスファンドにも組み込まれているため、安定した需要があります。
ServiceNowの事業内容と特徴
(1) AIプラットフォームとワークフロー自動化
ServiceNowの主力事業は、ビジネスワークフローの自動化とAIプラットフォームの提供です。企業の日常業務を自動化することで、従業員が創造的な業務に集中できる環境を作ります。
具体的には、以下のような機能を提供しています。
- ITサービスマネジメント: IT部門のインシデント管理、問題管理、変更管理を自動化
- カスタマーサービス: 顧客からの問い合わせ対応を効率化
- HR業務: 従業員のオンボーディングや休暇申請などの人事業務を自動化
- セキュリティ管理: セキュリティインシデントの検知と対応を自動化
(2) クラウドベースのITサービスマネジメント
ServiceNowのソリューションは、すべてクラウドベースで提供されます。企業は専用のサーバーを用意する必要がなく、インターネット経由で簡単に導入できます。
クラウドベースのメリットは以下の通りです。
- 初期コストの削減: オンプレミス(自社サーバー)と比べて初期投資が少ない
- 柔軟な拡張性: 事業の成長に応じてサービスを拡張できる
- 自動アップデート: 常に最新の機能を利用できる
(3) サブスクリプション収益モデルの強み
ServiceNowは、サブスクリプション収益モデルを採用しています。顧客が月額または年額で利用料金を支払う仕組みで、安定した収益基盤を確保しています。
2025年のサブスクリプション収益ガイダンスは128.35〜128.45億ドルに引き上げられており、強い需要と高い更新率(既存顧客の継続利用率)が成長を牽引しています。
※出典: Yahoo Finance、2025年11月時点
(4) 2025年Q3決算と業績成長
2025年第3四半期の決算では、売上が前年同期比20.5%増の34.1億ドルを達成しました。AI関連ソリューションの新規採用が成長を牽引しており、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要の高まりを反映しています。
業績推移:
- 2024年の売上: 109.8億ドル(前年比22.44%増)
- 2025年TTM(直近12ヶ月)の売上: 126.7億ドル(前年比28.8%増)
※出典: MarketBeat、2025年11月時点
NOW株の株価推移と成長性
(1) 株価の推移と時価総額
2025年11月時点のNOW株価は約864.04ドルです。2025年は株価が12.8%下落しており、NASDAQ指数の22%上昇と比べるとアンダーパフォームしています。
ただし、長期的には高い成長性が評価されており、時価総額は約1,786億ドル(約27兆円)に達しています。
※出典: Yahoo Finance、MarketBeat、2025年11月時点
(2) 2024年の売上22.44%増、2025年TTMで28.8%成長
ServiceNowの売上成長率は、SaaS企業の中でも高水準を維持しています。2024年の売上は前年比22.44%増、2025年TTM(直近12ヶ月)では28.8%成長と、加速傾向にあります。
この成長は、AI関連ソリューションの新規採用と既存顧客の利用拡大によるものです。
(3) 5対1の株式分割で投資のハードルを引き下げ
ServiceNowは、5対1の株式分割を承認しました。株式分割とは、1株を5株に分割することで、株価を5分の1に引き下げる措置です。
株式分割のメリット:
- 株価が下がり、個人投資家が購入しやすくなる
- 発行済株式数が増え、流動性が向上する
- 株主数が増加し、株式の取引が活発になる
例えば、分割前の株価が864ドルの場合、分割後は約172.8ドルになります(5分の1)。これにより、少額から投資しやすくなります。
(4) アナリスト評価Strong Buyと目標株価$1,131(31%上昇余地)
30名のアナリストによる平均評価は「Strong Buy(強い買い推奨)」で、目標株価は1,131.28ドルとされています。現在の株価から約31.26%の上昇余地があることを示しています。
アナリストが高く評価する理由は、以下の通りです。
- AI関連ソリューションの成長性
- サブスクリプション収益の安定性
- クラウド市場の拡大による追い風
※出典: MarketBeat、Stock Invest、2025年11月時点
日本からNOW株を購入する方法
(1) 日本の証券会社での購入手順(SBI証券、楽天証券等)
日本からNOW株を購入するには、米国株取引が可能な証券会社で口座を開設する必要があります。主要な選択肢は以下の通りです。
SBI証券
- 取引手数料: 約定代金の0.495%(上限22ドル)
- 為替手数料: 片道25銭
- 米国株の取扱銘柄が豊富
楽天証券
- 取引手数料: 約定代金の0.495%(上限22ドル)
- 為替手数料: 片道25銭
- 楽天ポイントが貯まる・使える
マネックス証券
- 取引手数料: 約定代金の0.495%(上限22ドル)
- 為替手数料: 片道25銭(買付時は無料キャンペーン実施中の場合あり)
- 米国株の情報ツールが充実
購入手順は以下の通りです:
- 証券会社の米国株口座を開設
- 日本円を米ドルに両替
- ティッカーシンボル「NOW」で検索
- 希望の株数と価格を入力して注文
NOW株は1株から購入できるため、少額からの投資も可能です。
(2) 必要な資金の目安(1株約856ドル、約13万円)
NOW株を1株購入する場合、必要な資金は以下の通りです。
- 株価: 約856ドル(約13万円、1ドル=153円換算)
- 取引手数料: 約4.24ドル(株価の0.495%)
- 為替手数料: 往復で約50銭(1ドルあたり)
株式分割後は、株価が5分の1(約171ドル、約2.6万円)になるため、より少額から投資しやすくなります。
※出典: Yahoo Finance、2025年11月時点
NOW株投資における税金と為替の注意点
(1) 米国株の税金(売却益課税、外国税額控除)
NOW株は無配当株のため、配当税の心配はありません。ただし、売却益については日本で20.315%の税金がかかります。
特定口座(源泉徴収あり)を利用すれば、証券会社が自動的に税金を計算・納付してくれます。
※出典: 国税庁
(2) 為替リスクと為替手数料
米国株はドル建てで取引されるため、為替レートの変動により円換算での損益が変わります。株価が上昇しても、円高ドル安が進めば、円換算での利益が減少する可能性があります。
為替手数料も考慮が必要です。日本円を米ドルに交換する際、片道25銭程度の手数料がかかることが一般的です。
(3) テクノロジーセクター特有のリスク(競争激化、株価ボラティリティ)
テクノロジーセクターの株式は、競争激化やテクノロジー変化により市場シェアを失うリスクがあります。AI市場は急速に成長していますが、競合他社(Salesforce、Microsoft等)も同様のソリューションを提供しており、競争は激しいです。
また、NOW株は株価のボラティリティ(変動性)が高く、短期的には大きく下落する可能性もあります。2025年は株価が12.8%下落しており、市場全体(NASDAQ +22%)に対してアンダーパフォームしています。
(4) 配当なし(無配当成長株)
ServiceNowは配当を支払っていません。成長企業のため、利益を配当ではなく事業拡大に再投資しています。
配当収入を期待する投資家には不向きですが、株価成長を期待できるため、長期的なキャピタルゲイン(値上がり益)を狙う投資家には魅力的です。
まとめ:ServiceNow株への投資判断のポイント
NYSE NOW(ServiceNow株)は、AIプラットフォームとワークフロー自動化ソリューションを提供するクラウド企業として、高い成長性を誇ります。2024年の売上は前年比22.44%増、2025年TTMでは28.8%成長と、SaaS企業の中でも高水準の成長率を維持しています。
投資判断のポイント:
- サブスクリプション収益モデルで安定した収益基盤を確保
- AI関連ソリューションの成長性が高く評価されている
- 5対1の株式分割で投資のハードルが下がる
- 配当なし(無配当成長株)のため、インカムゲイン(配当収入)は期待できない
- テクノロジーセクター特有のリスク(競争激化、株価ボラティリティ)に注意が必要
次のアクション:
- 各証券会社の米国株取引条件を比較する
- 最新の決算資料を確認し、業績成長を追跡する
- 株式分割のスケジュールを確認し、分割後の購入を検討する
- テクノロジーセクターのリスクと自分のリスク許容度を照らし合わせる
ServiceNow株への投資は、高成長を期待する投資家にとって魅力的な選択肢ですが、株価のボラティリティや競争リスクを理解した上で、慎重に判断することが大切です。
