NYSE QS銘柄の基礎知識 - ティッカーシンボルと銘柄情報の見方

著者: Single Stock編集部公開日: 2025/11/17

NYSE QSとは?QuantumScape銘柄の概要

「NYSE QS」で検索している方は、おそらくニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している「QS」というティッカーシンボルの銘柄情報を探しているのではないでしょうか。

この記事では、NYSE QS銘柄(QuantumScape Corporation)の基礎知識、ティッカーシンボルとNYSEの仕組み、株価動向、日本からの取引方法を解説します。

この記事のポイント:

  • NYSE QSはQuantumScape Corporation(全固体電池開発企業)のティッカーシンボル
  • 時価総額約81.6億ドル、フォルクスワーゲンやビル・ゲイツが投資家
  • 2025年11月時点で株価は年初から180-200%上昇、ボラティリティが高い
  • 商業生産は2027-2028年予定だが、技術開発のリスクあり
  • 日本の主要証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券)で取引可能

(1) QuantumScape Corporation(QS)とは

QuantumScape Corporation(ティッカー:QS)は、次世代の電気自動車(EV)向け全固体電池を開発する米国企業です。2010年に設立され、2020年にSPAC(特別買収目的会社)を通じてニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しました。

全固体電池は、従来のリチウムイオン電池と比べて、エネルギー密度が高く、安全性に優れているとされています。QuantumScapeは、この技術の実用化を目指し、自動車メーカーとの提携を進めています。

(2) 時価総額と主要投資家(フォルクスワーゲン、ビル・ゲイツ)

2025年11月時点で、QuantumScapeの時価総額は約81.6億ドルです。主要投資家には、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲンや、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツが名を連ねています。

フォルクスワーゲンは、QuantumScapeの最大の戦略的パートナーであり、2025年7月には同社の子会社PowerCoとライセンス契約を更新し、最大1億3100万ドルのマイルストーン支払いを行うことで合意しています。

ティッカーシンボルとNYSE(ニューヨーク証券取引所)の基礎知識

米国株投資を始める際、まず理解しておきたいのが「ティッカーシンボル」と「NYSE」の仕組みです。

(1) ティッカーシンボル「QS」の意味

ティッカーシンボルとは、株式市場で取引される企業を識別するための略称です。米国株の場合、通常1-5文字のアルファベットで表されます。例えば、AppleはAAPL、MicrosoftはMSFTといった具合です。

「QS」は、QuantumScape Corporationのティッカーシンボルです。ティッカーシンボルは企業名の略称であり、投資判断の前に企業の事業内容や財務状況を確認することが重要です。

(2) NYSEとNASDAQの違い

米国には主に2つの株式市場があります:

NYSE(ニューヨーク証券取引所):

  • 世界最大の株式市場
  • 大型株中心(時価総額が大きい企業)
  • 上場基準が厳格
  • 歴史ある伝統的な企業が多い

NASDAQ(ナスダック):

  • テクノロジー企業中心
  • 新興企業が多い
  • 電子取引システム
  • Apple、Microsoft、Teslaなどが上場

QuantumScape(QS)はNYSEに上場していますが、テクノロジー企業でもあるため、どちらの市場の特徴も持ち合わせています。

(3) 大型株中心のNYSEの上場基準

NYSEは上場基準が厳格で、企業は一定の時価総額、株主数、財務基準を満たす必要があります。このため、NYSE上場企業は一般的に信頼性が高いとされていますが、これは投資リスクがゼロという意味ではありません。

QuantumScapeはまだ利益を上げていない成長企業であり、技術開発の進捗により株価が大きく変動する可能性があります。

QuantumScape(QS)の事業内容と全固体電池技術

QuantumScapeの最大の特徴は、次世代の全固体電池技術の開発に特化していることです。

(1) 全固体電池とリチウムイオン電池の違い

従来のリチウムイオン電池:

  • 液体電解質を使用
  • 過熱や発火のリスク
  • エネルギー密度に限界

全固体電池:

  • 固体電解質を使用
  • 安全性が高い(発火リスク低減)
  • エネルギー密度が高い(航続距離の延長)
  • 充電時間が短い

全固体電池は、電気自動車の航続距離を大幅に延長し、充電時間を短縮できる可能性があるとされています。QuantumScapeは、この技術の商業化を目指しています。

(2) Cobra製造プロセス(25倍の熱処理速度)

2025年4月、QuantumScapeは「Cobra」と呼ばれる新しい製造プロセスを統合しました。このプロセスは、従来の製造方法と比べて熱処理速度が25倍速く、数時間かかっていた工程が数分で完了するようになりました。

この技術革新により、量産化に向けた製造効率が大幅に向上したとされています。

(3) B1サンプル(QSE-5)の出荷と商業生産予定(2027-2028年)

2025年10月、QuantumScapeは「B1サンプル(QSE-5)」の出荷を開始しました。このサンプルは、自動車メーカーによるEV実装テスト用のプロトタイプです。

QSE-5の主な仕様:

  • 容量: 5Ah(アンペアアワー)
  • エネルギー密度: 844Wh/L(体積あたり)、301Wh/kg(重量あたり)

QuantumScapeは、2027-2028年に商業生産を開始する予定ですが、規制承認や製造スケールアップの遅延リスクがあり、予想時期は変わる可能性があります。

株価動向と投資判断のポイント(2024-2025年)

QuantumScape(QS)の株価は、技術開発の進捗により大きく変動します。

(1) 2025年11月時点の株価$13.43と年初から180-200%上昇

2025年11月16日時点で、QS株価は13.43ドルです。年初から180-200%上昇しており、全固体電池の技術開発が進展していることが投資家の期待を集めています。

ただし、週間では-17%の調整も見られ、短期的な変動が大きいことが分かります。

(2) 52週レンジ$3.40-$19.07の高ボラティリティ

過去1年間の株価は、最低3.40ドルから最高19.07ドルまで変動しています。これは、株価が5倍以上の範囲で動いたことを意味し、非常に高いボラティリティ(変動性)を示しています。

QuantumScapeのBeta値(市場全体との連動性)は2.74とされており、市場平均の2.74倍のボラティリティがあると言われています。このため、短期売買ではなく長期投資向きとされています。

(3) フォルクスワーゲンとのライセンス契約更新(最大1億3100万ドル)

2025年7月、QuantumScapeはフォルクスワーゲンの子会社PowerCoとライセンス契約を更新しました。この契約により、PowerCoは最大85GWh(ギガワットアワー)の生産能力ライセンスを取得し、QuantumScapeに最大1億3100万ドルのマイルストーン支払いを行う予定です。

この提携は、QuantumScapeの技術が大手自動車メーカーに評価されていることを示しています。

日本からNYSE QS銘柄を取引する方法

日本の投資家も、主要証券会社を通じてQuantumScape(QS)株を取引できます。

(1) 主要証券会社の銘柄検索ツール(SBI証券、楽天証券、マネックス証券)

以下の証券会社で、ティッカーシンボル「QS」を検索すれば、QuantumScape株の取引が可能です:

SBI証券:

  • 米国株取扱銘柄数が豊富
  • 銘柄検索ツールでティッカーシンボル「QS」を入力

楽天証券:

  • 楽天ポイントが貯まる・使える
  • 取引ツール「iSPEED」で米国株取引可能

マネックス証券:

  • 米国株情報が充実
  • 銘柄スカウター米国株で企業分析可能

(2) 取引手数料と為替手数料

米国株取引には、以下のコストが発生します:

取引手数料:

  • 約定代金の約0.495%(主要証券会社)
  • 最低手数料0ドル、上限22ドル程度

為替手数料:

  • 片道20-25銭程度(ドル転時)

SEC Fee:

  • 売却時に米国証券取引委員会手数料が発生

証券会社により手数料体系が異なるため、口座開設前に各社の手数料を比較することをおすすめします。

(3) 日本語での企業情報の入手方法(日経会社情報DIGITAL、Yahoo!ファイナンス)

日本語でQuantumScape(QS)の情報を入手する方法:

日経会社情報DIGITAL:

  • 日本経済新聞が提供する企業情報
  • QS株価、チャート、ニュースを日本語で確認可能

Yahoo!ファイナンス(日本版):

  • 「QS」で検索すればクァンタムスケープの株価情報が表示
  • チャート、企業概要、ニュースが日本語で閲覧可能

みんかぶ(米国株):

  • アナリストの目標株価やレーティングを確認可能

ただし、企業の決算資料(10-K、10-Q)や最新の技術発表は英語で公開されるため、重要な情報を直接確認したい場合は基本的な英語力があると有利です。

まとめ:NYSE QS銘柄への投資を検討する前に

NYSE QS(QuantumScape Corporation)は、全固体電池技術の開発に特化した成長企業です。フォルクスワーゲンやビル・ゲイツが投資していることから注目を集めていますが、まだ商業生産を開始していない段階であり、投資にはリスクが伴います。

投資判断のポイント:

  • 商業生産は2027-2028年予定だが、遅延リスクがある
  • 株価のボラティリティが非常に高い(Beta 2.74)
  • 技術開発のマイルストーン達成により株価が大きく変動する
  • 長期投資を前提とし、余裕資金で投資することが推奨される

次のアクション:

  • 証券会社の口座を開設し、銘柄検索ツールでティッカーシンボル「QS」を検索
  • 日経会社情報DIGITALやYahoo!ファイナンスで企業情報を確認
  • 企業の決算資料やニュースリリースで技術開発の進捗を追跡
  • リスク許容度を確認し、余裕資金の範囲で投資を検討

ティッカーシンボルは企業を識別するための略称であり、投資判断の前に企業の事業内容・財務状況・リスクを十分に理解することが重要です。投資判断は必ず自己責任で行ってください。

※この記事の情報は執筆時点(2025年11月)のものです。株価や企業情報は変化する可能性があるため、最新情報は証券会社や企業の公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q1QuantumScape(QS)はいつ商業生産を開始するのか?

A12027-2028年に商業生産を開始する予定です。ただし、規制承認や製造スケールアップの遅延リスクがあり、予想時期は変わる可能性があります。2025年10月にB1サンプル(QSE-5)の出荷を開始しており、自動車メーカーによるEV実装テストが進行中です。

Q2株価のボラティリティが高い理由は?

A2QuantumScapeはまだ利益を上げていない成長企業であり、技術開発のマイルストーン達成や投資家の期待により投機的な変動が大きくなっています。Beta値2.74で市場平均の2.74倍のボラティリティがあり、52週レンジは3.40ドルから19.07ドルと非常に広い範囲で変動しています。

Q3NYSEとNASDAQの違いは?

A3NYSEは世界最大の株式市場で大型株中心、上場基準が厳格です。一方、NASDAQはテクノロジー企業中心で新興企業が多く、電子取引システムを採用しています。QuantumScape(QS)はNYSEに上場していますが、テクノロジー企業でもあるため、どちらの市場の特徴も持ち合わせています。

Q4日本の証券会社でQS株を買えるのか?

A4はい、SBI証券、楽天証券、マネックス証券など主要証券会社で取引可能です。取引手数料は約定代金の約0.495%、為替手数料は片道20-25銭程度、売却時にSEC Fee(米国証券取引委員会手数料)が発生します。ティッカーシンボル「QS」で銘柄検索できます。

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Single Stock編集部

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