Amazon株はNASDAQ上場:投資の前に知っておきたい基礎知識
「AMZN NASDAQ」と検索している方は、Amazon株がNASDAQ市場に上場していることを確認したい、あるいはNASDAQという市場の特徴を知りたいと考えているのではないでしょうか。
Amazon.com, Inc.(ティッカーシンボル: AMZN)は、世界最大級のEC・クラウドサービス企業として、NASDAQ Global Select Marketに上場しています。NASDAQ市場はハイテク・IT企業が多く集まる電子株式市場として知られ、日本からも国内証券会社を通じて取引が可能です。
この記事では、Amazon株とNASDAQ市場の関係、基本情報、日本からの購入方法、投資時の注意点を解説します。
この記事のポイント:
- Amazon株はNASDAQ Global Select Market(最上位市場)に上場
- NASDAQ市場はハイテク企業中心の電子株式市場(1971年設立)
- 時価総額2.66兆ドル、AWS事業が成長を牽引
- 日本の証券会社(SBI・楽天・マネックス等)で取引可能
- 為替リスクとボラティリティに注意が必要
1. Amazon株とNASDAQ市場の関係
Amazon株とNASDAQ市場の関係について、上場市場の特徴と選ばれる理由を見ていきましょう。
(1) AMZNはNASDAQ Global Select Marketに上場
Amazon株(ティッカーシンボル: AMZN)は、NASDAQの中でも最上位市場である「NASDAQ Global Select Market」に上場しています。この市場は、NASDAQの3階層(Capital Market、Global Market、Global Select Market)の中で最も厳格な財務・流動性・ガバナンス要件を満たした企業のみが上場できる市場です。
Amazonは1997年、創業から3年後にNASDAQに上場しました。当時はまだオンライン書店としてのビジネスでしたが、現在では時価総額2.66兆ドル(2025年時点)の巨大企業に成長しています。
(2) なぜNASDAQなのか:ハイテク企業の特性
AmazonがNASDAQを選んだ背景には、NASDAQ市場の特性があります。NASDAQはハイテク・IT企業が多く上場する市場として知られ、電子取引システムによる高速取引が可能です。成長企業が資金調達と知名度向上を図る場として、歴史的にハイテク企業に選ばれてきました。
現在、Amazon以外にもApple、Microsoft、Googleなどの巨大IT企業がNASDAQに上場しており、「ハイテク企業の聖地」とも呼ばれています。
2. NASDAQ市場の基礎知識
NASDAQ市場の仕組みと特徴を理解しておくことで、Amazon株への投資判断がしやすくなります。
(1) NASDAQとは:世界初の電子株式市場
NASDAQ(National Association of Securities Dealers Automated Quotations)は、1971年に世界初の電子株式市場として設立されました。従来の立会場での取引と異なり、コンピューターネットワークを通じた電子取引を実現したことが画期的でした。
取引時間は米国東部時間の9:30-16:00で、昼休みはありません。また、プレマーケット(時間前取引)とアフターマーケット(時間外取引)も利用可能で、通常取引時間外でも取引できる点が特徴です。なお、NASDAQは2026年下期に24時間取引体制の導入を予定しており、国外投資家の需要に応える体制強化が進んでいます。
(2) NASDAQ100指数と構成銘柄
NASDAQ100指数は、NASDAQ上場の金融を除く時価総額上位100銘柄を対象とした指数です。時価総額加重平均で算出され、ハイテク・IT企業の動向を示す代表的な指標として知られています。
日本では、NASDAQ100指数に連動するETF(QQQ、日本では2568や2631)を通じて投資することも可能です。個別株ではなく指数全体に投資したい場合は、ETFを検討するのも一つの方法です。
(3) NYSEとの違い:取引方式と銘柄特性
NASDAQとNYSE(ニューヨーク証券取引所)は、米国の2大株式市場ですが、取引方式と銘柄特性に違いがあります。
- 取引方式: NASDAQは完全電子取引、NYSEは立会場と電子取引の併用
- 銘柄特性: NASDAQはハイテク・IT企業中心、NYSEは金融・伝統的大企業が多い
- 時価総額規模: NYSEが世界最大、NASDAQが第2位
Amazonのようなハイテク企業の多くはNASDAQを選択しますが、市場の選択自体が企業の優劣を示すものではありません。
3. Amazon(AMZN)株の基本情報
Amazon株の基本データと最近のパフォーマンスを確認しましょう。
(1) ティッカーシンボル・時価総額・業種
- ティッカーシンボル: AMZN
- 市場: NASDAQ Global Select Market
- 時価総額: 約2.66兆ドル(2025年時点)
- 業種: テクノロジー・サービス(EC・クラウドサービス)
- 株式種別: 普通株式(Common Stock)
Amazonは、EC事業とクラウドサービス(AWS)を主軸に、デジタル広告、動画配信、物流など多岐にわたる事業を展開しています。
(2) AWS事業が牽引する成長ストーリー
Amazonの成長を牽引しているのが、AWS(Amazon Web Services)事業です。AWSは年間110億ドル規模の収益を生み出しており、前年比19%の成長率を維持しています(2024年時点)。生成AI分野への積極投資も継続中で、クラウドインフラ市場でのリーダーシップを強化しています。
EC事業も引き続き堅調ですが、AWSの高い利益率がAmazon全体の収益構造を支えている点が注目されています。
(3) 2024-2025年のパフォーマンス実績
2024年、Amazon株は44%上昇し、S&P500指数の23%を大幅に上回るパフォーマンスを記録しました。45名のアナリストがStrong Buy(強い買い推奨)評価を付けており、2025年のアナリスト目標株価は248ドル(現在価格からの上昇余地13.2%)とされています。
ただし、2024年にAmazonは14,000人の人員削減を発表しており、コスト削減局面にある点も認識しておく必要があります。
4. 日本からAMZN株を購入する方法
日本からAmazon株を購入する方法と、取引時の確認ポイントを解説します。
(1) 国内証券会社での米国株取引
日本からNASDAQ上場株を購入するには、米国株取引に対応した国内証券会社の口座が必要です。主要な証券会社として以下が挙げられます。
- SBI証券: 手数料が業界最安水準、取扱銘柄5,000以上
- 楽天証券: 楽天ポイントが貯まる、UI/UXが使いやすい
- マネックス証券: 情報量と分析ツールが充実
いずれの証券会社も、為替手数料(片道25銭程度)と取引手数料(約定代金の0.495%、上限22ドル)がかかります。取引前に手数料体系を確認しておくことが推奨されます。
(2) 取引時間とプレ・アフターマーケット
NASDAQの通常取引時間は、米国東部時間の9:30-16:00(日本時間23:30-翌6:00、夏時間は22:30-翌5:00)です。昼休みはありません。
さらに、プレマーケット(時間前取引)とアフターマーケット(時間外取引)も利用可能です。これらの時間帯は流動性が低く価格変動が大きくなる傾向があるため、初心者は通常取引時間内での取引が推奨されます。
(3) 株価確認ツール(Yahoo!ファイナンス等)
株価確認には、以下のツールが便利です。
- Yahoo!ファイナンス(日本語): 日本語でのリアルタイム株価、チャート分析
- NASDAQ公式サイト(英語): 決算情報、アナリスト評価
- Google Finance(英語): 簡潔な株価データ、時価総額
複数のプラットフォームで株価を確認し、リアルタイムデータを比較することが推奨されます。
5. AMZN株投資の注意点とリスク
投資判断をする際には、リスクと注意点を理解しておくことが重要です。
(1) 為替リスク(ドル円変動)の影響
Amazon株はドル建て資産のため、為替レート(ドル円)の変動が日本円換算でのリターンに影響します。株価が上昇しても、円高が進めば日本円換算での資産価値は減少する可能性があります。
長期保有を前提とする場合、ドルコスト平均法(定期的に一定額を投資する方法)を活用することで、為替変動リスクを平準化できます。
(2) NASDAQのボラティリティと短期変動
NASDAQ市場はハイテク株中心であり、ボラティリティ(価格変動幅)が高い傾向があります。決算発表や経済指標の発表時には、短期的に大きな価格変動が起こることがあります。
短期的な価格変動に一喜一憂せず、企業の業績や成長性を中期的に評価する姿勢が求められます。
(3) アナリスト目標株価の見方
アナリストの目標株価(例: $248-$352)は、あくまで予想であり、実際の株価を保証するものではありません。複数のアナリスト評価を参考にしつつ、自分自身で財務データや事業内容を確認することが重要です。
四半期決算(10-Q)や年次報告書(10-K)を定期的にチェックし、AWS成長率や利益率の推移を追跡することが推奨されます。
6. まとめ:AMZN株投資の判断ポイント
Amazon株はNASDAQ Global Select Marketに上場し、ハイテク企業の代表格として成長を続けています。AWS事業の高成長率と、2024年の44%の株価上昇が示すように、市場からの期待も高い銘柄です。
日本からは国内証券会社を通じて取引可能ですが、為替リスクやボラティリティに注意が必要です。投資判断は自己責任で行い、長期的な視点で企業の成長性を評価することが推奨されます。
投資を検討する際の確認ポイント:
- AWS成長率と収益構造の変化
- 四半期決算の業績推移
- 為替レート(ドル円)の動向
- 自分の投資目的とリスク許容度
※投資判断は自己責任で行ってください。最新の財務データや市場動向は、NASDAQ公式サイトや企業のIRページでご確認ください。
