米国株の取引時間を知るべき理由
米国株投資を始めたいと考えている日本人投資家の多くが、「いつ取引できるのか?」という疑問を持っています。米国市場の取引時間は日本市場と大きく異なり、時差やサマータイムの影響を受けるため、正確な理解が必要です。
この記事では、米国株の取引時間を日本時間で解説し、サマータイムの切り替え、時間外取引(プレマーケット・アフターマーケット)、証券会社別の対応まで網羅的に説明します。
この記事のポイント:
- 米国株の通常取引時間は現地時間9:30-16:00(6.5時間、昼休みなし)
- 日本時間では標準時間23:30-6:00、サマータイム22:30-5:00となり、会社員でも夜間にリアルタイム取引可能
- プレマーケット・アフターマーケットを活用すれば最大14時間取引できるが、流動性リスクに注意
- サマータイム切り替え日(3月第2日曜・11月第1日曜)は取引時間が1時間ずれる
- 証券会社によって注文受付時間や時間外取引対応が異なる
米国株式市場の基本取引時間
(1) NYSE・Nasdaqの通常取引時間
米国の主要証券取引所であるニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダック(Nasdaq)の通常取引時間(Regular Trading Hours)は、米国東部時間(ET)の9:30 AM - 4:00 PMです。
この6.5時間が「立会時間」と呼ばれ、証券取引所を通じた正式な取引が行われる時間帯です。取引量が最も多く、流動性が高いため、初心者はこの時間帯での取引が推奨されます。
(2) 米国市場には昼休みがない
日本株式市場では前場(9:00-11:30)と後場(12:30-15:00)の間に1時間の昼休みがありますが、米国市場には昼休みがありません。9:30から16:00まで連続で取引が行われるため、日中の価格変動に対応しやすいのが特徴です。
(3) 2025年の休場日・早期終了日
米国株式市場は以下の祝日に休場となります(2025年の例):
- 1月1日(元日)
- 1月20日(キング牧師記念日)
- 2月17日(大統領の日)
- 4月18日(聖金曜日)
- 5月26日(戦没者追悼記念日)
- 7月4日(独立記念日)
- 9月1日(労働者の日)
- 11月27日(感謝祭)
- 12月25日(クリスマス)
また、7月3日、11月28日、12月24日は早期終了日となり、現地時間13:00(日本時間では標準時間2:00、サマータイム1:00)に取引が終了します。
最新の休場日情報は、NYSE公式サイト(https://www.nyse.com/markets/hours-calendars)で確認できます。
日本時間での取引時間(サマータイム対応)
(1) 標準時間(冬時間)での取引時間
米国が標準時間(11月第1日曜日~3月第2日曜日)の期間は、日本時間で23:30~翌朝6:00が通常取引時間となります。
日本は標準時(UTC+9)を年間通じて使用しますが、米国東部は冬季にUTC-5となるため、14時間の時差が生じます。
(2) サマータイム(夏時間)での取引時間
米国がサマータイム(Daylight Saving Time)を適用する期間(3月第2日曜日~11月第1日曜日)は、米国東部時間がUTC-4となり、日本時間で22:30~翌朝5:00が通常取引時間となります。
サマータイム期間中は取引開始・終了が1時間早まるため、日本の会社員にとってはより参加しやすい時間帯になります。
(3) サマータイム切り替え日の注意点
3月第2日曜日にサマータイムが開始され、取引時間が1時間早まります(23:30開始→22:30開始)。
11月第1日曜日にサマータイムが終了し、取引時間が1時間遅くなります(22:30開始→23:30開始)。
この切り替え日前後に指値注文を出す場合は、注文のタイミングに注意が必要です。証券会社によっては、切り替え日の案内メールを送付しているため、確認しておきましょう。
プレマーケット・アフターマーケット(時間外取引)
(1) プレマーケットとは
プレマーケット(Pre-Market Trading)は、通常の立会時間前に行われる時間外取引です。一般的には米国東部時間4:00 AM - 9:30 AMに実施されますが、活発な取引は8:00 AM以降に集中します。
日本時間では、標準時間で17:00-23:30(特に21:00以降)、サマータイムで16:00-22:30(特に20:00以降)となります。
(2) アフターマーケットとは
アフターマーケット(After-Hours Trading)は、通常の立会時間後に行われる時間外取引です。米国東部時間4:00 PM - 8:00 PMに実施されます。
日本時間では、標準時間で6:00-10:00、サマータイムで5:00-9:00となります。
(3) 時間外取引のリスクと注意点
時間外取引は流動性が低く、通常取引時間と比べて以下のリスクがあります(FINRAの警告より):
- 価格変動が大きい: 売買参加者が少ないため、通常時より不利な価格で約定する可能性がある
- スプレッドが広い: 買値と売値の差が大きく、コストが増加する
- プロトレーダーの比率が高い: 個人投資家に不利な環境になりやすい
FINRA(金融業規制機構)やSEC(米国証券取引委員会)は、初心者には時間外取引を推奨していません。取引する場合は、指値注文を活用し、成行注文は避けるべきです。
参考: FINRA「Extended-Hours Trading: Know the Risks」(https://www.finra.org/investors/insights/extended-hours-trading)
証券会社別の取引時間と注文受付
(1) 立会時間は証券会社共通
米国株式市場の通常取引時間(9:30-16:00 ET)は、すべての証券会社で共通です。NYSE・Nasdaqの取引時間に準じるため、どの証券会社を選んでも立会時間は変わりません。
(2) 注文受付時間の違い
一方、注文受付時間は証券会社によって異なります:
- 24時間受付対応: SBI証券、楽天証券など(システムメンテナンス時を除く)
- 営業日のみ受付: 一部のネット証券
- 電話注文対応時間: 証券会社ごとに異なる
注文受付時間が長い証券会社を選べば、日本時間の日中でも米国株の注文を出しておき、夜間の立会時間に自動的に執行されるため便利です。
(3) 時間外取引対応の有無
プレマーケット・アフターマーケットへの対応も証券会社により異なります:
- 対応あり: マネックス証券、IG証券など(手数料やルールが通常取引と異なる場合あり)
- 対応なし: 一部のネット証券(通常取引時間のみ)
時間外取引を活用したい場合は、口座開設前に対応状況を確認しましょう。
参考:
- SMBC日興証券「米国株式の取引時間は日本時間でいつ?」(https://www.smbcnikko.co.jp/products/stock/foreign/usa/knowledge/003.html)
- 三菱UFJ eスマート証券「米国株式 取引時間」(https://kabu.com/item/foreign_stock/us_stock/stock/hour.html)
まとめ:取引時間を理解して効率的な投資を
米国株の取引時間は、日本時間で標準時間23:30-6:00、サマータイム22:30-5:00となり、日本の会社員でも夜間にリアルタイムで取引できます。昼休みがなく6.5時間連続で取引できるのも、米国市場の大きな特徴です。
サマータイムの切り替え日(3月第2日曜・11月第1日曜)には取引時間が1時間ずれるため注意が必要です。また、プレマーケット・アフターマーケットを活用すれば最大14時間取引できますが、流動性リスクがあるため初心者は慎重に判断しましょう。
次のアクション:
- 証券会社の注文受付時間・時間外取引対応を確認する
- NYSE公式サイトで最新の休場日カレンダーをチェックする
- まずは通常取引時間(立会時間)での取引から始める
取引時間を正しく理解し、自分のライフスタイルに合った証券会社を選んで、米国株投資を始めましょう。
