NYSE: BTI株を検討しているけれど、どんな銘柄か分からない...
「NYSE: BTI」という表記を目にして、「これはどの企業の株なのか?」「どうやって投資すればいいのか?」と疑問に思う日本人投資家は少なくありません。BTIは高配当銘柄として注目されることが多い一方で、タバコ業界特有のリスクも存在します。
この記事では、NYSE: BTIの基本情報、事業内容、配当実績、日本からの投資方法、そしてリスクと注意点をわかりやすく解説します。
この記事のポイント:
- NYSE: BTIはブリティッシュ・アメリカン・タバコのADR(米国預託証券)
- 配当利回り約6.85%の高配当銘柄として評価されている
- 新カテゴリー製品(電子タバコVuse、加熱式タバコGlo)で成長を目指す
- 日本の主要証券会社で購入可能、NISAでの投資も可
- 紙タバコ販売の減少、規制強化、為替リスクに注意が必要
1. NYSE: BTIとは?ブリティッシュ・アメリカン・タバコの基本情報
(1) NYSE: BTIの表記が意味すること
「NYSE: BTI」は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している、ティッカーシンボルがBTIの銘柄を指します。この銘柄は、英国企業ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(British American Tobacco p.l.c.)のADR(米国預託証券)です。
ADRとは、外国株を米国市場でドル建てで取引できる証券のことで、BTIは英国株でありながら、ADRとしてNYSEで取引されるため、日本の証券会社から簡単に購入できます。
(2) ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の企業概要
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は、世界第3位のタバコ会社で、約180カ国で製品を販売しています。主力ブランドには、Lucky Strike、Dunhill、Kent、Pall Mallなどがあります。
2025年11月時点の株価は約57.06ドル、時価総額は約1,247億ドルとなっています。
(3) ADR(米国預託証券)とは何か
ADRは、外国企業の株式を米国市場で取引できるようにした証券です。BTIは英国企業ですが、ADRとしてNYSEで取引されることで、日本の投資家も米国株として購入できます。
ADRには税務上の利点もあり、配当は米国で10%源泉徴収された後、日本でも課税されますが、外国税額控除の制度を利用することで二重課税を調整できます。
2. BTIの事業内容と特徴(タバコ事業と新カテゴリー製品)
(1) 主力事業:世界180カ国でのタバコ販売
BTIの主力事業は紙タバコの製造・販売です。世界約180カ国で事業を展開し、幅広いブランドポートフォリオを持っています。
ただし、世界的な禁煙傾向により、紙タバコの販売は長期的な減少トレンドにあります。
(2) 新カテゴリー製品への転換(Vuse、Glo、Velo)
BTIは紙タバコの減少に対応するため、新カテゴリー製品に注力しています。主な製品は以下の通りです。
- Vuse(電子タバコ)
- Glo(加熱式タバコ)
- Velo(口腔用タバコ)
2024年の決算では、新カテゴリー製品の利用者が2,910万人に達し、全体売上の17.5%を占めるまでに成長しました。
(3) 紙タバコから次世代製品へのシフト戦略
BTIは、紙タバコから次世代製品へのシフトを戦略の中心に据えています。2024年には新カテゴリー利用者が360万人増加し、2025年も中位一桁成長を見込んでいます。
この転換が成功すれば、長期的な成長の基盤となる可能性があります。
3. NYSE: BTIの株価と配当情報
(1) BTIの株価推移(2025年は年初来46%上昇)
BTIの株価は2025年に大きく上昇しました。年初来で約46%上昇し、5年ぶりの高値圏で取引されています。
アナリストの目標株価は62ドル(現在価格から約13.80%の上昇余地)とされていますが、別の分析では「過大評価」との見方もあり、評価は分かれています。
(2) 配当利回り6.85%の高配当銘柄
BTIは高配当銘柄として知られています。2025年11月時点の配当利回りは約6.85%で、年間配当は3.04ドル、四半期配当は0.749ドルです。
過去5年間の平均配当利回りは7.9%と非常に高く、配当投資を重視する投資家にとって魅力的な銘柄と言えます。
(3) 過去5年間の配当履歴と株主還元
BTIは長年にわたり配当を継続してきました。2024年の配当成長率は2.0%で、2025年も継続的な配当成長を計画しています。
さらに、2024年に7億ポンドの自社株買いを実施し、2025年にはさらに9億ポンドを計画しています。過去5年間で280億ポンドを株主還元に充てており、株主重視の姿勢が見られます。
4. 日本からBTI株を購入する方法
(1) 米国株を取り扱う日本の証券会社で購入
BTI株は、米国株を取り扱う日本の主要証券会社で購入できます。
- SBI証券: 取引手数料が最安水準
- 楽天証券: 楽天ポイントが貯まる
- マネックス証券: 情報量が充実
各証券会社で口座を開設し、米国株取引を申し込めば、BTI株を購入できます。
(2) ADRとしてドル建てで取引
BTI株はADRとして取引されるため、ドル建てで購入します。購入時にはドルを準備するか、円をドルに両替する必要があります。
為替手数料は証券会社によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
(3) NISAでの投資も可能
BTI株はNISA(少額投資非課税制度)での投資も可能です。成長投資枠を利用すれば、年間240万円まで非課税で投資できます。
ただし、NISAでは外国税額控除が利用できないため、米国で10%源泉徴収された配当は取り戻せません。
5. BTI投資のリスクと注意点
(1) 紙タバコ販売の長期的減少トレンド
世界的な禁煙傾向により、紙タバコの販売は長期的に減少しています。健康意識の高まりや規制強化により、この傾向は今後も続くと見られています。
(2) 規制強化リスク(各国の増税・新規制)
タバコ業界は規制強化のリスクに常に直面しています。バングラデシュの物品税・VAT増税、オーストラリアの新規制など、2025年も逆風が続いています。
2025年の売上ガイダンスは約1%成長に留まっており、規制強化の影響が表れています。
(3) 為替リスク(英ポンド/ドル、ドル/円)
BTIは英国企業であり、配当は英ポンド建てで宣言されます。そのため、英ポンド/ドルレートの変動が配当額に影響します。
さらに、日本の投資家にとっては、ドル/円レートの変動も影響するため、二重の為替リスクがあります。
(4) ESG投資の流れとタバコ銘柄の除外リスク
近年、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資が広がっており、タバコ銘柄を投資対象から除外する動きがあります。
この流れが強まると、BTI株の需要が減少し、株価に悪影響を及ぼす可能性があります。
6. まとめ:NYSE: BTI投資の判断ポイント
NYSE: BTIは、高配当銘柄として魅力的な一方で、タバコ業界特有のリスクも抱えています。投資を検討する際は、以下のポイントを考慮しましょう。
投資判断のポイント:
- 配当利回り約6.85%の高配当は魅力的だが、配当の持続可能性を確認する
- 新カテゴリー製品への転換が成功するか注目する
- 紙タバコ販売の減少、規制強化リスクを理解する
- 為替リスク(英ポンド/ドル、ドル/円)を考慮する
- ESG投資の流れによる除外リスクを認識する
次のアクション:
- BTIの公式IR情報で最新の決算資料を確認する
- 主要証券会社の手数料や為替手数料を比較する
- NISAでの投資を検討する場合は、外国税額控除が利用できない点を理解する
投資判断は自己責任で行い、リスクを十分に理解した上で検討しましょう。
※本記事の情報は2025年11月時点のものです。最新の財務データや株価は、BTI公式IR(https://www.bat.com/investors-and-reporting)や証券会社のサイトでご確認ください。
