コカ・コーラ(NYSE: KO)とは?飲料大手の事業内容と配当・株価動向を解説

著者: Single Stock編集部公開日: 2025/11/14

コカ・コーラ(NYSE: KO)とは?飲料大手の事業概要

米国株投資において「KO NYSE」と検索すると出てくるのが、世界最大級の飲料メーカー、ザ・コカ・コーラ・カンパニーです。世界200以上の国と地域で事業を展開し、時価総額は約$308B(約46兆円)に達する大企業です。

コカ・コーラ株は、63年連続増配を達成した「配当貴族銘柄」として知られ、安定配当を重視する長期投資家から高い評価を受けています。ウォーレン・バフェットが1988年から保有し続けていることでも有名です。

この記事のポイント:

  • コカ・コーラは「KO」のティッカーシンボルでNYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場
  • 配当利回り3.02%、63年連続増配の実績を持つ配当貴族銘柄
  • 2024年に+12%上昇、2025年Q1には+15%上昇と好調なパフォーマンス
  • アナリスト13名の平均目標株価は$78.15(現在$71.5前後から+9%の上昇余地)
  • ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイが10%保有する長期投資銘柄
  • 日本の主要ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券)で取引可能

(1) コカ・コーラの企業概要と事業展開

ザ・コカ・コーラ・カンパニーは、1886年にアトランタで創業された世界最大級の飲料メーカーです。創業者ジョン・ペンバートンが開発した「コカ・コーラ」は、今や世界中で1日あたり約19億杯が消費される国際的なブランドとなっています。

主な事業領域:

  • 炭酸飲料(コカ・コーラ、スプライト、ファンタ等)
  • ジュース・乳製品飲料(ミニッツメイド、Del Valle等)
  • 水・スポーツドリンク(Dasani、Powerade、アクエリアス等)
  • お茶・コーヒー(ジョージア、FUZE Tea等)

世界200以上の国と地域で200以上のブランドを展開し、地域ごとの嗜好に合わせた製品ラインナップを提供しています。

(2) ティッカーシンボル「KO」とNYSE上場の意義

コカ・コーラのティッカーシンボルは「KO」で、NYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場しています。日本の証券会社では「NYSE:KO」として検索・取引が可能です。

NYSE上場企業は厳格な上場基準をクリアしており、財務健全性や情報開示の信頼性が高いとされています。コカ・コーラは1919年に上場して以来、100年以上の歴史を持つ老舗企業です。

(3) 200以上のブランドを持つグローバル企業

コカ・コーラは、「コカ・コーラ」というブランドだけでなく、200以上のブランドを世界中で展開しています。

主要ブランド例:

  • 炭酸飲料: コカ・コーラ、スプライト、ファンタ、Schweppes
  • ジュース: ミニッツメイド、Simply Orange
  • : Dasani、Smartwater、いろはす(日本)
  • スポーツドリンク: Powerade、アクエリアス
  • お茶・コーヒー: ジョージア、Honest Tea、FUZE Tea

日本でも馴染みのある「ジョージア」や「アクエリアス」もコカ・コーラの製品です。

コカ・コーラの事業ポートフォリオと収益構造

(1) 炭酸飲料事業の安定性

炭酸飲料(特にコカ・コーラブランド)は、コカ・コーラの収益の中核を占めています。世界的なブランド認知度と、長年培われた販売ネットワークにより、安定した収益基盤を持っています。

強みのポイント:

  • 世界中で1日約19億杯が消費される圧倒的なブランド力
  • ファストフード店やレストランとの強固な契約関係
  • 新興国市場での需要拡大

ただし、健康志向の高まりにより、砂糖入り炭酸飲料の需要は先進国で減少傾向にあります。そのため、コカ・コーラは低糖質・ノンシュガー製品(コカ・コーラ・ゼロ等)の開発に注力しています。

(2) ノンアルコール飲料・水事業への多角化

健康志向への対応として、コカ・コーラは水、お茶、ジュース、スポーツドリンクなどへの多角化を進めています。

多角化の具体例:

  • 水事業: Dasani、Smartwater、いろはす
  • お茶・コーヒー: ジョージア、Honest Tea
  • スポーツドリンク: Powerade、アクエリアス

これにより、炭酸飲料への依存度を下げ、健康志向の消費者ニーズに対応しています。

(3) アフリカ市場への拡大戦略

2025年、Coca-Cola HBC(コカ・コーラのボトリングパートナー)が、Coca-Cola Beverages Africaの75%株式を$2.6Bで買収しました。これにより、14のアフリカ市場に事業を拡大し、人口増加が続くアフリカでの成長機会を獲得しました。

新興国市場、特にアフリカ・アジアでの需要拡大は、コカ・コーラの長期成長戦略の重要な柱となっています。

配当貴族銘柄としての株主還元実績

(1) 63年連続増配の実績

コカ・コーラは、63年連続で配当を増やし続けている「配当貴族銘柄」です。配当貴族とは、25年以上連続増配を達成した企業を指す呼称で、米国株式市場で最も信頼される銘柄群の一つです。

配当の推移:

  • 1963年から連続増配を開始
  • 2024年時点で年間配当$2.04
  • 配当利回り3.02%(2024年11月時点)

この長期的な配当成長は、安定したキャッシュフローと、株主還元を重視する経営方針によるものです。

(2) 配当利回り3.02%の安定性

配当利回り3.02%は、S&P500の平均配当利回り(約1.5-2%)と比較して高い水準です。特に、成長株よりも配当収入を重視する投資家にとって魅力的な銘柄とされています。

配当投資のメリット:

  • 定期的な現金収入が得られる
  • 株価下落時も配当で損失をカバーできる可能性
  • 長期保有により複利効果で資産が増える

ただし、配当は企業業績や経営方針により変動する可能性があるため、過去の実績が将来を保証するものではありません。

(3) バフェットが1988年から保有する理由

ウォーレン・バフェットは、1988年にコカ・コーラ株を購入し、現在もバークシャー・ハサウェイのポートフォリオの約10%を占める主力銘柄として保有し続けています。

バフェットがコカ・コーラを評価する理由:

  • 世界的なブランド力と「経済的な堀(競争優位性)」
  • 安定したキャッシュフローと高い利益率
  • 長期的な配当成長の実績
  • 経営陣の株主還元方針

バフェットは「優良企業を適正価格で買い、長期保有する」投資哲学で知られており、コカ・コーラはその代表例です。

コカ・コーラ株の株価動向と2024-2025年の見通し

(1) 2024年の株価パフォーマンス(+12%)

2024年、コカ・コーラ株はYTD(年初来)で+12%上昇しました。特に2024年Q4の売上は前年比+6%と好調で、通期売上は$47B(過去10年で最高)を記録しました。

株価上昇の要因:

  • 好調な業績(売上+6%、フリーキャッシュフロー好調)
  • 新興国市場での需要拡大
  • 多角化戦略の進展

(2) アナリスト13名による平均目標株価$78.15

2025年11月時点で、13名のアナリストがコカ・コーラ株をカバーしています:

  • 平均目標株価: $78.15
  • 現在株価: $71.5前後
  • 上昇余地: +9.13%
  • 評価: Strong Buy(強い買い推奨)

市場では総じて強気の見方が優勢です。

(3) 2025年の成長見通し(オーガニック収益+5-6%)

2025年の業績予測:

  • オーガニック収益成長: +5-6%(買収・為替影響を除いた実質成長)
  • フリーキャッシュフロー: $9.5B見込み
  • 2025年Q1株価: +15%上昇(好調なスタート)

新興国市場での需要拡大と、多角化戦略(ノンアルコール飲料・水事業)が成長の鍵となります。

(4) バリュエーション評価(PER 30 vs PepsiCo PER 21)

コカ・コーラ株のPER(株価収益率)は約30と、競合のPepsiCo(PER 21)と比較して割高な水準です。

割高な理由:

  • 63年連続増配の実績による「配当プレミアム」
  • 世界的なブランド力と経済的な堀
  • 長期投資家からの根強い人気

一方、PERが高い銘柄は、市場環境が悪化した際に下落リスクが大きくなる傾向があるため、投資タイミングには注意が必要です。

日本からコカ・コーラ株に投資する方法

(1) SBI証券・楽天証券・マネックス証券での取引方法

日本の主要ネット証券では、米国株として「NYSE:KO」を取引できます。

主要ネット証券の特徴:

  • SBI証券: 米国株取引手数料が最安水準、取扱銘柄数も豊富
  • 楽天証券: 楽天ポイントが貯まる、UIが使いやすい
  • マネックス証券: 米国株の情報量が充実、分析ツールが豊富

いずれの証券会社も、米国株取引には専用口座の開設が必要です。為替手数料や取引手数料を事前に確認しておきましょう。

(2) NISAでの投資可否

コカ・コーラ株は、成長投資枠(旧一般NISA)での投資が可能です。ただし、つみたてNISAでは個別株が対象外のため、投資できません。

NISA口座で投資すれば、売却益や配当が非課税となるため、長期投資を検討する方にはメリットがあります。特に、配当利回り3%超のコカ・コーラ株は、NISA口座での配当非課税メリットを最大化できます。

(3) 為替リスクと税金の注意点

コカ・コーラ株は米ドル建てのため、為替変動の影響を受けます。

為替リスクの例:

  • 購入時: 1ドル=140円
  • 売却時: 1ドル=130円(円高ドル安) → ドル建てで利益が出ても、円換算では損失が出る可能性

税金の注意点:

  • 配当課税: 米国で10%源泉徴収後、日本でさらに約20%課税(外国税額控除で一部還付可能)
  • 売却益課税: 約20%の譲渡所得税(NISA口座なら非課税)

税金の詳細は税理士や国税庁のウェブサイトで最新情報を確認してください。

まとめ:コカ・コーラ株への投資を検討する際のポイント

コカ・コーラ(NYSE: KO)は、63年連続増配を達成した配当貴族銘柄として、安定配当を重視する長期投資家から高い評価を受けています。2024年には+12%上昇、2025年Q1には+15%上昇と好調なパフォーマンスを記録しました。

投資を検討する際のチェックポイント:

  • 配当利回り3.02%、63年連続増配の実績を理解する
  • ウォーレン・バフェットが1988年から保有し続ける理由(ブランド力・安定配当)を評価
  • PER 30と割高なバリュエーションを踏まえた投資タイミングを検討
  • 新興国市場での需要拡大と多角化戦略の進展を注視
  • 為替リスクを考慮し、ドルコスト平均法などで分散購入を検討
  • NISAの成長投資枠を活用して配当非課税メリットを享受

投資判断は自己責任で行い、ご自身のリスク許容度や投資目的に合わせて検討してください。

※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴いますので、ご自身の判断で行ってください。

よくある質問

Q1コカ・コーラのティッカーシンボルは何ですか?

A1コカ・コーラのティッカーシンボルは「KO」で、NYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場しています。日本の証券会社では「NYSE:KO」として取引できます。

Q2コカ・コーラ株の配当利回りと連続増配年数は?

A2配当利回りは3.02%(2024年時点)で、63年連続増配を達成しています。配当貴族銘柄(25年以上連続増配)として長期投資家に評価されており、安定した配当収入が期待できます。

Q3バフェットがコカ・コーラ株を保有し続ける理由は?

A3ウォーレン・バフェットは1988年から保有しており、世界的なブランド力と「経済的な堀(競争優位性)」、安定した配当成長を評価しています。バークシャー・ハサウェイは現在もコカ・コーラ株の10%を保有しています。

Q4為替リスクはどのように対処すればよいですか?

A4米ドル建て資産のため、円高ドル安で為替差損が発生します。長期投資前提なら、ドルコスト平均法(定期的な分散購入)で為替変動の影響を緩和できます。

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Single Stock編集部

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