ダウ先物チャートの見方とリアルタイム確認方法【日本時間対応】

著者: Single Stock編集部公開日: 2025/11/15

ダウ先物チャートで翌日の市場動向を予測する

米国株に投資していると、市場の取引時間外の動向が気になることがあります。「今夜の米国市場はどうなるのか?」「明日の日経平均は上がるのか、下がるのか?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

そんなときに役立つのが、ダウ先物(NYダウ先物)のチャートです。この記事では、ダウ先物の基本的な仕組み、チャートの見方、リアルタイムで確認できる無料ツール、そして実際の投資判断への活用法を解説します。

この記事のポイント:

  • ダウ先物は米国市場の取引時間外の動向を示す先行指標
  • CMEはほぼ24時間取引、大阪取引所は8:45~翌6:00(日中+夜間)
  • TradingView、Investing.com、Yahoo Finance、moomoo証券等で無料閲覧可能
  • moomoo証券は口座開設不要で無料リアルタイム表示
  • 日経平均との高い相関性があり、翌日の日本株予測に活用できる

(1) なぜダウ先物が注目されるのか

ダウ先物は、米国市場の取引時間外でも取引されています。そのため、米国株の現物市場が閉まっている時間帯でも、世界の投資家がダウ先物を通じて市場の動向を予測しています。

特に以下のような情報が発表された際、ダウ先物の動きは市場センチメントの先行指標として重要です:

  • 地政学リスク(戦争、テロ、選挙結果等)
  • FOMC(米連邦公開市場委員会)の政策発表
  • 主要企業の決算発表(時間外取引)
  • 経済指標の発表(雇用統計、GDP等)

(2) プレマーケット動向の把握と寄り付き前の予測

米国市場の取引開始前(プレマーケット時間帯: 午前4時~9時30分 米国東部時間)のダウ先物の動きは、その日の市場の寄り付き(始値)を予測する材料になります。

日本の投資家にとっても、米国市場の開始前にダウ先物をチェックすることで、保有している米国株や日本株のポジション調整を検討できます。

ダウ先物とは?現物株との違い

(1) ダウ先物の基礎知識(先物取引の仕組み)

ダウ先物は、ダウ工業株30種平均(DJIA: Dow Jones Industrial Average)を原資産とする先物取引です。先物取引とは、将来の特定日に特定価格で売買することを約束する契約であり、レバレッジ効果で少額の証拠金で大きな取引が可能です。

ダウ工業株30種平均は、Apple、Microsoft、Boeing、Johnson & Johnson、Coca-Cola、McDonald's等、米国を代表する30銘柄の株価平均です。

(2) E-mini Dow先物(YM)の概要

ダウ先物には、標準サイズと「E-mini Dow先物(ティッカー: YM)」があります。E-mini Dow先物は標準の1/5サイズで、個人投資家向けに設計されています。

E-mini Dow先物の特徴:

  • 1ポイント変動で5ドルの損益
  • 証拠金: 約5,000~10,000ドル程度(ブローカーにより異なる)
  • CME Globex電子取引システムでほぼ24時間取引可能

(3) 取引時間:CMEはほぼ24時間、大阪取引所は8:45~翌6:00

CME(シカゴ・マーカンタイル取引所):

  • 月~金 午後5時~午後4時15分(米国中部時間)
  • ほぼ24時間取引が可能
  • 日曜日午後5時(米国時間)から取引開始(サンデーダウ)

大阪取引所:

  • 日中立会: 8:45~15:45
  • 夜間立会: 17:00~翌6:00

大阪取引所でもNYダウ先物が取引されており、日本の投資家は日本時間で取引できます。

(4) 現物株との価格差と先行性

ダウ先物は現物株よりも先に動くことが多く、市場の先行指標として機能します。ただし、先物価格と現物価格には一定の価格差(ベーシス)があり、常に一致するわけではありません。

ダウ先物チャートの見方と無料ツール

(1) TradingView(高機能・カスタマイズ可能)

TradingViewは、高機能なチャートツールで、カスタマイズ性が高く、コミュニティ分析やトレードアイデアも豊富です。

URL: https://www.tradingview.com/symbols/CBOT_MINI-YM1!/

特徴:

  • 無料でも充実した機能(移動平均線、RSI、MACD、ボリンジャーバンド等)
  • 複数チャートの同時表示
  • トレンドライン、フィボナッチ等の描画ツール

初心者から上級者まで幅広く利用されています。

(2) Investing.com(日本語対応・テクニカル指標充実)

Investing.com日本版は、日本語で使いやすく、テクニカル指標も充実しています。

URL: https://jp.investing.com/indices/us-30-futures

特徴:

  • 日本語対応でわかりやすい
  • 5分足~月足まで多様な時間軸
  • 移動平均線、RSI、MACD、ストキャスティクス等の指標を表示可能

無料でリアルタイムチャート(一部遅延あり)を閲覧できます。

(3) Yahoo Finance(初心者向け・シンプル)

Yahoo Financeは、シンプルで初心者にも使いやすいツールです。

URL: https://finance.yahoo.com/quote/YM=F/

特徴:

  • E-mini Dow先物(YM=F)のチャート、ニュース、テクニカル指標を提供
  • 無料で基本的な情報を網羅
  • 初心者でも直感的に操作可能

(4) テクニカル指標(移動平均線、RSI、MACD、ボリンジャーバンド)の活用

ダウ先物チャートでは、以下のテクニカル指標がよく使われます:

  • 移動平均線: トレンドの方向性を把握(5日、25日、75日等)
  • RSI(相対力指数): 買われすぎ・売られすぎを判断(30以下で売られすぎ、70以上で買われすぎ)
  • MACD(移動平均収束拡散): トレンド転換のシグナル
  • ボリンジャーバンド: 価格のボラティリティとサポート・レジスタンスを示す

これらの指標を組み合わせることで、より精度の高い分析が可能になります。

リアルタイムチャートの確認方法(日本時間対応)

(1) moomoo証券(無料リアルタイム・口座開設不要)

moomoo証券は、無料でリアルタイムチャートを閲覧できます。口座開設も不要で、スマホアプリでも利用可能です。

URL: https://www.moomoo.com/ja/futures/YMCURRENT-US

特徴:

  • 日本語対応
  • リアルタイム表示(遅延なし)
  • マクロ経済データ、ドットチャートも日本語で確認可能

moomoo証券は、リアルタイム情報を無料で提供する数少ないツールの一つです。

(2) W-Index.com(5分ごと自動更新)

W-Index.comは、5分ごとに自動更新されるチャートを提供しています。

URL: https://www.w-index.com/minichart/ny-dow.html

日経225先物と並べて表示できるため、米国と日本の市場動向を同時に確認できます。

(3) 無料チャートの遅延時間(15~20分)と有料サービス

多くの無料チャートは、15~20分の遅延があります。リアルタイム情報が必要な場合は、以下の選択肢があります:

  • 証券会社の口座開設(SBI証券、楽天証券等でリアルタイムチャート提供)
  • 有料サービス(Bloomberg Terminal、CQG等)
  • moomoo証券(無料でリアルタイム)

(4) 日経225先物との比較・連動性

ダウ先物と日経225先物は高い相関性があります。ダウ先物が上昇すると、翌日の日経平均も上昇しやすい傾向があります。

W-Index.comでは、ダウ先物と日経225先物を並べて表示できるため、両市場の連動性を確認できます。

ダウ先物チャートを投資判断に活用する方法

(1) プレマーケット時間帯の動向把握

米国市場の取引開始前(プレマーケット時間帯)にダウ先物をチェックすれば、その日の市場の寄り付きを予測できます。

例えば、ダウ先物が大きく上昇している場合、米国株の現物市場も上昇して始まる可能性が高いです。

(2) 米国市場の開始前に日本株のポジション調整

日本の投資家にとって、ダウ先物の動きは日本株のポジション調整の材料になります。

ダウ先物が急落している場合、翌日の日経平均も下落する可能性が高いため、保有株の売却や損切り水準の見直しを検討できます。

(3) 地政学リスク・FOMC政策・企業決算の影響

ダウ先物は、以下のような出来事に敏感に反応します:

  • 地政学リスク: 戦争、テロ、選挙結果等
  • FOMC政策: 利上げ・利下げの決定
  • 企業決算: 主要企業(Apple、Microsoft等)の時間外決算発表

これらの出来事が発生した際、ダウ先物の動きを確認することで、市場のセンチメントを早期に把握できます。

(4) 先物は先行指標だが「必ず当たる予測」ではない

ダウ先物は市場の先行指標として有用ですが、「必ず当たる予測」ではありません。プレマーケットで上昇していても、現物市場が開始後に下落することもあります。

ダウ先物チャートはあくまで参考情報の一つであり、ファンダメンタルズ分析(企業の財務状況、経済指標等)や他の市場動向と組み合わせて総合的に判断することが重要です。

まとめ:ダウ先物チャートの活用と注意点

ダウ先物チャートは、米国市場の取引時間外の動向を把握し、翌日の投資判断に活かすための有用なツールです。TradingView、Investing.com、Yahoo Finance、moomoo証券等で無料閲覧でき、リアルタイム情報も入手可能です。

次のアクション:

  • moomoo証券やW-Index.comでダウ先物チャートを確認する習慣をつける
  • TradingViewやInvesting.comでテクニカル指標を活用した分析を学ぶ
  • ダウ先物と日経225先物の連動性を確認し、日本株のポジション調整に活用する
  • 地政学リスクやFOMC発表時には、ダウ先物の動きを注視する

ダウ先物チャートを上手に活用し、市場の先行動向を把握することで、より質の高い投資判断が可能になります。ただし、先物は先行指標であり「必ず当たる予測」ではないことを忘れず、複数の情報源を組み合わせて冷静に判断しましょう。

よくある質問

Q1ダウ先物チャートはどこで見られる?

A1TradingView、Investing.com、Yahoo Finance、moomoo証券等で無料閲覧可能です。moomoo証券は口座開設不要で無料リアルタイム表示できます。

Q2無料でリアルタイムチャートは見られる?

A2moomoo証券は無料リアルタイム対応です。他の多くは15~20分遅延があります。リアルタイムは有料サービスまたは証券口座開設が必要な場合が多いです。

Q3ダウ先物の取引時間は?

A3CME(シカゴ商品取引所)はほぼ24時間(米国中部時間 月~金 午後5時~午後4時15分)です。大阪取引所は8:45~翌6:00(日中+夜間立会)で取引できます。

Q4ダウ先物と日経平均の関係は?

A4高い相関性があります。ダウ先物が上昇すると翌日の日経平均も上昇しやすい傾向があります。ただし地政学リスクや円相場の影響で連動しない場合もあります。

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Single Stock編集部

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