NASDAQ ARMとは?アーム株の特徴と日本からの投資方法

著者: Single Stock編集部公開日: 2025/11/15

NASDAQ ARMとは何か

「NASDAQ ARM」という言葉を目にして、何のことか分からない方もいるでしょう。これは、Arm Holdings(アーム・ホールディングス)という企業の株式が、NASDAQ(ナスダック)に上場していることを示しています。

この記事では、NASDAQ ARMの基本情報、Arm Holdingsの企業概要、日本からの投資方法、メリットとリスクを具体的に解説します。

この記事のポイント:

  • NASDAQ ARMはArm Holdingsのナスダック上場株、ティッカーシンボルはARM
  • Arm HoldingsはCPU設計ライセンスを専門とする半導体企業
  • 2023年9月14日にNASDAQに上場(IPO価格63.59ドル)
  • ソフトバンクグループが2016年に買収し、現在も過半数を保有
  • 52週レンジが80~183ドルと変動が極めて大きく、ハイリスク・ハイリターン銘柄

(1) ティッカーシンボルARMの意味

ティッカーシンボルとは、株式を識別するための略称です。Arm Holdingsのティッカーシンボルは「ARM」です。

株価情報サイトや証券会社のアプリで「ARM」と検索すると、Arm Holdingsの株価や企業情報が表示されます。

(2) ナスダック(NASDAQ)について

NASDAQ(ナスダック)は、米国の電子株式市場で、特にテクノロジー企業が多く上場しています。

NASDAQに上場している企業には、Apple、Microsoft、Amazon、Google(Alphabet)など、世界的に有名なテクノロジー企業が含まれます。Arm Holdingsも、その一つです。

(3) 2023年9月のIPO(再上場)の経緯

Arm Holdingsは、2023年9月14日にNASDAQ市場に上場しました。IPO価格は63.59ドルでした。

実は、Arm Holdingsは以前も上場していましたが、2016年にソフトバンクグループに買収され、非公開企業となっていました。2023年のIPOは、再上場という形です。

参考: Yahoo Finance「Arm Holdings plc (ARM) Stock Price」
https://finance.yahoo.com/quote/ARM/

Arm Holdings(アーム・ホールディングス)の企業概要

(1) 事業内容(CPU設計ライセンス、半導体IPコア)

Arm Holdingsは、英国ケンブリッジに本社を置く半導体設計企業です。主な事業内容は以下の通りです。

  • CPU設計ライセンス: ARMアーキテクチャと呼ばれる省電力で高性能なCPU設計方式を開発し、他社にライセンス供与
  • 半導体IPコア: チップの設計図(知的財産、IP)を提供

Arm Holdingsは、半導体を製造するのではなく、設計図を作成して他社にライセンス供与するビジネスモデルです。

(2) 主要製品とサービス(スマホ・IoT向けCPU設計)

ARM設計のCPUは、世界中のスマートフォンのほとんどに搭載されています。iPhoneのApple A/Mシリーズチップ、AndroidスマホのQualcomm Snapdragonチップなど、多くがARMアーキテクチャを採用しています。

また、IoT(モノのインターネット)機器、車載システム、サーバーなど、幅広い分野でARM設計が使用されています。

「世界人口の7割が使う技術」とも言われており、ARM設計のチップは日常生活に欠かせない存在です。

参考: Finasee「ナスダックに上場のARM(アーム)はAI相場をけん引するか?」
https://media.finasee.jp/articles/-/12537

(3) ソフトバンクグループとの関係(2016年買収、筆頭株主)

2016年、日本のソフトバンクグループがArm Holdingsを約3.3兆円で買収しました。これは当時、日本企業による海外企業の最大規模の買収でした。

2023年9月のNASDAQ再上場後も、ソフトバンクグループは過半数の株式を保有しており、筆頭株主です。

このため、Arm Holdingsは英国企業でありながら、日本のソフトバンクグループと深い繋がりがあります。

NASDAQ上場のARM株の基本情報

(1) 株価の確認方法(Yahoo Finance、NASDAQ公式サイト等)

ARM株の株価は、以下のサイトで確認できます。

NASDAQ公式サイト

ナスダックの公式サイトでは、リアルタイム株価を確認できます。

参考: NASDAQ「Arm Holdings plc American Depositary Shares (ARM) Stock Price」
https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/arm

Yahoo Finance

最もポピュラーな株価情報サイトの一つです。リアルタイム株価、財務指標、チャート、ニュースなどを無料で閲覧できます。

参考: Yahoo Finance「Arm Holdings plc (ARM) Stock Price」
https://finance.yahoo.com/quote/ARM/

日本語サイト

日本の投資家向けには、以下のサイトが便利です。

(2) 時価総額と株価変動幅(52週レンジ80~183ドル)

ARM株は、価格変動が極めて大きい銘柄です。

  • 52週レンジ: 80.00~183.16ドル(2025年4月7日~2025年10月27日)
  • 時価総額: 約1,486億ドル(2025年11月時点)

2025年10月に183ドル超の高値をつけた後、11月には149ドル前後まで下落するなど、短期間で大きく変動しています。

(3) アナリストの評価と目標株価

アナリストの評価は分かれています。

  • みんかぶ(米国株)の目標株価: 169.62ドル、「買い」評価
  • Loop Capitalの目標株価: 155ドルから180ドルに引き上げ、「買い」評価
  • アナリストの平均目標株価: 166.72ドル(MarketBeat)

一方で、高値圏での購入には注意が必要との声もあり、アナリストの評価が分かれています。

参考: MarketBeat「ARM (ARM) Stock Forecast and Price Target 2025」
https://www.marketbeat.com/stocks/NASDAQ/ARM/forecast/

日本からARM株を購入する方法

(1) 日本の証券会社(楽天証券、SBI証券等)

日本の主要証券会社では、米国株取引が可能です。

  • 楽天証券: 米国株の取扱銘柄が豊富で、取引手数料は約定代金の0.495%(最低0ドル、上限22ドル)
  • SBI証券: 米国株取引に強く、取引手数料は約定代金の0.495%(最低0ドル、上限22ドル)
  • マネックス証券: 米国株の情報が充実しており、取引手数料は約定代金の0.495%(最低0ドル、上限22ドル)

米国株取引を始めるには、まず証券会社で米国株取引の口座を開設する必要があります。

(2) 取引時間とサマータイムの影響

米国株式市場の取引時間は、米国東部時間で9:30am - 4:00pmです。日本時間では以下の通りです。

  • サマータイム期間中(3月第2日曜日~11月第1日曜日): 日本時間22:30~翌朝5:00
  • 冬時間(11月第1日曜日~3月第2日曜日): 日本時間23:30~翌朝6:00

サマータイムの切り替え時期には、取引時間が1時間変わるため注意が必要です。

(3) 購入手数料と為替手数料

米国株を購入する際には、以下の手数料がかかります。

  • 取引手数料: 約定代金の0.495%程度(証券会社により異なる)
  • 為替手数料: 円をドルに換える際の手数料(片道25銭程度)

為替手数料は、ドル建てで米国株を購入する場合に発生します。証券会社によって為替手数料が異なるため、事前に確認することが推奨されています。

ARM株のメリットとリスク

(1) メリット(AI関連、世界シェア、成長性)

ARM株に投資するメリットとして、以下が挙げられます。

AI関連銘柄として注目

ARM設計のCPUは、AI処理に適した設計も可能であり、AI関連銘柄として注目されています。AI市場の成長とともに、ARMの需要も増える可能性があります。

世界シェアの高さ

世界中のスマートフォンのほとんどにARM設計のCPUが搭載されており、圧倒的な市場シェアを誇ります。

成長性

2025年第3四半期の業績予想が市場予想を上回り、売上高が前年同期比32.0%増と好調な業績を記録しました。今後の成長性にも期待が持てます。

(2) リスク(高ボラティリティ、為替リスク、アナリスト評価の分散)

ARM株に投資するリスクとして、以下が挙げられます。

高ボラティリティ

52週レンジが80.00~183.16ドルと非常に広く、価格変動が極めて大きい銘柄です。2025年10月に183ドル超の高値をつけた後、11月には149ドル前後まで下落するなど、短期間で大きく変動しています。

このため、ハイリスク・ハイリターン銘柄であり、高いリスク許容度が必要です。初心者向けとは言えません。

為替リスク

米国株はドル建てで取引されるため、為替レートの変動により、日本円換算での投資額が変動します。円高ドル安になると、円換算での評価額が下がる可能性があります。

アナリスト評価の分散

アナリストの評価が分かれており、「買い」推奨もあれば、高値圏での購入に注意を促す声もあります。投資判断は慎重に行う必要があります。

(3) 税金(配当課税、売却益課税)

米国株投資では、以下の税金がかかります。

  • 配当課税: 米国で10%、日本で約20%(NISA口座でも米国分は課税)
  • 売却益課税: 日本で約20%(NISA口座では非課税)

税金の詳細は、税理士や証券会社に確認することが推奨されています。

まとめ:ARM株への投資判断

NASDAQ ARMは、Arm HoldingsのNASDAQ上場株です。Arm HoldingsはCPU設計ライセンスを専門とする半導体企業で、世界中のスマートフォンのほとんどにARM設計のCPUが搭載されています。

2023年9月14日にNASDAQに上場(IPO価格63.59ドル)し、ソフトバンクグループが筆頭株主として過半数を保有しています。

次のアクション:

  • Yahoo FinanceやNASDAQ公式サイトでARM株の株価と財務指標を確認する
  • みんかぶ(米国株)、日経新聞でアナリスト評価と最新ニュースを確認する
  • 日本の証券会社で米国株取引の口座を開設する(まだの場合)
  • 52週レンジ80~183ドルという高ボラティリティを理解し、リスク許容度を考慮して投資判断を行う

ARM株は価格変動が極めて大きく、ハイリスク・ハイリターン銘柄です。投資判断は自己責任で行い、リスク許容度を十分に考慮することが推奨されています。

※この記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄を推奨するものではありません。投資判断は自己責任で行ってください。

よくある質問

Q1NASDAQ ARMとは何?

A1Arm Holdings(アーム・ホールディングス)のナスダック(NASDAQ)上場株のことです。ティッカーシンボルはARMで、2023年9月14日にIPOしました。

Q2ARMとソフトバンクグループの関係は?

A22016年にソフトバンクグループがARMを買収し、現在も過半数を保有している筆頭株主です。2023年に再上場しました。

Q3ARMの株価はどこで確認できる?

A3Yahoo Finance、NASDAQ公式サイト、日経新聞、みんかぶ(米国株)などで日本語またはリアルタイムで確認可能です。

Q4ARM株は初心者向け?

A452週レンジが80~183ドルと変動が極めて大きく、ハイリスク・ハイリターン銘柄です。高いリスク許容度が必要で、初心者向けとは言えません。

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Single Stock編集部

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